秋 蝶 2    86句

秋蝶の翅を小きざみに草うつり   清原枴童

秋の蝶  秋蝶

作品
作者
掲載誌
掲載年月
突然に来て秋蝶は風になる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
秋蝶が来るさざなみの船溜まり 藤井美晴 やぶれ傘 201511
秋蝶の高舞ふ墓前太鼓かな 能村研三 201512
秋蝶の母かとおもふ父も来し 清部祥子 201512
秋蝶の古刹への径誘へり 溝越教子 春燈 201512
山中へ消ゆる秋蝶見送りぬ 秋山蔦 春燈 201512
秋蝶の風あそびして島往き来 和田照海 京鹿子 201512
麻沙子師の魂か秋蝶句碑の辺に 佐藤貞子 雨月 201512
秋蝶の過ぎ来し方や幾山河 池永加代 京鹿子 201601
秋蝶のけだかきまでに黄色かな 加藤みき 201601
秋蝶も我も吹かるる身なりけり 荒井千佐代 201601
秋蝶と越ゆ禊橋三鬼の碑 安永圭子 風土 201602
秋蝶のさまよふやうに河原飛ぶ 多方清子 雨月 201602
秋蝶の睦み合へるも風のまま 松田泰子 末黒野 201602
ゆるり飛ぶ小さき秋蝶草に消ゆ 遠藤清子 末黒野 201602
バッカスの化身秋蝶舞ひ止まず 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
秋蝶の為に綻ぶ百花かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
秋蝶の風拒み日を恋ふ高さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
秋蝶の駆け込む空や直指庵 鈴鹿呂仁 京鹿子 201610
秋蝶の草に動悸を鎮めをり 田所節子 201611
こはばりし秋蝶にのる秋の蝶 江島照美 201611
わが指紋つけし秋蝶空へ消ゆ 有松洋子 201611
秋蝶や夕日の庭に来て遊び 岡本まち子 馬酔木 201611
秋蝶の翔ぶ高からず低からず 岡淑子 雨月 201612
秋蝶や翅小きざみにさ迷へる 大石喜美子 雨月 201612
秋蝶や風のはやさに押されつつ 工藤ミネ子 風土 201612
秋蝶の羽一根たたみゐる草の先 増田みな子 やぶれ傘 201612
秋蝶や我が先を行く試歩の道 外山節子 末黒野 201612
秋蝶とメタボやっつけ隊コラボ 笹村恵美子 201612
秋蝶の渡りに出合ふ山日和 三輪温子 雨月 201701
川べりは風寄るところ秋蝶来 箕輪カオル 201701
秋蝶の弧を描くたび波の音 加藤峰子 201701
秋蝶の空気抜くごと翅たたむ 宇都宮敦子 201702
ようどれの窓秋蝶の翳りたる 中本清 万象 201702
喪帰りの黙秋蝶を遠見せり 村田あを衣 京鹿子 201703
秋蝶やものみな揺れてゐる日なり 中川句寿夫 ここのもん 201705
秋蝶の沈む草丈なかりけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
吹かれ来て秋蝶草に紛れざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
秋蝶の黄に導かれゆく歩幅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
秋蝶や波の立ちたる鳰の湖 中田禎子 201711
秋蝶の二頭の黙や流人の地 鈴鹿呂仁 京鹿子 201711
水玉の秋蝶永遠の飛翔 笹村恵美子 201712
秋蝶も吾も水玉に帰す日まで 火箱ひろ 201712
去りやらぬ秋蝶ひとつ好文亭 安立公彦 春燈 201712
寄辺なく来て秋蝶のさまよへり 中里よし子 春燈 201712
秋蝶に一歩越さるる思ひあり 雨宮桂子 風土 201712
秋蝶はきらりと垣の向かうへと 大崎紀夫 やぶれ傘 201711
秋蝶となりけり此岸離れきて 北村梢 京鹿子 201801
秋蝶につまづきさうに立方根 佐藤喜孝 あを 201801
風と来て秋蝶風の草に消ゆ 土江比露 春燈 201802
その中の黄に秋蝶の集まり来 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
秋蝶やビルの高さに紛れざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
秋蝶の空は天使の舞ふ高さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
秋蝶の舞うて水面を歪ませて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
秋蝶の一光体となる蒼さ 村田あを衣 京鹿子 201811
ふりむけば秋蝶のゆく野の真中 鈴鹿仁 京鹿子 201812
秋蝶や嬥の山の風に舞ふ 水野恒彦 201812
秋蝶や心もとなき手書き地図 栗原公子 201812
秋蝶の来ませり先師を呼びをらば 林いづみ 風土 201901
秋蝶の当てあるごとくなきごとく 竹内喜代子 雨月 201902
秋蝶の松の天辺ゆきにけり 中田禎子 201902
秋蝶の縫ひてテントは花のやう 中里昌江 末黒野 201902
秋蝶やまたも繙く遺稿集 井上和子 201904
早世の君秋蝶となりて舞ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
その中の赤に秋蝶群れたがる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
秋蝶の舞忌心を包み込み 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
首塚の秋蝶二頭陽をこぼす 鈴鹿呂仁 京鹿子 201910
秋蝶の犬鳴く方へ去りにけり きくちきみえ やぶれ傘 201911
秋蝶に荒瀬のしぶきはだかれる 南うみを 風土 201912
路線図に外れ秋蝶翳透きぬ 村田あを衣 京鹿子 201912
息ふかくして秋蝶のひらくなり 鈴木光影 201912
秋蝶の導く句碑の山に和す 鈴鹿仁 京鹿子 201912
秋蝶の眼で追ふ翳の深みかな 鈴鹿仁 京鹿子 201912
秋蝶ふはり句読点なき暮らし 政時英華 京鹿子 202001
舞扇いま秋蝶として羽撃つ 立村霜衣 ホトトギス 202001
翅ひろげ秋蝶とまる川原石 貫井照子 やぶれ傘 202002
秋蝶の縺れ浄土へ吹かれ行く 稲畑廣太郎 ホトトギス 202008
秋蝶の高さを競はざる縺れ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
秋蝶や古墳の主の化身とも 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
秋蝶の黄を強くせり墓の間 吉田順子 202011
息ふかくして秋蝶のひらくなり 鈴木光影 201911
坂吹かれゆく秋蝶を紙片かと 土井三乙 風土 202012
秋蝶や冬は越せぬか出羽の関 延川五十昭 六花 202012
秋蝶のふはりふはりと素十の忌 相川健 202101
供花に寄る秋蝶しばし羽根たたみ 菅野日出子 末黒野 202102
何も考へない秋蝶の翅使ひ 神蔵器 風土 202102
秋蝶 →1

 

2021年8月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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