青 梅 3    102句

青梅を落としし後も屋根に居る  相生垣瓜人  微茫集

梅の実   青梅   実梅

作品
作者
掲載誌
掲載年月
青梅の詰まつて固き袋かな きくちきみえ やぶれ傘 201507
青梅を雨待つ色と思ひけり 林昭太郎 201508
青梅を捥ぐ頃合を妻に聞き 山本喜朗 雨月 201508
殉教や青梅あをきまま落ちて 有松洋子 201508
青梅やふと舅姑を恋ふる日も 田中藤穂 あを 201508
ガレージの屋根に青梅また一つ 河合とき 末黒野 201509
身の程の青梅ほどのこころざし 楠原幹子 201510
青梅の木にあるうちは影もたず 吉田順子 201510
青梅は葉影に風は葉面に きくちえみこ 港の鴉 201510
だんだんに夜の青梅見えてきし きくちえみこ 港の鴉 201510
青梅落つ予備の釦のある安堵 小島須磨子 京鹿子 201601
杖の先青梅の未だ小さき実 植木やす子 201602
青梅の太る江の電軋むたび 神蔵器 風土 201605
青梅や男の子の尻は叩くべし 森岡正作 201607
青梅の美味さうな香を放ちけり 加藤みき 201607
青梅や夕べの雨の青しづく 山田正子 201607
月光の中に青梅膨らみぬ 杉本薬王子 風土 201608
一日を黄梅青梅ジャムにして 須賀敏子 あを 201608
ひらがなでもの想ふ日の青梅の肌 藤浴博子 京鹿子 201608
精一杯青梅でゐる乾きかな 上野紫泉 京鹿子 201608
青梅や昔子供は丸坊主 内山照久 201608
青梅や雨のしづくにふくらみて 宮坂秋湖 201608
殉教や青梅あをきまま落ちて 有松洋子 201608
青梅の光透けくる日射しかな 中島昌子 201608
青梅やころりころりと物忘れ 久米憲子 春燈 201609
葉隠の青梅知らぬ濁世かな 佐渡谷秀一 春燈 201609
青梅や二つ返事の納屋壊し 田中臥石 末黒野 201609
青梅を一つ見付けてよりの数 宮平静子 雨月 201609
びつしりと青梅乾坤鴉声待つ 高木晶子 京鹿子 201609
何でもない日暮青梅転がりぬ 高野春子 京鹿子 201609
青梅の落ち刻を知り雨を呼ぶ 岡山敦子 京鹿子 201609
青梅を落とす脚立の三段目 丑久保勲 やぶれ傘 201609
青梅は沈み青柿流れゆく 大坪景章 椿垣 201612
信濃かな青梅の実のやはらかき 延川五十昭 六花 201707
青梅を硝子器に盛りてあり 延川五十昭 六花 201707
なり年や青梅人の足を止め 堺昌子 末黒野 201708
青梅の香り満ちをり恐ろしき 加藤みき 201708
青梅の瑞みづしさよ掌に受くる 安立公彦 春燈 201708
青梅の月のひかりに.透きて見ゆ 今井妙子 雨月 201708
青梅や医者になりたき夢などと 塩見かず子 京鹿子 201709
青梅は樹の精霊の色ならむ 秋山ユキ子 201709
かじつてはならぬ青梅かじりたき 奥井あき 201709
高空に残る青梅父の色 青山正生 201709
青梅のサンプルとして落つ一つ 柴崎甲武信 春燈 201709
青梅の散らばる中に去年の種 中村千久 万象 201710
旨さうな青梅の香の満ちあふれ 加藤みき 201807
青梅に紅さし初めし地蔵かな 内藤静 風土 201808
青梅の色づき部屋に匂ひ立つ 安野眞澄 201809
青梅のころがる先は就活生 平佐和子 京鹿子 201809
青梅や酔ひが足りぬと酎を足す 遠山悟史 京鹿子 201809
青梅の濃き彩りを恐れけり 永井惠子 春燈 201809
青梅や葉影の大いなる雫 湯川雅 ホトトギス 201810
青梅を捥ぐはるかより青馬一頭 若森京子 船団 201812
一と雫より青梅の育ちゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
青梅雨やガンジー像の脛細し 鈴木愛子 201908
青梅の尻どつしりと五湖晴るる 岩木茂 風土 201908
玄関に青梅ふたつころがつて 山田健太 風土 201908
青梅や氷砂糖の角溶けて 西川麻規 馬醉木 201909
青梅に山の音きく父の家 雨村敏子 201909
青梅のリカーの海に眠りをり 沼田桂子 春燈 201909
たまさかの宿場歩きや青梅落つ 吉川 春燈 201909
妻籠本陣青梅のころころと 荒井一代 201909
青梅雨の山迫りくる大糸線 宮内とし子 201909

 悼句

青梅雨の那須野へ発たれ蓑と笠

南うみを 風土 201909
青梅雨の机上に会計報告書 林いづみ 風土 201909
青梅雨の武蔵野をバスひた走り 柿沼盟子 風土 201909
青梅や家庭科のある男子校 松本胡桃 風土 201909
青梅雨の青の際立つ姿焼 高木晶子 京鹿子 201909
青梅雨の街の夕暮灯の溶けて 山岸明子 201910
青梅雨を釣り人のゆく河川敷 安藤久美子 やぶれ傘 201910
青梅にへそ戸袋に未知の闇 笹村ルル 201910
青梅雨や旅先に買ふ軽き傘 遠藤清子 末黒野 201910
青梅雨の空の中なる白帝城 横山昭子 雨月 201911
青梅雨の池白鳥の死の告示 都築繁子 201912
青梅雨の足裏やわらかフラダンサー 津田このみ 船団 201912
青梅や些細なことに傷つきて 仲里奈央 201912
青梅や些細なことに傷つきて 仲里奈央 202002
僧院の青梅落つる石畳 岩永みはる 追伸 202003
青梅や耳たぼ厚き出世びと 鈴鹿仁 京鹿子 202006
妻籠本陣青梅のころころと 荒井一代 202007
青梅の転がつてゐていま更地 きくちきみえ やぶれ傘 202007
青梅のへた取る子らや喜々として 辻泰子 京鹿子 202008
青梅の大志にもがき落ちにけり 高橋寛子 京鹿子 202008
住み古りて青梅いつか実をなさず 石田康明 京鹿子 202008
葉隠れに青梅見ゆる虚空かな 吉田順子 202008
青梅や口中につばき満つ 加藤みき 202008
埋められぬ溝の深さよ青梅落つ 中山未奈藻 202009
葉隠れの尻青梅の知恵盛り 森岡正作 202107
青梅を拾ふいつかも水匂ひ 半谷洋子 202108
謀ならむ青梅のひそみゐる 菊川俊朗 202108
ままごとの客や青梅ぐだくさん 農野憲一郎 春燈 202108
青梅の尻を数へてをりにけり 白石正躬 やぶれ傘 202109
青梅の青き天地に紛れざる 小島良子 202109
リンゴ酢と氷砂糖と青梅と 林いづみ 風土 202109
美しきこの青梅を何にしやう 半谷洋子 202109
ままごとの客や青梅ぐだくさん 農野憲一郎 春燈 202201
青梅や夜来の雨の粒光る 辻泰子 春燈 202208
青梅に紅差しそむる登四郎忌 町山公孝 202208
小鳥来て青梅ぽつと赤み増す 岡山敦子 京鹿子 202208
待たず落つ青梅笊と棒一本 伊藤希眸 京鹿子 202209
洗ひあげし青梅かをる夜の厨 貫井照子 やぶれ傘 202210
青梅のうぶ毛光るや水の中 村田敦子 末黒野 202210
青梅 →1

 

2023年6月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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