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柚も柿もおがまれにけり御影講   沾圃   続猿蓑

作品
作者
掲載誌
掲載年月
捥ぎて来し青柚たつぷり初秋刀魚 山口千代子 万象 201611
柚子の香や記憶の渦の華やげり 鈴鹿呂仁 京鹿子 201612
里山の無傷の柚子をいただきぬ 山田六甲 六花 201612
読まず書かず誰も来ぬ日の柚子一つ 井上信子 201612
青柚子の強がりばかり言ふかたち 七種年男 輪中の空 201612
ありがたき朝に日暮鬼柚垂る 佐藤喜孝 あを 201612
柚子燦々山家の庭の日当りて 福岡かがり 雨月 201701
勝手口出て青柚子を捥ぎにけり 大内幸子 六花 201701
柚子落つる落ちしばかりの重さかな 長谷川信也 万象 201701
成木責せし甲斐ありて青柚成る 岩井京子 201612
金平糖のやうな角持つ青柚子も 岩井京子 201612
柚子の疵風体どうと言はれても 小松誠一 201701
猫車柚子満杯の香りして 須賀敏子 あを 201701
荷をひろげ大獅子柚を売る男 秋川泉 あを 201701
駅頭に売る獅子柚に見とれをり 秋川泉 あを 201701
鉢植ゑの柚子の初生り器量よし 菅谷たけし 201702
僧庵の雀色どき柚子を捥ぐ 小林千草 馬醉木 201702
柚子梯掛けんと幹をめぐりたる 南うみを 風土 201702
みささぎに日当たる柚子を捥ぎにけり 南うみを 風土 201702
柚子の籠「水」の屋号の濃く太く 南うみを 風土 201702
一人膳ゆたか柚子の香載るだけで 浅田光代 風土 201702
鈴生りの柚子の一顆にはさみ入る 笠井敦子 201702
柚子の香や厨に老いし割烹着 佐藤澄世 馬醉木 201703
タイヤ交換まだかかりさう柚子を捥ぐ 吉田政江 201703
鬼柚子の寝首を掻きし昨夜の風 吉田政江 201704
一人減り二人減る村木守柚 川内谷育代 馬醉木 201704
初春のひかりの中の実柚子かな 須賀敏子 あを 201703
柚子くれること誰彼に約束し 中川句寿夫 ここのもん 201705
柚子剪定棘のいくらか枝に置き 上野進 春燈 201707
初成りの青柚子今朝も数へけり 石田きよし 201710
柚子でこぼこ各各にある言ひ分 有松洋子 201711
待ち切れず捥ぎし青柚の香にひたる 川村欽子 雨月 201711
柚の棘軍手突き抜け気を付けても 黒澤佳子 あを 201801
こきざみに脚立移して柚子をもぐ 大野芳久 やぶれ傘 201712
柚子三ついつの間にやら落ちにけり 大湊栄子 春燈 201801
鬼柚子を飾るや部屋に威厳ある 中貞子 201802
吸ひ口の柚子がぺらぺら誕生日 はしもと風里 201803
柚子一つづつの輝き机上にす 安部和子 雨月 201803
爪立てて湯ぶねの柚子に目を射らる 升田ヤス子 六花 201803
柚子の香の残る浴槽洗ひけり 平居澪子 六花 201803
かぐら鈴めける柚子の実空青き 片岡さか江 末黒野 201803
湯に浮かぶ柚子に小さき爪の跡 吉田政江 201803
一些事につまづき暮れて柚子は黄に 岡本秀子 201803
柚子光る水尾の里に仏蘭西語 今井康子 201804
いくつもの青い小粒と去年の柚 石森理和 あを 201807
小粒なり柿薔薇柚も緑の実 石森理和 あを 201808
青柚子や捥ぐ指先に全神経 定梶じょう あを 201810
柚子の実や熟れることなく土となり 江口九星 201811
鬼柚子を採つて貰ひし遍路道 能村研三 201901
柚子したたらす君が居たはずの時間 直江裕子 京鹿子 201901
柚子坊の何でも作るという仕事 つじあきこ 201901
柚子しぼる美しき指先にほひけり 塚本虚舟 やぶれ傘 201902
峠越へ棚田百選柚子たわわ 大内幸子 六花 201902
柚子を置く伝言メモに香の名残 三羽永治 201902
入れし手を棘が刺す柚子捥ぎにけり 岩井京子 201902
獅子柚子がでんとナースステーション 中島陽華 201902
柚子しぼり母特製のちらし寿司 久保夢女 201902
神宿る山の恵みや木頭柚子 田中美恵子 201903
弛まざる空の蒼さや木守柚 森清堯 末黒野 201904
とめどなき話の継穂柚子絞る 日置涛魚 201904
歳月は人を待たざり柚子は黄に 沼田巴字 京鹿子 201911
ノムさんのやうに鬼柚子ぼやきさう 七種年男 201911
青柚子をもらひにベルを鳴らしけり 近藤紀子 201911
土曜日の二時間ほどで柚子のジャム 須賀敏子 あを 202001
道問へば塀よりのぞく柚子をさし 山本漾子 雨月 202001
峰寺の脇参道の柚子明り 山本漾子 雨月 202001
柚子梯子掛けんと幹をふた巡り 南うみを 風土 202001
禁教の里に広がる柚子たわわ 安田優歌 京鹿子 202001
柚子明かり宮の金鈴鳴りわたる 安田優歌 京鹿子 202001
一人用土鍋の月日柚子しぼる 藤原照子 202002
すきとほる柚ジャムの黄や青い空 近藤紀子 202002
酸橘かぼす柚子の成り年他所の庭 近藤紀子 202002
鬼柚子の南半分暮れにける 雨村敏子 202002
初春の光の中に残る柚子 須賀敏子 あを 202003
一脚の椅子を喜び柚子搾る 高木品子 京鹿子 202003
獅子柚子の凹凸荒き面構 岩下芳子 202003
金満家めくや初湯に柚あまた 岡田史女 末黒野 202004
獅子柚に千条の皺隠れたる 瀬川公馨 202005
読み止しへ柚置く忘れ上手かな 亀井福恵 京鹿子 202005
柚子の香や芯温めて雨の音 治部少輔 202006
後水尾の隠れ里なり柚子は黄に 沼田巴字 京鹿子 202010
老木に今年も撓わ柚子ひかる 須賀敏子 あを 202101
擦れ合って庇少しある柚子を捥ぐ 須賀敏子 あを 202101
包丁の音の手早く柚子きざむ 笹村政子 六花 202012
葉付き柚子置く黒檀の床框 能村研三 202101
柚子の実の明るき色の増してをり 小池一司 やぶれ傘 202101
獅子柚子や湯舟に宇宙ありにける 中貞子 202102
浮き沈む柚子湯に遊び長引きて 長崎桂子 あを 202102
柚子を食ふ日当る土手に子が並び 秋川泉 あを 202102
あり余るほどの日を享け柚子は黄に 荒川新星 202103
夕里の柚子の実小さき灯のごとし 山岸明子 202110
覚えなき零れ種より柚子根付き 浜崎喜美子 202112
手袋を二枚重ねて柚子を摘む 須賀敏子 あを 202201
出来上がる苦味少々柚子のジャム 須賀敏子 あを 202201
手の届かぬあたりにあまた柚子熟るる 和田絢子 春燈 202201
柚子採ると数ふる数の香りかな 横山さくら 春燈 202201
どう見ても届かぬ梯子柚子は黄に 能村研三 202201
鬼柚子のめでたき黄色床の間に 大森春子 202201
柚子絞るつるりと種の転び出づ 高濱朋子 ホトトギス 202202
鬼柚子を擂つて若狭のかぶら漬 南うみを 風土 202202
幸せの柚子の香りにありと妻 善野行 六花 202202
退屈で昨日も今日も柚子絞る 高木晶子 京鹿子 202203
庭師去るウッドデッキに柚子残し 今井康子 202210
柚→ 1

 

2022年11月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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