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一列に草の実抱へ蟻急ぐ   高島茂   民主文学

  羽蟻

作品
作者
掲載誌
掲載年月
炎暑かな蟻は将来見据いる 江口九星 201912
甘藷の穴より蟻の出てきたる 光成敏子 202002
さつきから考へてゐるらしき蟻 天谷翔子 202002
やはらかきもの閊(つか)へをり蟻の穴 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
蟻穴を出て戦無き城址かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
蟻穴を出でてのり子と目が合ひぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
どこにでも行けるを知りぬ蟻出でて 有松洋子 202005
蟻の列にはその先に何かある 稲畑汀子 ホトトギス 202005
初孫の先づ見付けしは蟻の道 稲畑廣太郎 ホトトギス 202006
これ以上大きな蟻はなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 202006
よく見れば蟻の世界の中にをり 稲畑汀子 ホトトギス 202006
蟻穴を出るそのなかにアナキスト 火箱ひろ 202006
はたらかぬ二割の蟻も齷齪と 井上菜摘子 京鹿子 202006
日曜と知つてゐる蟻をりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202006
山の蟻には別世界ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202006
極楽の文学の道蟻の道 稲畑廣太郎 ホトトギス 202006
蟻ん子に居心地抜群密の地下 大日向幸江 あを 202007
山蟻がひた走り行く石畳 藤井美晴 やぶれ傘 202007
蟻の列見入る瞳を輝かせ 佐藤まさ子 春燈 202008
箒目の山河を越えて蟻の列 佐藤信子 春燈 202008
蟻穴を出て仮縫の黒を着る 伊藤涼志 ホトトギス 202008
石蹴りの石は小さし山の蟻 菊池和子 京鹿子 202008
老ゆるてふ手かせ足かせ蟻走る 尾野奈津子 春燈 202009
蟻穴を出て俳磚をたしかむる 大久保白村 ホトトギス 202009
蟻たちに出合ひがしらと言ふがあり 千田百里 202009
しんがりも統ぶるも一途蟻の列 栗原公子 202009
ねぢ花を蟻まつすぐに駆けのぼる 南うみを 風土 202009
先頭が乱れてしまふ蟻の列 中村洋子 風土 202009
大蟻の何かたくらむ黒光り 近藤喜子 202009
蟻の列ときに分派を為すもゐて 川高郷之助 202009
蟻に問ふ今日の歩数の値など 小林清彦 末黒野 202009
レンズ這ふ蟻がテレビに大写し 岩藤礼子 やぶれ傘 202009
雨あがる蟻んこだって泳げるぞ 火箱ひろ 202009
災ひの来るかそはつく蟻の群れ 村上國枝 春燈 202009
子は居間でドリル繰る蟻の列 伊吹之博 京鹿子 202010
蜂死んで蟻の神輿となりにけり 善野行 六花 202010
蟻穴を出づれば象の前に居り 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
カステラを土産に蟻の凱旋す 大日向幸江 あを 202105
議事堂へ続く曲線蟻の道 稲畑廣太郎 ホトトギス 202106
子の零すお菓子に聡き蟻の道 稲畑廣太郎 ホトトギス 202106
六甲の風と存問蟻の道 稲畑廣太郎 ホトトギス 202106
列なせる蟻の殿夕日引く 武田未有 202107
みづうみや木椅子の端に蟻が出て 山田健太 風土 202107
木のベンチ蟻一匹と我ひとり 鈴木和江 202108
いけにへの躍り乍らの蟻の列 牛島晃江 202109
蟻が行く蔓のからまるレンガ塀 渡邊孝彦 やぶれ傘 202109
やうやくに陽の沈みゆく蟻の道 秋山信行 やぶれ傘 202109
山蟻の無策無謀の修羅の森 鈴鹿呂仁 京鹿子 202109
すんなりと通らぬ真実蟻の道 菊池和子 京鹿子 202109
蟻の巣へためらひて撒く殺虫剤 佐藤勝代 末黒野 202109
まだ少し息ある虫を蟻が曳く 中村洋子 風土 202109
蟻の列ふいとひとつが離れゆく 浅田光代 風土 202109
炎天下翅曳く蟻を見続けぬ 森高武 風土 202110
佛門に生くは難しと寺大蟻 塩貝朱千 京鹿子 202110
三毛放心餌に群がる蟻の列 秋川泉 あを 202110
パプリカの花に溺るる昼の蟻 山浦紀子 春燈 202110
秋の蟻あふぎの端に執着す 山田六甲 六花 202110
百年の銀杏を登る蟻の列 森竹治郎 末黒野 202111
翅一枚数多の蟻の担ぎゆく 小林拓路 末黒野 202111
蟻羽虫割れ無花果に溺れをり 谷田明日香 風土 202112
ゆく蟻に耳打ちしてはもどる蟻 角野良生 202112
蟻の巣に動かぬ蟻を引いて入る 塚原紀代子 風土 202201
蟻出でて半導体の混み合へり 辻美奈子 202204
ぶつかつてぶつかつて伸ぶ蟻の道 稲畑廣太郎 ホトトギス 202206
蟻の道ゴルゴダの丘目差すかに 稲畑廣太郎 ホトトギス 202206
一匹が逸れ蟻の道乱れ初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 202206
蟻走る跳ぶ蟻の道出来るまで 稲畑廣太郎 ホトトギス 202206
蟻を見て蟻に見られて逃げられて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202206
道端の凸凹をゆく春の蟻 佐藤稲子 やぶれ傘 202208
安寧な地表のありて蟻の列 川高郷之助 202208
軍拡はいつかきた道蟻の列 酒井たかお 202209
大江山空気食べ過ぎ蟻太る 西村白杼 京鹿子 202209
大蟻に小蟻噛みつきしがみつき 六車佳奈 風土 202209
蟻の列乱さず観音詣かな 辻泰子 春燈 202209
腕を這ふ山蟻ふつと吹き落とす 藤井美晴 やぶれ傘 202209
蟻の這ふ島原受難供養塔 柴崎和男 やぶれ傘 202210
天命の働きなりて蟻急ぐ 林いづみ 風土 202210
一枚の翅捧げつつ蟻の列 内山みち 末黒野 202211
空といふ無限大かな蟻は人 安田優歌 京鹿子 202211
林檎届く志賀高原の蟻つけて 本多トミ 202212
レクイエム奏でつつ蟻穴を出づ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202303
外れたき蟻も居ろうに蟻の列 角好良生 202304
世の終り明日来さうに蟻走る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305
摩天楼底に蠢く蟻の道 稲畑廣太郎 ホトトギス 202306
城門に歩兵の翳や蟻の列 鈴鹿呂仁 京鹿子 202306
蟻→ 1

 

2023年8月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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