秋の声 4    100句

医師に背を向けて坐るや秋の声    内田しんじ

秋のこゑ  秋の声

作品
作者
掲載誌
掲載年月
世界遺産富士の発する秋の声 松嶋一洋 201410
満ち潮の巌に満つる秋の声 山田六甲 六花 201410
西行の井戸を覗けぱ秋の声 山田六甲 六花 201411
急逝の友の面影秋の声 岡野ひろ子 201411
耳鳴りの中にひそみし秋の声 四條進 201411
仏にも熱き茶を入れ秋の声 佐山五稜 風土 201411
折り返しをれば木の根に秋の声 山田六甲 六花 201411
日の暮や波がしらより秋の声 堀田順子 馬醉木 201412
双壁のメタセコイアや秋の声 松本三千夫 末黒野 201412
打ちよせる波にかすかな秋の声 本多俊子 201412
千年の杉のまにまに秋の声 金森教子 雨月 201412
一瀑の水音にきく秋の声 栗山恵子 雨月 201412
とくとくの泉かそけき秋の声 岩木茂 風土 201412
昇りゆく湯釜の硫気秋の声 津田富司 201412
吾が胸に触るるもの皆秋の声 田中淺子 201412
わが身出でわが身へ還る秋の声 玉置かよ子 雨月 201501
ピカソ絵のブルー一色秋の声 祖山正子 風土 201501
甌穴の底ひより立つ秋の声 鳥居美智子 ろんど 201501
秋の声ここ日本かと目を覚ます 伊吹之博 京鹿子 201502
秋の声聞く真筆の翁句碑 樺山翠 雨月 201502
天籟も地籟もなべて秋の声 金子つとむ ろんど 201502
木道の一歩こつんと秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
秋の声芭蕉を綴る音楽家 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510
オーロラに音階あらむ秋の声 前田美恵子 201511
端渓に墨おろしをり秋の声 山田六甲 六花 201511
コントラバスの韻きすなはち秋の声 楠原幹子 201511
ネックレスプツンと切れて秋の声 江草礼 春燈 201512
走り根を跨ぐ山路や秋の声 松本三千夫 末黒野 201512
立ち止まるラファエロ回廊秋の声 奥田茶々 風土 201512
秋の声集めて山の静寂かな 竪山道助 風土 201512
遠こだまかへりは秋の声となる 高田好子 京鹿子 201601
洞門や秋の声聴く石畳 松本三千夫 末黒野 201601
竹林やいつもどこかに秋の声 松本三千夫 末黒野 201601
八橋に佇てば四方より秋の声 森清堯 末黒野 201601
市庁舎の半旗の靡き秋の声 森田節子 風土 201602
虚子句碑の一字一字に秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201609
海見ゆる果(はた)てに立ちて秋の声 水野恒彦 201609
スコッチの氷からりと秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
秋の声一人残りし球場に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
錯迷の脳ひらけば秋の声 鈴鹿呂仁 京鹿子 201610
青畳足裏で知る秋の声 能美昌二郎 201611
初秋の声聞くやうにひらく文 須賀ゆかり 201611
行く雲やフウの木下の秋の声 浜福惠 風土 201611
雨戸一枚開くれば入り来秋の声 大橋晄 雨月 201612
独り居の無音の中の秋の声 大橋晄 雨月 201612
秋の声弥陀の半眼心眼と 久保田雪枝 雨月 201612
町川の浅き流れや秋の声 椎名文子 末黒野 201612
目瞑れば石庭に生る秋の声 占部美弥子 末黒野 201612
午後五時を過ぐれば無人秋の声 飯田久美子 末黒野 201612
草原の錆びし自転車秋の声 山荘慶子 あを 201612
手のひらの乾きてをりし秋の声 山荘慶子 あを 201612
跪き虚子塔に聞く秋の声 岡田ちた子 雨月 201701
寄せ墓に水子地蔵に秋の声 野田光江 雨月 201701
火入れ待つ陶こもごもの秋の声 馬屋原純子 馬醉木 201701
句碑囲む松亭々と秋の声 落合絹代 風土 201701
あらはなる山肌に聴く秋の声 安立公彦 春燈 201701
心耳に聴く戸隠古道や秋の声 向井芳子 春燈 201701
城山にもののふの声秋の声 平野みち代 201701
秋の声直売店の戸板古る 加藤峰子 201701
ひとり居の急がぬ家路秋の声 田代貞香 201701
名の井戸を覗けばはるか秋の声 宮内とし子 201701
秋の声潜む鍵付日記帳 涌羅由美 ホトトギス 201702
透きとほる風の届けし秋の声 涌羅由美 ホトトギス 201702
年尾忌の墓前に佇ちて秋の声 石黒興平 末黒野 201702
右耳の喜んでゐる秋の声 黒川俊郎 201707
秋の声ワインに溶けてゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
もういいかいまあだだよてふ秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
猫の耳ぴくと動きて秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
野良猫の去りゆく先の秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
一鍬土のひびきし秋の声 鈴鹿仁 京鹿子 201710
欄外の追伸小文字秋の声 田部井幸枝 201711
日毎捲く形見の時計秋の声 林八重子 馬醉木 201711
夫逝くや朝な朝なに秋の声 笹村政子 六花 201711
猫ねむり耳だけうごく秋の声 定梶じょう あを 201711
行交ひの車の絶える秋の声 長崎桂子 あを 201711
犬ころと魚眼レンズと秋の声 笹村恵美子 201712
秋の声草間彌生に会いに来た 鈴木みのり 201712
単線車に運ばれてくる秋の声 五十嵐富士子 末黒野 201712
投網打つ川の広さの秋の声 中江月鈴子 201712
車座に火を見つめゐる秋の声 稗田寿明 201712
秋の声もう聞きしかと文を遣る 久保夢女 201712
師の遺品ひとつひとつの秋の声 落合絹代 風土 201712
山峡は小さき切れ字秋の声 鷺山珀眉 京鹿子 201712
やや早きひとりの夕げ秋の声 笹村政子 六花 201801
発掘の地にうづくまり秋の声 平居澪子 六花 201801
木の神の野の神の辺や秋の声 福岡かがり 雨月 201801
蒼天の音なき鄙に秋の声 岩月優美子 201801
空の鳥そそのかされて秋の声 中堀倫子 201801
秋の声ゆつくり回すけふの鍵 村田あを衣 京鹿子 201801
秋の声耳鳴りのごとみな遠く 七郎衛門吉保 あを 201801
気が和む女車掌の秋の声 七郎衛門吉保 あを 201801
秋の声古城に唯一無二の井戸 森清堯 末黒野 201802
文閉ぢて耳傾ける秋の声 宮崎他異雅 末黒野 201802
雨戸開くれば忽ちに秋の声 大橋晄 雨月 201802
踝をくすぐつてくる秋の声 井上菜摘子 京鹿子 201802
目つむりて秋の声聞く檻の獅子 窪みち子 201804
雨戸開くれば忽ちに秋の声 大橋胱 ホトトギス 201805
懺悔室足元よりの秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
猫の耳ぴくと聞き留む秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
虚子の文字なぞれば聞ゆ秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
洞穴は黄泉ヘ二つの秋の声 山田六甲 六花 201810
頬かすめすぎゆく風や秋の声 荻布貢 201811
天平の當麻曼荼羅秋の声 城戸ひろみ 雨月 201811
秋の声 →5      

 

2021年10月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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