大 寒 6    136句

あゝとひて吾を生みしか大寒に   矢島渚男   木蘭

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大寒の地につまづけば血のさはぐ 丸山佳子 京鹿子 201202
大寒や日がな弾けし子らの声 黒澤登美枝 201203
大寒の大きく肩を廻しけり 黒澤登美枝 201203
大寒や母の手首の透き通る 鈴木セツ 201203
弔文の稿大寒の灯をおごり 神蔵器 風土 201203
大寒や出勤の子の武装して 三輪慶子 ぐろっけ 201203
大寒に真夏の国のテニス追ふ 赤座典子 あを 201203
心ふくらむ大寒の梅林 近藤きくえ 201204
大寒の樹の皮厚く構へたる 岩下芳子 201204
大寒の矢面に立つ耳朶ふたつ 細川洋子 201204
やはらかく踏み大寒の青畳 神戸やすを 201204
大寒や水の音なき雑木山 都丸美陽子 春燈 201204
指揉みてより大寒のピアニスト 大森道生 春燈 201204
大寒や硯の海の波静か 神蔵器 風土 201204
大寒や水の器に水満たす 田村すゝむ 風土 201204
大寒波山から小僧がとんで来る 塩田博久 風土 201204
大寒波庭の錆色極まれる 塩田博久 風土 201204
大寒の湖ことごとく星写す 宮崎きみ枝 201204
大寒や脹雀は藪の中 堀畑朋子 末黒野 201204
大寒や五百羅漢のあつけらかん 石倉千賀子 ろんど 201204
赤福本店大寒波居座りぬ 藤田素子 火星 201204
大寒の昼月淡し天あをあを 笠置早苗 火星 201204
大寒の水の器か昏き滋賀 服部郁史 京鹿子 201204
大寒の城の鯱ゆるぎなし 柴田良二 雨月 201204
心して拭く大寒の鏡かな 水谷文謝子 雨月 201204
大寒や一刀彫の干支の竜 松橋利雄 春燈 201205
大寒や南子名告りの今は無し 河内桜人 京鹿子 201205
大寒の土が堆肥を着るごとく 足立良雄 201205
大寒の天地替へせる漬菜かな 来海雅子 201205
大寒の指揉み解すピアニスト 野口喜久子 ぐろっけ 201205
大寒や海鳴り高き日本海 尾崎みつ子 雨月 201205
大寒や生きる大地の軋む音 大西よしき ろんど 201205
大寒の雨や輪になり旅寝論 三枝正子 万象選集 201205
大寒の海を見に行く二里の土手 岸川素粒子 万象選集 201205
大寒や山は端坐をくづさずに 土井三乙 風土 201205
大寒やビストロのある美術館 丑久保勲 やぶれ傘 201205
大寒や真間の手児奈の手水鉢 久世孝雄 やぶれ傘 201206
大寒や子規の庵に火の気なく 豊美佐子 万象 201206
大寒の工事灯のひとりごち 布川孝子 京鹿子 201206
大寒や犬も静かに遊びをり 山本達人 かさね 201207
大寒の空にくつきり昼の月 吉田博行 かさね 201207
大寒の真つすぐ落つる鳥の影 林昭太郎 あまねく 201210
大寒や黒に徹して鴉鳴く 小林朱夏 201212
大寒や壺底に似て盆地村 布川直幸 201301
大寒や六波羅蜜寺の砂利を踏む 天野みゆき 風土 201301
大寒に映ゆ的鯛の丸き斑(ぶち) 田中貞雄 自註句集 201301
大寒の水笑ふほど紙を漉く 山田六甲 六花 201302
大寒や退院せがむ妻哀し 渡辺安酔 201303
大寒のずどんと届く米袋 細川洋子 201303
大寒やオリオン既に位置正す 天野みゆき 風土 201303
大寒や雪平鍋に粥沸いて 山田六甲 六花 201303
大寒の桜の枝の光りをり 田中藤穂 あを 201303
大寒やこころの箍を締めなほす 田中藤穂 あを 201303
大寒や散歩の小犬厚き服 早崎泰江 あを 201303
大寒やヒマラヤの塩よく利きて 鈴木照子 201304
大寒やだんだん背の丸くなり 大木清美子 201304
本復や大寒なんぞ何の其の 上山永晃 春燈 201304
大寒のエレベーターの軋みかな 藤原若菜 春燈 201304
大寒の塊となるピアノかな 原田達夫 201304
大寒や大木の洞覗きたる 岩下芳子 201304
大寒とおもへぬ日差し賜りぬ 伊舎堂根自子 万象 201304
大寒のぴりつと痛きドアのノブ 外山節子 末黒野 201304
大寒や賀状の当り切手受く 田中臥石 末黒野 201304
大寒や大池に鯉動かざり 熊切修 末黒野 201304
大寒や遊具は子等を待つさまに 戸田澄子 末黒野 201304
大寒の緞帳あがる雪路の忌 清水由恵 201304
大寒の山を下りくる鈴の音 白石正躬 やぶれ傘 201304
大寒の楔打ち込む杉丸太 藤井君江 馬醉木 201305
大寒の空紺青を極めけり 橘正義 春燈 201305
大寒の苦み走りし月の舟 梶浦玲良子 六花 201305
大寒や妻に闘病吾に看取り 赤川誓城 ホトトギス 201306
大寒や蜂蜜の香はうまごやし 瀧春一 花石榴 201312
うましくに大寒の誕生日 竹貫示虹 京鹿子 201401
引き揚げてローリエ匂ふ大寒波 吉成美代子 あを 201402
大寒のまっただ中に置き去りに 貝森光洋 六花 201403
大寒の三段切れが直せない 高貴美子 201403
大寒の白砂敷は神のもの 豊田都峰 京鹿子 201403
大寒や遠流の島の星座群 遠山風 馬醉木 201403
大寒や研がれし富士の千の襞 四條進 201403
大寒や日差し頼みて散歩道 鈴木阿久 201403
護王なるそは大寒の一柱 豊田都峰 京鹿子 201403
大寒や会うたばかりの従弟の訃 渡辺安酔 201403
満天の星大寒の位置に就く 根岸善行 風土 201404
大寒や水琴窟の音色澄み 泉本浩子 馬醉木 201404
大寒の舞踏仮面のタンバリン 柳本渓光 末黒野 201404
大寒やめげず轟くブルドーザ 長崎桂子 あを 201404
大寒ときけばおもはず身にちから 望月晴美 201404
大寒に飲む珈琲のアメリカン 椿和枝 201404
大寒のロックこぶしを高く挙げ 竹内慶子 春燈 201404
大寒の地に動かざる大河あり 生田作 風土 201404
大寒の筆塚の文字こぼれたる 小峯綾子 風土 201404
大寒の風押し戻す大山門 山下健治 春燈 201404
大寒へ月の一心不乱かな 根岸善行 風土 201404
大寒やひとり入りけるお好み屋 山根征子 201404
大寒や花束届く誕生日 野村重子 末黒野 201404
大寒や乾坤一擲癌治療 宮井知英 201404
大寒や庭に落伍の伝書鳩 戸田澄子 末黒野 201404
大寒や天草を煮る天屋衆 古俣万里 末黒野 201404
大寒や父母の背中に背負ふもの 鈴木初音 201404
大寒や谺は山へ行つたきり 菊川俊朗 201404
大粒の星大寒と思ひけり 山下ひろみ 201404
豆撒いて大寒を呼び戻したり 大坪景章 万象 201405
大寒の糸もて轆轤の土を切る 岡本尚子 風土 201405
大寒の和紙干し上がり茜空 黒滝志麻子 末黒野 201405
大寒やオリンピック観に娘はソチヘ 堀田清江 雨月 201405
大寒や返す堆肥の湯気を浴び 大霜朔朗 末黒野 201405
大寒の樹の下に落つ尾羽かな 土谷倫 船団 201406
大寒の町家で刻むベルニー二 梨地ことこ 船団 201406
大寒や隈ひとつなき時計店 吉田葎 201406
大寒や大道芸に人残る 渡邊孝彦 やぶれ傘 201406
大寒のひとも鴉も小さかり 齋藤厚子 201405
大寒の鏡のまへのT剃刀 齋藤厚子 201405
大寒→ 7      

 

2021年1月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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