百合 3     100句

赤き百合咲く村どこか酒わかす    丸山海道

作品
作者
掲載誌
掲載年月
献灯の和紙に雨滲む百合祭
藤田壽穂
雲の峯
200308
白百合のひときは香る夜の静寂しじま
藤田壽穂
雲の峯
200308
バイオテクノロジーの白百合咲けり
中野薫
雲の峯
200308
百合の香の中ブラウスを脱ぎにけり
徳永真弓
百鳥
200308
裾洗ふ波に巌頭百合咲けり
黒坂紫陽子
馬醉木
200309
百合の香にありてどこやら祝疲れ
山田弘子
円虹
200309
大輪の百合の香りの中に祝ぐ
深野まり子
円虹
200309
碧落の風知る百合の揺れ確か
吉川隆史
200309
百合の前風をたのしむ人増ゆる
宮津昭彦
200309
白百合の見事な丈を剪りくれし
比田誠子
百鳥
200309
百合ひらくアメリカ公使館跡地
山崎桂
帆船
200309
皆帰り白百合ひとつ開きけり
平間裕子
対岸
200309
山百合や雨にきはだつ句碑の文字
中里カヨ
酸漿
200309
箒川めぐりて憩ふ山の百合
吉成美代子
あを
200309
通夜明けの熱き味噌汁百合の花
鍛治登喜夫
200309
母の日に届く百合の名はモナリザ
田中嘉代子
ぐろっけ
200309
純白の放つ光に百合の花
今橋眞理子
ホトトギス
200310
語りかけくるかに百合の匂ふ夜
今橋眞理子
ホトトギス
200310
目つむれば胸の奥へと百合匂ふ
今橋眞理子
ホトトギス
200310
子と黒子数へ合ひをり百合の花
白井墨絵
遠嶺
200310
笹百合や吊橋明けの星に濡れ
松本幹雄
馬醉木
200310
こちら向くつもりさらさら百合にほふ
坂本京子
200310
穂高嶺を間近手向けの百合の束
江頭文子
雨月
200310
鹿の子百合戸毎に咲かす行者村
茂里正治
200310
雲海のみつる足許車百合
冨田みのる
200310
義経の雨晴岩に鹿の子百合
椙山正彦
200310
ピアニストの鎖骨に触るる百合の花
徳永真弓
百鳥
200310
身を反らすプリマのポーズ百合白し
あさなが捷
200310
鬼百合の咲く道三度往きもどる
東亜未
あを
200310
山百合やバス停あればバスが来る
森理和
あを
200310
百合化して蕊のかたちの蝶の口
荒井和昭
200310
あすなろの樹齢の重さ百合匂ふ
石川貞子
対岸
200310
裏窓を開け山風と山百合と
石川貞子
対岸
200310
黒百合や頂の霧晴れゆける
清水和子
酸漿
200311
笹百合の咲けば摩文仁の目に浮かぶ
長澤健子
酸漿
200311
病む者に身寄り得しごと百合咲きぬ
村越化石
200311
通し土間上框に笹百合活く
星佳子
200311
乳母車嬰を見下ろす鹿の子百合
浜田はるみ
遠嶺
200311
雨粒を留めしままに百合開く
与川やよい
遠嶺
200311
部屋香る百合一輪のアロマセラピー
田中時子
八千草
200311
黒百合や海鳴こもる草の中
内山けい子
200311
ばつたりの茅葺屋根に車百合
梅原美子
200312
聖堂に響いて置けり瓶の百合
今瀬剛一
対岸
200312
百合刻む寝墓秋風また秋風
岡崎袿子
対岸
200312
聖堂の奥行深く百合香る
浅田光蛙
対岸
200312
サロマ一〇〇キロ蝦夷透かし百合見るために
森岡明子
200312
マイセンより土器が好きらし鉄砲百合
山元志津香
八千草
200312
鬼百合の一族てんでに反り返る
山元志津香
八千草
200312
車百合見むと励ます一歩一歩
宮沢千恵子
200312
寝不足にやや遠ざけし百合の壺
能村研三
滑翔
200402
つと匂ふ寒の白百合登美子の墓
田中佐知子
風土
200404
百合化して蝶ポケツトに防虫剤
中村葉子
帆船
200405
百合の束いだき百合の香ごと嫁ぐ
福井隆子
つぎつぎと
200405
黒百合や誰も知らない知らせない
森理和
あを
200406
ひんやりと画廊出づれば風の百合
阿部正枝
遠嶺
200406
百合の香といふ故郷の玄関に
稲畑廣太郎
ホトトギス
200407
花萎えてなほ百合の香の部屋とこそ
稲畑汀子
ホトトギス
200407
狭井の水迅し笹百合自生の地
河合佳代子
栴檀
200407
礼服を脱ぎし軽さや百合を活く
杉江茂義
雲の峰
200407
薔薇と百合と鳩戦争は終りかと
片山タケ子
200408
百合の香を抱へ雑踏よぎりけり
武田眞砂
百鳥
200408
とて馬車の湖畔巡れば百合も揺れ
徳田千鶴子
馬醉木
200408
交番に百合の花束束のまま
深澤鱶
火星
200408
子の刻の百合の花びら落ちし音
酒井多加子
雲の峰
200408
鬼百合咲き那智の裏谷雨はげし
湊海火
200408
山百合の一本残し土手を刈る
三浦カヨ子
酸漿
200408
潮風に岬の百合の丈低し
石川元子
酸漿
200408
そつぽ向き話に乗らぬ百合の花
木内美保子
六花
200408
不眠の夜百合は悪女の香を放ち
山中宏子
200409
宇宙への交信真夜の百合の花
木村幸
200409
笹百合の一輪ほどの静けさに
稲畑廣太郎
ホトトギス
200409
仏前に祝儀袋や百合の夜
竹中一花
200409
笹百合の含羞の彩揺れてをり
小松誠一
200409
鉄棒の少女のごとく崖に百合
若林杜紀子
百鳥
200409
白百合を活け大切な人待てり
藤井智恵子
百鳥
200409
咲ききつて風に首肯く百合の花
吉原理夫
対岸
200409
山百合や地蔵堂内厨子一基
高野美佐子
京鹿子
200409
えんなかの水きびきびと百合の花
須原照子
京鹿子
200409
百合の香やチャペルに響く朝の鐘
竹内美登里
京鹿子
200409
百合祭寂ぶ奈良町の一遇に
河合佳代子
栴檀
200409
七媛女ななをとめ百合もて供奉をしたがへて
河合佳代子
栴檀
200409
白百合や帰天の面輪美しき
西村しげ子
雨月
200409
笹百合の散らばり群るる谿斜面
中家桂子
築港
200409
隠れ耶蘇マリアに捧ぐ百合育て
村岡紀美江
築港
200409
背伸びして巫女の舞見る百合祭
庄野房女
築港
200409
売る百合の開くそばから蘂摘まれ
宮津昭彦
200409
鹿の子百合手折るに身ぬち熱びけり
波多野蟻杖
200409
怪談のお岩稲荷に白百合咲く
八代清子
200409
瀬を渡り来て山百合の一抱へ
北村和子
草の花
200409
茎太き百合白々と咲き初む
東芳子
酸漿
200409
夫の忌や網戸の風に百合ひらく
村井洋子
酸漿
200409
白百合の蕾に見下ろされにけり
林裕美子
六花
200409
鉢の百合ことごとく切り入院す
中村邦彦
200409
雨の日のゆれる白百合挽歌詠む
森津三郎
京鹿子
200410
山百合や彼岸の友を語りをり
家塚洋子
酸漿
200410
笹百合の絶えず揺れをり花白し
長澤健子
酸漿
200410
父母の亡き庭に鬼百合はびこれり
藪敏子
200410
白百合の花住職の控室
田中忠子
帆船
200410
タウン誌の銀座百点百合蝶に
齋藤宣子
帆船
200410
学校に寄贈の水車百合香る
斉藤利男
百鳥
200410
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2021年7月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

掲載年月順です。

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注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

季語のリクエストお待ちしています。