年賀状 1     100句

一団の年賀状にぞ襲はれし   相生垣瓜人   明治草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
血書もて写経するごと賀状書く 三浦勲 199902
賀状出しに月光浴びに夜道ゆく 林翔 199902
五十年賀状交はせる友健在 上野正子 199904
兎足筆先にはね賀状来る 渡辺純 京鹿子 199904
声出して読めり点字の年賀状 林昇 199905
賀状千交し恙やつちのと卯 羽田岳水 馬醉木 199906
年賀状若き人の句抜きんでて 稲木款冬子 ヒッポ千番地 199906
賀状書く羞ひもあり生き過ぎて 能村登四郎 芒種 199911
賀状書く右手消えたる文机 山田六甲 六花 199912
年賀状遠き友より書きはじむ 田中藤穂 水瓶座 200002
ガリ版にこだはつてゐる年賀状 山田六甲 六花 200002
賀状書くわれより若き人へ人へ 林翔 200002
独学のパソコン自在賀状刷る 山田千代 200003
こだはりぬ思ひ当らぬ賀状にて 大橋敦子 雨月 200003
賀状書くたまに八方笑ひ龍 上田かつみ 京鹿子 200003
一葉の恋文めきし賀状かな 山田禮子 遠嶺 200004
逝き人に筆をとどめつ賀状書く 北村香朗 京鹿子 200004
賀状うけその近況のつぶさなり 木村杏子 雨月 200004
ピノキオの鼻は例えばわが賀状 塩見恵介 虹の種 200005
ワープロより毛筆勝ちし年賀状 吉田多美 京鹿子 200005
初恋の人の賀状の手のかなし 塩見恵介 虹の種 200005
年賀状読み返しいる老の日々 岩田ひろあき 船団 200006
賀状書く久しきうずの繁体字 秋葉雅治 200101
千枚の賀状積みしは十年前 松崎鉄之介 200101
読みもらふ賀状の束に合掌す 後藤房枝 200101
年賀状添へる一句にてこづりて 桑垣信子 いろり 200102
賀状書く静かな一日ありにけり 梅田秀子 酸漿 200102
会いたいといつも添書年賀状 松村美智子 あを 200102
今日もまた賀状一枚減ってゆく 室田美代子 いろり 200102
みとれたり賀状のこれぞ美少年 赤座典子 あを 200102
字が踊る孫の賀状のとどきたり 熊谷みどり いろり 200102
代筆を詫びる恩師の年賀状 赤座典子 あを 200102
卒寿なる恩師の賀状威ありけり 武政礼子 雨月 200103
一枚の賀状の重さ噛みしむる 久保晴子 雨月 200103
元気ですかは賀状の隅の合言葉 江本路代 酸漿 200103
年賀状おのれの抱負など書いて 松沢久子 いろり 200104
氷雪の国より来たる賀状の朱 柳生千枝子 火星 200104
一字なる男の賀状海より来 栗山よし子 馬醉木 200104
どれも皆同じ字体の年賀状 桑原敏枝 いろり 200104
年賀状くらいは出せよ圭三殿 浅海好美 船団 200105
暗がりに小走る寝巻賀状出し 神野佐嘉江 船団 200105
年賀状ながすぎるヘビえがきしか 小川千子 船団 200105
詐欺師から金のコブラの年賀状 ゆにえす 船団 200107
年賀状二度出すこれを老といふ 西川五郎 馬醉木 200202
北よりの賀状のぶれば沙汰のこと 宇都宮滴水 京鹿子 200202
還暦やうれしき人の賀状あり 福田みさを いろり 200202
賀状書き終へし夕日の白かもめ 遠藤真砂明 200202
筆勢のありて白寿の賀状かな 竹川美佐子 いろり 200203
賀状書く落ちつかぬ猫側に居て 佐野幸子 百鳥 200203
二十余年会ふこともなく賀状書く 長谷川守可 百鳥 200203
良寛の文字そつくりの賀状かな 石渡芳枝 200203
胡筆とて意のままならず賀状書く 友田直文 200203
暖房を一人じめして賀状読む 塚村素代 いろり 200203
生存の証しのごとく賀状書く 上林孝子 200204
隔てたる月日けぶらふ賀状かな 上林孝子 200204
賀状書く喪中葉書を横に置き 山口和子 ぐろっけ 200204
家中が年賀状読む遅き朝 北畠明子 ぐろっけ 200204
豆撒きしあと春節の賀状受く 松崎鉄之介 200204
どっと来て少しづつ来て年賀状 利根川妙子 200204
うつ伏して寝てしまいけり賀状書き 小林玲子 ぐろっけ 200204
カンガルー描きメルボルンより賀状 和田一 雨月 200204
麗しき賀状遙けき青春賦 上田繁 遠嶺 200204
マドンナへタイムスリップ賀状来て 辰巳比呂史 200205
年賀状まだくる妻の三回忌 栗田まさし 六花句集 200205
師の賀状その一枚も絶えにけり 三嶋隆英 馬醉木 200206
一病を宥め宥めて賀状書く 吉村ひさ志 ホトトギス 200207
その人とすぐわかる文字年賀状 塩川雄三 潮路 200210
賀状から羊が一匹二匹…かな 信崎和葉 六花 200301
賀状書き終へしに届く喪の葉書 安陪青人 雨月 200302
子に孫に曾孫に賀状書きにけり 高木勝子 帆船 200302
賀状書く萩の筆軸やや曲り 鈴木夫佐子 200302
賀状書き終へて賀状の嵩を見る 塩川雄三 築港 200303
転校生七拾年の年賀状 玄内栄 帆船 200303
郵便夫挨拶交し賀状受く 竹内紫翠 築港 200303
さまざまな羊の賀状並べみる 板倉幸子 築港 200303
故里のかぞへ歌あり年賀状 岡田房子 酸漿 200303
彼の人に賀状出さうか出すまいか 大塚まや 京鹿子 200303
年金の暮し謳歌と賀状かな 菊地英雄 酸漿 200303
戦争を知る人強し賀状受く 永田延治 帆船 200303
肩痛め賀状遅れの詑びも添へ 奥村鷹尾 京鹿子 200303
手で押さへ賀状の嵩を推し量る 鷹羽狩行 200303
白々と明け初めしまで賀状書く 三澤福泉 雲の峰 200303
賀状千喪中葉書も五十ほど 鷹羽狩行 200303
賀状での主役の孫が顔を見す 松下君子 築港 200303
いやになり懐かしくなり賀状書く 三嶋隆英 馬醉木 200303
教へ子の自慢文字太年賀状 伊藤千恵子 帆船 200303
和紙の花一輪咲かせ賀状来る 市橋幸代 築港 200303
横文字の賀状年毎増えて来し 阿部一彦 築港 200304
島の医となりし友より賀状来る 滝本香世 百鳥 200304
予後はよし癌全摘とある賀状 山下青披 200304
代の字の書き添へられし賀状かな 滝本香世 百鳥 200304
彼ならむ律儀な文字の年賀状 石川等 200305
三十年余続き教へ子より賀状 杉山瑞恵 雨月 200305
賜りし法被姿の師の賀状 原島ふじ子 遠嶺 200305
番地書き忘れし賀状四日かな 鳴海清美 六花 200305
子の賀状羊が笑ってをりにけり 千坂美津恵 200305
藷版の字の端の欠くる賀状かな 落合由季女 雨月 200305
もの言へばマスクのずれて賀状書く 山田六甲 六花 200312
筆の穂の機嫌なだめつ賀状書く 細川知子 ぐろっけ 200312
賀状書くレンヂのタイム六分に 坂本フジ 帆船 200401
年賀状→ 2      

 

2021年1月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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