秋の声 2     96句

家に人なし人に家なし秋の声    成美

秋のこゑ  秋の声

作品
作者
掲載誌
掲載年月
父死後は開かずの書庫や秋の声
能村研三
200210
長江の水の音にも秋の声
上野孝行
百鳥
200211
広広とダムサイドには秋の声
糸川白水郎
築港
200211
一瀧の半ばで聽きぬ秋の聲
中原道夫
銀化
200211
虚貝踏めば聞こへて秋の声
水野恒彦
200212
秋声や累一族葬る塚
竹内喜代子
雨月
200212
長持に鍵穴一つ秋の声
佐藤みほ
200301
確かなる蓑虫庵の秋の声
稲岡長
ホトトギス
200304
川風にやつと秋声聞き初むる
稲畑廣太郎
ホトトギス
200309
秋声といへば嵯峨野の竹の声
鷹羽狩行
200310
ふとめまひ覚え秋声聞きとめし
稲畑汀子
ホトトギス
200310
雨男返上せよと秋の声
稲畑廣太郎
ホトトギス
200310
所得て落着く句碑に秋の声
稲畑廣太郎
ホトトギス
200310
空港に木の床馴染み秋の声
能村研三
200310
三百年の松のまとへる秋の声
田中藤穂
築地吟行
200310
丹後大仏仰げば白し秋の声
浜明史
風土
200311
のぞき見る阿蘇の火口や秋の声
蓮尾あきら
風土
200311
秋声や歳月みせて仁王杉
阿波谷和子
雲の峰
200311
愛すべし吾が耳鳴も秋の声
堀内一郎
あを
200311
水走る石の裏より秋の声
後藤志づ
あを
200311
染殿の水は硬しと秋の声
山田六甲
六花
200311
木立とは木々の重なり秋の聲
岡本眸
200311
秋の声又ふりかへる地平線
三沢蘭
遠嶺
200312
秋声や海に聳つ岩襖
伊藤宇太子
200312
拝殿を辞せば海より秋の声
谷口智子
200312
だうなつの穴より届く秋の声
吉田明子
200312
白樺派の沼に漲る秋の声
江木紀子
雨月
200312
鳴るは鉦笙ひちりきと秋の声
堀内一郎
あを
200312
とつぷりと暮れて背戸より秋の声
岡本明美
雲の峰
200312
秋声や濡れたる石の色かはる
近藤喜子
200312
靖国の森の深さに秋の声
内山けい子
200312
秋の声しかと野の果海の見え
久保晴子
雨月
200401
秋の声ロマノフ朝の栄華跡
片山喜久子
雨月
200401
創建を知る柏槙の秋の声
落合絹代
雨月
200401
墨痕の一字一字に秋の声
鷹羽狩行
200401
草そよぐのみ木々からは秋の声
山口速
200401
鑿・手斧・鉋・金槌秋の声
大曽根育代
遠嶺
200401
見渡して日に日に遠し秋の声
浜元孝司
草の花
200401
洗心と茶掛一幅秋の声
中島知惠子
雨月
200402
秋の声ふと振返る切通し
松本文一郎
六花
200402
秋声を包む山雨の荘となる
稲畑汀子
ホトトギス
200408
シリーズの相手も決まり秋の声
稲畑廣太郎
ホトトギス
200410
億年をたゆまぬ雫秋の声
水原春郎
馬醉木
200411
まぎれなき秋声芭蕉遺墨より
長谷川翠
馬醉木
200411
またひとつ言ひ忘れしや秋の声
金子輝
春燈
200411
神鈴の恃み合ふ日の秋の声
鈴鹿仁
京鹿子
200411
夕空の生絹の雲や秋の声
有島扇水
河鹿
200412
秋の声やをら移らふ石の影
山下青坡
200412
剥落の壁画に見惚れ秋の声
能村研三
200412
秋声や頬に指あて弥勒佛
宮川迫夫
遠嶺
200412
漣に秋の声かと見てゐたり
森佳子
遠嶺
200412
秋の声伊予の鏝絵の青の色
北村菜々子
草の花
200412
秋声を吹きためてゐる船溜
豊田都峰
京鹿子
200412
補聴器をつけておとづる秋の声
中村重雄
百鳥
200412
秋の声ありと仰げば変圧器
定梶じょう
あを
200412
松渡る風おのづから秋の声
山口速
200412
金山の洞の奥より秋の声
若井新一
200412
秋声や小指にからむしつけ糸
林裕子
風土
200501
たをやかに秋の声聴く半跏思惟
さわいりまりこ
遠嶺
200501
秋声や大漁旗の船どまり
加藤みき
200501
寝落ちたる町戻るさの秋の声
大橋麻沙子
雨月
200501
街騒に遠き古刹や秋の声
久保晴子
雨月
200501
補陀落の名に石庭の秋の声
谷村祐治
雨月
200501
秋声や流木たまる伊良湖岬
落合絹代
雨月
200501
耳鳴かはた秋声か更けてより
乗光雅子
雨月
200501
垣積みの古窯片輝る秋の声
伊藤希眸
京鹿子
200501
老に守らる補陀落山寺秋の声
落合由季女
雨月
200502
松原の松の百態秋の声
卯木堯子
春燈
200502
町並みの蔵ひっそりと秋の聲
石山佳仙
200505
秋の声三代句碑に確と聞き
稲畑廣太郎
ホトトギス
200509
秋の声六甲近づけてをりにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200509
ビル街を押し上げてゐる秋の声
稲畑廣太郎
ホトトギス
200510
秋の声かと耳すます祝詞言
鷹羽狩行
200511
萬昌寺鐘楼高き秋の声
鈴木榮子
春燈
200511
応挙の竜眦喝と秋の声
松波とよ子
春燈
200512
秋の声聴かむと耳に手屏風す
村越化石
200512
手術日の留守番役に秋の声
三橋早苗
ぐろっけ
200512
草を踏み丘陵をふみ秋の声
星井千恵子
遠嶺
200601
合掌家捻苧の締まりも秋の声
細川洋子
200601
神官の持つ竹帚秋の声
三輪慶子
ぐろっけ
200601
アパートの小さな夜景秋の声
倉持梨恵
200601
玄室の闇の底より秋の声
加地芳女
雨月
200601
つまづきし石にもありぬ秋の声
野口年江
酸漿
200601
高階の生活に慣れて秋の声
山下青坡
200602
石を選る石工秋の声を聴き
峰尾秀之
200602
らふそくの炎のゆらぎ秋の声
的池遙
百鳥
200602
放浪記刻みたる碑や秋の声
石垣幸子
雨月
200602
秋声や我が目我が耳突き出せり
湯川雅
ホトトギス
200602
秋の聲わが吸殼の一炷に
瀧春一
常念
200606
鯖街道秋声つのる峠かな
能村研三
200510
玻璃と玻璃触れ秋声を発しけり
林翔
200510
勾玉に秋声とほる穴ひとつ
諸岡和子
200511
秋声や仮面寂びたる菩薩たち
永田二三子
酸漿
200511
秋声やひらり金魚の向き変る
武藤嘉子
200512
秋声にのせて母への便りかな
大槻球子
遠嶺
200212

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2021年9月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。