青葉木菟 2     129句

恋の句の一つもなしよ青葉木菟    高島茂

仏法僧  木葉木菟  青葉木菟

作品
作者
掲載誌
掲載年月
青葉木菟棄郷者吾を詰りけり 泉田秋硯 200409
ほうほうと夜のゆるびぬ青葉木菟 長沼冨久子 馬醉木 200409
淋しさに引き込まれさう青葉木菟 塩川雄三 築港 200409
青葉木菟うしろより闇蹤いて来る 岩上とし子 200409
青葉木菟死ぬときの声誰も噫々 八田木枯 晩紅 200409
寄宿舎にありし門限青葉木菟 安食守 200410
レイ・チヤールズ死す青葉木菟啼く夜かな 山路紀子 風土 200410
青葉木菟ブリキの金魚浮き上る 小田元 六花 200410
青葉木菟農事暦に余白なし 高倉恵美子 200410
星の夜も真つ暗闇も青葉木菟 河野美奇 ホトトギス 200411
青葉木菟宿の歯ぶらし使ひゐて 米澤光子 火星 200411
繊月に更くる山荘青葉木菟 岡淑子 雨月 200411
陰陽おんみやうの呪咀かと聴けり青葉木菟 泉田秋硯 黄色い風 200505
青葉木菟紙の袋の口開いて 木下野生 200507
青葉木菟夜にめざまし鳴つてをり 石脇みはる 200507
青葉木菟梢は暮るる藍溜めて 岡本まち子 馬醉木 200508
舟小屋に淡き灯の入る青葉木菟 神宮きよい 馬醉木 200508
考へる刻もたらしぬ青葉木菟 近藤喜子 200508
見てしまふ韓流ドラマ青葉木菟 森泰一 火星 200508
青葉木菟その声とどく御能の座 河合佳代子 栴檀 200508
青葉木菟暗くうす闇を抜き足で 梅原美子 200508
真昼間の木瘤となりぬ青葉木菟 大塚まや 京鹿子 200508
青葉木菟過疎の山麓寂しくも 指尾直子 雨月 200508
青葉木菟亡き父をすぐ思ひ出す 淵脇護 河鹿 200509
ハモニカの次を催促青葉木菟 泉田秋硯 200509
たまゆらの神の声なす青葉木菟 神宮きよい 馬醉木 200509
眠りおち闇はまどかに青葉木菟 長沼恒子 馬醉木 200509
口答へせぬ文机や青葉木菟 小宮山勇 遠嶺 200509
落ちてゆく眠りの中の青葉木菟 長谷川春 200509
その指輪寂しからむと青葉木菟 山尾玉藻 火星 200509
昼を聞き夜を見てゐる青葉木菟 中野京子 200509
家移りの夜やほうほうと青葉木菟 堀田清江 雨月 200509
村の灯の一つは生家青葉木菟 野坂民子 馬醉木 200510
妻逝きて三とせとなりぬ青葉木菟 浅井青陽子 ホトトギス 200510
旅の荷の解けぬままなる青葉木菟 飛鳥由紀 200510
青葉木菟坊主頭の良く動く 海上俊臣 酸漿 200510
神杉の雲の奥より青葉木菟 佐藤いね子 馬酔木 200511
闇深き神話の湖の青葉木菟 安原ときこ 遠嶺 200511
夜櫻やすぐ鳴きやみし青葉木菟 瀧春一 常念 200606
焦土にも道あり遠き青葉木菟 瀧春一 常念 200606
門限の過ぎしを告げて青葉木菟 鷹羽狩行 200606
青葉木菟女も夜々のとまり木に 瀧春一 瓦礫 200606
青葉木菟目くばり大手搦手へ 品川鈴子 ぐろっけ 200606
目離せば森に紛るる青葉木菟 品川鈴子 ぐろっけ 200606
青葉木菟くぐもり声の楠連理 品川鈴子 ぐろっけ 200606
青葉木菟この世に母の骨置かれ 杉浦典子 火星 200607
身じろがぬ青葉木菟ずれ遠眼鏡 品川鈴子 ぐろっけ 200607
またしても胸突き八丁青葉木菟 稲嶺法子 遠嶺 200608
青葉木菟二声森を深くする 今谷脩 ぐろっけ 200608
山に遊び青葉木菟なと聞けよかし 大橋敦子 雨月 200608
一握の希ひを明日に青葉木菟 宮脇ちづる 200609
はらからへ文書き直す青葉木菟 戸栗末廣 火星 200609
青葉木菟こずゑに吊るす忘れ傘 吉田明子 200609
湯ぼてりの髪梳くに鳴く青葉木菟 影島智子 200609
遠慮がちに話切り出す青葉木菟 福島松子 ぐろっけ 200609
青葉木菟生家の屋敷林にて 鈴木愛子 ぐろっけ 200609
青葉木菟「ぼろ着て奉公」と鳴くと祖母 鈴木愛子 ぐろっけ 200609
かの世から椋に来てをる青葉木菟 冨松寛子 200610
山小屋にひとりの夜の青葉木菟 蓮尾あきら 風土 200610
晩学の吾に励めと青葉木菟 安達加寿子 200611
開け放ち眠る古里青葉木菟 水野加代 万象 200611
青葉木菟夜ごとなかれて眠りけり 蓮尾あきら 風土 200611
予告なき訣別グレー青葉木菟 山元志津香 八千草 200612
賑はひをたたみし露店青葉木菟 山本正 京鹿子 200701
城生まれ敏き瞳の青葉木菟 品川鈴子 ぐろっけ 200706
青葉木菟鳴くに厠へ行く子の伴 稲垣光子 200706
青葉木菟寺に温泉湧いてをる 延広禎一 200708
生かされてま昼の檻の青葉木菟 竹内悦子 200708
青葉木菟こゑ天心に届くなり 近藤喜子 200708
青葉木菟目に効くといふ温泉に通ふ 神蔵器 風土 200708
旅ふた夜同じ遠さに青葉木菟 西村梛子 馬醉木 200708
青葉木菟遠くに聞きて遅寝かな 佐藤健伍 200709
達谷の窟々の闇青葉木菟 石脇みはる 200709
青葉木菟のこゑちかぢかと宮の杜 雨村敏子 200709
空耳か苔寺に聴く青葉木菟 平田すみ子 風土 200709
寝つく間も無く母が起き青葉木菟 三浦カヨ子 酸漿 200709
父ははの眠りは浅し青葉木菟 高倉和子 200709
青葉木菟鳴くたび月の濃くなりぬ 間宮あや子 馬醉木 200709
だしぬけに祝ぎの二タ声青葉木菟 延広禎一 200710
大海おほわたや半眼にして青葉木菟 栗栖恵通子 200710
万全といふ高さかな青葉木菟 柴田久子 風土 200710
青葉木菟根方の石の仏めく 森田節子 風土 200710
青葉木菟声が声呼ぶ闇の中 齋部千里 ぐろっけ 200710
青葉木菟大師の山の濃き闇に 指尾直子 雨月 200710
青葉木菟長子亡くせし兄へ文 小島みつ代 200710
子の電話短くきれて青葉木菟 上林孝子 200710
青葉木菟天の岩戸の闇うごく 南一雄 200711
青葉木菟きくから瞼うるむんです 山元志津香 八千草 200712
ふるさとは包みきれざり青葉木菟 井上菜摘子 京鹿子 200801
返すべき本読みつげば青葉木菟 鷹羽狩行 200806
寝落つ間の山音太り青葉木菟 渡邉友七 あを 200806
常に胸熱くあらせと青葉木菟 小澤克己 遠嶺 200807
青葉木菟闇はいよいよ深まれり 坂本知子 酸漿 200807
比叡の月ややに暈持ち青葉木菟 益本三知子 馬醉木 200808
もつともつと聴きたき声よ青葉木菟 近藤喜子 200808
死のときのひとりにさせる青葉木菟 小山田子鬼 200808
住み馴れて青葉木菟まで子守歌 松井のぶ 200808
ゆふべより親しくなりぬ青葉木菟 吉田明子 200808
書かざれば今日の終らず青葉木菟 天野みゆき 風土 200808
そろへたる足指青葉木菟の鳴く 渡邉美保 火星 200808
青葉木菟何を恋ほしと鳴きゐるや 大橋敦子 雨月 200808
青葉木菟暗き武蔵野にのこる闇 柴田良二 雨月 200808
青葉木菟森の精霊らしく鳴く 泉田秋硯 200809
青葉木菟闇の襞より声洩らす 成富好乃 200809
青葉木菟鳴きゐて詩心うるうるす 大橋敦子 雨月 200809
奥祖谷の灯を恋ふ声の青葉木菟 橋本榮治 馬醉木 200810
青葉木菟来鳴と語り句碑除幕 浅井青陽子 ホトトギス 200810
青葉木菟老いて留守居の昼餉かな 高倉恵美子 200810
青葉木菟一山の闇払ひけり 戸栗末廣 火星 200811
土器発掘クラブの媼青葉木菟 西面和子 200908
箸紙に句の走り書き青葉木菟 杉本綾 200908
いちにちを書斎に籠もり青葉木菟 小澤克己 遠嶺 200908
人の虚を埋めたる青葉木菟の声 近藤喜子 200908
青葉木菟父の鼓の緒のゆるび 杉浦典子 火星 200908
青葉木菟月のなき夜のおほきな木 杉浦典子 火星 200908
青葉木菟下戸の夫に酒届く 渡辺数子 火星 200908
塾の灯の煌とともれる青葉木菟 岩井ひろこ 火星 200908
青葉木菟夜の記憶を支配せり 本多遊方 春燈 200908
青葉木菟楡の古木に雛三羽 米田正弘 200908
陵の森より夜の青葉木菟 内山芳子 雨月 200908
病む母の寝落ちし頃ぞ青葉木菟 鈴木裕之 馬醉木 200909
青葉木菟落葉の中にかさとをり 石脇みはる 200909
句集出さず逝きし人あり青葉木菟 坂本俊子 200909
懺悔座の凹みて固し青葉木菟 荒井千佐代 200909
陽の気とうぶの心や青葉木菟 延広禎一 200910
南吉の村の入り口青葉木菟 稲垣眞弓 200910
青葉木菟の声かぶりけり詰将棋 垣岡暎子 火星 200911
側室の墓の小ぶりや青葉木菟 池内結 ろんど 200912
青葉木菟毘沙門堂の燭ゆらす 村田冨美子 京鹿子 201001
青葉木菟灯ひとつおそくもらしをり 豊田都峰 土の唄 201002
手紙よく書きたるむかし青葉木菟 片山由美子 201005
青葉木菟→ 3      

 

2021年7月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。