年賀状 3     100句

長命寺さくらもちより賀状かな   久保田万太郎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
愛犬も家族の一人賀状書く 須賀敏子 あを 200702
病み抜きて賀状に礼を添へにけり 雑賀淑江 200702
字のみだれ賀状を書くを止めにけり 加藤志峰 200702
賀状一枚暮にこの世を去りし人 堀内一郎 あを 200702
賀状くるその健かき猪の牙 鈴鹿仁 京鹿子 200702
年賀状の臥猪ふすいの牙のなかりけり 松崎鉄之介 200703
入院の妻にも届く年賀状 朝倉富次 酸漿 200703
賀状読むカタカナ辞典かたはらに 芝宮須磨子 あを 200703
賀状書く手を止めて聞く夜の雷 舛田初惠 酸漿 200703
賀状書煮豆とろ火の火の加減 川原典子 酸漿 200703
賀状読みふるさとの山鮮明に 高野幸次 200703
賀状書く干支猪の亡父偲び 山崎泰世 200703
賀状書く雨音に耳欹てて 前川明子 200703
落款を捺して賀状の改まる 中村悦子 200703
賀状書くさなかイエスの使徒来る 富沢敏子 200703
十二月賀状欠礼今日も又 岩崎憲二 京鹿子 200703
健康を託せし医師に賀状書く 秋田直己 ぐろっけ 200703
猪の飛び出しさうな年賀状 中山静枝 200703
ぬるき茶や免罪符めく賀状書く 生方義紹 春燈 200703
美しき手書きの賀状給はりぬ 池崎るり子 六花 200704
母在す施設気付けの賀状書く 相良牧人 200704
賀状来るやこの友もまた老を言ふ 中原敏雄 雨月 200704
賀状書く憎みし憶ひ淡くなり 上田敬 遠嶺 200704
廻し読みして源氏名の賀状かな 橋本和子 200704
戦友の手書きうれしき年賀状 有田蟻太 200704
教へ子の賀状のなべて子煩悩 久留米脩二 馬醉木 200705
立直りたる気配溢るる賀状かな 津野朝子 馬醉木 200705
年賀状碧眼の児は友の孫 神田惣介 京鹿子 200706
賀状来し泣き虫がもう古希と言ふ 横山迪子 六花 200706
母在す施設気付の賀状書く 相良牧人 200801
賀状書く妻には妻の幼友達 須田紅三郎 200801
軽やかに足並揃へ賀状出す 森理和 あを 200802
安住の街の晩鐘賀状書く 大谷茂 遠嶺 200803
恩師訪はな賀状の文字の弱らるる 久保田雪枝 雨月 200803
佳き賀状忝けなしと拝受せり 鈴木榮子 春燈 200803
子の文字に筆勢こもる賀状かな 岡光子 酸漿 200803
失念の実名しつかと賀状かな 布川直幸 200803
賀状来る世相の愚痴の多さかな 仁平則子 200803
酒断つとひと言を添へ賀状書く 中原敏雄 雨月 200803
賀状受く金子兜太氏一番上 松崎鉄之介 200803
賀状にも一句したため一俳徒 中村悦子 200803
生きてゐる印に書けり年賀状 松田邦子 200803
疎遠なる友の賀状の筆太に 若松一男 200803
くたびれし賀状の届く七日過ぎ 築城百々平 馬醉木 200803
長々しき京都の宛名賀状書く 塩田博久 風土 200803
患者への返し賀状は懇ろに 築城百々平 馬醉木 200803
まひの手で賀状をさする特養棟 岡有志 ぐろっけ 200804
ミステリーな名の無い賀状謎解かむ 上原朝子 200804
一泊の山の宿より来し賀状 高橋邦夫 風土 200804
差し出しの名前忘れし年賀状 大空純子 ぐろっけ 200804
百歳は生くると豪語賀状賜ぶ 久保晴子 雨月 200804
耳さとき兄の枕辺賀状読む 丸山照子 火星 200804
未熟児の笑顔の賀状淑気あり 大房帝子 酸漿 200804
会はざれば友みな若し賀状かく 平野伸子 馬醉木 200804
父よりの最後の年賀状の文字 梅原幸子 遠嶺 200804
存命の恩師は一人賀状書く 村上沙央 200804
故郷のことこまごまと賀状来る 金森教子 雨月 200804
大病に克ちたる友の賀状かな 久保晴子 雨月 200804
それとなく引抜き置ける賀状あり 朝倉富次 酸漿 200805
賀状受く世に忘られず生きる幸 神前あや子 ホトトギス 200806
松の内まで積み重ねおく賀状 大橋敦子 雨月 200901
をとこかと見まごうやうな賀状かな ことり 六花 200901
また一つ字郡消ゆ年賀状 金田美恵子 ぐろっけ 200901
反芻のまた始まりし年賀状 竹貫示虹 京鹿子 200901
散らし書く賀状の恋の一首かな 山田六甲 六花 200901
賀状読む時間は別にありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200901
クリスマスケーキ傍へに賀状書く 鎌倉喜久恵 あを 200902
半世紀欠かさず交す賀状かな 大橋晄 雨月 200902
気に入りのCDに変へ賀状書く 赤座典子 あを 200902
金星を仰ぎつ賀状投函す 早崎泰江 あを 200902
今年またそこばく増えて年賀状 高木智 京鹿子 200903
傘寿です今年限りと年賀状 赤座典子 あを 200903
病む友の良き事ありし年賀状 大西裕 酸漿 200903
木漏れ日のやうな付合ひ賀状くる 田中藤穂 あを 200903
賀状書く覚へたてなるメールにて 須藤トモ子 200903
賀状書く老い送る友へ老いの愚痴 中尾硫苦 炎環 200903
添へ書きの一句まばゆき年賀状 吉沢陽子 200903
筆太の賀状や夜の銀の匙 橋本良子 遠嶺 200904
一葉の賀状に重さありにけり 青木民子 酸漿 200904
直筆の賀状に計る健康度 木下もと子 200904
古机共に歩めり賀状書く 神田惣介 京鹿子 200904
金色に僧の賀状の十牛図 村上美智子 雨月 200904
ひらがなの一つさかさま児の賀状 松本平八郎 炎環 200904
みづくきのほのと白寿の追賀状 益田寿美子 春燈 200904
賀状書き一と息田丸彌白川路 北村香朗 京鹿子 200904
食卓で事足り百の賀状書く 西村摩耶子 京鹿子 200904
かの人もはや退職ぞ賀状かな 松本平八郎 炎環 200904

 悼 戸田和子さん

吉祥天よりの賀状の遅く着く

椿和枝 200904
教へ子に敬語使ひて賀状書く 熊谷尚 200904
正座して賀状書きゐる朝かな KOKIA 六花 200904
絶筆の賀状に乱れありしかな 宮崎高根 200904
テータイム何度もありて賀状書き 北村香朗 京鹿子 200904
追憶へ誘ふ賀状ありにけり 吉川隆 春燈 200904
添へ書きの一句のにじむ賀状かな 松本平八郎 炎環 200904
まだ生きるつもりかなどと賀状来る 野沢しの武 風土 200905
入院の母に届くる年賀状 苑実耶 200905
無名氏の賀状が籤に当たりけり 長浜徳三 春燈 200905
去年の問今年の賀状で返答す 伊吹之博 京鹿子 200905
教へ子の賀状見事な筆遣ひ 三浦如水 はらから 200911
ファックスてふ賀状稲畑汀子邸 稲畑廣太郎 ホトトギス 200912
年賀状 →4      

 

2021年1月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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