秋の山     145句

家ふたつ戸の口見えて秋の山    道彦

秋の山  秋の峰  秋の嶺

作品
作者
掲載誌
掲載年月
病窓に変らぬ力秋の山
堀口千穂子
円虹
199901
まほろばの秋山を背に新羅仏
高木良多
春耕
199901
又同じ秋の山見て入港す
稲畑汀子
ホトトギス
199909
秋の山わかる齢となりにけり
広渡敬雄
遠賀川
199909
みんな来てリュックに詰める秋の山
小枝恵美子
ポケット
199911
赤い×ひとつある地図秋の山
内田美紗
船団
199912
ドラム缶もラブホテルもあり秋の山
小倉喜郎
船団
199912
句碑いくつ眠らせ秋の山の闇
長山あや
円虹
200001
形見着て乗る深秋の山手線
田中藤穂
水瓶座
200002
同齢の遍路と語る秋山路
能村登四郎
200010
赤鳥居より初秋の山めざす
高村洋子
遠嶺
200011
ひとの見し猿見そこなふ秋の山
上田好子
200012
秋の山錦まとひてかゞやけり
久保田一豊
いろり
200012
呼び合ひし声にいろあり秋の山
北川孝子
京鹿子
200102
蚕の宮に秋の山蚕の繭二つ
北吉裕子
春耕
200109
ゴンドラの空駈けるごと秋の山
小林光美
春耕
200111
てのひらをまつかに秋の山おりる
彌榮浩樹
銀化
200112
錦秋の山は露天に良く映えて
高樋洋子
いろり
200112
見上ぐるや風サラサラと秋の山
石井美代子
遠嶺
200112
秋山の六甲盾として神戸
岡田芳子
ぐろっけ
200112
晩秋の山から聞こゆ工事音
小林あつ子
火星
200201
ひと吐きてゴンドラ返す秋の山
山田由利枝
雨月
200201
秋の山ポテトサラダの隠し味
足立浩一
200201
秋山の大修羅落しまなかひに
鈴鹿野風呂
京鹿子
200202
もの言へば何か失ふ秋の山
沼田巴字
京鹿子
200202
塔入れて尊くしたる秋の山
沼田巴字
京鹿子
200202
ちちははの影追うてみる秋山河
大谷茂
飛白
200208
近づけば遠ざかる彩秋の山
稲畑汀子
ホトトギス
200210
訪ひたくて訪ひ得し句碑や秋の山
岡西恵美子
円虹
200212
秋の山髭たくましき案内人
宮城島たか子
200301
塔に雲居つきて秋の山晴れず
市場基巳
200301
鉛筆のぬくみ素描の秋の山
阿部正枝
絵具箱
200304
日の射せば襞をたゝみぬ秋の山
稲畑汀子
ホトトギス
200310
青空に置けば峙つ秋の山
稲畑汀子
ホトトギス
200310
大山の秋の山容見つゝ旅
稲畑汀子
ホトトギス
200310
秋山の名に七面も十枚も
伊藤白潮
200310
秋の山先達めきて蝶のゆく
小峯雅子
酸漿
200311
初秋の山にて火星の話など
和田敏子
雨月
200311
お薄の泡きれいに立ちて秋の山
水野あき子
遠嶺
200312
秋の山ごんずいといふ実の赤し
井関祥子
酸漿
200312
秋の山もう急ぐこと無くなりぬ
岩上とし子
200403
独行の秋の山路の流離めく
橘澄男
山景
200408
秋の山秩父の色に染まりけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200409
どの木ともなく雫して秋の山
伊藤以玖子
対岸
200412
水音の頭上にありぬ秋山路
鳴海清美
六花
200501
藪の中何か音せり秋山路
森理和
あを
200511
身に即し仏と成れる秋の山
高橋将夫
200512
人生を駆け抜け秋の山に果つ
奥秋義貫
遠嶺
200601
石に背を預けてゐたり秋の山
堀木基之
百鳥
200601
一爆は錫杖に似て秋の山
堀口希望
200601
錦秋の山ふところに塔一つ
林日圓
京鹿子
200603
くに訛暮秋の山を越えてより
宇都宮滴水
京鹿子
200612
大日のまとふ錦の秋の山
高橋将夫
200612
胸中はおだやかなりし秋の山
高橋将夫
200702
彩りの今日がありけり秋山路
稲畑汀子
ホトトギス
200710
秋の山拾ひし棒のすてどころ
富沢敏子
200801
人声の透きとほりたる秋の山
木内美保子
六花
200801
雲切れて錦秋の山透けて来し
犬塚李里子
200802
おおいなるわがにぎりめし秋の山
坪内稔典
稔典句集
200804
秋の山朽木にくくる道しるべ
都丸美陽子
春燈
200812
足腰の痛み話題に秋の山
坂根宏子
200812
のぼり来て土軟らかし秋の山
徳丸峻二
風土
200812
秋の山空を大きく従へて
柿沼盟子
風土
200812
秋の山まっかな服に着がえるよ
広瀬結麻
200901
中腹に煙ひとすぢ秋の山
佐藤眞隆
京鹿子
200901
しとど濡れ歩くほかなき秋山路
稲畑汀子
ホトトギス
200908
六甲は我のまほろば秋の山
稲畑汀子
ホトトギス
200910
色深めゆく雨の又秋の山
稲畑汀子
ホトトギス
200910
一雨の一雨ごとの秋の山
稲畑汀子
ホトトギス
200910
秋の山高ければ谷深からむ
滝沢幸助
春燈
200911
かはらけの嬉しく飛びぬ秋の山
谷村幸子
201001
秋の山酸素ボンベを携へて
松木溪子
201001
噴煙のゆるやかに伸び秋の山
八木喜世子
201002
望郷や父と歩みし秋の山
大澤洋子
酸奬
201002
秋の山白んで始発列車かな
常田創
201010
半分は秋となりたる秋の山
高橋将夫
201012
秋の山攀ぢ神座にひとり坐す
泉田秋硯
201012
夜は秋の山気下り来る家郷かな
藤井美晴
やぶれ傘
201012
秋の山内ポケットにある句帳
田中藤穂
あを
201012
秋の山をさな子連れし父あまた
坂根宏子
201101
秋の山耳を塞ぎてゐたりけり
瀬川公馨
201101
さながらに一幅の絵や秋の山
田村幸子
201102
「ごめんね」とみすゞの谺秋の山 藤本秀機 201112
お似合ひの帽子の皇后秋の山 河野美千代 201112
秋の山日は滔滔と暮れにけり 五ケ瀬川流一 六花 201201
ひとときの葉風聞きゐる秋の山 白石正躬 やぶれ傘 201201
雲かかるその上に雲秋の山 白石正躬 やぶれ傘 201202
縄跳びの円にすつぽり秋の山 甘田正翠 末黒野句集 201203
秋の山越え秋の山抜け芦屋 稲畑廣太郎 ホトトギス 201210
見える時見えない時も秋の山 須賀敏子 あを 201211
傘ひらく音立てにけり秋の山 大東由美子 火星 201212
甲斐なまり信濃なまりと秋の山 田中藤穂 あを 201212
呼び合ひし声透き通る秋の山 吉田順子 201301
わが息の登りつめたる秋の山 浅田光代 風土 201301
秋の山六方踏んで鴉来る 佐瀬晶子 ろんど 201301
ハイカーの引きも切らずや秋の山 片岡良子 雨月 201301
雲脱ぎて稜正したる秋の山 宮平静子 雨月 201301
錦秋の山の名知らず鈴鹿越 竹内悦子 201302
秋の山さては花魁大首絵 中島陽華 201402
よく晴れて見れば近くに秋の山 稲畑汀子 ホトトギス 201410
素秋の山織部の魂と出合ひたる 鈴木初音 201412
小さき旅遠き眺めに秋の山 松田泰子 末黒野 201501
彩りて朝日に映ゆる秋の山 中野久雄 末黒野 201501
祝宴の窓パノラマに秋の山 上田由姫子 京鹿子 201501
秋の山照る陽翳る陽深みゆく 寺田すず江 201502
廃くものふえつつ秋の山路かな 稲畑汀子 ホトトギス 201510
秋の山読経のひびく共葬地 小松敏郎 万象 201512
全容を湖へ展げて秋の山 吉田順子 201601
息継いでまた登りゆく秋の山 井上浩一郎 ホトトギス 201602
秋の山百穂の波のしろじろと 中峯雍子 京鹿子 201602
頂でココアいただく秋の山 有賀昌子 やぶれ傘 201602
濃くも淡くも重畳の秋の山 東野鈴子 雨月 201604
秋の山こんなに削られてるとは 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
水写りしてゆらぎたる秋の山 沼田巴字 京鹿子 201610
稜線に雲置き初めし秋の山 稲畑汀子 ホトトギス 201610
秋の山ふと訪ねたき荘のこと 稲畑汀子 ホトトギス 201709
てつぺんで珈琲旨し秋の山 小巻若菜 やぶれ傘 201712
麦秋の山路踏みしめ登りけり 平沢恵子 春燈 201712
行く秋の山路芭蕉の句碑に会ふ 密門令子 雨月 201801
晩秋の山路を急ぐ帰り道 水井千鶴子 風土 201802
なつかしきここより秋の山路急 稲畑汀子 ホトトギス 201810
行く秋の山にけぢめの靴洗ふ 西村渾 201812
大地震に自ら崩る秋の山 岩下芳子 201812
山彦のひとつ躓く秋の山 井上菜摘子 京鹿子 201812
砕石の火薬置かるる秋の山 深川淑枝 201904
一斉に息吹き返す秋の山 中西厚子 201912
色絵具ぶちまけしやう秋の山 柴田靖子 202001
白銀の前の彩り秋の山 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
錦秋の山を見上げり足の萎え 黒滝志麻子 末黒野 202012
それぞれの樹形際立つ秋の山 田口りさ 六花 202101
園児らのおはやう百回秋の山 田中とし江 202104
黙食の続く給食秋の山 山田健太 風土 202201
秋の山径ゆづる児が「こんにちは」 白石正躬 やぶれ傘 202201
木も草も自ら変はる秋の山 高木春夫 202212

 

2023年10月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。