3   79句

柚子は香を蜂は翅音の母の墓    亀田虎童子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
名にし負う其角の墓の柚子金柑 芝尚子 200503  
柚子ならぶ菊坂下の青物屋 田中藤穂 200503  
連休も果てたる柚子の雨雫 坪井洋子 200503  
葉ごもりに忘れ柚子あり夕長し 奥澤和子 200508  
柚子挘ぐに雲ひとつなき日を選ぶ 伊藤白潮 200512  
昼間より夕べ親しき柚子の軒 戸栗末廣 火星 200601  
柚子をもぐ島に大きな入日かな 吉田順子 200601  
庭の柚子捥ぎ終へて急く夕仕度 宮城島たか子 200601  
空は青し眼前に柚子をちに柿 林翔 200601  
柚子を挘ぐ軍手は妻の形見なる 伊藤白潮 200601  
天辺の柚子挘ぎ余し夜に入る 伊藤白潮 200601  
灯に近く針もて探る柚子の棘 伊藤白潮 200601  
時かけて柚子の棘抜く親不孝 伊藤白潮 200601  
空匂ふばかりに熟れて柚子は黄に 笹倉さえみ 雨月 200601  
身をしづめ柚子あふれ出る夜更かな 鈴木多枝子 あを 200601  
獅子柚子の臍に触つてをりにける 雨村敏子 200602  
バス揺るる度に手元の柚子匂ふ 清水ミツコ 200602  
柚子の黄に峡の暮色の漂ひ来 大石喜美子 雨月 200602  
押し戻す梯子に揺られ柚を捥ぐ 星王子 対岸 200602  
鵯の声を頭上に柚子を捥ぐ 長田秋男 酸漿 200602  
捥ぎ残す柚子に月光降り注ぐ 長田秋男 酸漿 200602  
小さきも神のゆるしの柚子一顆 辻恵美子 栴檀 200602  
峡の空すかと片づき木守柚子 坂ようこ 200603  
鯵鮨の柚子一切れのかをりかな 大栗須美子 万象 200603  
御馳走は柚子百珍とのたまへり 深澤鱶 火星 200603  
柚子の金描きたし空をキャンバスに 大串若竹 百鳥 200603  
裏山によく日の当り柚子の家 諸橋廣子 対岸 200603  
獅子柚子の聖顔して飾らるる 万城希代子 200604  
太陽のごとてのひらに柚子ひとつ 長山あや ホトトギス 200605  
やぶさめの裏山の柚子色を出す 大西八洲雄 万象 200701  
尊大といふべし猪の名の大柚子 大橋敦子 雨月 200701  
縁起ものの大柚子届きたる病室 大橋敦子 雨月 200701  
大柚子の黄のゆたけさに香のゆたけさ 大橋敦子 雨月 200701  
空匂ふばかりに熟れて柚子は黄に 笹倉さえみ 雨月 200701  
柚子の香や流浪を恋ひし日のありき 石井平八郎 雨月 200701  
いただきぬお化けの様な大き柚 浮田胤子 ぐろっけ 200701  
柚子照るや山の婚儀の娶り唄 田下宮子 200702  
女とて弱音は吐かず柚子を摘む 坂上香菜 200702  
柚子刻み三賞候補とつおいつ 伊藤白潮 200702  
空海の柚子でこぼこでありにけり 本多俊子 200702  
柚子買ひの畑に来てゐる日向かな 橋添やよひ 風土 200702 水尾
開山忌近づく寺の柚子は黄に 近藤幸三郎 風土 200702  
堂守の持たせてくれし葉付柚子 片野美代子 酸漿 200702  
夕陽射す無人売場に柚子ひとつ 小泉万里 200702  
獅子柚子の濡れたるままを放られし 竹内悦子 200703  
柚子七味までも手づくり田舎そば 松元末則 酸漿 200703  
柚子の香をまとうて去りし愛宕かな 竹中一花 200704  
神棚の柚子仏壇に栗南瓜 中山純子 万象 200704  
鈴なりの柚子目印に訪ね人 塚本泰子 酸漿 200704  
浮く柚子のひとつは大き乳房より 苑実耶 200705  
天辺の柚子の孤高を挘ぎ残す 伊藤白潮 200712  
三代の猫どもごろ寝柚子は黄に 勝野薫 ぐろっけ 200712  
鬼柚子の奇なるかたちを愛しけり 長沼紫紅 200712  
手にとりし鬼柚子の香ののこりけり 長沼紫紅 200712  
これはまた大きくて鬼柚子といふ 長沼紫紅 200712  
島の坂背負籠より柚子こぼれ 七種年男 200801  
反骨も意地も失せゆく柚子は黄に 中島ため 200801  
柚子山の頂に住み卒寿越す 大西八洲雄 万象 200801  
柚子ふたつ異母兄弟のやうにかな 伊藤白潮 200801  
柚子は黄にさうか新聞休刊日 富沢敏子 200801  
鎌倉や塀を越えたる柚子の金 宮沢治子 春燈 200802  
ふる里の荷の片隅に小粒柚子 大西八洲雄 万象 200802  
柚子しぼる妻の手力侮れぬ 渡辺昭 200802  
柚子の棘さしつかの間の指の朱 木下もと子 200802  
腕組みの本家のあるじ柚子たわわ 坂口夫佐子 火星 200802  
柚子の実の暮れ残りたる坂途中 坂口夫佐子 火星 200802  
摘みて黄の滴るやうな柚子を買ふ 和田崎増美 雨月 200802  
塀ぬちに柚子の金色見えて過ぐ 定梶じょう あを 200802  
留守頼む夫へ薬味の柚子刻む 須藤美智子 風土 200803  
ポケットに落柚子を入れ故郷なし 大西八洲雄 万象 200803  
荒くれの身体ながらの獅子柚子よ 瀬川公馨 200803  
朝毎に柚子茶を所望せり童丁 椿和枝 200803  
捥ぎたての柚子を搾りて膾かな 岡田章子 ぐろっけ 200803  
棘ありて柚子を採る竿意に副はず 濱田ヒチヱ ぐろっけ 200803  
柚子を炊く充分晒し淡白に 濱田ヒチヱ ぐろっけ 200803  
柚子黄なりそこは相模の突外れ 守屋井蛙 酸漿 200803  
柚子の家と呼ばれてをりぬ亡父の家 荒井千佐代 200803  
荒野原柚子の実二つ木の低く 長崎桂子 あを 200804  
柚啄み椿の枝に嘴浄む 森理和 あを 200804  
柚子坊に刺されてよりの放屁癖 吉岡一三 200812 柚 →4

 

2019年11月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。