朝 露      131句

朝露   朝の露

作品
作者
掲載誌
掲載年月
朝露に濡れて咲くもの閉づるもの 中島真沙 円虹 199811
鶸や鶲やまだ朝露は乾かない 田口満代子 海程 199909
朝露を分けて真向ふ白馬鑓 林裕子 風土 199911
朝露に金銀泉の捨湯かな 山田六甲 六花 199911
朝露に機嫌の悪しき稲刈機 乾フジ子 俳句通信 199912
朝露や墨ついてをる硯箱 高橋将夫 200001
朝露を帰りそびれしシンデレラ 塩見恵介 虹の種 200005
エトセトラ朝露の道まっさらに 中原幸子 遠くの山 200010
花穂紫蘇朝露裾をぬらしたり 小俣美恵 酸漿 200011
竹伐つて朝露をふりかぶり来し 古市枯声 春耕 200101
朝露を踏んでふるさと近づけり 田巻和子 遠嶺 200101
朝露の茄子の艶よき故郷かな 大川泉舟 200101
抜きとりて草の朝露したたらす 武藤嘉子 200101
朝露を踏んで皇后陵拝す 福井鳳水 円虹 200110
朝露の消えぬうちにと落葉掃く 永田あき 酸漿 200112
朝露や腹蔵のなき貝ひとつ 山田六甲 六花 200211
馬の背の朝露素手で払ひけり 近藤暁代 馬醉木 200211
朝露のポールに結ぶ万国旗 青池亘 百鳥 200212
朝露の芝生に富士を近づけて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200309
朝露は水になりたり掌 秋岡朝子 200311
朝露に神代の気配大賀蓮 金山藤之助 200311
富士の道朝露纏ふ草の花 須賀敏子 あを 200311
朝露のザイルのきしみ巌撃づる 小森泰子 馬醉木 200311
朝露や大水青蛾は舞ひ立てず 渡辺立男 馬醉木 200311
朝露や朝の匂ひの尾瀬に入る 石川英利 百鳥 200312
朝露に試歩のつま先濡れてくる 松下幸恵 六花 200312
朝露に裾を濡らして夫戻る 河野政恵 酸漿 200312
朝露を磨りて書かばや祝ひ熨斗 友田直文 200312
朝露や岳まで続く牧草地 丸山美奈子 馬醉木 200312
白萩や朝露に濡れ咲きこぼれ 石原静子 酸漿 200312
彫刻刀を朝露に並む型紙師 本多佑子 200312
朝露を踏みゆく先の乙女像 松本きみ枝 遠嶺 200402
朝露を宿すもの又こぼすもの 稲畑汀子 ホトトギス 200408
朝露に白寿拍手ひびきけり 佐藤干城 対岸 200409
朝露や馬の鈴草摘みに出づ 谷寿枝 酸漿 200410
朝露にさぬれ青花摘む近江 味村志津子 雨月 200411
朝露に灯す白山本地堂 井村和子 万象 200411
朝露や草踏んで季の微かなる 岡本眸 200411
朝露の光るパセリを摘みにけり 坂口美代子 河鹿 200501
朝露に古色よろしき塔立てり 能村研三 200510
無花果を朝露残る葉に盛れる 山田たづ子 栴檀 200512
朝露のオクラにうぶ毛ありにけり 吉田康子 火星 200512
朝露の残る四葩よ筆の先 高木千鶴子 酸漿 200609
朝露の飾る蜘蛛の巣払はずに 丹生をだまき 京鹿子 200611
朝露の万朶へ向けてティーショット 鷹羽狩行 200612
朝露の神の径あり杉木立 今井松子 遠嶺 200702
朝露を踏み訪ねたき人のあり 稲畑汀子 ホトトギス 200709
朝露にまみれし愛車乗らんとす 仁平則子 200711
母の忌の弥撒へ朝露踏みしめて 荒井千佐代 200711
朝露や逆光に座すピラミッド 大西まりゑ 酸漿 200801
朝露の日の出とともに光り初む 大久保白村 ホトトギス 200801
踏みふみて朝露のなほ耀へり 佐々木幸 200801
朝露にまみれし社家の竹箒 大久保白村 ホトトギス 200801
朝露のベンチの端に日の射し来 笹村政子 六花 200802
隠棲の日々朝露に触るるかな 瀧青佳 ホトトギス 200804
終章を加筆す嵯峨野の朝露に 豊田都峰 京鹿子 200810
をみなへし朝露湛へをりにけり ことり 六花 200810
朝露の残りし穂紫蘇庭に摘む 阿部悦子 酸漿 200811
朝露の乾ぬ間の大き訃なりけり 戸田和子 200811
ガーデン挙式朝露に敷く赤絨毯 吉田政江 200901
朝露の微光名馬に老迫る 岩淵彰 遠嶺 200901
朝露を踏みしめ飛行機雲仰ぐ 藤原春子 六花 200902
みわたせる限り朝露刈田あと 藤原春子 六花 200902
朝露の縁をかこめり苺の葉 阿部文子 酸漿 200909
朝露に露草の青可憐なり 由井求 200910
朝露を踏み白樺の林ゆく 片山由美子 200910
朝露の椰の記念樹奈良ホテル 小澤菜美 200911
朝露を踏みて三泊り仮の宿 佐藤恭子 あを 200912
靴の紐結ひ朝露に濡れにゆく 矢田部なほ子 200912
秋海棠朝露のままを生けにけり 松本和子 酸漿 200912
朝露をまとうて金の成る木かな 見田英子 春燈 201001
朝露や独りとなりし庭に立つ 中緒和子 酸漿 201001
朝露の単線白き穂高駅 増田一代 201001
朝露のごとくに満ちて来るもの 岩岡中正 ホトトギス 201002
朝露の宝石纏ひレタスかな 内田和子 酸漿 201008
落雲雀朝露の中走りけり 木村コウ 酸漿 201008
朝露のしとど干ぬ間に夕べ来し 稲畑汀子 ホトトギス 201009
朝露や犬が掘り出す鉄かぶと 大湾宗弘 万象 201010
朝露や乳をくれたる人へ粥 篠田純子 あを 201011
雨つぶに朝露重ね送盆 井田実代子 雨月 201012
朝露を踏んで数奇屋へ熨斗袋 中島陽華 201101
朝露を拭はれリフト動き初む 石川友江 風土 201101
朝露に宿る日の色草の色 及川照子 末黒野 201101
草の丈均す朝露まとふたび 森屋慶基 風土 201101
朝露の煌きながら消えにけり 川崎光一郎 京鹿子 201102
朝露の消ゆるはかなさ順不同 中本吉信 201102
宝玉の朝露を置く蜘蛛の糸‘ 田村幸子 201102
朝露の光を放つ冬菜畑 内田和子 酸漿 201103
朝露を川中島に踏みしだく 大久保白村 ホトトギス 201104
猫戻りきて朝露を払ひけり 有賀昌子 やぶれ傘 201104
満天の星消えし朝露涼し 稲畑汀子 ホトトギス 201107
朝露の風に触れゆくまでの黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 201109
朝露や爪革浅き利休下駄 山路紀子 風土 201112
朝露の畦に炎の立ちあがり 坂口夫佐子 火星 201112
朝露を腓に今日の一歩踏む 近藤きくえ 201201
朝露の篠の子一滴文庫かな 田中佐知子 風土 201208
蜘蛛の囲の朝露含みきらめけり 橋本修平 かさね 201208
朝露に濡れし薔薇の香仄かなり 丸山酔宵子 かさね 201208
クラブ振る朝露に裾濡らしつつ 安藤虎酔 かさね 201211
朝露の大江戸発ちて小江戸へと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201307
朝露を蹴散らしとべりきちきち飛蝗 早崎泰江 あを 201312
朝露の道の夜露を戻りけり 田中文治 火星 201312
朝露に浄められたる闘牛場 森山暁湖 万象 201401
朝露に光る穂芒銀の鈴 橋本靖子 201401
朝露に草穂が光るたんぼ道 中堀倫子 201402
ざぶざぶの朝露賢治生誕日 大畑善昭 201411
朝露の径踏み分けて峠越ゆ 近昌夫 春燈 201412
朝露に牧羊犬の駆け来る 石谷淳子 雨月 201412
朝露のイルミネーション草葎 山荘慶子 あを 201502
朝露に深く溺れて蝶のあり 原田達夫 箱火鉢 201511
それぞれの朝露踏みて集ふ彌撒 城台洋子 馬醉木 201511
朝露が夜露となつて戻りたる 高橋将夫 201512
朝露のこおろぎ橋の瀬音かな 松本三千夫 末黒野 201512
朝露に締まる奉仕作業の靴 白神知恵子 春燈 201601
ぱおーんと朝露を発つ新幹線 甲州千草 201612
朝露の光の中の厩舎かな 福岡かがり 雨月 201701
芋の葉の朝露光る谷戸の道 池谷鹿次 末黒野 201704
朝露や草に沈みししるべ石 佐藤保子 馬醉木 201712
朝露を律儀に並べ禅庭花 今井康子 201712
一斉に光る朝露みなクロン 三木亨 201812
朝露や疎水を小舟出発す 古賀恵子 201902
朝露に祈り夜露に祈る山 和田華凛 ホトトギス 201903
老書家は墨に朝露ちょっと足す 中井保江 船団 202003
朝露の消えゆく刹那忌日寺 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
朝露の万華鏡めく狭庭かな 笹倉潤 ホトトギス 202102
朝露の微光つかのまを望みもつ 井上菜摘子 京鹿子 202110
朝露に日光夜露には月光 高橋将夫 202111
朝露にふれて始まる畑仕事 能美昌二郎 202112
朝露が足元濡らす田んぼ道 枝みや子 やぶれ傘 202112
草の葉に転ぶ朝露ほまち畑 秋山文子 末黒野 202201
朝露を踏みつつゆけり犬のあと 有賀昌子 やぶれ傘 202201

 

2022年9月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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