どんぐり 3     140句 (他季を含む)

団栗を掃きこぼし行く帚かな    高浜虚子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
団栗を欲しがる婆に孫思案 小城綾子 200812
団栗を踏みたじろぎし神の森 岸はじめ ぐろっけ 200812
どんぐりは子等の魔法に独楽となる 木原今女 ぐろっけ 200812
どんぐりをポッケに森の精となる 新井田晃 遠嶺 200901
どんぐりのころがつてくる起工式 長谷川智弥子 炎環 200901
団栗の袴拾ひし石畳 黒澤登美枝 200901
どんぐりのあをあを熊の喰みこぼし 藤井みち子 200901
愛宕社の団栗まろぶここかしこ 大井彌雨 雨月 200901
団栗や塩おむすびを一つづつ 森理和 あを 200901
団栗の秘密の基地に行き着きぬ 柳川晋 200902
檜苗どんぐり山に植ゑられて 大坪景章 万象 200902
どんぐりのそれぞれの名を未だ知らず 北畠明子 ぐろっけ 200902
団栗を覆ひ尽くせし春落葉 山田六甲 六花 200903
団栗をピテカントロプスめくひろふ 吉弘恭子 あを 200904
チャイコフスキーの墓碑へどんぐり一つ置く 林和子 万象 200908
どんぐりの透けて母子のレジ袋 鶴見遊太 200101
仮の世をどんぐりころころいとこ会 藤野寿子 あを 200911
放課後はどんぐり山へ直走り 徳田千鶴子 馬醉木 200912
団栗の機銃掃射やログハウス 藤見佳楠子 200912
どんぐりをのせるきりんの長い舌 石原みどり 炎環 200912
どんぐりが孤独を叩く日暮かな 上原重一 200912
どんぐりを風に拾ひし賢治の忌 吉澤恵美子 春燈 200912
団栗の夜攻め夜すがら峡の宿 石田康明 春燈 200912
空蝉にもたれてどんぐり小僧かな 西山美枝子 酸漿 200912
どんぐりを載せ童心の掌 松本和子 酸漿 200912
侘びしさに踏めるどんぐり峡育ち 小澤菜美 201001
団栗や方一尺の木椅子打つ 小川玉泉 末黒野 201001
団栗と目くばせ交す山の晴 近藤紀子 201001
幼子とどんぐりころころ探す日よ 有村キミ子 酸漿 201001
踏み行ける団栗割れる音のして 橋本ふさ子 201001
団栗を窓より投げてけふ終はる 大崎紀夫 やぶれ傘 201001
団栗や金時山の武者震ひ 鶴見遊太 201002
どんぐりの遣る方無きの踏まれやう 池端英子 ろんど 201002
どんぐりの森に始まる野外劇 川口襄 遠嶺 201002
団栗や宇宙の旅のパスポート 遠藤和彦 遠嶺 201002
団栗を並べて孫と遊びけり 三羽永治 遠嶺 201002
どんぐりを踏んで蹠よみがへる 大西優九里 京鹿子 201002
団栗の木に繋がれし牧の山羊 渡邊孝彦 やぶれ傘 201002
団栗よ眠れポケットはあったかい 古川忠利 ろんど 201003
団栗の大きさ比べ昼深し 白石正躬 やぶれ傘 201004
地に落ちしどんぐり太き芽を出せり 内藤恵子 万象 201008
団栗を踏んで滑って六地蔵 吉弘恭子 あを 201010
どんぐりを並べて守衛室は留守 柴田志津子 201011
お土産のどんぐり並べ三歳児 土井くみこ 201012
団栗に打たれて少し若くなり 杉山哲也 馬醉木 201012
団栗をいくつも落す夢の端 松原仲子 201012
徒然や団栗片手に偽手品 松嶋一洋 201012
団栗を持つ手に止まる子の瞳 松嶋一洋 201012
隠したる団栗落ちる手品かな 松嶋一洋 201012
どんぐりや童のままの道祖神 吉川隆 春燈 201101
縄文の智恵や団栗蓄へて 泉田秋硯 201101
その後は問はぬ団栗音に踏み 風間史子 201101
まどろめる子よりどんぐり零れけり 三木千代 201101
団栗を見ればいまだに拾ひけり 松田泰子 末黒野 201101
どんぐりや去来三百六回忌 西村雪園 風土 201101
どんぐりも入れて幼の宝箱 大木清美子 201101
どんぐりを拾へば乗せて三輪車 加古みちよ 火星 201101
どんぐりにそれぞれの顔ありにけり 加古みちよ 火星 201101
団栗の独楽の揺れつつ走りけり 永田勇 六花 201101
団栗の芽や耕作を放棄せり 苑実耶 201101
どんぐりを握りしままのすべり台 前田玲子 ぐろっけ 201101
どんぐりや乳呑児笑ひみな笑ふ 森理和 あを 201101
木洩れ日を踏んで団栗拾ひかな 白石正躬 やぶれ傘 201101
団栗を貯めて少年富者気分 泉田秋硯 201102
山よりの種ぐさのこゑ団栗と 雨村敏子 201102
どんぐりの就職先はお決りか 田中一美 ろんど 201102
団栗や樹上の栗鼠と目の合へり 外山節子 末黒野 201102
どんぐりに頭を打たれ誕生日 改正節夫 ぐろっけ 201102
団栗の木橋に落つる音のあり 渡辺玄子 酸漿 201102
どんぐりのこぼるるがありリフト駅 満川房子 酸漿 201102
初しぐれどんぐり山の匂ひけり 戸栗末廣 火星 201103
団栗で独楽回し児等遊ぶ昼 武智恭子 ぐろっけ 201103
どんぐりを拾ひて浮かぶ童唄 中野久雄 末黒野 201104
どんぐりの落ちてころげて拾はるる 安居正浩 201112
大名の庭の団栗拾ひけり 小川玉泉 末黒野 201201
どんぐりの新参古参桐文箱 荒木甫 201201
爪先にどんぐりころころ急ぐなよ 大坪景章 万象 201201
団栗が地球をノックする音か 鳳蛮華 201201
どんぐりが踏まれ泣くもの笑ふもの 小野寺節子 風土 201201
どんぐりのありてまわりをみまはせり 年森恭子 ぐろっけ 201201
団栗に昔を拾ふ里の山 増田甚平 ろんど 201201
団栗落つまた一つ落つ女坂 北村梢 京鹿子 201201
団栗やボーイスカウト飯を炊く 平野数子 京鹿子 201201
ポケットに鍵と小銭とどんぐりと 諸岡和子 201201
マウスパッドに団栗の独楽廻す 廣瀬雅男 やぶれ傘 201201
ふところの団栗なにか孵へりさう 荒井和昭 201202
団栗をポケット一杯園児たち 古林田鶴子 ぐろっけ 201202
どんぐりを拾へば子等の顔に似て 伊吹之博 京鹿子 201202
「団栗だ」笑顔ものせる掌 上野紫泉 京鹿子 201202
受付にどんぐり結婚相談所 涼野海音 火星 201202
団栗の風なきに落つ風に落つ 阿部綾子 ろんど 201202
転げ来しどんぐり拾ふ九段坂 栗下廣子 万象 201202
団栗の十も二十もポケットに 安藤久美子 やぶれ傘 201202
筆箱のどんぐりかろし冬至来る 奥田順子 火星 201203
春光や魔除けの獅子の団栗目 鈴木一三 末黒野句集 201203
迷ひ来し団栗橋や栗の花 中川すみ子 201209
洗濯の渦に団栗見え隠れ 伊藤憲子 201211
踏場なく団栗の木を見上げけり 山田六甲 六花 201211
どんぐりは四半時にて手をのがれ 佐藤喜孝 あを 201212
団栗や少年の手に玉手箱 黒澤登美枝 201212
団栗を拾ひてもまた持て余す 高倉和子 201212
団栗をこぼして母へ駈け寄りぬ 長節子 201212
どんぐりも園児もころころ遊歩道 鈴木セツ 201301
団栗の領土広げるころげやう 安居正浩 201301
大木となる力秘め団栗は 隅田恵子 雨月 201301
どんぐりの転がる如く老いにけり 芝孝子 末黒野 201302
どんぐりに子の体温の移りゆく 史あかり ぐろっけ 201302
青空の深さどんぐり落ちる音 田中藤穂 あを 201302
壁倒立できて団栗こぼしけり 石井勇 末黒野 201302
団栗や踏まれて笑ふ心立て 藤井久仁子 ぐろっけ 201302
団栗に目鼻を入れて泣きし児に 加藤峰子 201302
団栗を踏みどんぐりを拾ひをり 谷村幸子 201303
東大寺団栗も食む鹿の群れ 木本蓚 ぐろっけ 201303
団栗を踏みどんぐりを拾ひをり 谷村幸子 201303
大甕に団栗坊のかくれんぼ 植田桂子 馬醉木 201311
団栗や林の奥に絵画館 塩田博久 風土 201311
バス停の木蔭どんぐり降り止まず 田村加代 末黒野 201312
団栗の大きく見ゆる二歳の手 土井久美子 201312
空高しどんぐりコロコロ屋根叩く 丸山酔酔子 かさね 201312
団栗や童心むしろ父親に 塩田博久 風土 201312
団栗をぷちぷち踏みて子に返る 土井ゆう子 風土 201312
団栗を拾ふに四足めく構へ 荒木甫 201312
ままごとの団栗拾ふあるじかな 阪本哲弘 201401
黒土を踏めば団栗弾け飛ぶ 田中信行 201401
教卓のどんぐり児らの贈物 杉山瑞恵 雨月 201401
団栗の笑ひ涙が落ちて来る 丸井巴水 京鹿子 201401
団栗の落ちてしまえば小石の類 貝森光洋 六花 201401
団栗は袋を溢れ反抗期 甲州千草 201401
団栗を山盛にして栗鼠の墓 須賀敏子 あを 201401
どんぐりのころころ若者村を捨て 池田かよ ぐろっけ 201401
どんぐりや有耶無耶といふ着地点 松本千花 201401
杜の道団栗混じる砂利の音 森岡陽子 かさね 201401
靴裏に嵌る団栗道連れに 岩崎可代子 ぐろっけ 201402
団栗に大樹が託す命かな 高橋将夫 201402
団栗の五、六個友を悼みをり 宇都宮敦子 201402
団栗は踏みつぶされてランナー消ゆ 松本アイ ぐろっけ 201402
団栗や帽子を脱げば土方焼け 吉井潤 ぐろっけ 201402
どんぐり踏む子ども還りの城の道 伊藤希眸 京鹿子 201403
どんぐりの古代の色の精気かな 石川寿夫 ろんど 201403
団栗や木隠れに栗鼠登り降り 塩田博久 風土 201410
どんぐり →4      

 

2021年10月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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