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柚子の手を嗅ぎて一日暮れにけり    久保義信

作品
作者
掲載誌
掲載年月
指先の荒れ始めたり一寸柚 森理和 あを 200212
姫柚子の掌にほのぼのと豊のいろ 富川明子 200301
葉をつけし柚子の一つを貰ひけり 小泉豊流 酸漿 200301
又ひとつ年を重ねし柚子を煮る 川崎俊子 馬醉木 200302
柚子の香ののぼりし椀や木々静か 小林あかり 遠嶺 200302
葉を添へて柚子の一つを貰ひ来し 市橋幸代 築港 200302
柚子熟るる石垣荒れし邸跡 池原秀子 築港 200302
見舞ふ卓に一つの柚子香る 山田清香 酸漿 200302
厨棚柚子一つのせ神飾 鎌倉喜久恵 あを 200302
山村の山盛りの柚子売り切れる 武智恭子 ぐろっけ 200302
柚子搾りつつ朝市の店の番 安部美和子 ぐろっけ 200302
柚子の香のほてりを覚ます碁の一手 林田江美 馬醉木 200303
柚子照るやふはりと猫の降り立ちぬ 山本三樹夫 百鳥 200303
柚子ひとつもぎたる空の昼の月 谷口知子 火星 200303
湯煙にマグマの音や柚子たわわ 三澤福泉 雲の峰 200303
張りつめし力抜けゆく柚子明り 柴田朱美 京鹿子 200303
柚子明り石の余熱を溜めておく 柴田朱美 京鹿子 200303
自然志向へ水が噴きだす柚子明り 柴田朱美 京鹿子 200303
黄昏が似合ふ裏木戸柚子明り 柴田朱美 京鹿子 200303
合切袋ふところ深き柚子の里 坂本敏子 京鹿子 200303
深き夜の指先にある柚の棘 横山淑子 200303
鈴生りの柚子や父亡き生家なる 佐久間由子 200303
手の届くところの柚子を貰ひけり 間宮陽夫 馬醉木 200303
遠からぬ柚子さんさんと霜日和 永田二三子 酸漿 200304
柚子の実を包む紙まで柚子の色 大村孝 百鳥 200304
庭隅の柚子にも確と囲ひする 柄田喜美枝 築港 200305
柚子は黄に浮世のがれて南無大師 柴田由乃 風土 200311
柚子の香を先だて運ぶ初秋刀魚 成智いづみ 馬醉木 200312
柚子ごつごつ心ごつごつしてゐたり 須佐薫子 帆船 200312
柚子搾る香に一村の暮れゆきぬ 岡田万壽美 雲の峰 200312
京越えの村や戸ごとに柚子実る 岡田万壽美 雲の峰 200312
父逝きてひととせ柚子の歪な実 荒井千佐代 200312
柚子に色来て女手を欲ることも 伊藤白潮 200401
柚子三つ畏友のやうに置かれけり 伊藤白潮 200401
執筆用文鎮に代へ葉付き柚子 泉田秋硯 200401
雲来ては去り柚子の黄のまぶしかり 小林和子 対岸 200401
葉がくれに実一つ育て若木柚子 野口みどり 酸漿 200401
柚子の実の色づきそめし数の見ゆ 小浦遊月 酸漿 200401
柚子の香やいまこの国に戦火なし 後藤志づ あを 200401
口中のやたら渇きて柚子黄なる 小林希世子 200401
柚子捥いで空の隙間をつくりけり 小林共代 風土 200402
柚子実る真上の空やそこだけ#x7 林翔 200402
柚子の香に旅の疲れを忘れけり 井出清峯 百鳥 200402
柚子椀や香りと棘とよろこびと 野村登紀子 帆船 200402
受け取る荷日の温もりと柚子の香と 杉本美智江 雨月 200402
急坂を上り詰めたり柚子匂ふ 早崎泰江 あを 200402
澄し汁ほのぼのと柚子匂ひけり 佐々木春子 200402
土砂降りの遠見に柚子の黄の泛けり 秋山ユキ子 200402
香と共に指先痛む柚子の棘 梅田秀子 酸漿 200402
豊作の柚子が光を返すなり 清水伊代乃 酸漿 200402
柚子の黄に一片の葉を付けて捥ぐ 小林幸子 酸漿 200402
床の間の獅子柚子なりしスフィンクス 中島陽華 200403
ふぐり潜りし大柚子の消えにけり 深澤鱶 火星 200403
柚子晴や谷川の辺の測量士 高尾豊子 火星 200403
年越えてなほよき黄なり木守柚子 阿部ひろし 酸漿 200403
誰が住むや柚子を遠見の丘の家 林翔 200403
暮れ残る空に冬至の柚子ちぎる 山内須磨子 草の花 200403
柚子もげばまた膾かと聞かれけり 原田喜久子 八千草 200403
絞られて剥かれて柚子のなほ香る 直江裕子 京鹿子 200404
柚畑無人の駅の軍畑 森理和 あを 200404
柚子の苗葉の水滴をこぼさざる 辻恵美子 栴檀 200408
手に拾ふ豆粒ほどの柚子匂ふ 鈴木幾子 酸漿 200408
柚子坊の拗ねるがごとき枝の先 中和田洋美 万象 200409
友誼とは#x7柚子ふたつ照らし合ふ 伊藤白潮 200410
人寄せの近づく日毎柚子黄ばみ 伊藤白潮 200412
柚子きざむ悼むことばをとつおいつ 伊藤白潮 200412
柚子ひとつ捥いで帰れとげんのこゑ 岩木茂 風土 200412
柚子の黄が枝々に満ち木の姿 阿部ひろし 酸漿 200412
天空の一枝引き寄せ柚子を捥ぐ 三村武子 酸漿 200412
妹の新しき家柚子太る 松本淳子 対岸 200412
浮く柚子のどれも小さし乳房より 苑実耶 200501
青空やひとり軋ます柚子梯子 伊藤白潮 200501
塀を越す柚子熟れ邸買はれたり 品川鈴子 ぐろっけ 200501
柚子酸橘鮮魚売場にありにけり 後閑達雄 対岸 200501
柚子の木に見知らぬコート佇ちてゐし 山尾玉藻 火星 200501
横着な皮のでこぼこ庭の柚子 河合大拙 百鳥 200501
柚子置いて厨の棚の夜が匂ふ 鎌倉喜久恵 あを 200502
鬼柚子に寡黙な漢思ひけり 和田林子 帆船 200502
柚子たわわ凸凹肌の柚子好む 田村七三栄 築港 200502
柚子一つ香らせ置きて一人句座 村越化石 200502
にほやかに数を見せたる冬至柚子 渡辺周子 雲の峰 200502
柚子日和武雄忌はわが誕生日 能村研三 200502
香と共に指先痛む柚子の棘 梅田秀子 酸漿 200502
豊作の柚子が光を返すなり 清水伊代乃 酸漿 200502
垣越に香り立つ柚子もらひけり 君島栄子 酸漿 200503
柚の実置く餅つき宿の屋敷神 大西八洲雄 万象 200503
獅子柚子とて顔程の柚子もたらさる 隅田恵子 雨月 200503
姉小路の師走表具屋柚みそ屋 山本耀子 火星 200503
仰山の柚子に沈めし手術痕 松山直美 火星 200503
一片の響き落ちたり柚子冬葉 辻恵美子 栴檀 200503
亡母恋ひて偲ぶ故郷柚子照る日 鈴木照子 200503
夫の忌や手植ゑの柚子の撓みたる 田代ヨシ 河鹿 200503
柚→ 3      

2021年10月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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