柚 1 85句 としよりが縁側にゐて柚子の家 森田公司 |
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作品 |
作者 |
掲載誌 |
掲載年月 |
伊勢海老の跳ねて糶了ふ柚子日和 | 澤田緑生 | 馬醉木 | 199901 |
白雲や柚子山が黄に染まる頃 | 山田弘子 | 円虹 | 199901 |
鬼柚子のかく煮崩れて角もなし | 中原道夫 | 銀化 | 199901 |
柚子の香を洩らし僧房灯りけり | 長谷川翠 | 馬醉木 | 199902 |
柚子たるる親父の小言といふ湯呑 | 松崎鉄之介 | 濱 | 199902 |
長病める母を思へば月の柚子 | 松井淑子 | 朝 | 199902 |
柚子をもぐ童とどかずしかめ面 | 高木伸宜 | 船団 | 199903 |
水洗ひして居り君の好きな柚子 | 松山律子 | 船団 | 199903 |
いま捥ぎし香の濃き柚子を分けにけり | 石井大泉 | 春耕 | 199904 |
柚子の木の全量揺すり男騎る | 丸山海道 | 海道全句集 | 199910 |
幹すでに暮れ柚子の実は日を返す | 鷹羽狩行 | 狩 | 199911 |
ややこしき話となりし柚子しぼる | 城孝子 | 火星 | 199912 |
居酒屋の卓をころがりきたる柚子 | 杉浦典子 | 火星 | 199912 |
柚子の香の立ちてより椀啜りけり | 稲畑廣太郎 | 廣太郎句集 | 199912 |
柚子の香を指に移して夕仕度 | 稲畑廣太郎 | 廣太郎句集 | 199912 |
柚子の黄の村までのバスニ、三人 | 成定紋子 | 船団 | 199912 |
柚子坊の動くたび縞動くなり | 平橋昌子 | 槐 | 200001 |
木洩れ日の探り当てたる隠れ柚子 | 長谷川千枝子 | 沖 | 200001 |
柚子の木に泪をあづけご破算に | 宇都宮滴水 | 京鹿子 | 200001 |
柚子たわわ木にありて木を忘じをり | 藤岡紫水 | 京鹿子 | 200001 |
東京は船のようなり柚子もらう | 吉川真実 | 海程 | 200002 |
界隈の柚子の黄の日々濃くなれり | 松崎鉄之介 | 濱 | 200002 |
到来の柚子に土鍋の出番きし | 八染藍子 | 狩 | 200002 |
今生の闇の中にて柚子香り | 村越化石 | 濱 | 200003 |
年の暮どさりと柚子を貰ひけり | 小山梧雨 | 濱 | 200003 |
赤海鼠柚子一片の黄なりけり | 早乙女健 | 槐 | 200006 |
柚子の香も華やぐ卓のものとして | 稲畑廣太郎 | ホトトギス | 200011 |
開校百年あるほどの柚子木に輝き | 藤田宏 | 澪 | 200011 |
ここに幸ありと陽を得し小粒柚子 | 林翔 | 馬醉木 | 200101 |
父方のくまのの柚子の傷ものの | 田畑幸子 | 火星 | 200101 |
柚子日和声あげ運ぶ梯子かな | 皆川盤水 | 春耕 | 200101 |
大数珠を廻す講人柚子の里 | 御子柴光子 | 春耕 | 200101 |
不揃ひの柚子笊盛りに夕市場 | 御子柴光子 | 春耕 | 200101 |
脚立より梯子に替へて柚子一果 | 能村研三 | 沖 | 200101 |
柚子は黄に童話の国の入口に | 安居正浩 | 沖 | 200101 |
柚子熟るる真下を仰ぎ通りけり | 岡田順子 | 円虹 | 200102 |
柚子一つ置かるる居間に老二人 | 村越化石 | 濱 | 200102 |
菊の香にいま柚子の香に喜寿を越ゆ | 村越化石 | 濱 | 200102 |
絞り柚子すこし戸惑ひある日なり | 北川孝子 | 京鹿子 | 200102 |
夕闇に浮かぶ柚子なり点かぬなり | 田口傳右ヱ門 | 銀化 | 200102 |
魚河岸や鍋釜もあり柚子もあり | 芝尚子 | あを | 200102 |
蔵住ひのそれも風流柚子たわわ | 竹部千代 | 澪 | 200103 |
柚子の黄や旧家並びて同じ姓 | 安井よしこ | 船団 | 200103 |
柚子もぐや跳ね返りたる枝の空 | 高尾豊子 | 火星 | 200103 |
汲出の柚の香のぞく小さき子 | 松村美智子 | あを | 200103 |
吸い口の柚箸で持ちながめる子 | 松村美智子 | あを | 200103 |
柚たわわ焼跡ゆえの眩しさよ | 藤田宏 | 澪 | 200104 |
羽織のみ着替へし母が柚子の釜 | 岡井省二 | 槐 | 200105 |
柚子しぼりけり国生みの淡路島 | 武井康隆 | 船団 | 200106 |
長生きや柚子とふぐりが喧嘩して | 吉田さかえ | 海程 | 200107 |
記憶喪失あの一劃に柚つやつや | 若森京子 | 船団 | 200107 |
匂ひ艶よき柚子姫と混浴す | 能村登四郎 | 沖 | 200108 |
しぼり出されるを待ちをり柚子の種 | 木戸渥子 | 京鹿子 | 200110 |
大寺の僧が柚子もぐ長梯子 | 児島千枝 | 春耕 | 200110 |
柚子匂ふ古代黒なる大桶焼 | 赤座典子 | あを | 200110 |
卓上に誰がくれしか葉付柚子 | 能村登四郎 | 羽化 | 200110 |
会釈して頭上に柚子のたわわなる | 竹川美佐子 | いろり | 200111 |
柚子坊となじみし頃をゐなくなり | 萩谷幸子 | 雨月 | 200112 |
穫りたての柚子携えて回り道 | 小橋安子 | いろり | 200112 |
俯きて野辺送りゆく柚子しぐれ | 竹市悠紗 | 京鹿子 | 200112 |
柚子を捥ぐ老の背丈を使ひきり | 熊倉だい | 沖 | 200201 |
高原につづく街道柚子黄なり | 富田志げ子 | 酸漿 | 200201 |
柚子の香の仄とふくらむ雨の夜は | 山田天 | 雨月 | 200201 |
山門を出て柚味噌をもたせられ | 大森美恵 | 風土 | 200201 |
郷の柚刃をいれざりし幾日かも | 渡邉友七 | あを | 200201 |
瘤大き初成り柚子をうやまへり | 黒坂紫陽子 | 馬醉木 | 200202 |
醜柚子や良妻賢母中だるみ | 木戸渥子 | 京鹿子 | 200202 |
朝市に不揃ひの柚子並びをり | 遠藤裕子 | 円虹 | 200202 |
捥ぎ残す柚子や風鳴る冬至前 | 長田秋男 | 酸漿 | 200202 |
一と枝の柚子の重さの侮れず | 大橋敦子 | 雨月 | 200202 |
鉄塔の尖の白雲柚子熟れて | 今井妙子 | 雨月 | 200202 |
母想ふ日なり柚子の実二つ三つ | 侭田伊都希 | いろり | 200202 |
柚は黄に日向長者の眉長けて | 中原道夫 | 銀化 | 200202 |
柚鋏青天井を引つ掛けぬ | 中原道夫 | 銀化 | 200202 |
柚子の香や昨日と同じ猫の来て | 菊池育子 | 遠嶺 | 200202 |
柚子空に内親王の御誕生 | 高尾豊子 | 火星 | 200203 |
柚子載せて一村の香を出荷せり | 神宮きよい | 馬醉木 | 200203 |
柚子一つ浮かべ詩心とあそびをり | 小澤克己 | 遠嶺 | 200203 |
日の柚子を眩しみ行けばトトロの森 | 清水明子 | 遠嶺 | 200203 |
柚子もぎてふゆぞら低くしてしまふ | 大城まつ子 | 朝 | 200203 |
耕して柚子の黄高く残しけり | 柳沢杏 | 酸漿 | 200204 |
やはらかき日ざしや柚子を光らせて | 網野茂子 | 酸漿 | 200204 |
街道を大きく逸れて柚子の里 | 大村真佐子 | 遠嶺 | 200205 |
添ひとげることになるらし柚子一顆 | 直江裕子 | 京鹿子 | 200205 |
種共に五指よりこぼれ柚子しぼる | 山口和子 | ぐろっけ | 200205 |
柚 →2 |
2021年10月28日 作成
「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。
「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。
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