赤とんぼ 3     100句

死を賭ける日常もなく赤とんぼ    田沼文雄

赤蜻蛉 赤トンボ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書き・その他
切株に段差のありて赤とんぼ 小阪喜美子 二輪草 200606  
赤とんぼ柱の花として見上ぐ 丸山佳子 京鹿子 200609  
身を振つて都電楽しや赤とんぼ 岡本眸 200610  
閼伽桶の縁を離れぬ赤とんぼ 田村園子 200611  
赤とんぼ渓に生れて虹映ゆる 竹下幸子 火星 200611  
天安門人波の上の赤とんぼ 渡邊美保 火星 200611  
一文字瓦の上の赤とんぼ 小澤克己 遠嶺 200611  
赤とんぼ一茶の風に乗りにけり 外川玲子 風土 200611  
火の山を鎮め降りくる赤とんぼ 鈴木庸子 風土 200611  
一二匹列はなれをり赤とんぼ 丹羽敦子 酸漿 200611  
たましひの数だけ墓地の赤とんぼ 樋口みのぶ 200611  
堀川をめぐりてゐたる赤とんぼ 松下八重美 200612  
赤とんぼ碧き海へとつづく道 林友次郎 遠嶺 200612  
赤とんぼ骨董品の並ぶ街 西澤ひで子 遠嶺 200612  
赤とんぼ風に断層あるらしく 松本恒司 ぐろっけ 200612  
庭の日に影ともなひて赤とんぼ 鈴木幾子 酸漿 200612  
赤とんぼモデルハウスに影流す 笹村政子 六甲 200612  
赤とんぼ宙に止まり木あるごとし 青木朋子 200612  
子育ての頃なつかしや赤とんぼ 柴野静 200701  
水浴びの鳩のま上を赤とんぼ 大坪景章 万象 200701  
赤とんぼ棒杙のごと佇てば来る 笠原ひろむ 200701  
追伸のやうに影くる赤とんぼ 尾崎久子 ぐろっけ 200701  
上潮に翅をぬらせり赤とんぼ 百瀬七生子 海光 200705  
もの忘れわすれぬ唄に赤とんぼ 堀内一郎 あを 200709  
赤とんぼ止まりし草の動かざる 児玉修 200710  
赤とんぼとまれる指を天へ向け 滝沢伊代次 万象 200711  
赤とんぼ人の匂ひを慕ひくる 金井充 百日紅 200711  
干し網に綾なし群るる赤とんぼ 中江恵子 200711  
赤とんぼ群れたる川の流れかな 竹内悦子 200712  
鍵かけぬ山里ぐらし赤とんぼ 駒形祐右子 万象 200712  
赤とんぼにはかに故郷近くなる 堤湖舟 万象 200712  
赤とんぼモザイクめける分譲地 望月洋子 200712  
赤とんぼ宙に陣張る古戦場 長谷川閑乙 馬醉木 200712  
この空の青き中ゆく赤とんぼ 渡辺暁 酸漿 200712  
自販機へ来て止りをる赤とんぼ 渡辺暁 酸漿 200712  
防人の歌碑に縋れり赤とんぼ 花岡豊香 酸漿 200712  
ベビー服を干すログハウス赤とんぼ 名取袿子 200801  
指先は風の重さの赤とんぼ 木山杏理 京鹿子 200801  
赤とんぼ形見のめがね磨かねば 村田冨美子 京鹿子 200801  
しあはせな人に集まる赤とんぼ 倉持梨恵 200801  
赤とんぼ子に安心の家があり 奥田紀子 200801  
洗濯場は竹筏ツーバイ寄せ場赤とんぼ 小泉三枝 春燈 200802  
木造の学舎今に赤とんぼ 大山妙子 酸漿 200802  
赤とんぼ門扉とざせる遊園地 金山雅江 春燈 200808  
湖へ案内役の赤とんぼ 府川房江 母の空 200808  
播州は赤とんぼの歌似合ふ里 有元文子 風土 200809  
赤とんぼ園の芝生に群なして 吉成美代子 あを 200810  
介護にも賜る休暇赤とんぼ 宮崎左智子 200811  
石にとまり石とはならぬ赤とんぼ 上原重一 200811  
赤とんぼ風と遊べり山の湖 水原春郎 馬醉木 200811  
水杙に水のたはごと赤とんぼ 藤井寿江子 馬醉木 200811  
赤とんぼ童画の空がそこにある 足立典子 雨月 200811  
赤とんぼ賽の河原を往き来せり 青山悠 200811  
田まはりの前もうしろも赤とんぼ 小山漂葉 酸漿 200811  
一般車入れぬ林道赤とんぼ 鈴木庸子 風土 200811  
赤とんぼ増えて戦ふ事をせり 辻直美 200811  
赤とんぼ出水のあとに戻りけり 長崎桂子 あを 200811  
夕風に流るる牧の赤とんぼ 森ひろ 馬醉木 200812  
赤とんぼとまるベンチの端を借る 安西可絵 200812  
赤とんぼ追ふをためらふ妻の肩 宇佐見正 200812  
赤とんぼ龍野は鉤手径多く 小澤菜美 200812  
観戦の椅子の背にをり赤とんぼ 新井青葉 炎環 200812  
ひも結び教へをりけり赤とんぼ 鳥居恭宏 遠嶺 200812  
人の鞄に不良を知らぬ赤とんぼ 丸山佳子 京鹿子 200812  
赤とんぼ仕種ゆたかな妻に蹤く 松本鷹根 京鹿子 200812  
分校に音符あそびの赤とんぼ 山中志津子 京鹿子 200812  
光と風大空に満つ赤とんぼ 宮川みね子 風土 200812  
赤とんぼ水辺の空をすこし飛ぶ 外川玲子 風土 200812  
赤とんぼ四角き句碑の上を飛ぶ 堤内久美子 六花 200812  
足弱の父を追ひ越し赤とんぼ 鈴木しのぶ 200901  
いくたびも同じ穂先に赤とんぼ 大山春江 万象 200901  
赤とんぼ群れる高さに風のあり  涌羅由美 ホトトギス 200902  
泣きじやくる童子の肩に赤とんぼ 杉本絢之助 万象 200902  
棒切れを持てばやんちやに赤とんぼ 福島茂 200101  
午後五時にチャイム鳴る町赤とんぼ 杉良介 200909  
川沿ひに風の道あり赤とんぼ 竹貫示虹 京鹿子 200909  
かたまると見せては散つて赤とんぼ 鷹羽狩行 200910  
赤とんぼ頭大きな子が好きで 山尾玉藻 火星 200910  
赤とんぼ指さしてみてひとりかな 長谷川照子 春燈 200910  
色里に遊びし子規や赤とんぼ 二宮一知 万象 200910  
半蔵の峠を越ゆる赤とんぼ 伊藤敬子 200910  
腕に来て翅を下げきる赤とんぼ 森理和 あを 200910  
風の中嵯峨野の尼寺へ赤とんぼ 岡佳代子 200911  
赤とんぼ妊婦ゆつくり座りをり 篠原まどか 炎環 200911  
指に来てあしたの空の赤とんぼ 神蔵器 風土 200911  
赤とんぼ入日まみれに生くる証し 小山繁子 春燈 200911  
赤とんぼ居場所探してとんでゆく 池田光子 200911  
赤とんぼ草をしならす重さあり 吉沢陽子 200911  
舫ひ舟きのふの位置に赤とんぼ 吉沢陽子 200911  
赤とんぼ群れて岸辺を広げをり 吉沢陽子 200911  
君が肩わが肩親し赤とんぼ 渡辺数子 火星 200911  
赤とんぼ葛飾望む土手に立つ 永見博子 酸漿 200911  
単線の駅まで一里赤とんぼ 中村風信子 馬醉木 200912  
葉の尖り選び休息赤とんぼ 中川すみ子 200912  
大利根の今日の水嵩赤とんぼ 榎本慶子 炎環 200912  
大阿蘇の野に馬並ぶ赤とんぼ 中島陽華 200912  
赤とんぼ水を紡いで空深し 高畑信子 遠嶺 200912  
茅葺きの移築の旧家赤とんぼ 曷川克 遠嶺 200912  
赤とんぼ筋金入りの尾を張れり 久染康子 200912 赤とんぼ→ 4

11/08/31 追加

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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