大 寒 7    100句

あゝとひて吾を生みしか大寒に   矢島渚男   木蘭

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大寒や大道芸に人残る 渡邊孝彦 やぶれ傘 201406
大寒や隈ひとつなき時計店 吉田葎 201406
大寒の町家で刻むベルニー二 梨地ことこ 船団 201406
大寒の樹の下に落つ尾羽かな 土谷倫 船団 201406
大寒や羽ばたかず鷹渡りゆく 岡本尚子 風土 201501
大寒の馬房の塵のきらきらと 山尾玉藻 火星 201502
大寒のオムレツの黄とバターの黄 はしもと風里 201503
大寒や等間隔に幹太し 豊田都峰 京鹿子 201503
大寒の闇の底突くハイヒール 峰崎成規 201503
大寒の手に包みたるティーカップ 箕輪カオル 201504
極光波打つ大寒のまなうらに 辻美奈子 201504
大寒や本所松坂吉良屋敷 福田周草 風土 201504
大寒に生れし子と逢ひ父となる 小谷一夫 201504
大寒やむき出してゐるネオン管 高橋泰子 201504
大寒の五臓六腑へ鶉粥 粟倉昌子 201504
大寒の土に貼りつく槻の形 齊藤いさを 馬醉木 201504
大寒の空に満月昇りけり 松村光典 やぶれ傘 201504
大寒や海軍カレーたつぷりと 原田しずえ 万象 201504
大寒のひねもす八十路留守をもる 植村よし子 雨月 201504
大寒の鈴鹿七岳見はるかす 植村よし子 雨月 201504
大寒の夫の奥津城日参す 植村よし子 雨月 201504
大寒の鈴鹿おろしのひもすがら 植村よし子 雨月 201504
大寒や水仕の水のほとばしり 大村仍子 雨月 201504
大寒や猫の肉球やはらかき 延川五十昭 六花 201504
合掌に終ふ大寒の太極拳 田岡千章 201505
大寒や本を開けば蚊のむくろ 飛高隆夫 万象 201505
大寒を切り裂く大河きらきらす 田中一美 ろんど 201505
大寒や無言の妻をもてあます 金子正道 京鹿子 201505
大寒や鳶青空へ翼広げ 大山夏子 201508
大寒の日へ俎板をさらしけり 大崎紀夫 虻の昼 201510
大寒や水に皺ある潮だまり 大崎紀夫 虻の昼 201510
大寒の束子で磨く鍋の底 きくちえみこ 港の鴉 201510
大寒のリップスティック固く出づ きくちえみこ 港の鴉 201510
大寒や庭師に声をかけもして 稲畑汀子 ホトトギス 201601
大寒といへど快晴なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201601
大寒といふ一日を心して 稲畑汀子 ホトトギス 201601
大寒を明日に控へてこの陽気 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
大寒や竹の根つこの地を走り 神蔵器 風土 201602
大寒の波の切つ先胸ひたす コ田千鶴子 馬醉木 201603
大寒のきらり振り向くイヤリング 柴崎英子 201603
大寒の群鯉は浮かず人の葬 田渕昌子 京鹿子 201603
大寒の切られし枝のコンと落つ 小山陽子 やぶれ傘 201603
大寒のゴム手袋の赤さかな はしもと風里 201603
大寒をわれら昭和の顔をして 火箱ひろ 201603
大寒の長き回廊渡りけり 藤生不二男 六花 201603
大寒の鉄扉をひらく指紋かな 林昭太郎 201604
大寒や一刀彫の富士据ゑて 矢崎すみ子 201604
大寒の閘厳然と夕日負ひ 鈴木良戈 201604
大寒や美しき人バス停に 鈴木阿久 201604
大寒の森一塊となり昏るる 黒滝志麻子 末黒野 201604
大寒や手窪いつぱい飲む薬 宮井知英 201604
大寒の極まりし道皆そろり 長崎桂子 あを 201604
大寒の河をはさんで生活の灯 吉永すみれ 風土 201604
大寒の海の真青に六角堂 森高武 風土 201604
動くものなき大寒の生簀かな 鈴木庸子 風土 201604
大寒を恰も箕面句会かな 大橋晄 雨月 201604
大寒の煮豆の灰汁のあふれけり 岩本紀子 201604
大寒や肺の深さをしる息吹 元橋孝之 京鹿子 201605
大寒の硬さのゆるみ川動く 森清堯 末黒野 201605
大寒の空恐ろしや月浮かす 物江康平 春燈 201605
大寒の底といふか腹といふか 瀬川公馨 201605
大寒の水や一指を寄せつけず 前田美恵子 201605
大寒や郵便局は二度鳴らす 奥田筆子 京鹿子 201606
大寒やわが生れし日も母の忌も 栗原公子 銀の笛 201612
大寒の天帝少し疲れしか 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
動くものなき大寒の生簀かな 鈴木庸子 風土 201701
大寒の五枚おろしの平目かな 田尻勝子 六花 201702
大寒の粥に落として生玉子 長谷川翠 馬醉木 201703
大寒や老いの脆さの爪を切る 池田崇 201703
矢を放つまで大寒の虚空かな 高倉和子 201704
大寒や終活といふ匙加減 上野紫泉 京鹿子 201704
大寒や楔打ちたる梁前 橋本順子 201704
大寒や五重塔の心柱 柳橋繁子 201704
大寒の星に近づく死の病 佐々木良玄 春燈 201704
大寒の一服の茶の深みかな 久保久子 春燈 201704
大寒や喉にはりつく粉薬 小倉陶女 春燈 201704
大寒や寛の音のより高く 饗庭悳子 末黒野 201704
富士焦がし大寒の日の落ちにけり 山本とく江 万象 201704
大寒や冷まして白湯の甘くなる 岩木茂 風土 201704
天につつ抜け大寒の底にゐて 大橋晄 雨月 201704
大寒や星悠久の座を占めて 密門令子 雨月 201704
大寒を輪に描き鳶は上昇す 松本鷹根 京鹿子 201705
大寒の日向拾ひてポストまで 川田好子 風土 201705
大寒や布巾三枚陽に晒す 大日向幸江 あを 201703
大寒の薬缶空焚きしてゐたる 竹内悦子 201705
送りしは大寒といふ重きもの 熊川暁子 201705
渓水の大寒の音発したる 升田ヤス子 六花 201705
大寒や力を込むる足の五指 森清堯 末黒野 201705
大寒と思へり椅子に深くゐて 岡田史女 末黒野 201705
大寒や文字の掠るるボールペン 椎名文子 末黒野 201705
大寒や逢ふ魔が時の猿ケ辻 本郷公子 京鹿子 201801
電気スタンドたたまれて大寒の机 つじあきこ 201803
大寒の御堂にひびく賛美かな 松田ひむれ 201803
大寒の水よくかんで飲みくだす 山本みち子 201803
大寒の小田原の海きらきらと 松村光典 やぶれ傘 201803
大寒や屋敷構の軋み音 鈴鹿仁 京鹿子 201803
大寒の青空へ発つエレベーター 大畑善昭 201803
大寒の卵ぐらりと茹であがる 林昭太郎 201803
大寒波愛する人の多すぎて 田尻勝子 六花 201804
大寒や湾処の波の鉛色 植木戴子 201804
大寒波と聴くだに又も衿合はし 水田壽子 雨月 201804
蹼が大寒の岸濡らしけり 辻美奈子 201804
大寒を堪へて優しき埴輪の眼 岡本秀子 201804
靴紐を固く大寒への一歩 渡邊千枝子 馬醉木 201804
名園の鯉大寒の底の底 橋本くに彦 ホトトギス 201804
大寒のひかりあつむる江戸切子 持田信子 春燈 201804
大寒の小田原の海きらきらと 松村光典 やぶれ傘 201804
大寒や凍てず輝く北極星 竹村淳 201805
大寒や川に温泉湧き出でぬ 志方章子 六花 201805
大寒の皆既月蝕赤く燃ゆ 青柳雅子 春燈 201805
大寒や矮鶏の卵黄盛り上がる 岡本秀子 201805
大寒波石臼のごと据りこみ 饗庭悪子 末黒野 201805
大寒や写経の文字の太き撥ね 布施由岐子 末黒野 201805
大寒の日を散らしては宮の鳩 谷貝美世 末黒野 201805
遠洋航海大寒の水脈を引き 田代民子 201806
大寒の踏切回送電車行く みさきたまゑ 船団 201809
大寒のこころに楔強く打つ 望月晴美 201901
大寒を唇紅き少年来 谷田明日香 風土 201901
大寒や天の気紛れ首部真白 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
大寒のこころに楔強く打つ 望月晴美 201901
あたたかき大寒を行くスニーカー 谷口摩耶 201903
大寒や鶴折る指が痛みをり 秋川泉 あを 201903
大寒や卓の木目の花のごと はしもと風里 201903
大寒や峡谷渡る猿の声 神田恵琳 春燈 201903
大寒 →8

 

2022年1月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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