仏法僧     53句

杉くらし仏法僧をまのあたり    杉田久女

仏法僧  木葉木菟  青葉木菟

作品
作者
掲載誌
掲載年月
佛法僧織部の闇となりにけり 岡井省二 199808
口々に仏法僧を真似てをり 大橋俊彦 199810
万象の胎内出でず仏法僧 水内慶太 銀化 199908
仏法僧待つ帽燈を細めけり 島田万紀子 馬醉木 199909
仏法僧闇を見据ゑて鳴きにけり 當麻幸子 俳句通信 200007
一声も聞けずに明けて仏法僧 木下仁司 200109
耳立つる仏法僧と闇鳴くまで 竹内美知子 200109
天を突く高野の杉や仏法僧 橋添やよひ 風土 200111
仏法僧父なき父の家に寝て 酒井康正 百鳥 200208
道元の御山鳴きつぐ仏法僧 堀田清江 雨月 200210
仏法僧このまま生きてゆけと鳴く 小澤克己 遠嶺 200408
仏法僧啼くと信濃の嶺の中 古田考鵬 雨月 200410
佛法僧忽然と霧にこゑおこる 瀧春一 菜園 200509
佛法僧聞えずなりて羊歯の雨 瀧春一 菜園 200509
佛法僧一山いつさんの月に鳴きはづむ 瀧春一 菜園 200509
佛法僧人は宿坊の戸を閉さず 瀧春一 菜園 200509
佛法僧晨朝の鐘の尾に鳴ける 瀧春一 菜園 200509
佛法僧鳴くと相寄る煙草の火 瀧春一 菜園 200509
佛法僧去にしか曉の鳥湧きぬ 瀧春一 菜園 200509
仏法僧熊野の闇の幾重にも 小林洋子 万象 200603
魂磨け眼みがけと仏法僧 小澤克己 遠嶺 200609
澄みて和す仏法僧の三つの鐘 内山芳子 雨月 200701
仏法僧聞こう聴こうと肩が凝り 山元志津香 八千草 200710
あの時を憶ひ起せと仏法僧 川崎光一郎 京鹿子 200711
宥すといふかすかな疲れ仏法僧 野口香葉 遠嶺 200809
仏法僧無沙汰を諭すごと啼けり 北澤星子 遠嶺 200809
仏法僧地球のいのち問ふらしき 小堀寛 京鹿子 200908
庭下駄の湿つてゐたる佛法僧 近藤きくえ 201008
待てば啼く仏法僧の坊泊まり 北崎展江 くりから 201209
仏法僧ならはぬ経を唱へをり 熊川暁子 201210
もうひとりの己れに鳴けり仏法僧 中田みなみ 201407
あめつちの闇を一つに仏法僧 吉田順子 201410
仏法僧己が谺と鳴き交はし 大室恵美子 春燈 201410
深山に仏法僧の泣く夜かな 鈴木鳳来 故山 201505
仏法僧鬼も聞くてふ大江山 稲畑廣太郎 ホトトギス 201506
袈裟などは持たぬ持たぬと仏法僧 犬丸勝子 201508
仏法僧はるかなるもの呼ぶやうに 田順子 201508
仏法僧はるかなるもの呼ぶやうに 吉田順子 201608
墓に来て仏法僧に迎へらる 池田節 春燈 201709
初瀬谷仏法僧の陣取れる 上辻蒼人 風土 201711
仏法僧と立てる線香朝の月 松井季湖 201712
仏法僧聞く家康の産湯井戸 大久保志遼 201808
仏法僧口は仏の出入口 平野多聞 201809
仏法僧迷ひの窓の錆びやすし 平野多聞 201809
木の花の名を聞かれても仏法僧 つじあきこ 201809
仏法僧出会ひの幸に立ち尽くす 城戸ひろみ 雨月 201811
仏法僧迷ひの窓の錆やすし 平野多聞 201908
学僧の夜の修行や仏法僧 鈴木鳳来 春燈 202008
仏法僧法話はデジタル回路にて 平野多聞 202008
仏法僧の声かも奥の尼寺に 増成栗人 202109
仏法僧の声かと森を透かし見る 増成栗人 202110
帰去来の風が仏法僧の山 増成栗人 202208
さみしうはなし仏法僧と寝まるなり 待場陶火 202210

 

2023年6月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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