石 榴 5    49句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
実石榴のつぎつぎ裂けて潔し 中島秀夫 王水 201909
天罰を受けしがごとく石榴裂く 中島秀夫 王水 201909
自分史に悔い多かりき割れ石榴 石川笙児 201910
口裂けしも言へぬことある石榴かな 大塚たきよ 201911
石榴の実身の内にある入れ子かな 江島照美 201911
石榴割る電磁波てふは見えぬもの 鈴木愛子 201911
二つ三つ柘榴ペルシャの涙壺 片山煕子 京鹿子 201912
数知れぬ実柘榴生れり本音まだ 伊藤希眸 京鹿子 201912
石榴割る嬰食ふ鬼の貌となり 沼田巴字 京鹿子 201912
柘榴捥ぐ掌に完熟の重さかな 河口仁志 201912
石榴割る淋しがりやの苛めつ子 太田昌子 馬醉木 201912
骨肉を争ふドラマ石榴割る 藤田美耶子 201912
ひと粒のブリリアンカット柘榴裂く 中田禎子 201912
実石榴の口尖らせてたわわなる 高橋まき子 風土 201912
通るたび何か言いさう石榴の実 土井三乙 風土 201912
吽の柘榴飾り食うぶは阿の柘榴 山田夏子 雨月 202001
実柘榴をわが郷愁のはじめとす 赤石梨花 風土 202001
くわつと指噛まれさうなる石榴もぐ 南うみを 風土 202001
裂けし実の哄笑したる柘榴かな 藤生不二男 六花 202001
石榴食べ身近に想ふ母のこと 堺昌子 末黒野 202001
柘榴の実赤い秘密が露見せり 高橋将夫 202001
塀越しの笑ひかけたる石榴かな 石黒興平 末黒野 202002
実柘榴の小部屋小部屋の笑ひ声 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
仁王門の口の中まで石榴熟れ 江見巌 六花 202002
存念の色憚らず石榴の実 田畑耕之介 京鹿子 202003
枝先にたるる石榴に日の重し 堀田こう 雨月 202003
裂け目よりひそひそ話石榴の実 藤田美耶子 202003
塩問屋の蔵がらんどう石榴熟れ 川内谷育代 馬醉木 202003
実柘榴や甲斐も信濃も戦の地 小河原清江 梛の木 202007
実石榴やファラオの国の風流る 田尻勝子 六花 202009
見得切つてゐる円熟の石榴かな 森岡正作 202011
柘榴捥ぐ掌に完熟の重さかな 河口仁志 201911
暁の如く石榴の割れそむる 辻美奈子 202012
実石榴を割れば百鬼の目玉あり 齊藤實 202101
実石榴のはじけるごとく自己主張 藤田美耶子 202102
手の柘榴皿にこつんと置いて夜 大崎紀夫 やぶれ傘 202111
掌に載せてけつこう重き柘榴の実 安藤久美子 やぶれ傘 202111
石榴熟れ真正直の痛みかな 亀井福恵 京鹿子 202111
石榴の実裂けて四方に活断層 小泉三枝 春燈 202112
笊盛りの石榴を買うて山の宿 谷田明日香 風土 202112
残照に実石榴の影濃かりけり 藤生不二男 六花 202112
実石榴の果肉を供ふ鬼子母神 五十畑悦雄 202112
太陽にかっと口開く石榴かな 秋川泉 あを 202112
柘榴落葉日毎に庭の光増す 赤座典子 あを 202201
泣き笑ひのこらへきれずや石榴裂く 河崎國代 春燈 202201
宝石の色もて石榴ペルシアより 荒井千瑳子 202201
その中に天邪鬼ゐる柘榴かな 岡本尚子 風土 202201
ペルシアの風のにほひや大石榴 岡美智子 末黒野 202201
細胞の弾け育つ子柘榴の実 渡辺富士子 末黒野 202201
柘榴→1

 

2022年10月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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