麦 秋 6   55句

麦の秋  麦秋

作品
作者
掲載誌
掲載年月
麦秋や風の中なる塚一基 笹村政子 六花 201908
麦秋や追憶といふ旅の中 及川照子 末黒野 201909
麦秋や書架にあまりし文庫本 安住敦 春燈 201909
麦秋や赤子の四肢の深くびれ 林昭太郎 201909
麦秋や泣く子は育つもっと泣け 植村蘇星 京鹿子 201909
JR遅延麦秋積み残す 小西雅子 船団 201910
まつさきに麦秋となる麓村 荒川心星 201910
麦秋や女に長き水馴れ棹 岡澤田鶴 201910
麦秋のしんかんたるに耐へゐたる 安住敦 春燈 201912
麦秋を走る走る恩返さねば 井上菜摘子 京鹿子 202005
麦秋のおかつぱ頭走りけり 山田六甲 六花 202006
麦秋や一千年の大欅 延川五十昭 六花 202007
麦秋や消されしままの予定表 卜部黎子 春燈 202008
麦秋や四方より過去の駈けてくる 三上程子 春燈 202008
麦秋の今朝も件の熊情報 岡田桃子 202008
麦秋や穂波の揺るる地平線 寺田すず江 202008
麦秋や見舞の文を書く男 吉澤恵美子 春燈 202008
麦秋の川が曲がれば道曲がる 吉澤恵美子 春燈 202008
麦秋やこの一帯の散歩道 淡路久仁子 春燈 202008
子が爺を追ひ麦秋の野を駈ける 遠藤泉 202009
麦秋の少女よく泣きよく歌う 波戸辺のばら 202009
麦秋や抓んでみたき空一枚 田中とし江 202010
籠りゐる日や麦秋の旅を恋ふ 土井ゆう子 風土 202010
麦秋のどこにも触れぬ手でありし 井上菜摘子 京鹿子 202105
麦秋にまぎるるまでを見送りぬ 能村研三 神鵜 202107
むずがゆき空麦秋の匂ひ立つ 五十畑悦雄 202107
麦秋やおんぼろバスの定期便 高村令子 風土 202107
しばし佇み麦秋の風を聞く 増成栗人 202108
麦秋の風を纏へる馬頭琴 里村梨邨 202108
麦秋や秩父地粉の強き腰 小泉三枝 春燈 202108
麦秋や空の荷馬車に足垂らし 笹村政子 六花 202108
麦秋や曲がりて遠き母の里 藤生不二男 六花 202108
麦秋や穂波に残る風の道 高木邦雄 末黒野 202109
麦秋や最中の館のふつくらと 柿沼盟子 風土 202109
麦秋や明日がいちばん新しき 服部早苗 202112
麦秋や石斧のごとき昼の月 深川淑枝 202112
麦秋や埋もれてしまふ一里塚 松田明子 202112
麦秋の羽搏く鳥に若さあり 安立公彦 春燈 202208
麦秋や川風を行く師の背 藤原若菜 春燈 202208
麦秋や往時の郷を慕ふ景 臼居澄子 末黒野 202208
麦秋の空の続きのウクライナ かのこ 京鹿子 202208
麦秋の煙の向かう未来都市 佐藤千恵 京鹿子 202209
太白や麦秋の煙おさまりぬ 佐藤千恵 京鹿子 202209
麦秋や内子の方に淡き星 山田六甲 六花 202206
麦秋や観覧車なる過ぎし日々 柴田靖子 202209
麦秋の中走り行く引越便 野口希代志 やぶれ傘 202210
麦秋や三和土の隅の一升瓶 坂口学 202212
一輌車くる麦秋の彼方より 角好良生 202304
天上の国へ麦秋色放つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305
麦秋に飛行機雲の突き刺さり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305
麦秋を拡げ孤高の讃岐富士 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305
麦秋の中に鴉の句読点 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305
麦秋の乗換駅がまだ遠い 井上菜摘子 京鹿子 202305
麦秋→ 1

 

05/05/27 作成