雪 吊 4          151句

雪吊を了へてしづかに男たち   斧田綾子   獐

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雪吊や松の位をあげにけり 木村茂登子 あを 201201
雪吊りの是も非もなしに木の万歳 黒澤登美枝 201202
雪吊りの雪食ふ鳥の日和かな 井口光石 風土 201202
雪吊やにはか庭師の寺男 藤本秀機 201203
雪吊や松にしたがふ男たち 亀井紀子 201203
雪吊や三角函数忘じけり 鈴木撫足 春燈 201203
雪吊の縄引き締まる朝の鐘 丹羽啓子 馬醉木 201203
雪吊の藁稭に寄る真鯉かな 後藤桂子 万象 201203
雪吊のまだ新しき縄目かな 川井素山 かさね 201203
雪吊や月光透けてにほひくる 永峰久比古 馬醉木 201204
雪吊りの一縄毎の響きあり 竹田ひろ子 ろんど 201204
松に倦みたる雪吊の揺れやすし 深澤鱶 火星 201204
たをやかに雪吊り風をやりすごす 森理和 あを 201204
雪吊りのゆるみに春の足音す 田中藤穂 あを 201204
雪吊のいつぽんあそぶ春の風 吉弘恭子 あを 201204
雪吊や秩父訛の「そうだいね」 松橋利雄 春燈 201205
花嫁を待つ雪吊りの雫かな 川端俊雄 火星 201205
雪吊の外れひろごる空の色 西谷良樹 春燈 201206
雪吊の弛む百日留守の家 工藤ミネ子 風土 201207
雪吊にまだ雪の来ぬ加賀の国 北崎展江 くりから 201209
雪吊りに微塵も雪の気配なし 布川直幸 201212
雪吊の影にひろがる水輪かな 大坪景章 万象 201302
雪吊の松の根方を歩む鷺 小川玉泉 末黒野 201302
雪吊の水面に浮かぶ影揺るる 青木英林 かさね 201302
花嫁に雪吊りの松匂ひけり 森岡恵子 万象 201303
雪吊や日差をさはに苑の松 小川玉泉 末黒野 201303
日の温み持つ雪吊の余り縄 黒滝志麻子 末黒野 201303
竪琴のやうな雪吊り奏でたし 平野みち代 201303
雪吊やがんじがらめの男振り 山田正子 201303
雪吊りより長き廊下や福寿草 大島翠木 201304
雪吊りの外せぬ日々や加賀の春 後藤克彦 かさね 201305
雪吊を解く渇きたる天があり 上坂渥子 雨月 201305
雪吊を解く枝々をはげましつ 上坂渥子 雨月 201305
宿坊の雪吊り既に完了す 坂根宏子 201401
雪吊のたるみ夕影濃くなれり 鈴木良戈 201402
雪吊の武蔵野の空真青かな 小島昭夫 春燈 201402
雪吊に雪ありてこそ加賀の酒 中田みなみ 201403
雪吊の縄の白さよ抹茶の香 成田美代 201403
雪吊の縄の遊びの在りどころ 今井弘雄 春燈 201403
雪吊の縄を引きあふヘルメット 箕輪カオル 201403
雪吊の風の奏づるピチカート 高久正 201403
用の無き雪吊り何となく寂し 難波篤直 201404
水鏡雪吊縄の温みけり 山田六甲 六花 201404
雪吊の縄は鋼をしのぎけり 山田六甲 六花 201405
雪吊のとれそれぞれの樹の形 菅谷たけし 201406
雪吊りの縄のゆるみて水光る 石原健ニ やぶれ傘 201406
雪吊の髻痩せてほどかるる 工藤ミネ子 風土 201407
うなぎ屋の槙の雪吊繩匂ふ 橋場美篶 末黒野 201411
雪吊の縄のいつぽん怠けをり 伊藤白潮 201412
雪吊を終へたる空の若やげり 兼久ちわき 馬醉木 201501
雪吊を終へたる空の若やげり 兼久ちわき 馬醉木 201501
雪吊に脚もひとやく加賀甚句 白井友梨 馬醉木 201502
雪吊の一本にある命かな 雨宮桂子 風土 201502
雪吊の縄の匂へる邸かな 近藤紀子 201502
雪吊の天辺風を呼ぶ縄目 細川洋子 201502
雪吊の枝に残れる實の赤し 近藤紀子 201503
反り橋や雪吊の縄あたらしき 加藤静江 末黒野 201503
雪吊の松見えを切る役者ぶり 外山節子 末黒野 201503
雪吊を拒み荒城の松の幹 物江康平 春燈 201503
雪吊りの斜め右上昼の月 有賀昌子 やぶれ傘 201504
雪吊りの縄四方から空を引く 有賀昌子 やぶれ傘 201504
雪吊りの縄つたひくる雨雫 國保八江 やぶれ傘 201504
雪吊の松より宮居展けくる 今村征一 ホトトギス 201505
雪吊や百万石の花咲かす 雨宮桂子 風土 201505
雪吊の朝の日に映ゆ幾何模様 黒滝志麻子 末黒野 201505
日の落ちて雪吊の縄あきらかに 内藤惠子 万象 201505
雪吊を解くもどる縄はじく縄 上坂渥子 雨月 201505
雪吊を解く北陸に新幹線 上坂渥子 雨月 201505
雪吊の何をしたでも無く立てる 橋本くに彦 ホトトギス 201506
知らぬ世へ招く雪吊並木かな 井上石動 あを 201601
雪吊の見えめいめいに昼の膳 根橋宏次 やぶれ傘 201601
雪吊のまだ雪知らぬ藁匂ふ 本間羊山 風土 201602
雪吊りの支柱ユンボの立たせたり 岡田桃子 201602
雪吊に幼き松の鎧はるる 奥村直女 馬醉木 201603
雪吊の十字懸垂水鏡 吉田政江 201603
池の面に映り雪吊ふるへだす 高橋道子 201603
雪吊りの縄の遊びや空青く 柿沼盟子 風土 201603
運び込む加賀雪吊りの縄の束 上村葉子 風土 201603
雪吊の縄に翡翠飛び来る 桜井知恵子 雨月 201604
雪のなき雪吊映し水面濃し 成田美代 201604
雪吊の天辺帽のごとき雪 土井三乙 風土 201605
松よりも雪吊りの縄香を放つ 岸洋子 201605
水準器手に雪吊りを取りしきる 岸洋子 201605
雪吊りの脱ぎても肩の張りしまま 時澤藍 201606
月かかる夕べ済みたる雪吊に 野沢しの武 風土 201607
雪吊の解かれし松の青みかな 鈴鹿仁 京鹿子 201607
雪吊や加賀鳶職といふさばき 上坂渥子 雨月 201612
雪吊や叱咤の縄を張りし枝 上坂渥子 雨月 201612
雪吊や張りある枝をなだめつつ 上坂渥子 雨月 201612
選びたる枝にも誇雪吊す 上坂渥子 雨月 201612
雪吊や殿様面となりし松 上坂渥子 雨月 201612
藁ぼこり立て雪吊の仕上がりぬ 山田天 雨月 201701
雪吊の作法に江戸の気品かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
雪吊りの庭師手練の傀儡師 門間としゑ 末黒野 201702
雪吊の締り加減や幹叩く 能村研三 201702
雪吊の一景として仕上げらる 池田崇 201703
雪吊の鋭角天辺に集め 平野みち代 201703
雪吊りの木々や足軽資料館 渡邊孝彦 やぶれ傘 201703
雪吊の青竹空へ水底へ 江見悦子 万象 201703
雪吊に手持ち無沙汰といふ緩み 須田千代 201703
雪吊に石灯籠の畏まる 宮内とし子 201703
雪吊りの弛みひとつも宥されず 久保東海司 201703
久の帰宅雪吊はまだ解かれずあり 野沢しの武 風土 201704
雪吊に雪降り景の定まりぬ 黒滝志麻子 末黒野 201704
雪吊を解く瞬間の心入れ 鈴木一広 201704
雪吊のすっくすっくといい天気 定梶じょう あを 201705
雪吊の縄の綾なす夕日かな 山口順子 馬醉木 201705
雪吊の縄に新雪乗りてをり 志方章子 六花 201705
雪吊の中の日向にゐる雀 根橋宏次 やぶれ傘 201711
目つむりて雪吊に雪降らせけり 楠原幹子 201801
雪吊りの松のそれぞれ背伸びして 上野進 春燈 201802
雪吊を張りたる松の威厳かな 鈴木良戈 201802
南部雪吊ひかりの筋の降り止まず 細川洋子 201803
百万石の景弛みなく雪吊す 佐藤貞子 雨月 201803
雪吊りの園丁の所作隙のなし 森清堯 末黒野 201803
雪吊の光をはじぎ縄の艶 黒滝志麻子 末黒野 201803
雪吊松いときはやかな園路かな 川村欽子 雨月 201803
朝晴れて雪吊ばかり目立つ町 渡邉孝彦 やぶれ傘 201803
雪吊りの縄より雪のこぼれくる 大崎紀夫 やぶれ傘 201803
雪吊りの縄の小ゆるぎ雲早し 稲垣佳子 末黒野 201804
雪吊のいまだ緩まず龍太の忌 広渡敬雄 201804
雪吊の間近に見たる太さかな 善野行 六花 201804
美しき雪吊なれど雪降らず 安原葉 ホトトギス 201805
雪吊もとれて蒼古の松の花 山田六甲 六花 201806
小さな木にも雪吊をぬかりなく 浜崎素粒子 ホトトギス 201806
雪吊は空へと向かふ心柱 小笠原妙子 201811
雪吊を仰ぐに傘をすぼめけり 住田千代子 野に遊ぶ 201811
名園の雪吊といふ匠かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
雪吊りのうしろを湖の光かな 半谷洋子 201903
雪吊に全き芸あり縄に松 栗坪和子 201903
雪吊の中を烏がすこし跳び 根橋宏次 やぶれ傘 201903
雪吊りの残りし縄をリヤカーに 瀬島洒望 やぶれ傘 201903
雪吊のはじめ半纏羽織りけり 後藤園子 201907
雪吊に遠心力の有りさうな 齊藤實 202001
雪吊りが空ひき絞る加賀の国 熊川暁子 202002
越中路雪吊の三角溢る 七郎衛門吉保 あを 202003
雪吊の縄軽きまま立ち並ぶ 赤座典子 あを 202003
雪吊の職人加賀の勢もて 宮岡弘 202003
雪吊の袴行列越中路 七郎衛門吉保 あを 202004
雪吊や手持無沙汰の大あくび 時澤藍 202004
武蔵野や雪吊りの棒ゆるぎなし 岡田史女 末黒野 202004
雪吊りの梅花結びや鳥の声 加藤静汀 末黒野 202005
雪吊りの縄ほどくとき雉子鳴く 増成栗人 202005
雪吊の揺るぎなき縄松の声 岡野里子 末黒野 202005
日差濃し雪吊解く日近からん 安原葉 ホトトギス 202006
雪吊の松の貫禄国技館 坂口晴子 202007
雪吊の絞る一点空に置き 坂下成紘 202101
雪吊の縄八方に緩び無く 坂下成紘 202101
雪吊りや女庭師の豆絞り 加倉井たけ子 202102
雪吊の仕上りし地がすこし浮く 柴田佐知子 202102
雪吊の影ある池を時に風 青谷小枝 やぶれ傘 202103
雪吊りの縄のたるみがひゆうと鳴り 石原健二 やぶれ傘 202103
あたふたと埋もる雪吊掘り出せり 池田崇 202104
雪吊や百万石の縄の数 松田明子 202104
雪吊の縄引力を弄び 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
雪吊の張り出してゐる下に鯉 根橋宏次 やぶれ傘 202201
雪吊りの松や藩主の屋敷跡 鈴木齊天 202202
雪吊や縄にゆるみのなかりける 中貞子 202202
御薬園藩侯偲び雪吊りす 室井津与志 春燈 202202
雪吊は三十三本老ゆる松 室井津与志 春燈 202202
池の面に逆さ雪吊凛として 室井津与志 春燈 202202
雪吊の景を丸呑み池清か 室井津与志 春燈 202202
雪吊や荒縄匂ふ男松 佐俣まさを 春燈 202202
雪吊の老松威儀を正しけり 木多芙美子 春燈 202203
雪吊の庭師の脚立古びけりi 綾戸五十枝 202203
雪吊りに引締まる苑夕明り 石黒興平 末黒野 202204
雪吊や空を絞りて揺るぎなし 松田明子 202210
雪吊を城主のごとく眺めけり 秋津令空   202211
雪吊の縄の揺れ様にも流儀 稲畑廣太郎 ホトトギス 202212
雪吊→ 1

 

2023年1月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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