湯冷め   162句

天眼鏡ぞくと湯ざめのおそしろき   櫻井博道   椅子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
背筋よりはじまつてゐし湯ざめかな 稲畑汀子 ホトトギス 199812  
書き上げて湯ざめ心地のペンを置く 稲畑汀子 ホトトギス 199812  
気づきたるときは湯ざめをしてをりし 稲畑汀子 ホトトギス 199812  
弔電を打ち終へしより湯ざめかな 稲畑汀子 ホトトギス 199812  
湯ざめしてしし座流星痕とらふ 神蔵器 風土 199901  
蜂蜜に花の香湯ざめ心地かな 中根美保 風土 199904  
星屑の降りて来さうな湯ざめかな 村田近子 遠嶺 199905  
稿債を崩せし湯ざめなりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 199912  
片づきし机辺を立ちし湯ざめかな 稲畑汀子 ホトトギス 199912  
湯ざめせしよりの恙と伝はりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 199912  
天体の神秘に触れし湯ざめかな 稲畑汀子 ホトトギス 199912  
寝不足の引きずつてゐし湯ざめかな 稲畑汀子 ホトトギス 199912  
寒明けて湯冷めのやうな京の街 藤岡紫水 京鹿子 200001  
湯ざめして亡妻に言葉を待たれをり 神蔵器 風土 200001  
湯ざめして身の芯他愛なかりけり 坂本俊子 200002  
湯ざめして宿着ほとほと袖広き 岡本眸 200002  
冬瓜の倒れてをりし湯ざめかな 奥田節子 火星 200004  
湯ざめして二本の足で佇ちてをり 加藤真起子 火星 200004  
つきまとふ越の波音湯ざめせり 稲葉ちよこ 風土 200004  
湯ざめして声のささくれ立ちてきし 小菅暢子 200004  
眉うすき湯ざめの顔と出合ひけり 橋場千舟 船団 200007  
パソコンの将棋に負けて湯冷めせり 堀田政弘 200102  
まつたうな湯ざめなりけり母の死後 大場佳子 銀化 200102  
湯ざめしてワインに染する不倫中 三池泉 船団 200103  
湯冷めして鷺の膝裏ひかがみなど思ふ 柳生正名 海程 200108  
白鳥のそばに湯冷めをしてをりぬ 石橋翠 いろり 200112  
メルヘンを閉ぢてうつつの湯冷めかな 清水晃子 遠嶺 200202  
狐火を三つ四つ見ての湯ざめかな 岡本久也 200202  
わが崇に温れし湯ざめ心地かな 田中英子 火星 200202  
白鳥と離れて湯ざめしてをりぬ 石橋翠 いろり 200202  
湯ざめ顔にて母と逢ひ父と遭ふ 松本康司 銀化 200202  
漱石が悄然とゐる湯ざめかな 浜崎良彦 円虹 200203  
湯ざめして思ひ出すこと皆なつかし 林翔 200203  
寝そびれしことに気の付く湯冷めかな 山口まさやす 銀化 200204  
寸一寸編みておろかに湯ざめせる 半田順子 馬醉木 200204  
本を持つ左手からの湯ざめかな 柿沼盟子 風土 200204  
猫の貌尖りはじめし湯ざめかな 嵯峨根鈴子 火星 200207  
渋茶呑む背より湯ざめの忍び寄る 関口ゆき あを 200212  
湯ざめして犀川の灯を見てゐたり 斉藤由美子 ぐろっけ 200212  
湯ざめして早くも妻の掠れ声 北原東洋男 200302  
湯ざめせぬてふ菜の風呂に風を聞く 辰巳陽子 雲の峰 200302  
不忍池や湯ざめのごとく夕日見て 木内憲子 200302  
足裏にイエス来てをる湯ざめかな 栗栖恵通子 200303  
血が水にかはりしごとき湯ざめかな 長岡新一 200303  
老いてなほネットサーフィンとふ湯ざめ 鈴掛穂 200303  
湯冷めして古き歌など思ひ出す 片山由美子 200304  
労りの一番風呂に湯ざめせり 有田蟻太 200304  
湯ざめして長き電話を納めけり 檀原さち子 酸漿 200304  
湯ざめして電話の訃報聞いてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305  
校正に湯ざめの心地ありにけり 藤田あけ烏 草の花 200401  
湯冷めして影を大きく引摺れり 今瀬剛一 対岸 200402  
今日の日を鮮明にして湯冷めせり 今瀬剛一 対岸 200402  
句の推敲重ねし果ての湯ざめかな 福山広秋 200402  
音だけの海を見てゐる湯ざめかな 戸栗末廣 火星 200403  
内定を知らされてゐる湯ざめかな 高尾豊子 火星 200403  
湯ざめしてテレビドラマの中に居り 折田京子 風土 200404  
中七の一字に迷う湯ざめかな 芦川まり 八千草 200406  
湯ざめかな東京砂漠見おろして 山元志津香 八千草 200406  
足もとに蛸足配線湯冷めせる 山尾玉藻 火星 200502  
湯ざめして花の名前を忘れたる 高倉和子 200503  
湯ざめして一筆荒き日記かな 尾辻のり子 河鹿 200503  
人肌に湯冷めを忘れさせられり ことり 六花 200504  
星空や鼻から湯ざめ始まりぬ 後閑達雄 対岸 200504  
湯冷めして幽明境にゐるやうな 伊藤白潮 200512  
湯ざめして鞄に戻す書類束 田中春生 200512  
湯ざめせし吾子の寝息を確かむる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200512  
湯冷めして重松清読み倦かず 伊藤白潮 200601  
湯ざめせる壷の椿のみな蕾 浜口高子 火星 200604  
湯ざめして男の泪見てゐたり 片山タケ子 200604  
湯ざめして地球にひとりゐるごとし 坂本緑 200611  
湯ざめして欄間に透かし彫の鶴 鷹羽狩行 200701  
湯冷めして逆発想を引き出さむ 伊藤白潮 200703  
湯冷めして独りに余る部屋の数 白井友梨 馬醉木 200704  
湯冷めして芯だけ熱き恋のこる 菅原健一 200704  
寒の明け湖は湯冷めの靄込みに 藤岡紫水 京鹿子 200705  
湯ざめせしごと五月雨の森よぎる 小島みつ代 200709  
湯冷めして悪尉にさも似てきたる 伊藤白潮 200712  
湯冷めして聞くあらくれの男の訃 伊藤白潮 200712 秋山巳之流氏
湯ざめして世間を遠くしてをりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200712  
湯ざめして君の星見る空であり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200712  
湯ざめして眼鏡重たくなりにけり 片山由美子 200802  
立読みの本屋の奥に湯冷めせり 戸田春月 火星 200803  
湯ざめして訃報の電話置きにけり 柳生千枝子 火星 200804  
湯ざめせぬやう火の色のバスタオル 小林奈穂 200804  
紅さして湯ざめごこちを封じけり 長谷川翠 馬醉木 200902  
足首に湯ざめの気配長電話 中山静枝 200903  
湯ざめすなと声かけらるるそびらより 田原陽子 200903  
湯ざめするをとこの爪の短かかり 森さち子 200903  
湯冷めしてしまふメールのやりとりに 倉持梨恵 200904  
紅のこる鯵の干ものに湯ざめせる 山本耀子 火星 200904  
湯ざめして終結間際のミステリー 大泉美干代 雨月 200905  
見えぬもの耳より入り湯冷めかな 常田創 201001  
垂乳根の母に湯冷めのなかりけり 吉田希望 201001  
踏切の音の聞こゆる湯冷めかな 涼野海音 火星 201002  
明日留守の厨を行き来して湯ざめ 田所節子 201002  
湯冷めして常より近き列車音 中田みなみ 201003  
首もとに湯ざめの気配字引閉づ 小林玲子 ぐろっけ 201003  
湯ざめしつなほも終らぬ電話なり 坂本知子 酸漿 201003  
全集の付箋の数に湯ざめせり 蘭定かず子 火星 201004  
湯ざめせる妻に自愛を諭しけり 坂本哲弘 山ざくら 201009  
湯ざめすや寿限無寿限無の仮の宿 庄司久美子 201104  
湯ざめしてをりぬ日記を書き終り 柳生千枝子 火星 201104  
歳時記を旅にしあれば湯ざめせり 石田きよし 201105  
猿の子の湯冷めせしともまだ聞かず 細野恵久 ぐろっけ 201112  
湯ざめしてでも見たき星空であり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201  
湯冷めして捨てし言葉を探しけり 鴨下昭 201202  
へどもどと生国訊ぬ湯ざめかな 荒井和昭 201202  
祝はれてひとつ齢とる湯ざめかな 米澤光子 火星 201202  
湯冷めして手先足先血の気なし 石川裕美 ぐろっけ 201203  
湯ざめして母似の声のひとりごと 藤原照子 201203  
湯ざめして動かぬ顔となりゐたり 高倉和子 夜のプール 201203  
湯ざめして博多の街を見下せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212  
湯ざめするまでに君とは終らねば 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212  
湯ざめして月蝕どころではなくて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212  
湯ざめして編集後記の頭文字 能村研三 201301  
湯ざめしてしまひしことに気づきけり 稲畑汀子 ホトトギス 201302  
湯ざめすることなき正座五分間 稲畑汀子 ホトトギス 201302  
顔色に湯ざめ語りてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201302  
湯ざめして教育勅語読みをさむ 稲畑汀子 ホトトギス 201302  
潮の引くやうなひと日よ湯ざめして 細川洋子 201302  
明らかに湯冷めの声の電話なり 林昭太郎 201303  
からかさの屋号廻せる湯ざめかな 西村節子 火星 201303  
湯ざめして恋のをはりのここちかな 辻香秀 201304  
湯ざめしてペン措く音に夜の更くる 宮平静子 雨月 201304  
明らかに湯ざめしてゐる電話口 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312  
湯ざめして第九を遠く聴いてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312  
蟹の腹啜り湯ざめを酌むもよし 久保東海司 201401  
吾が声を客観的に聞く湯ざめ 細川洋子 201402  
右悩より湯ざめしてくるミステリー 加藤峰子 201402  
敬はれ一番風呂の湯ざめかな 吉武千束 太古のこゑ 201411  
星座の名得意に言ふ子湯ざめかな 内山照久 201501  
おまんだら見てきし夜の湯冷かな 山尾玉藻 火星 201501  
湯冷めしてしまう読書をやめられず 常田創 201501  
湯ざめして付録のやうな身半分 伊藤白潮 201502  
胸ぬちの一語消えゆく湯ざめかな 窪田佳津子 雨月 201503  
両肩の小さくなりし湯ざめかな 石川倜子 馬醉木 201503  
湯ざめする夫の小言につき合ひて 秋川泉 あを 201601  
冥想に湯冷め誘ふ一句かな 片山民子 201602  
相続の話が待つてゐる湯冷め 安居正浩 201603  
湯ざめしていたづら好きの子のゑくぼ 栗原京子 201603  
本閉ぢる背中に湯冷めきてをりぬ 風間史子 201603  
湯冷めして迷子になりし心地かな 天谷翔子 201604  
パソコンを湯ざめごこちに打つてをり 成田美代 201604  
湯ざめして丑三つ時の皿洗ひ 栗原京子 201606  
湯ざめするノートに下手な思考跡 井上菜摘子 京鹿子 201703  
湯ざめして慰めメール読みかへす 数長藤代 201703  
探しものやうやく見つく湯冷めかな 長谷英夫 馬醉木 201704  
湯ざめして何をいひだすやも知れず 中川句寿夫 ここのもん 201705  
湯ざめして他人行儀なことを言ふ 中川句寿夫 ここのもん 201705  
湯ざめして明日は妻の誕生日 中川句寿夫 ここのもん 201705  
湯ざめしてをり補聴器の具合など 中川句寿夫 ここのもん 201705  
湯ざめするほど新幹線遅れけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712  
湯ざめして三十八度五分の熱 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712  
湯ざめするとも朝風呂を強ひる母 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712  
雲の上歩いてゐるやうな湯ざめ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712  
次の世は貝にもなれず湯冷めせり 安居正浩 201801  
湯ざめして窓に明かりの鋭かり 片桐紀美子 風土 201801  
湯ざめしてリビングキッチン広すぎぬ 松本三千夫 末黒野 201803  
ものの怪の足音背にきく湯ざめかな 深川淑枝 201906  
湯ざめして母の大事を聞く電話 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910  
恙身の母には湯ざめ許されず 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910  

 

2019年11月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。