雪 吊 3          111句

雪吊の髻にふれししぐれ雲   富安風生

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雪吊の芯をつらぬく真青竹 田所節子 200702
青空を引つ張つてゐる雪吊ぞ 大畑善昭 200702
雪吊りを終へし己が身ピノキオめく 片桐まこと 200702
真下まで来て雪吊のたるみかな 青山丈 200702
雪吊の支へてゐたる時空かな 高橋将夫 200703
雪吊に奏でてみたき百の弦 小嶋洋子 200703
通り雨来て雪吊の縄匂ふ 森脇貞子 雨月 200703
雪吊や軍手に表裏左右なし 川口襄 遠嶺 200703
雪吊や胸に恩師の一家言 横松しげる 遠嶺 200703
投げ掛けられ網の如くに雪吊り伸ぶ 甲田雅子 200703
雪吊の庭師寡黙に縄さばく 西出俊子 酸漿 200703
雪吊りのなかの落日憂国忌 中田みなみ 200703
雪吊りの縄集まつて天を刺す 山路紀子 風土 200704
待ち人は来ず雪吊に雪は来ず 安居正浩 200704
雪吊のめつたに降らぬものを待つ 相良牧人 200704
雪吊の縄の撓みや魚板鳴る 川口襄 遠嶺 200705
雪吊のまだはずされぬ修道院 早崎泰江 あを 200705
雪吊を解かれし枝の自由権 上原朝子 200706
八方へ雪吊の縄かがやけり 滝沢伊代次 万象 200711
雪吊の結ばれし枝芽ぐみをり 佐藤喜孝 あを 200711
富士よりの風雪吊を騒がせて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200801
雪吊の縄ばかりとも見えてをり 稲畑汀子 ホトトギス 200801
雪吊りの鉾先いくつ天を突く 須藤トモ子 200801
雪吊に松はんなりと納まりぬ 木村茂登子 あを 200801
雪吊の一本柱立てしより 松尾緑富 ホトトギス 200802
雪吊の縄の加減をと見かう見 松尾緑富 ホトトギス 200802
正面に雪吊すはる茶席かな 三好かほる 万象 200802
芯柱の地中の丈や雪吊す 北川英子 200802
こゑ一つ無く雪吊の吊り終る 青山丈 200802
雪吊の壮厳界も冬ざるる 泉田秋硯 200803
雪吊にそそぐ庭師の眼かな 西岡啓子 春燈 200803
雪吊の張りを弛めぬ能登の空 中村悦子 200803
雪吊や青空はすぐおちつかず 戸田和子 200803
雪吊が完成したる兼六園 浮田胤子 ぐろっけ 200803
雪吊の穂先連なる屋敷林 金山千鳥 酸漿 200803
雪吊の芯張りつめてをる月下 木内憲子 200803
雪吊りの上まつ青な甲斐の空 渡辺徳治 200805
雪吊の空に高さを競ひ合ふ 野里ムツ 200805
雪吊の疎にして空の美しき 村松紅花 ホトトギス 200806
一即多多即一と雪吊よ 村松紅花 ホトトギス 200806
雪吊りの苑に澄みたる心気かな 邑橋節夫 菊揃へ 200806
雪吊の仕上がるまでの人だかり 鶴岡加苗 200811
雪吊や人集まりて暮なづむ 道坂春雄 炎環 200901
雪吊縄一本づつに初日さす 神蔵器 風土 200902
雪吊やまず置かれたる赤き菓子 笠真木 炎環 200902

「あらうみ」八百号祝賀

雪吊を外すを見つゝ雨の朝

稲畑汀子 ホトトギス 200903
雪吊や危ふきものに命綱 水上れんげ 200903
雪吊の縄に衿侍のありにけり 花島陽子 遠嶺 200903
雪吊に遊子心を満たさるる 前川千恵子 雨月 200903
雪吊の縄の隙間の飾り縄 山口まつを 雨月 200903
捗らぬ兄の雪吊よかりけり 深澤鱶 火星 200903
雪吊りの松の間を福の風 いしだゆか 遠嶺 200904
月抱きて雪吊の縄弛みなし 加藤汀 馬酔木 200905
雪吊や苑にこもりし鳥の声 大谷茂 遠嶺 200905
雪吊の庭玻璃越しに地酒酌む ま桑田忠男 遠嶺 200905
雪吊りに遊びありけり男結ひ 久津見風牛 200905
雪吊に張りつめし空ありにけり 山田暢子 風土 200905
蒼天へ松の雪吊遠チに富士 山口まつを 雨月 200905
雪吊や庭師てだれの舞台なる 渡辺玄子 酸漿 200905
雪吊りの松の雪なき眺めかな 加茂達彌 200908
雪吊りは祈りのかたち昼の月 柿沼盟子 風土 200911
雪吊の雪降る前の光りかな 佐藤喜仙 壁炉 200911
雪吊りに奏でてみたき百の弦 小嶋洋子 泡の音色 200912
雪吊の詰めあやまたぬ容かな 田中貞雄 ろんど 200912
雪吊の縄しゆるしゆると空へ伸び 鈴木良戈 200101
雪吊の男むすびに羽虫舞ふ 小山田子鬼 201002
張り終へて山の風見る雪吊師 和田満水 201002
雪吊の縄に余裕をもたせけり 浅田をさむ 201002
雪吊りの幾十条の縄匂ふ 澤井玲子 201002
雪吊りのあやつり人形動き出す 久津見風牛 201003
雪吊の空が大きく揺れにけり 川口襄 遠嶺 201003
雪吊りは和傘の形の半開き 田村すゝむ 風土 201003
雪吊の小さき冠城のぞむ 上田義子 201003
雪吊や空よりふらす縄百丈 小林千草 馬醉木 201004
調弦のごと雪吊りの縄絞る 荒井千佐代 201004
雪吊の弦にふれゆく風もなし 谷口芳江 201004
雪解けの大雪吊りのなまなまし 中下澄江 201005
雪吊の縄ふとぶとと奥会津 渡部志津子 201006
雪吊りの縄が庭師を操りし 大沼遊魚 倭彩 201009
雪吊の男縄の直と女縄の弧 秋葉雅治 201101
雪吊の支へ柱も夫婦松 根岸善行 風土 201102
降りだすや雪吊支へ柱より 根岸善行 風土 201102
雪吊りの縄結ふほどに縄の艶 田中久仁子 万象 201102
仏顔となり雪吊りの棒担ぐ 田中久仁子 万象 201102
雪吊を横目にすする汁粉かな 丑久保勲 やぶれ傘 201102
雪吊となる縄にある気負ひかな 安居正浩 201103
雪吊の少し傾く陽の重さ 鈴木良戈 201103
縄屑を拾ひ雪吊り見上げたる 久津見風牛 201103
雪吊の縄いきいきと六義園 北村香朗 京鹿子 201103
後楽の雪吊の縄びしびしと 北村香朗 京鹿子 201103
雪吊の縄百本の律義かな 江澤弘子 201103
雪吊に星ぎつしりと灯りけり 梶浦玲良子 六花 201103
雪吊りの身構へ解くや日の射して 久津見風牛 201104
雪吊にゆだねし松の矜恃かな 綱徳女 春燈 201104
雪吊りの杭一本は池の中 相澤春江 風土 201104
雪吊りの縄の緩みし日和かな 濱谷和代 万象 201104
加賀の人と隣る雪吊の花結 河隅惠子 201104
應擧寺なり雪吊の高からず 戸深澤鱶 火星 201104
雪吊や百本の縄引きしぼる 岡田史女 末黒野 201104
雪吊の風格称へ相識らず 上原恒子 雨月 201104
雪吊解く一瞬空の胴震ひ 柴田近江 201104
雪吊りに池畔きらめき祖母の里 相沢有理子 風土 201105
雪吊を映し水面の張り詰むる 稲垣佳子 末黒野 201105
雪吊りの仲間外れの松に寄る 田中貞雄 ろんど 201105
雪吊や餌に寄る鯉の混み合へる 根橋宏次 やぶれ傘 201105
雪吊りの解けて安堵の一老樹 石倉千賀子 ろんど 201106
寒満月雪吊は影低く立つ 野沢しの武 風土 201107
対岸に雪吊の松聳え立つ 小林千草 馬醉木 201110
雪吊りのいま日の重み支へをり 布川直幸 201111
雪吊に万有引力一寸邪魔 稲畑廣太郎 ホトトギス 201112
雪吊の縄百本にある霊気 稲畑廣太郎 ホトトギス 201112
雪吊→ 4      

 

2020年12月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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