百 合 9       112句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鬼百合と夜な夜なたとえばなしする 阪野基道 船団 201910
畑中へ一歩鉄砲百合を撮る 大島英昭 やぶれ傘 201910
山百合の丈の高さを見上げたる 安藤久美子 やぶれ傘 201910
野放図に香る白百合真夜の家 火箱ひろ 201910
山百合や裾ひく富士は天をつき 堺昌子 末黒野 201910
雄蕊摘む白百合さらに白深め 友田悠子 末黒野 201910
心音の金属音して鉄砲百合 奥田筆子 京鹿子 201910
風にゆれ崖の草中百合の花 北村ちえ子 六花 201910
校長室前の百合の木夏休 田中藤穂 あを 201910
いずくより庭へ白百合いくた嬉嬉 長崎桂子 あを 201910
杖の歩にふるる愛しさ庭の百合 水田壽子 雨月 201911
白百合の赤き雄蕊が五六本 箕田健生 やぶれ傘 201911
一山の暮色や薫る百合の花 岡野里子 末黒野 201911
白百合の花をうちのめ大雨過ぐ 小川玉泉 末黒野 201911
みづからの蕊に汚れる秋の百合 片山煕子 京鹿子 201911
かんばせの清く柩に香る百合 住田千代子 六花 201911
鬼百合や燈色のローカル線 廣畑育子 六花 201911
百合開きけり沈黙に耐へかねて 湖東紀子 ホトトギス 201912
ほつこりと百合根あんかけ日脚伸ぶ 藤原明美 201904
大輪の白百合返り咲きにけり 橘正義 春燈 202001
窓の百合日ごと雄しべに汚されて はしもと風里 202001
ユーミンを聴く日窓辺に小さき百合 はしもと風里 202001
賀茂川の水面安堵の百合かもめ 塩村瑞子 雨月 202002
船橋に等間隔の百合鴎 鈴木英雄 末黒野 202004
下町に咲く白百合の雅かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202006
祝ぎ心給はる百合の香でありし 稲畑汀子 ホトトギス 202006
百合の香に孫洗礼を授けられ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
鬼百合に霊気淀んでをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
山百合の潮に染まらぬ香りかな 森清信子 露の堂 202008
山百合の香のたつ伊良湖岬かな 鈴木鳳来 春燈 202008
白百合に悌さがす祈りかな 塩貝朱千 京鹿子 202009
白百合のマリアに添ひて白極む 村田あを衣 京鹿子 202009
山百合の香に籠もりゐて羽化急ぐ 山中志津子 京鹿子 202009
暁闇のてつぱう百合の香に明くる 佐藤克江 202009
透かし百合感染減を大空へ 竹村淳 202009
鬼百合をぐいと引き寄せ嗅ぐ女 南うみを 風土 202009
百合咲いてきはまる老いを確かむる 田尻勝子 六花 202009
笹百合の生ひし辺りを刈り残す 平居澪子 六花 202009
白百合の薫れる庭やティータイム 菅澤陽子 春燈 202009
白百合の仏間に匂ふ夕べかな 村上國枝 春燈 202009
山百合を富士の裾野で求めたり 大日向幸江 あを 202009
とある日は鉄砲百合を標的に 山中志津子 京鹿子 202010
笹百合の挿されて戻る父の魚籠 岡本尚子 風土 202010
そつぽ向く花瓶の百合をなだめをり 奥田茶々 風土 202010
百合の香の隅まで詰まるひとりの家 柴田佐知子 202010
鬼百合の重たき雨に首もたぐ 森田節子 風土 202010
お蕎麦屋の庭の鉄砲百合に風 渡邉孝彦 やぶれ傘 202010
久々に家族が集ふ百合の花 陳妹蓉 春燈 202011
努力家の部長昇進百合の花 陳妹蓉 春燈 202011
百合の香にむせ城山の能舞台 山田閏子 ホトトギス 202012
百合白し謹厳居士の遊子の忌 木村享史 ホトトギス 202012
散歩道筒先揃ふ百合の花 北郷和顔 末黒野 202012
百合化して蝶になりたる墓前かな 青木朋子 202102
鶴見川中州に憩ふ百合かもめ 佐々木澄子 末黒野 202103
鬼百合や隣家の稚の泣き止まず 滋野暁 末黒野 202104
造成の半ばや百合の帰り花 加藤静江 末黒野 202104
百合の芽のひと日の丈の確かなる 内藤静 風土 202106
一輪の今開花せり鉢の百合 加倉井たけ子 202107
鬼百合の丈に百草従へり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
百合の香に現れてガブリエルの矜持 稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
黒百合に夜の帳の降りゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
黒百合の夜は星空と呼応して 稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
空つぽのリビングルーム百合の闇 今井肖子 ホトトギス 202107
百合の香の満つる小さな家であり 中田光介 202108
マリリン・モンロー百合咲いてたわわなる 辻美奈子 202109
白百合を門に港の古きバー 岡野里子 末黒野 202109
裏山の抜け道多し百合の花 太田良一 末黒野 202109
盆百合の香りを聞きににじり寄る 山田六甲 六花 202109
夫を呼ぶ今朝白百合の開きしに 田中佐知子 風土 202109
七回忌せめて卒塔婆と山百合を 岩藤礼子 やぶれ傘 202110
百合咲けり三本同じ色と丈 坂本和穂 やぶれ傘 202110
白百合や母は仏に満中陰 ふなかわのりひと 202110
庭の百合激し揺る風雨来るらし 長崎桂子 あを 202110
白百合に包まれ姉は黄泉のくに 持田信子 春燈 202110
朝まだき一気に開く百合の花 田中嘉信 春燈 202110
百合の花の群なす日比谷祝五輪 田中嘉信 春燈 202110
笹百合の香は万葉の昔より 美濃律子 202110
山百合のにほへる杉の木立かな 藤生不二男 六花 202110
一輪の白百合野路に輝けり 本間せつ子 末黒野 202111
咲き反りし百合のなげきとなりにけり 久保田万太郎 春燈 202111
庭の百合激し揺る風雨来るらし 長崎桂子 あを 202111
黒百合は恋の花なり歌忘れ 志方章子 六花 202112
切岸の人寄せ付けぬ百合の白 山田正子 202112
鬼百合に都心の霊気集まり来 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
閉ざされし艇庫の脇に百合香る 瀬戸峰子 春燈 202208
湖のほとり山百合の香をもてあまし 瀬戸峰子 春燈 202208
笹百合や高原に香を撒散らす 瀬戸峰子 春燈 202208
白百合の群れさえ眩し昼下がり 渡辺節子 202209
大輪の百合溢れ咲く淋しい日 直江裕子 京鹿子 202209
はれやかな母の遺影や百合の花 立竹人 春燈 202209
鬼百合ののつと首出す路地の角ド 上西良子 春燈 202209
降りさうなままに暮れゆく百合の花 大島英昭 やぶれ傘 202209
足元を確かめ百合の写真撮る 瀬島洒望 やぶれ傘 202209
濡れ残る鉄砲百合に午後の日が 渡邊孝彦 やぶれ傘 202209
店頭のバケツのなかの百合の花 安藤久美子 やぶれ傘 202209
故郷や山百合咲くが見えてきて 升田ヤス子 六花 202209
荒草の谷に鉄砲百合点る 善野行 六花 202209
百合の花酒の肴になる漢 広畑育子 六花 202209
百合咲くやうつとうし日日やや癒す 長崎桂子 あを 202210
百合二輪吐息のごとく匂ひけり 平田きみ 末黒野 202210
マタニティドレスにこぼれ百合花粉 笠井令子 202210
さ百合の香刈り残したる向ひ風 待場陶火 202210
香を四囲に放ちて百合や真夜開き 片岡登志枝 末黒野 202211
無きはずの妬心かすかに夜の百合 上野紫泉 京鹿子 202211
斜にかぶる遺影の帽子鉄砲百合 塙誠一郎 家系図 202211
鬼百合に崖の力の集まれり 柴田佐知子 202211
岩棚に透かし百合咲き沖に船 萩原渓人 やぶれ傘 202212
白百合の一気に開いて書の解放 仁上博恵 202212
遺伝子のどっかと立てる冬の百合 伊藤希眸 京鹿子 202303
言ひたきこと喉に止めて冬の百合 奥田筆子 京鹿子 202304
鉄砲白百合新婚の家大きく咲き 沼田巴字 京鹿子 202307
白百合の咲くこの地球残れかし 沼田巴字 京鹿子 202307
百合→1

 

2023年7月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。