秋高し 3     200句

秋高し空より青き南部富士   山口青邨

天高し  秋高し  空高し

作品
作者
掲載誌
掲載年月
今日までといふ快晴の秋高し 稲畑汀子 ホトトギス 201110
ジャズメンはむかし青年秋高し 細野恵久 ぐろっけ 201110
一徹は亡父の人生秋高し 伊東和子 201111
杉材の匂ふ普請場秋高し 生田作 風土 201111
洋館を描く学童秋高し 落合晃 201112
秋高し鬼押し出しの溶岩聳え 鈴木照子 201112
阿夫利嶺を揺るがす神鼓秋高し 荒井慈 春燈 201112
東塔の木組の古色秋高し 数長藤代 201112
稜線の先端に小屋秋高し 山口ひろよ 201112
秋高し兵庫運河の船溜り 高木篤子 ぐろっけ 201112
秋高し真昼の糶り場がらんどう 大沢美智子 201112
秋高し近づくバスの煌めいて 永田万年青 六花 201112
空港に鳥となるとき秋高し 松岡和子 201201
子が誇る傷は小さし秋高し 柴田佐知子 201201
ビル街に船渠残して秋高し 松本周二 かさね 201201
水面に顔出す亀や秋高し 吉田博行 かさね 201201
秋高し隠れて小さき切支丹 工藤節朗 201201
弁当の輪ゴムが飛んで秋高し 林昭太郎 201201
秋高し神の棒は瘤抱へ 長濱順子 201202
秋高し一人すすむる庭造り 内藤玲二 201202
照葉峡カメラの列に秋高し 東秋茄子 京鹿子 201202
馬場駆くる栗毛黒駒秋高し 尾崎みつ子 雨月 201202
秋高し丘の教会それを突き 川口利夫 ホトトギス 201203
村挙げて蕪村顕彰秋高し 稲岡長 ホトトギス 201203
犬に芸仕込んでゐたり秋高し 松下八重美 201211
秋高し耀く雲の品評会 前川ユキ子 201211
山上の一朶の雲や秋高し 吉田博行 かさね 201211
まだ慣れぬ右側通行秋高し 丸田信宏 京鹿子 201212
秋高し放流の稚魚滑り出て 原友子 201212
秋高し巌となりしさざれ石 永田万年青 六花 201212
秋高し学校行事ひしめきて 山口天木 雨月 201212
電子辞書二つ目を買ひ秋高し 椿和枝 201212
ゴンドラは莢のかたちよ秋高し 大東由美子 火星 201212
但馬牛の鼻紋とる子ら秋高し 史あかり ぐろっけ 201301
小さき漁港朝の羅終へ秋高し 宮平静子 雨月 201301
流鏑馬の的射る音や秋高し 橋場美篶 末黒野 201301
秋高し道租神が笑む民家 福田かよ子 ぐろっけ 201301
秋高し五輪塔背に楷大樹 松本三千夫 末黒野 201301
秋高し雲を舟行く最上川 藤原冬人 火星 201301
分けて水飲むやがれ場の秋高き 松本三千夫 末黒野 201301
山錦繍花嫁と見し秋高き 福田かよ子 ぐろっけ 201302
異国やな椰子の並木の秋高く 谷口俊郎 201302
継之助五十六の街秋高し 安原葉 ホトトギス 201304
遷座せる大社の千木や秋高し 山本喜朗 雨月 201311
教会は飛び立つ形秋高し 小菅暢子 201311
秋高し飛行機雲は一直線 青木英林 かさね 201311
校庭の少女の像や秋高し 成田なな女 春燈 201311
朝の月雨雲去りて秋高し 和田勝信 かさね 201311
尖塔のクルスの光秋高し 石谷淳子 雨月 201312
未来図に聖火の届く秋高し 佐藤弘香 ろんど 201312
秋高し朗らに話す癌患者 斉藤裕子 あを 201312
秋高し鼻ぺしやんこの嬰なれど 佐藤山人 201312
秋高し反り身で叩く大太鼓 佐藤山人 201312
秋高し清瀬に永久の波郷句碑 白澤よし子 馬醉木 201312
ちぎれ雲浮かび丹波の秋高し 山口キミコ 201312
銀鱗の躍る河口や秋高し 岡野里子 末黒野 201401
鉄骨を組む男どち秋高し 塩川君子 末黒野 201401
騎馬戦の騎手は女生徒秋高し 外山節子 末黒野 201401
真言を無心に唱へ秋高し 吉田克美 ろんど 201401
秋高し眉は木偶似の人形師 福島せいぎ 万象 201401
秋高く虎臥城址指呼にして 伊東和子 201401
かはらけを乗せる風あり秋高き 塩路五郎 201401
点滴の終の一滴秋高し 大坪景章 万象 201401
カラフルな美人ジョガーや秋高し 生方義紹 春燈 201401
秋高し富士山さがす甲斐の宿 岩田登美子 ぐろっけ 201402
秋高しかつて遊びしいとこの訃 大野芳久 やぶれ傘 201402
お四国や笠映えわたる秋高し 吉田克美 ろんど 201402
乙女らの混じる展帆秋高し 加藤静江 末黒野 201402
棟上げの声あぐ大工秋高し 松村晋 ぐろっけ 201402
一刷毛の雲の純白秋高し 小川凉 201402
一人用鍋を買ふ市秋高し 松林依子 201402
秋高し薄々と雲置き乍ら 稲畑汀子 ホトトギス 201410
秋高き一日横川に在りしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201410
行く末を確と見据ゑて秋高し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
鷹匠の鋭きまなこ秋高し 宮崎左智子 201412
秋高く雲の憩へる水面かな 塩路五郎 201412
全開の校舎の窓や秋高し 小泉貴弘 春燈 201412
秋高し句を作るとは生くること 阪上多恵子 雨月 201412
秋高し乗り放題の途中下車 山本無蓋 201501
秋高し黒板壁の酒造蔵 松林依子 201501
滑車網を手繰る夫婦や秋高し 増田菖波 春燈 201501
緑(あお)鳩の緑の腹や秋高し 榊山智惠 末黒野 201501
秋高し緒を締めて立つ甲山 滝澤圭子 雨月 201501
秋高し摩天崖へは杖の道 赤座典子 あを 201501
秋高しリレーアンカー一人抜く 有賀昌子 やぶれ傘 201502
騎馬戦の総大将に秋高し 藤井啓子 ホトトギス 201502
棟梁の槌の確かさ秋高し 田代貞枝 201502
堰音の清しき里や秋高し 加藤静江 末黒野 201502
秋高し五風十雨の大十勝 佐瀬晶子 ろんど 201502
秋高く犀のあいつが弟か 坪内稔典 船団 201502
秋高し櫂の削ぎゆく川の色 山田佳乃 ホトトギス 201504
秋高し「前畑」しのぶスタジアム 遠藤迫遙子 風土 201507
安曇野に縁深めて秋高し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
結び目の光る白帯秋高し 鈴鹿呂仁 京鹿子 201510
揃ひたるバグパイプ隊秋高し 久留米脩二 馬醉木 201511
秋高し首まで漬かりさうな甕 塩貝朱千 京鹿子 201511
新装のパン屋に列や秋高し 井上静子 201511
秋高し播磨灘へと日の移り 山田六甲 六花 201511
秋高しラップで握る塩むすび 有賀昌子 やぶれ傘 201512
人間の膕(ひかがみ)白く秋高し 本多俊子 201512
園児らのラジオ体操秋高し 野畑さゆり 201512
秋高し混成チームの草野球 田中藤穂 あを 201511
灯台を描く少年秋高し 阿部重夫 末黒野 201512
尿もれの予防体操秋高し 武智由紀子 201512
大き窓多き宮邸秋高し 柿沼盟子 風土 201512
海原にこころ放ちて秋高し 中村洋子 風土 201512
馬場駆くる馬の血管秋高し 浅田光代 風土 201512
秋高しフォッサマグナの上歩く 鈴木庸子 風土 201512
少年の小さき矜恃秋高し 石井清一郎 馬醉木 201601
ひと鳴きに揃ふたてがみ秋高し 黒滝志麻子 末黒野 201601
イベントのテント膨らむ秋高し 久世孝雄 やぶれ傘 201602
水煙の天女眩しく秋高し 磯野しをり 雨月 201611
口ずさむドイツリートや秋高き 手島靖一 馬酔木 201611
秋高し合宿の子等土手走る 廣瀬雅男 やぶれ傘 201611
秋高し五彩に映ゆる鮑殻 小川玉泉 末黒野 201611
ビストロに祭提灯秋高し 柿沼盟子 風土 201612
秋高し鈴鹿の嶺々を一望す 服部珠子 雨月 201701
走る子を撮らんと走り秋高し 中田みなみ 桜鯛 201701
秋高し足の機嫌の良き吟行 藤本啓子 京鹿子 201701
秋高し砂丘の点となる駱駝 住田千代子 六花 201701
馬上に背正す権祢宜秋高し 田代民子 201701
横笛に始まる雅楽秋高し 苑実耶 201701
青春を急ぐ自転車秋高し 須賀ゆかり 201701
秋高し光る音して鯉の口 畑佳与 京鹿子 201702
秋高し自衛隊機の大編隊 久世孝雄 やぶれ傘 201702
7言ひ分けは口には出さず秋高し 稲畑汀子 ホトトギス 201710
白帽はシェフの象徴秋高し 秋葉雅治 201711
ロックフィルダム白き堰堤秋高し 棚橋朗 201711
秋高し定まる生を豚一途 三木享 201711
峰寺の額の宸筆秋高し 密門令子 雨月 201711
秋高し帆船白き帆を張れり 中里よし子 春燈 201712
秋高しすだ椎千の枝を張り 楠原幹子 201712
秋高し一本杉の立つことも 定梶じょう あを 201712
秋高し昭和一桁天仰ぐ 植村蘇星 京鹿子 201712
秋高しぐいと斜めに門の松 永田万年青 六花 201801
後ろ向きに走る審判秋高し 楠原幹子 201801
秋高し御恩奉謝の経唱ふ 中貞子 201801
秋高し馬は厩で洗はれて 渡邉孝彦 やぶれ傘 201711
秋高し丈六地蔵仁王立 石田野武男 万象 201801
伽藍より雀こぼれて秋高し 加藤静江 末黒野 201802
生活を七日で区切り秋高し 高倉和子 201804
秋高しまたとがらせるHB 長沼佐智 船団 201809
秋高し灯台白き孤独かな 石川りゆうし 201811
卓上は句友の心秋高し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
シーキャンドルと呼ばるる灯台秋高し 持田信子 春燈 201811
秋高し船を見送る鳶七羽 永田万年青 六花 201812
秋高し男子ばかりの神学校 秋山文子 末黒野 201812
工事場の風力計や秋高し 小原紀香 末黒野 201812
秋高しジュースを作りジャムを煮て 深川敏子 春燈 201812
弥撤了へて弾む異国語秋高し 持田信子 春燈 201812
秋高し高校生の吹奏楽 長崎桂子 あを 201812
総持寺や七堂伽藍秋高し 岡田正義 雨月 201901
屋上をビルは隠して秋高し 鈴木光影 201901
アルパカのすくと立つ丘秋高し 中嶋陽子 風土 201901
合点の谺合点秋高し 植村蘇星 京鹿子 201901
朝ドラのスタートダッシュ秋高し 波戸辺のばら 201901
秋高しサスペンダーの老紳士 貫'井照子 やぶれ傘 201902
淀屋橋に立てば愈々秋高し 大橋晄 雨月 201902
デッサンの四人並びて秋高し 大橋晄 雨月 201902
秋高し無事に在せる妙音天 大橋晄 雨月 201902
百歳を記念の句碑や秋高し 西村しげ子 雨月 201902
象の鼻麒麟の首や秋高し 横田敬子 201902
秋高しかくも青さの眼にしみて 滝口洋子 末黒野 201902
落球はあまりにも秋高すぎて 藤井啓子 ホトトギス 201903
体重計気になる指針秋高し 植村蘇星 京鹿子 201911
戦知らぬ子の脛長く秋高し 吉田陽代 201911
キャンパスに弾ける笑ひ秋高し 森なほ子 あを 201912
回転扉首尾良く抜けり秋高し 篠田純子 あを 201912
束の間の砂の足跡秋高し 中田みなみ 201912
秋高し神意に沿ふ鳥すいすいと 伊吹之博 京鹿子 201912
秋高し護摩木に齢記しけり 吉田順子 201912
秋高し一村統ぶる鳶の笛 村田あを衣 京鹿子 202001
来年の暦織る音秋高し 鷹崎由未子 春燈 202001
頂を越えて手に入る秋高し 中西厚子 202001
棟上げの白木の香り秋高し 廣瀬新 やぶれ傘 202002
正面の雲の動かず秋高し 湯川雅 ホトトギス 202002
秋高し委細合点遠こだま 植村蘇星 京鹿子 202002
神幸の馬丁は乙女秋高し 曽根富久恵 202005
卒寿鋤く畝がまつすぐ秋高し 林徹也 202006
お祭の金魚が育ち秋高し 田中藤穂 あを 202012
秋高し上棟の紙垂きらめきて 赤座典子 あを 202012
秋高し鈍き音たて牛が伏す 柴田佐知子 202101
秋高し羽織るジレーに若返り 大川暉美 末黒野 202102
伽藍よりこぼるる雀秋高し 加藤静江 末黒野 202102
秋高し郵便受に旅の本 斉藤マキ珈琲 末黒野 202102
日に染まる端山遠山秋高し 松浦哲夫 末黒野 202102
秋高し夫の遺影を睨みけり 志方章子 六花 202102
彫り上げし仏の笑みや秋高し 秋津令 202102
指先まで元気な子ども秋高し 岩永はるみ 春燈 202111
地蔵堂の屋根に積石秋高し 赤座典子 あを 202111
秋高し湖逆しまに森作る 江草礼 春燈 202112
乾ききる池の木橋や秋高し 加藤静江 末黒野 202112
産地の名しるす青果や秋高し 六崎正善 末黒野 202112
天窓へ一片の雲秋高し 青柳節子 末黒野 202112
秋高し雲悠優と勾玉池 塩貝朱千 京鹿子 202112
生かされて天与の惠秋高し 植村蘇星 京鹿子 202112
星抱く馬の眉間や秋高し 小林陽子 202112
秋高し出産ラッシュの動物園 渡辺若菜 春燈 202201
ぴんと干す真白きシーツ秋高し 森清信子 末黒野 202201
秋高し →4

 

2023年9月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。