年賀状 2     100句

漫畫を描く少年となり賀状くる   高島茂   鯨座

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雪すでに深しと北の賀状来る 岡本眸 200402
賀状刷る版画の猿が吾に似し 飯田政子 築港 200402
仔犬にも美容院より賀状来る 萬条ハマヨ 帆船 200403
桃太郎猿の供する賀状来る 朝倉富次 酸漿 200403
三枚の差出人なき年賀状 戸原春彦 帆船 200403
今年また来し代筆の年賀状 浜明史 風土 200403
みごもりしこともメールに賀状かな 堀田知永 雲の峰 200403
愛犬の名も連ねたる賀状かな 渡部義次 雲の峰 200403
メール世代も賀状は筆を使ひをり 池水雅子 200403
賀状読む飼ひ猫の名の添へてあり 大石登志美 築港 200403
賀状来ぬ友に安否の電話する 高木昌子 築港 200403
面影を浮かべ今年も賀状書く 増田祐三 帆船 200403
来し賀状のファイル子等にも作らせぬ 池水雅子 200403
年賀状に添へられ届く資料かな 増田祐三 帆船 200403
百態の申のかけ込む年賀状 福谷三保子 帆船 200403
添へ書きはみな声もちて年賀状 鷹羽狩行 200403
恋文のやうに返しの賀状書く 小林正史 200404
旧友の皆多忙なる賀状かな 石川英利 百鳥 200404
年賀状届かず恋の終りかな 鈴木えり子 百鳥 200404
一句添へ手漉きとわかる賀状かな 村上沙央 200404
客去りて夜のしじまに読む賀状 中島霞 ぐろっけ 200404
イヤリング似合ふと言はれ賀状書く 物江昌子 六花 200404
賀状より飛んで猿の親子かな 津田礼乃 遠嶺 200404
重複の賀状なりしよ名を読めり 片山タケ子 200404
さりげなく湯宿の誘ひ年賀状 中谷喜美子 六花 200404
転勤の度に増えたる賀状かな 藤森万里子 百鳥 200404
賀状受けこぼる涙も齢かな 大西正栄 雨月 200404
元教師元少年に書く賀状 村上沙央 200404
年賀状夫より多くなりにけり 鎮田紅絲 200404
失名でわかる筆跡年賀状 安養寺美人 200405
ライバルの先制パンチ賀状の句 北尾章郎 200405
年賀状ポストに重き音落す 竹内方乃 ぐろっけ 200405
人日を賀状の整理なるもして 野沢しの武 風土 200409
名前なき賀状を深夜までにらむ 山田六甲 六花 200502
字幕のやう一言添ふる年賀状 赤座典子 あを 200502
壽と一字の賀状もらひけり 山田六甲 六花 200502
賀状にも人を誹諺の定規文字 伊藤白潮 200502
台北の派手な賀状の聨に似て 鈴木榮子 春燈 200502
住所録左手で繰り賀状書く ことり 六花 200503
賀状十通見るに半刻笑まひつゝ 高千夏子 200503
手前味噌すこし加へて賀状書く 飛鳥由紀 200503
一行詩創るつもりの賀状書く 中村恭子 200503
盲導犬の名のある賀状賜りぬ 村越化石 200503
年賀状後は人来る気配なし 高山志げる 築港 200503
年賀状書けるしあはせ涌いてくる 数長藤代 200503
八ケ岳白寿より来し賀状かな 小澤俊子 帆船 200503
嫁ぎたる娘に賀状なほ二三通 大橋晄 雨月 200503
菓子食べぬ一日長し賀状書く 林裕美子 六花 200503
賀状書く自分好みの手書にて 古賀貞美 築港 200503
獣医より犬の名をそへ年賀状 國田ヤエ子 帆船 200503
カラーインクなど買ひ足して賀状刷る 中村克久 雲の峰 200503
切れさうな縁を繋げて賀状書く 木内美保子 六花 200503
得心の一句を添へて賀状来る 高畠英 河鹿 200504
賀状書く机の端に猫坐る 藤田千代江 200504
一年の無沙汰を詫びる年賀状 三橋早苗 ぐろっけ 200504
一筥に旧友つどふ賀状かな 白神知恵子 春燈 200504
朱の濃淡とさかにもあり年賀状 白旗いちこ 200504
賀状来ぬ人を思ひて暮れにけり 小阪喜美子 遠嶺 200504
いまだ見ぬ国より届く年賀状 澤藤蓑助 200504
版画の技慣ひとしたる賀状来る 大橋晄 雨月 200504
束で来し賀状双手に一礼す 長谷川春 200504
一枚の墨の滲める賀状かな 田中武彦 六花 200505
明けまして死んだ人から年賀状 坂本敏子 京鹿子 200505
戒名の妻への賀状書きにけり 梶浦玲良子 六花 200505
絶筆となりし賀状の届きけり 長井順子 200505
若き日のぽっと現わる賀状あり 中野熙子 200506
賀状の字乱れて記憶の恩師若し 福山至遊 200506
律義者の賀状型通りの楷書 福山至遊 200507
賀状ただ戰場の友へしたたむる 瀧春一 菜園 200509
日の当たる縁側で読む年賀状 田口武 さうぢやなくても 200512
海想ひ山想ひ年賀状書く 田口武 さうぢやなくても 200512
年賀状戌の一字の福福と 水谷ひさ江 六花 200601
遺族よりつづくえにしの年賀状 稲畑汀子 ホトトギス 200601
賀状書く夫の版画の三色刷り 大槻英子 200602
賀状書く少しの言葉心込め 須賀敏子 あを 200602
いのち拾ひしと添書賀状来る 伊藤白潮 200602
今年誰にも賀状書けずに影を踏む 高千夏子 200603
犬の絵のポーズそれぞれ賀状来る 沼口蓬風 河鹿 200603
今生に賜ふ触れ合ひ賀状受く 村越化石 200603
日本の冬が恋しと年賀状 池部久子 酸漿 200603
年賀状だけの交はり減りつ増ゆ 佐渡谷秀一 春燈 200603
年賀状一筆欲しと思ひけり 芝尚子 あを 200603
亡き人に賀状の束の来りけり 長澤健子 酸漿 200603
賀状書く白き筆先ほぐしつつ 石上宗花 200603
一徹な筆一行の年賀状 小林眞彦 遠嶺 200604
愛犬も一役声の年賀状 木村冨美子 遠嶺 200604
愛犬の主役のポーズ賀状来る 園田その子 河鹿 200604
愛犬の写真にまみゆ年賀状 木下もと子 200604
Kさんの逝かぬつもりの年賀状 生方義紹 春燈 200604
癌切ると墨痕淋璃たる賀状 堀口希望 200604
かにかくに生きて賀状を書けるとは 中上照代 火星 200604
その人の声の聞ゆる賀状かな 立石萌木 雨月 200604
級友の一人も欠けず賀状受く 黒坂綾子 200604
戦友と賀状遣取り六十年 田中峰雪 雨月 200604
息災を賀状に托す疎遠かな 廖運藩 春燈 200604
達者かと九十歳の師の賀状 寺沢千都子 万象 200604
寝たきりの賀状再三再四見る 佐藤山人 200605

 悼 阿部慧月様

たまはりし賀状に偲びゐるばかり

稲畑汀子 ホトトギス 200612
シューマンをもう弾かざると賀状来る 小澤克己 遠嶺 200701
「賀状無礼します」友の便りや桐一葉 舘泰生 風土 200701
年賀状→ 3      

 

2021年1月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。