麻のれん     69句

白無地の麻の暖簾やゆの太字    関合正明

麻のれん   夏暖簾

作品
作者
掲載誌
掲載年月
麻のれんくぐれば昔玩具かな 橋本良子 遠嶺 199910
麻のれん金と黒充つ佛具店 鈴鹿仁 京鹿子 200009
夜叉五倍子で薄茶に染めし麻暖簾 星佳子 200009
昨日との間のやうな麻のれん 高木晶子 京鹿子 200010
麻暖簾代替りしてゐたりけり 立石萌木 雨月 200102
海よりの風に馴染みて麻暖簾 木下仁司 200109
温泉宿朝を掛け替ふ麻暖簾 松崎鉄之介 200208
おばんざい作る匂ひの麻暖簾 羽生節子 200208
麻暖簾割る調理師のピアスかな 鳴海清美 六花 200211
麻のれんひらひら小話持つてくる 鈴鹿仁 京鹿子 200309
たたむこと決めたる店の麻のれん 岩渕彰 遠嶺 200310
麻暖簾かけて会津の蔵座敷 小林成子 200310
わたなかに月の道ある麻暖簾 平井志都子 200312
木屋町や涼を目でみる麻のれん 岩崎憲二 京鹿子 200408
麻暖簾壱の倉へと通さるる 竹中一花 200409
通し土間生家の奥の麻暖簾 米林外喜子 築港 200508
利久井近き一斤蕎麦の麻のれん 山田をがたま 京鹿子 200510
麻暖簾かけて始まる饅頭屋 三橋早苗 ぐろっけ 200511
ほがらかに老いの健啖麻のれん 岡本眸 200605
芹澤のいろはくづしや麻暖簾 水原春郎 馬醉木 200607
麻のれん掛けしばかりを潜りけり 若槻妙子 200708
靴脱ぎて入る会場麻暖簾 鈴木石花 風土 200709
麻暖簾わけて清方美人かな 河本由紀子 春燈 200710
地下街の老舗にかかる麻暖簾 久保田嘉郎 酸漿 200710
面長の店主九代目麻のれん 半澤正子 馬醉木 200712
紫陽花や水屋を区切る麻のれん 斉藤小夜 風土 200809
千年を呼び起したる麻暖簾 橋添やよひ 風土 200809
慶長より続く旅籠屋麻のれん 河村泰子 ぐろっけ 200809
麻のれん日のあるうちに掛かりけり 根橋宏次 やぶれ傘 200911
風まとふ甘味処の麻のれん 辻知代子 201007
麻のれん庫裏の大戸を開け放ち 吉田裕志 201008
通院の道に酒肆あり麻のれん 阪本哲弘 201009
公家味噌をあきなふ小路麻のれん 佐藤美紀 ろんど 201009
創業は寛永元年麻のれん 森幸 雨月 201009
佃煮の老舗の競ふ麻のれん 佐伯星子 馬醉木 201012
雪月花と草書で書かれ麻暖簾 門伝史会 風土 201109
行き付けの小料理店あり麻暖簾 鈴木石花 風土 201109
麻暖簾掛け一見さんお断り 小坂優美子 馬醉木 201110
麻のれん「一」の掠れに風みえて 橋添やよひ 風土 201209
地酒屋の上間を透かすや麻のれん 三枝邦光 ぐろっけ 201209
故里の歳月透ける麻暖簾 米尾芳子 馬醉木 201210
麻暖簾婆の談笑きりもなし 岡野ひろ子 201211
麻のれんくぐり清方美人かな 河本由紀子 春燈 201310
せんべいの焼く手が見えし麻暖簾 小林共代 風土 201310
太平記の里の黄昏麻暖簾 鈴木石花 風土 201408
鯨カツは昭和の匂ひ麻暖簾 佐用圭子 201408
くぐり抜くる古き商家の麻のれん 井口淳子 201408
江戸情緒のこす浅草麻のれん 橋本くに彦 ホトトギス 201411
麻暖簾くぐり午餐をもてなさる 山本漾子 雨月 201510
浜の日のくらくらまぶし麻暖簾 黒滝志麻子 末黒野 201609
藍染の小物商ふ麻のれん 遠藤清子 末黒野 201609
古民家をしきり浅黄の麻のれん 有賀鈴乃 末黒野 201609
くだくだと身の上話麻のれん 松本善一 やぶれ傘 201610
かたはらに奔る山水麻暖簾 須賀ゆかり 201707
寅さんの覗いてゐさう麻暖簾 黒滝志麻子 末黒野 201708
女房を先にくぐらせ麻のれん 山本喜朗 雨月 201709
麻暖簾奥へ何度も聞きかへす 齋藤厚子 201710
団子屋の昭和のにほひ麻暖簾 石黒興平 末黒野 201710
内緒てふ話筒抜け麻のれん 橋本くに彦 ホトトギス 201711
旧友とくぐる蕎麦屋の麻暖簾 押田裕見子 201712
麻のれん金と黒(こく)充つ佛具店 鈴鹿仁 京鹿子 201809
麻のれん奥に敵手の声したり 田所節子 201907
麻暖簾梲の上がる老舗かな 小林共代 風土 201909
分業の工房長屋麻のれん 永淵恵子 201912
分業の工房長屋麻のれん 永淵惠子 202002
麻のれん近江商人誇りとし 宮内とし子 202010
麻暖簾の家紋大きく茶道具屋 石黒興平 末黒野 202011
城跡の近き菓子司や麻暖簾 尾崎千代一 末黒野 202208
小流れの橋を渡つて麻暖簾 小巻若菜 やぶれ傘 202212

 

2023年6月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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