秋の声 5    104句

医師に背を向けて坐るや秋の声    内田しんじ

秋のこゑ  秋の声

作品
作者
掲載誌
掲載年月
まどろむや懐かしい顔秋の声 長崎桂子 あを 201811
往来は盛んになりし秋の声 長崎桂子 あを 201811
日暮よりか細く鳴くや秋の声 長崎桂子 あを 201811
八千の石塔の聴く秋の声 松本三千夫 末黒野 201812
そこ曲がれそこまっすぐと秋の声 火箱ひろ 201812
秋の声来るくる木橋の向こうから 火箱ひろ 201812
店頭の魚あをあをと秋の声 平沢恵子 春燈 201812
秋の声早々頓首なん書けば 定梶じょう あを 201812
池の辺に倒るる木々も秋の声 大橋晄 雨月 201901
弾圧の千人塚や秋の声 高木典子 雨月 201901
叡山の不滅の法灯秋の声 高木典子 雨月 201901
芭蕉句碑屈まりをれば秋の声 村上悦子 雨月 201901
波音の流人の塚や秋の声 塩見英子 雨月 201901
天を突く城址の森の秋の声 嶋崎豊子 雨月 201901
行く水の三島に秋の声を聴く 間島あきら 風土 201901
山寺に秋の声聞く一日旅 赤川誓城 ホトトギス 201901
三平も子規も根岸の秋の声 田丸千種 ホトトギス 201901
竜門の滝しぶきより秋の声 横山昭子 雨月 201902
雑踏にふと足止めて秋の声 伴明子 ホトトギス 201903
城垣を曲り出づるや秋の声 佐藤花木 雨月 201903
さざ波の一方向に秋の声 大山夏子 201905
秋の声芝生に沈む命より 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
秋の声地より湧き出る副都心 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
リーデルのワイングラスに秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
竹林の百幹といふ秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
伊予を恋ふ虚子の句碑より秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
しまなみの橋の彼方に秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
句碑の文字より虚子の声秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
秋の声象のはな子の居た時間 今井肖子 ホトトギス 201909
鉾杉の山の魂呼ぶ秋の声 鈴鹿仁 京鹿子 201910
風音の中より届く秋の声 稲畑汀子 ホトトギス 201910
峰寺を膨らませたる秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
秋の声芝生に沈む命より 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
横川の忌間近にしたる秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
秋の声関西弁で聞く故郷 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
帆船の転舵指示せる秋の声 西川織子 馬醉木 201910
丹精を尽くす卓より秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
師弟句碑行間埋めて秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
政庁の礎石に湿り秋の声 小倉征子 201911
大井戸の底より響く秋の声 小林紫乃 春燈 201911
髭たてて猫も聴きけり秋の声 中山惠子 201912
モーツァルトを聴けば即ち秋の声 大橋晄 雨月 201912
石像に踏まれし邪鬼の秋の声 谷村祐治 雨月 202001
円空仏耳を澄ませば秋の声 大森尚子 風土 202001
白壁をそぞろ歩きし秋の声 永田万年青 六花 202001
秋の声漫ろに聞きぬ闇の底 岡野里子 末黒野 202001
ときをりの瀬音が秋の声となる 佐藤あさ子 202001
母と居て会話の途絶ゆ秋の声 野口宗久 京鹿子 202001
夜の雨静寂の深し秋の声 野口宗久 京鹿子 202001
秋の声白い記憶の中で聴く 片山煕子 京鹿子 202001
秋の声こころ真水にしておかむ 村田あを衣 京鹿子 202001
野に在す如意輪観音秋の声 山下健治 春燈 202001
石粗き枯山水や秋の声 石黒興平 末黒野 202002
仮名文字の墨磨るゆとり秋の声 森清信子 末黒野 202002
風紋の日ごとに深し秋の声 古旗みさき 京鹿子 202002
頼朝の寄進の鳥居秋の声 長尾タイ 末黒野 202004
聴くは目を殺せと師言秋の声 高堀煌士 京鹿子 202008
秋の声バドミントンのシャトルより 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
地下鉄を出て風の声秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
秋の声てふ風筋のありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
大楠の幹の空洞秋の声 宮下桂子 202011
騙し絵に潜む女や秋の声 七種年男 202011
秋の声反物しゆるる巻き取れば 千田百里 202012
目を凝らす紺紙金泥秋の声 高久正 202012
苔寂びて遊女の墓石秋の声 石原孝人 京鹿子 202101
秋の声なり録音の黄鐘調 升田ヤス子 六花 202101
神像を従へおはす秋の声 田口りさ 六花 202101
古き世のホトトギスより秋の声 藤井啓子 ホトトギス 202102
白樫の枝張り広し秋の声 石黒興兵 末黒野 202102
木歩忌や籠りて秋の声を聴く 千田百里 202110
秋の声とも消息を伝へ来し 稲畑汀子 ホトトギス 202110
紹介を済ませし句座に秋の声 稲畑汀子 ホトトギス 202110
出席の叶ひし会に秋の声 稲畑汀子 ホトトギス 202110
聞きとめて遠くは秋の声かとも 稲畑汀子 ホトトギス 202110
秋の声水凹ませてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202110
久々に葉流さんといふ秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 202110
運転は諦めろてふ秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 202110
夕暮れのメタセコイアに秋の声 山岸明子 202110
湯抱の幽霊温泉秋の声 山田六甲 六花 202110
補聴器を外し独りに秋の声 安部潤 202111
顎に手を髭を撫ぜれば秋の声 安部潤 202111
四分音符の水琴窟や秋の声 辻泰子 春燈 202112
白杖や道の応ふる秋の声 斉藤みちよ 春燈 202112
竹林の百幹そよぎ秋の声 石黒興平 末黒野 202112
渾渾と流るる疎水秋の声 高木邦雄 末黒野 202112
変はりゆく雲の速さや秋の声 池乗恵美子 末黒野 202112
一陣の風の運びし秋の声 山本明彦 202112
鬼城忌の上毛三山秋の声 竪山道助 風土 202201
ここよりは鳥獣保護区秋の声 門伝史会 風土 202201
良弁の杉より発す秋の声 中村洋子 風土 202201
雲ひとつなき空に満つ秋の声 今橋眞理子 ホトトギス 202204
竹林を行く水音も秋の声 戸栗末廣 202205
秋の声聞くより旅の一歩かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
虚子塔の辺りもつとも秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
ビル街を包み込みたる秋の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
信玄の甲冑にある秋の声 森岡正作 202210
風わたる石仏の群れ秋のこゑ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202210
四分音符の水琴窟や秋の声 辻泰子 春燈 202212
白杖や道の応ふる秋の声 斉藤みちよ 春燈 202212
補に僅か初秋の声今朝の声 長崎桂子 あを 202211
練り硬き印泥をねり秋の声 中島和子 やぶれ傘 202212
裏木戸へ母の声とも秋の声 久間早苗 202212
城跡にもののふの声秋の声 森清信子 末黒野 202212
筆先に走る緊張秋の声 長尾タイ 末黒野 202212
手を耳に聞く波音や秋の声 太田良一 末黒野 202212
磨ききる玻璃に歳月秋のこゑ 安田優歌 京鹿子 202301
古伊万里の一輪挿しや秋の声 安田優歌 京鹿子 202301
尊顔に弔辞をたたむ秋のこゑ 寺岡直美 京鹿子 202301
目に見えぬものの確かさ秋の声 湖東紀子 ホトトギス 202302
難聴の身にも届きぬ秋の声 石黒興平 末黒野 202302
散るものに色付くものに秋の声 伊藤美伽 末黒野 202304
秋の声→ 1

 

2023年10月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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