どんぐり 3     134句

団栗を掃きこぼし行く帚かな    高浜虚子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
団栗の耳飾り落ち交差点 杉原ツタ子 201412
どんぐりを拾ひ集めて弥次郎兵衛 増田一代 201501
団栗やだまされてゐる児の手品 白神知恵子 春燈 201501
転がつて団栗の知る濁世かな 塩野谷慎吾 201501
団栗を拾ふ子野外コンサート 村上留美子 火星 201501
どんぐりを踏まねば亡母に近寄れず 生田恵美子 風土 201501
団栗を踏んでどんぐり拾ひけり 藤生不二男 六花 201501
山奥の団栗らしき大きさよ 橋本順子 201501
貯金箱どんぐり一つありにけり 溝測弘志 六花 201501
どんぐりを茶店に残し帰りけり 藤生不二男 六花 201501
仏足石日々団栗の喜捨を受く 田中貞雄 ろんど 201501
団栗落つ緑のままも交りをり 赤座典子 あを 201501
どんぐりやうしろの正面裁判所 山本久江 201502
原城の跡のどんぐり独楽にせむ 荒井千佐代 201502
団栗や砂場の砂の黒ずんで 渡邊孝彦 やぶれ傘 201502
手の中に団栗といふ故郷かな 伊藤憲子 201502
団栗のいつか芽を出すため尖る 山下美典 ホトトギス 201503
どんぐりを手に遊ばせて風受けて 佐竹千代 やぶれ傘 201504
団栗の気丈怖ろし楕円形 鈴鹿仁 京鹿子 201510
どんぐりの弾と響かせ鳥散らす 鈴鹿仁 京鹿子 201511
団栗が降り水筒の水が揺れ 大島英昭 やぶれ傘 201511
どんぐりの転がり風がすこし押す 岡部玄治 201511
抽斗の団栗空へ親離れ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201512
どんぐりのお椀並べてけものみち 中道愛子 201512
街路樹の一本づつの団栗圏 高橋道子 201512
てのひらに団栗拾ふ墓参道 水井千鶴子 風土 201512
団栗をいつぱい拾ふ馬場の裏 池田光子 風土 201512
白砂の波にどんぐり二つ三つ 那須淳男 馬醉木 201601
団栗を数へて拾ふ我れ八十路 水谷直子 京鹿子 201601
団栗を投げて水音ひとつづつ 大崎紀夫 やぶれ傘 201601
団栗の落ちて丸太に鳴りにけり 大島英昭 やぶれ傘 201601
団栗や埴輪焼きたる窯の跡 瀬島洒望 やぶれ傘 201601
どんぐりごと洗はれてゐる子供服 柴田佐知子 201601
どんぐりを掃くころがしてころがして 岸洋子 201601
弾みきしどんぐり掴む札所寺 菊池洋子 やぶれ傘 201602
どんぐりを転がしてみる掌 秋山信行 やぶれ傘 201602
団栗の散らばる木の根あたりかな 野口朝世 やぶれ傘 201602
天地に委ねどんぐり木を離る 青木朋子 201602
常陸路やどんぐりころころ日の匂ひ 池田光子 201602
団栗やもう直ぐ吹けるハーモニカ 今村千年 末黒野 201602
息吹けばどんぐり笛の悲鳴かな 田尻勝子 六花 201602
どんぐりやどの子も粒よりそろばん塾 奥田筆子 京鹿子 201603
どんぐりの行き所なく踏まれけり 沼田巴字 京鹿子 201611
どんぐりとゆつくり行こう坂半ば 阪倉孝子 201612
団栗の踏み割られたる白さかな 山田六甲 六花 201612
バスを待つ母子団栗拾ひけり 赤松赤彦 六花 201612
どんぐりやもうすぐできる逆上がり 今村千年 末黒野 201612
どんぐりころころ靴下の穴ふたつ つじあきこ 201612
今落ちし団栗の肌唐三彩 七郎衛門吉保 あを 201612
王陵はどんぐり山となりにけり 金森教子 雨月 201701
団栗を桶に一杯くれてやる 瀬川公馨 201701
団栗の打つ音ドレソ六地蔵 池元道雄 馬醉木 201701
団栗の散らばるあたりより日向 大崎紀夫 やぶれ傘 201701
その辺にありしどんぐり独楽まはす 大崎紀夫 やぶれ傘 201701
団栗の中の大地の未来かな 山田佳乃 ホトトギス 201702
団栗の独楽倒れつつ回りをり 永田万年青 六花 201702
さんすうの応用どんぐり歩かせる 井上菜摘子 京鹿子 201702
弾みきしどんぐりにまだあるぬくみ 菊池洋子 やぶれ傘 201702
保育児の手にどんぐりや得意顔 久貝芳次 末黒野 201703
ソッポ向く団栗独楽と反抗期 平川陽三 船団 201707
どんぐりのこぼれてからの日の緊り 沼田巴字 京鹿子 201710
どんぐりころころ歌わない子と拾う つじあきこ 201712
客観が主観を育て青どんぐり 江島照美 201712
団栗はどこに落ちても無表情 三木享 201712
団栗の一つ転んで影持たず 鈴鹿呂仁 京鹿子 201712
銃弾のやうな団栗寺の磴 丑久保勲 やぶれ傘 201711
どんぐりを撥ねて自転車通りすぎ 大島英昭 やぶれ傘 201711
屋根へ向けどんぐり放る五つ六つ 白石正躬 やぶれ傘 201711
どんぐりの滑り台よりころげ落つ 菊池洋子 やぶれ傘 201712
どんぐりの袴はかせて並べをり 菊池洋子 やぶれ傘 201712
団栗を竹ばうきにて掃き散らし 大野芳久 やぶれ傘 201712
秋の雨どんぐり袴はづれけり 北村ちえ子 六花 201801
八十路われ団栗に足捉られけり 貞吉直子 馬醉木 201801
どんぐりのめり込んでゐるひづめ跡 南うみを 風土 201801
どんぐりに追ひこされけり男坂 太田良一 末黒野 201802
幼児にまじり団栗拾ひけり 小川玉泉 末黒野 201802
団栗の転がつてゐる兄の墓 田中佐知子 風土 201802
どんぐりに袂ふくらむ宮参り 森田節子 風土 201802
幼子に落ちし団栗拾ひやる 大橋晄 雨月 201803
飴色のどんぐり拾ふ良弁忌 上辻蒼人 風土 201803
下見たらあかん団栗拾いそう 田尻勝子 六花 201804
洗濯機の底にどんぐりこぼれをり あさなが捷 201801
ぶちまけしかに一面のどんぐり 角野良生 201803
産土の森までどんぐりの森まで つじあきこ 201812
どんぐりの喜色をつつみゐる夕日 大畑善昭 201901
どんぐりの並び集へり坂の下 磯野青之里 六花 201902
どんぐりこつん二重ロックを解除する 上野紫泉 京鹿子 201902
走り根にどんぐり弾む鞍馬山 小形博子 201902
どんぐりのはさまつてゐる木椅子かな 山田健太 風土 201903
団栗をこぼして大手町の森 田中藤穂 201904
団栗の墓地へ転がるまたひとつ 青木朋子 201905
団栗の蹴られころげ来靴の先 大山夏子 201905
梅小寒どんぐり橋を小走りに 井尻妙子 京鹿子 201907
庭師来て団栗一つ残さずに 稲畑汀子 ホトトギス 201910
団栗を踏みし音ある山路かな 稲畑汀子 ホトトギス 201910
地の窪に溜るどんぐり一家族 藤岡紫水 京鹿子 201911
落下せしどんぐり数多まだあをし 谷田貝順子 201911
大小の団栗落ちて朝かな 須賀敏子 あを 201912
山寺に団栗降つてジャズ暮れて 辻響子 201912
喝采のどんぐり山の句碑めざす 鈴鹿仁 京鹿子 201912
夢殿へ寄ろう二、三の団栗と 坪内稔典 船団 201912
団栗がころがつてゆく老いの坂 高橋将夫 201912
団栗の真っ直ぐ落つる池の中 蒲田豊彦 雨月 202001
どんぐりの顔を見つける一年生 大森尚子 風土 202001
台風後団栗道や櫟の実 北村ちえ子 六花 202001
団栗の落ちしばかりの音拾ふ 大杉映美 馬醉木 202001
また一つこぼすどんぐり小さき手 吉原ひろ子 末黒野 202002
団栗を拾ふ男に降るどんぐり 田尻勝子 六花 202002
団栗の跳ねて転がる石畳 吉田幸恵 やぶれ傘 202002
どんぐりの去来の墓をこつと打ち 渡辺やや 風土 202002
団栗の丸き長きも個性かな 岩下芳子 202002
当ててごらん団栗握る手はどつち 瀬島洒望 やぶれ傘 202002
どんぐりと昔話の中にゐる 福永光子 京鹿子 202002
どんぐりを拾う今日の旅ごころ 藪ノ内君代 船団 202003
ところ得るまでどんぐりの転ぶころぶ 角野良生 202006
団栗を並べて絵本読みきかす 青木朋子 202006
どんぐりや一木に寄り立ち話 近藤真啓 春燈 202007
団栗の落ちたばかりの薄みどり 大島英昭 やぶれ傘 202010
どんぐりを拾ふだれかのお祖母さん 井上菜摘子 京鹿子 202011
どんぐりの実を手にのせて山の道 堺昌子 末黒野 202012
熊の餌にどんぐり拾ふ少女かな 笹村政子 六花 202012
団栗や飛鳥は遙か彼方かな 谷口一献 六花 202012
団栗をこよなく愛す男かな 田尻勝子 六花 202012
団栗の元の袴にもどしけり 浜田久美子 六花 202012
団栗がコロコロ風と遊ぶやう 松村光典 やぶれ傘 202101
どんぐりの処を得たる向きむきに 笹村政子 六花 202101
団栗を選び拾ふ子蹴飛ばす子 湯本正友 やぶれ傘 202101
団栗を踏んだかはかまはじく音 神山市実 やぶれ傘 202101
どんぐりの転ぶ湯島や女坂 太田良一 末黒野 202102
団栗や小さき地蔵の膝頭 住田千代子 六花 202102
蓑虫のどんぐり眼や父恋し 沼田巴字 京鹿子 202109
団栗に足を取られしことも過去 稲畑汀子 ホトトギス 202110
団栗の二三転がる洗濯機 稲畑汀子 ホトトギス 202110
団栗の四つに机上改る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202110
勝ち独楽となりし団栗ポケットに 橋添やよひ 風土 202201
どんぐりを二つ握つて通園児 梅野宏子 末黒野 202201
団栗の踏み砕かれぬ散歩道 臼居澄子 末黒野 202201
団栗や鼓打つごと屋根を打つ 森竹治郎 末黒野 202201
団栗山はまほろばの臍にあり 古賀しぐれ ホトトギス 202202
どんぐりの転がり溜まる王墓かな 三井所美智子 202205
喘ぎつつ上る山坂団栗の芽 小林紫乃 春燈 202206
落ちてゐる団栗が芽を出してゐる 佐藤稲子 やぶれ傘 202206
どんぐりや縄文人は火を創り 山田正子 202206
ころころどんぐり柞の森は真昼 待場陶火 202210
団栗→1

 

2022年11月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。