湯冷め 2   76句

天眼鏡ぞくと湯ざめのおそしろき   櫻井博道   椅子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
湯冷めして捨てし言葉を探しけり 鴨下昭 201202
へどもどと生国訊ぬ湯ざめかな 荒井和昭 201202
祝はれてひとつ齢とる湯ざめかな 米澤光子 火星 201202
湯冷めして手先足先血の気なし 石川裕美 ぐろっけ 201203
湯ざめして母似の声のひとりごと 藤原照子 201203
湯ざめして動かぬ顔となりゐたり 高倉和子 夜のプール 201203
湯ざめして博多の街を見下せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
湯ざめするまでに君とは終らねば 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
湯ざめして月蝕どころではなくて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
湯ざめして編集後記の頭文字 能村研三 201301
湯ざめしてしまひしことに気づきけり 稲畑汀子 ホトトギス 201302
湯ざめすることなき正座五分間 稲畑汀子 ホトトギス 201302
顔色に湯ざめ語りてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201302
湯ざめして教育勅語読みをさむ 稲畑汀子 ホトトギス 201302
潮の引くやうなひと日よ湯ざめして 細川洋子 201302
明らかに湯冷めの声の電話なり 林昭太郎 201303
からかさの屋号廻せる湯ざめかな 西村節子 火星 201303
湯ざめして恋のをはりのここちかな 辻香秀 201304
湯ざめしてペン措く音に夜の更くる 宮平静子 雨月 201304
明らかに湯ざめしてゐる電話口 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
湯ざめして第九を遠く聴いてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
蟹の腹啜り湯ざめを酌むもよし 久保東海司 201401
吾が声を客観的に聞く湯ざめ 細川洋子 201402
右悩より湯ざめしてくるミステリー 加藤峰子 201402
敬はれ一番風呂の湯ざめかな 吉武千束 太古のこゑ 201411
星座の名得意に言ふ子湯ざめかな 内山照久 201501
おまんだら見てきし夜の湯冷かな 山尾玉藻 火星 201501
湯冷めしてしまう読書をやめられず 常田創 201501
湯ざめして付録のやうな身半分 伊藤白潮 201502
胸ぬちの一語消えゆく湯ざめかな 窪田佳津子 雨月 201503
両肩の小さくなりし湯ざめかな 石川倜子 馬醉木 201503
湯ざめする夫の小言につき合ひて 秋川泉 あを 201601
冥想に湯冷め誘ふ一句かな 片山民子 201602
相続の話が待つてゐる湯冷め 安居正浩 201603
湯ざめしていたづら好きの子のゑくぼ 栗原京子 201603
本閉ぢる背中に湯冷めきてをりぬ 風間史子 201603
湯冷めして迷子になりし心地かな 天谷翔子 201604
パソコンを湯ざめごこちに打つてをり 成田美代 201604
湯ざめして丑三つ時の皿洗ひ 栗原京子 201606
湯ざめするノートに下手な思考跡 井上菜摘子 京鹿子 201703
湯ざめして慰めメール読みかへす 数長藤代 201703
探しものやうやく見つく湯冷めかな 長谷英夫 馬醉木 201704
湯ざめして何をいひだすやも知れず 中川句寿夫 ここのもん 201705
湯ざめして他人行儀なことを言ふ 中川句寿夫 ここのもん 201705
湯ざめして明日は妻の誕生日 中川句寿夫 ここのもん 201705
湯ざめしてをり補聴器の具合など 中川句寿夫 ここのもん 201705
湯ざめするほど新幹線遅れけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
湯ざめして三十八度五分の熱 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
湯ざめするとも朝風呂を強ひる母 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
雲の上歩いてゐるやうな湯ざめ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
次の世は貝にもなれず湯冷めせり 安居正浩 201801
湯ざめして窓に明かりの鋭かり 片桐紀美子 風土 201801
湯ざめしてリビングキッチン広すぎぬ 松本三千夫 末黒野 201803
ものの怪の足音背にきく湯ざめかな 深川淑枝 201906
湯ざめして母の大事を聞く電話 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
恙身の母には湯ざめ許されず 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
湯ざめしてひとりの部屋に帰りたり 細川コマヱ 雨月 202002
湯ざめして身のひと回り小さくなる 浅田光代 風土 202002
湯ざめして寓居の家鳴り聞いてゐる 西村操 雨月 202003
忘れものしたる貌なり湯ざめの子 平居澪子 六花 202004
前の世も後の世もなき湯ざめ顔 三上程子 春燈 202102
湯ざめしても見ドラマの最終回 三木亨 202103
湯ざめして島々闇のかたまりに 戸栗末廣 202105
湯冷めせぬ間に腰に貼る湿布薬 安藤久美子 やぶれ傘 202201
冬に入るぼんのくぼより湯冷めして 菅原末野 風土 202203
湯冷めして今日が白紙となる思ひ 石橋幾代 202205
湯ざめして結婚線の薄れけり 曽根富久恵 202208
対岸の灯り見てゐる湯ざめかな 岡村尚子 202208
湯ざめてふ言訳に飲むコップ酒 押田裕見子 202211
家並の灯り見てゐる湯ざめかな 岡村尚子 202212
湯冷め →1

 

2023年11月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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