百 合 2     100句

案内僧百合折りにつと徑はづし    朴魯植

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
白百合や訪ねし家の三回忌
福田みさを
いろり
200108
山百合の宮刑となる蕊拔かな
中原道夫
銀化
200108
山百合の孤独を風が来て覗く
栢森定男
あを
200108
海鳴りやマルコポーロてふ百合ひらく
代田青鳥
風土
200109
老ゆるとは記憶あとさき百合匂ふ
柳生千枝子
火星
200109
恋人めき医師まつ窓や百合咲いて
松本まどか
雨月
200109
峠の茶屋手桶につけし百合の花
赤池貴のえ
春耕
200109
良き顔を隣家へばかり垣の百合
山本涼
銀化
200109
風なくも匂ひをこぼす百合の花
橋本千代子
いろり
200109
お見合の如向き合ひし百合二本
三上冨佐子
ぐろっけ
200109
鬼百合や寸莎あらはなる外厠
南うみを
風土
200110
壁に向く一花鉄砲百合を活け
笠松浩子
200110
馬の瞳に青き空あり透かし百合
今井松子
遠嶺
200110
黒百合や朝靄に尾根洗はれて
赤羽正行
遠嶺
200110
喘ぎゐて目に沁む花や車百合
手島靖一
馬醉木
200110
花束の百合載せむには膝うすし
上野さち子
百鳥
200110
白百合やさりげなく佇つジヨン・レノン
矢野千佳子
京鹿子
200110
姥百合や川筋深く入りきたる
田中きよ子
酸漿
200110
にぎやかにタイムスリップ百合の花
池崎るり子
六花
200110
滝しぶき浴ぶ断崖の百合の花
三浦晴子
200110
峠路の百合の蕾に蜘蛛の糸
赤池貴のえ
春耕
200110
百合の香の夜具に流るる浅ねむり
高橋さえ子
200110
百合一輪白あざやかに森小径
長谷川登美
ぐろっけ
200111
百合の香に噎せ今さらの堕落論
田辺レイ
200112
黒百合や岩に干さるる滝行衣
大竹節二
春耕
200112
静けさに山百合香る夜のミサ
長谷川登美
ぐろっけ
200112
笹百合のさ揺れさ走る笹の原
吉年虹二
ホトトギス
200201
酒蔵に行く百合の香に迎へらる
皆吉司
船団
200201
目隠しの指柔らかく百合の花
甲田夏湖
船団
200201
網棚の花束百合の香を放つ
斎藤道子
馬醉木
200202
白百合や比良山麓の古港
近藤憙治
船団
200202
百合の青蕾のかこむ遺影かな
鷹羽狩行
200207
うたたねをして百合の香に包まるる
山田暢子
風土
200207
鬼百合や金盗りどものたぬき穴
菅原康
風土
200207
百合匂う目裏すこし白濁す
吉成美代子
あを
200207
百合蝶と化す飲食の六分目
吉田順子
帆船
200207
文芸の百合とし保つ根は増えず
駒寄あつし
銀化
200207
百合活けて子の先生を迎へけり
佐野幸子
百鳥
200208
オペラ延期鉄砲百合の夕べかな
黒田咲子
200208
百合の香や巡礼鶴の赤きべべ
中川晴美
雲の峰
200208
ひひらぎの木に立つ聖母百合の花
川合広保
雲の峰
200208
百合白しガラシャゆかりの大聖堂
中御門あや
雲の峰
200208
静けさや祈りの庭に白き百合
清わかば
雲の峰
200208
笹百合や村の真中に大社
橋口熱子
雲の峰
200208
百合ひらく思ひの丈を吐くやうに
中島あきら
200209
百合咲くやアールヌーボーガラス展
関根洋子
風土
200209
笹百合の根方に炭のひろげあり
浜口高子
火星
200209
けふの日を父母に謝す供華鹿の子百合
大井昌
京鹿子
200209
相席を拒んでをりぬ百合の花
戸田春月
火星
200209
百合の花活けてひとりの応接間
大木千鶴子
雲の峰
200209
オホーツクの風柔らかにすかし百合
於久昭臣
雲の峰
200209
ただ黙つて側にゐるだけ百合の花
赤羽正行
遠嶺
200209
百合抱へアーシーさんは赤子見に
近藤きくえ
200209
縁先の鉄砲百合と地黄丸
中島陽華
200209
百合抱きて再就職は考へず
斎藤和江
帆船
200209
百合咲くや葬を控へし教会に
上原カツミ
帆船
200209
曲るたび百合匂ひくる牧の道
長田秋男
酸漿
200209
茂忌の百合の香溢るぼるがかな
皆川盤水
春耕
200209
喪帰りの供花の白百合一花づつ
長沼三津夫
200209
姥百合の孤独を勁きものと知る
堀内一郎
あを
200209
百合咲けり今年も妻の逝きし日に
小田知人
ぐろっけ
200209
百合に来し揚羽をむずと掘み捕り
小林清之介
風土
200210
百合咲くと生き生きと告ぐ電話口
村越化石
200210
訃を聞きし夜は百合の香を遠ざくる
熊岡俊子
雨月
200210
笹百合を楚々と揺らせし峰の風
大槻秋女
円虹
200210
百合咲けばほの白き影あまたふゆ
市掛基己
200210
はきはきと娘の答ふ鹿の子百合
大山文子
火星
200210
白百合に目覚めずただに美しき
金澤明子
火星
200210
山百合を真向ひに籠編みゐたり
根本孝子
春耕
200210
実を載せて大姥百合の直立す
赤座典子
あを
200210
青大将隠して百合の白さかな
小西瑞穂
ぐろっけ
200210
贅沢な恋の悩みや百合の花
内山恵子
遠嶺
200211
すかし百合散るまで水平線凝視む
小林輝子
風土
200211
笹百合や空を蹴りたるリフトの子
秋田谷明美
帆船
200211
黒百合の俯き加減鉢素焼
二瓶洋子
六花
200211
百合活けてその香に咽ぶ夜となる
吉田眞弓
雨月
200211
爽やかや絵手紙の百合匂ひたつ
青木政江
酸漿
200211
雨しとど御堂の蔭の百合にほふ
水田清子
200211
黒百合や阿寒の栗鼠は人怖ぢず
岡田暮煙
200211
百合の花夜は足首の冷ゆるなり
生方ふよう
200211
姫百合は揺れ姥百合は立ちしまま
中杉隆世
ホトトギス
200212
眉つくるうしろに百合の匂ひゐる
小野寺節子
風土
200304
考へる時間全し百合香立つ
小野寺節子
風土
200304
人恋ふる昨日に今日の百合の花
小野寺節子
風土
200304
暮れてより素顔がもどる山の百合
阿部正枝
絵具箱
200304
潮騒に鉄砲百合はなだれ咲く
山田弘子
草の蝉
200305
地に下ろしたる二年目の百合咲きぬ
稲畑汀子
ホトトギス
200307
花束を受け百合の香に捉はるる
稲畑汀子
ホトトギス
200307
百合の香を置きアンコール弾き始む
稲畑廣太郎
ホトトギス
200307
たま込めて鉄砲百合を迎へ撃ち
山田六甲
六花
200307
百万本の百合の伊江島風甘し
広瀬元
200307
百合の香の真ん中に夢入れてみむ
小澤克己
遠嶺
200307
黒百合や伊吹午より鬱に入る
柴田由乃
風土
200307
鬼百合の花弁と蕊と反り合はず
鷹羽狩行
200308
ゆきくれて駅舎の隅の白き百合
石塚ゆみ子
遠嶺
200308
白百合やけものみち来て風まかせ
石塚ゆみ子
遠嶺
200308
嫁ぐ日を待ち白百合を高く活け
岩上とし子
200308
黒服の列累累と百合匂ふ
海野廸子
対岸
200308
講堂の固き木の椅子百合の花
荻野みゆき
対岸
200308
高張に菊の紋章百合祭
岡本明美
雲の峰
200308

 

2020年7月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。