薔 薇 11    132句

薔薇  バラ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
静心もて香を焚く薔薇の午後 本郷桂子 ホトトギス 202010
薔薇匂ふ美人さんだと納棺師 はしもと風里 202011
薔薇園の道なだらかに曲る道 小林和子 202011
椅子ひとつ外に持ち出し薔薇日和 おーたえつこ 202011
虫喰ひ葉真紅の薔薇を上げてをり 永田万年青 六花 202012
余所行きの声は何処から白薔薇 仲里奈央 202101
薔薇窓の日を受く祭壇小春かな 奥田茶々 風土 202102
愛されて当然といふ赤い薔薇 高橋将夫 202106
薔薇の芽やマーマレードの出来上る 林いずみ 風土 202106
薔薇二月芽吹きの中に刺隠し 山中志津子 京鹿子 202106
噴水の飛沫に薔薇の香りたつ 加倉井たけ子 202107
薔薇ひらき蟄居の日々を照らしけり 中山惠子 202107
目覚むれば薔薇のかをりの闇に満つ 谷田貝順子 202107
亡き席に薔薇一と抱へ活けられし 稲畑汀子 ホトトギス 202107
友偲ぶ一日大切薔薇活けて 稲畑汀子 ホトトギス 202107
薔薇満つる惑星に今生きてゐる 塩貝朱千 京鹿子 202107
頬杖の癖はいつから薔薇かをる 塩貝朱千 京鹿子 202107
薔薇真紅モンマルトルに逢ひにゆく 塩貝朱千 京鹿子 202107
捨てられぬ合鍵吊るす薔薇の冷 塩貝朱千 京鹿子 202107
君に捧ぐ真白き薔薇に口づけす 塩貝朱千 京鹿子 202107
一角は雪の白さや薔薇の園 中根美保 風土 202107
薔薇真紅暮らしに恙なかりけり 村手雅子 202108
木香薔薇図書館前の喫茶店 野村昌代 202108
薔薇真紅暮らしに恙なかりけり 村手雅子 202108
薔薇の棘女はいつか愛を棄つ 三木亨 202108
薔薇垣や鎧戸ひらく牧師館 岩永はるみ 春燈 202108
フルセットの試合展開薔薇崩る 本多遊方 春燈 202108
薔薇の名のサマーソングや夫に買ふ 菅澤陽子 春燈 202108
鞍馬天狗へくれなゐの薔薇一輪 荒井慈 春燈 202108
一輪の薔薇に華やぐ狭庭かな 佐藤まさ子 春燈 202108
一人居に薔薇のみ紅の色深め 村上國枝 春燈 202108
蔓薔薇の家表札のかくれがち 高木晶子 京鹿子 202108
母の日の花より庭の薔薇が好き 田中臥石 末黒野 202108
夜目に浮く薔薇の白さや風新た 大川暉美 末黒野 202108
薔薇園や薔薇のむかうに氷川丸 小嶋紘一 末黒野 202108
薔薇園の外より垣間見ゆる薔薇 篠藤千佳子 202109
一本の薔薇の重みを渡さるる 村上葉子 202109
雨傘も薔薇も乾いてゆく途中 大島英昭 やぶれ傘 202109
薔薇散る散る足指小さくタクトとる 伊藤希眸 京鹿子 202109
みづからの重さに撓み白薔薇 亀井福恵 京鹿子 202109
風あらば風七色に薔薇燃ゆる 黒滝志麻子 末黒野 202109
たまさかに届く船笛薔薇の園 森清信子 末黒野 202109
薔薇の香をクルスの尼僧まとひ来る 石黒興平 末黒野 202109
のべつ犬吠ゆる家なり薔薇の門 斉藤マキ子 末黒野 202109
蔓薔薇のことさら赤し雨の中 津野桂子 末黒野 202109
出勤の最後の一と日薔薇を受く 池田雅かず ホトトギス 202109
薔薇を贈られてさみしく思ふとは 池田雅かず ホトトギス 202109
薔薇園の通路いくつも行き止まり 森高武 風土 202109
純白の棘ある薔薇でありました 久保夢女 202109
薔薇百花いちにち虻を遊ばせて 坂入喜代枝 202109
ジャズ喫茶ピアノの横に紅薔薇 浅嶋肇 やぶれ傘 202110
薔薇の芽や新傾向句心せん 安原葉 ホトトギス 202110
華やがぬ心は秘めて薔薇を剪る 今橋眞理子 ホトトギス 202110
「無言館」京分館や薔薇の咲く 橋添やよひ 風土 202110
薔薇の夜のワイングラスの脚長し 森田節子 風土 202110
薔薇活けてまだ一波瀾ある余生 山中志津子 京鹿子 202110
薔薇色の人生なんてばらを剪る 志方章子 六花 202110
丹精の色で埋めて薔薇の庭 今橋眞理子 ホトトギス 202111
鉢ごと買ふ季節はずれの薔薇や薔薇 黒澤佳子 あを 202111
収まらぬ疫病や庭の薔薇真つ赤 三井所美智子 202112
薔薇の園思ひ思ひの自己主張 渡辺富士子 末黒野 202204
薔薇の芽や少女の像の赤い靴 持田信子 春燈 202205
薔薇百本抽いても淋し昼の月 村田あを衣 京鹿子 202205
伴奏はポルカに変はり薔薇芽ぐむ 中根美保 風土 202206
薔薇の芽は未だ退屈な鴉の歩 塩貝朱千 京鹿子 202206
立ち話長引くひとに薔薇を切り 秋川泉 あを 202207
学舎よりとび出す音符薔薇の午後 井尻妙子 京鹿子 202207
ヨーグルト・トースト・サラダ・薔薇の朝 本郷公子 京鹿子 202207
人に性善薔薇に棘のあり 村上禎女 京鹿子 202207
薔薇百花百の雫をこぼしけり 増成栗人 202207
薔薇園の薔薇次々と名乗りをり 稗田寿明 202207
迷ひなき騎士の剣めく薔薇の棘 澤田英紀 202207
混沌の匂ふがごとき薔薇の宮 山田六甲 六花 202207
薔薇を噛む鬼女ふと見えし鎧門 山田六甲 六花 202207
薔薇の花宿のサラダに散らしあり 山田六甲 六花 202207
そこら中咲いて零れて薔薇の花 倉澤節子 やぶれ傘 202208
多佳子忌やま白き薔薇の粲々と 三代川玲子 春燈 202208
友待つや茶房に真紅薔薇一輪 高埜良子 春燈 202208
薔薇の棘十三日の金曜日 清水美子 春燈 202208
自己批判出来ぬ己に薔薇の刺 高野昌代 202208
薔薇の名はナイチンゲール白尽くす 林いづみ 風土 202208
薔薇散るやなみだは薔薇色とはならず 雨宮桂子 風土 202208
薔薇を撮る二三歩退りまた退り 小原芙美子 風土 202208
門潜りそれぞれ好きな薔薇の前 小原芙美子 風土 202208
薔薇に倦み樹蔭の椅子に吹かれけり 小原芙美子 風土 202208
名も知らぬ草踏んでをり薔薇の園 田中臥石 末黒野 202208
木香薔薇アーチをわつとうめつくし 森清信子 末黒野 202208
洋館の昼深閑と薔薇の垣 森清信子 末黒野 202208
咲き初むる紅薔薇繋ぐアーチかな 横路尚子 末黒野 202208
逆光に立ちて写すや薔薇の庭 小林友子 末黒野 202208
ランチヘと子と待ち合はせ薔薇の花 三浦千恵子 末黒野 202208
「薔薇は憧れ」詩に捧げし薔薇かをる 塩貝朱千 京鹿子 202208
アンネの薔薇平和を揺らす風の中 塩貝朱千 京鹿子 202208
万感の思ひ届けと薔薇つぼみ 山中志津子 京鹿子 202208
せえのおで五月の薔薇の咲きそろふ 佐藤千恵 京鹿子 202208
赤き薔薇くづれるまでは鬼女でした 上野紫泉 京鹿子 202208
今朝の庭私のための薔薇一輪 安田優歌 京鹿子 202209
薔薇の風小指の傷のほぼ癒えて 佐藤千恵 京鹿子 202209
とりどりのこゑの沸き立つ薔薇の苑 南うみを 風土 202209
薔薇の山白あちこちに見て通る 山田六甲 六花 202206
鯨よりも鋭き薔薇の芽吹きかな 住田千代子 六花 202206
基地望みピースてふ名の黄の薔薇 森清堯 末黒野 202209
名のあるも名無きも競ひ薔薇の園 岡野里子 末黒野 202209
薔薇咲いて行けず仕舞ひのソルボンヌ 小田嶋野笛 末黒野 202209
蒼穹を押し上ぐる薔薇紅極む 長尾タイ 末黒野 202209
植栽の駄賃に薔薇をもらひけり 小嶋紘一 末黒野 202209
垣覆ふ木香薔薇や黄色の香 岡美智子 末黒野 202209
大輪の薔薇のほどけて押し花に 片岡登志枝 末黒野 202209
薔薇園に嬰児安心(あんじん)の夢の中 善野行 六花 202209
虫喰ひの葉にも一輪薔薇咲けり 永田万年青 六花 202209
一枚の窓染め上げて薔薇の雨 今橋眞理子 ホトトギス 202210
病んで知る人の優しさ薔薇香る 菅野日出子 末黒野 202210
どの薔薇も佳き名をもてり風もてり 池乗恵美子 末黒野 202211
断捨離や過去抹消の薔薇の夜 梅津まり子 末黒野 202211
雪もよひ軍手つらぬく薔薇の棘 むつみ蓮 202212
薔薇散りぬ人の心を爛れさせ 伊藤希眸 京鹿子 202301
人に性善説薔薇に棘のあり 村上禎女 京鹿子 202301
ワルツ舞ふやうに解けて室の薔薇 塩貝朱千 京鹿子 202304
薔薇の芽に宿る愛誌の百の夢 鈴鹿呂仁 京鹿子 202305
あかつきの薔薇の一花のプロローグ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202305
向学の輪のすくすくと薔薇の季 鈴鹿呂仁 京鹿子 202305
老木の手中の薔薇や艶めきて 鈴鹿呂仁 京鹿子 202305
常しへの絆の芽生え薔薇百花 鈴鹿呂仁 京鹿子 202305
バースデイ深紅の薔薇を抱きしめむ 塩貝朱千 京鹿子 202305
金網のフェンスにからみ薔薇の花 山本久枝 やぶれ傘 202306
薔薇の芽や舞妓の眦ほどの紅 塩貝朱千 京鹿子 202306
栄転とだけ書きしメモ薔薇芽吹く 杉山乃ぶ子 春燈 202306
枕辺の夢のいちりん薔薇の夜 鈴鹿呂仁 京鹿子 202307
薔薇を剪る胸に一つの棘育つ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202307
退院の先づは一献薔薇の昼 井尻妙子 京鹿子 202307
香を風に色を光に薔薇の園 石原孝人 京鹿子 202307
薔薇百花しばらくは刻忘れゐる 増成栗人 202307
薔薇→ 1      

 

2023年8月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。