雪 解 8      120句

雪解風ほうほうと鳴る甕の口   高島茂   軍鶏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
後座に入る合図呑み込む雪解水 田中佳子 ぐろっけ 201102
上り根をつかみのぼりぬ雪解坂 丸山佳子 京鹿子 201103
掬びたる雪解の水に草の香す 山田六甲 六花 201103
雪解水豊かに岸辺洗ひをり 田中きよ子 酸漿 201103
板一枚はづして流す雪解水 木村茂登子 あを 201103
雪解水山の交響詩を奏で 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
雪解風富士を浮べてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
押し合うてたたら踏む波雪解川 布川直幸 201104
雪解けの道に朝の陽溢れけり 鈴木阿久 201104
北上川を勢ひて下る雪解水 占部美弥子 末黒野 201104
雪解けの水にあおさぎ凛と立つ 加納淳子 六花 201104
旅先の連絡難民雪解野に 能村研三 201104
傷もてるものの優しさ雪解風 渕上千津 201104
湯の町に奔流となる雪解水 坂根宏子 201105
万物の音甦る雪解かな 山本康夫 201105
まなうらは薄紅ならむ雪解川 細川洋子 201105
五六羽の雀雪解の水たまり 大坪景章 万象 201105
やまどりのとび立つ羽音雪解山 中山純子 万象 201105
雪解けの大きな鼻をもち来たり 坂口夫佐子 火星 201105
越天楽雪解雫のはやみきし 田中文治 火星 201105
杉の秀にかかる夕星雪解川 櫻木道代 ぐろっけ 201105
苔むしてうごく水車や雪解水 設楽唱子 酸漿 201105
雪解靄のろしのごとく上がりけり 笹村政子 初鼓 201105
雪解川なにに急かれて海へ競ふ 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
園児一人学童四人の雪解村 和田崎増美 雨月 201105
雪解川轟く穂高星の宿 鈴木照子 201106
海へ出る船を押し出し雪解川 橋本くに彦 ホトトギス 201106
一村が雪解雫の中にあり 稲岡長 ホトトギス 201106
雪解水混る野川も温み初む 稲岡長 ホトトギス 201106
雪解川ちちはは住みし村はなし 秋葉貞子 やぶれ傘 201106
高麗門出で三の丸雪解靄 高村俊子 万象 201106
雪折れの枝を呑みこむ雪解川 濱谷和代 万象 201106
とど松の雪解雫のとめどなき 濱谷和代 万象 201106
薪の山雪解の湯気の立ち上る 柳澤宗正 万象 201106
住職の説法長し雪解風 菅野日出子 末黒野 201106
水音のいつもどこかに雪解村 尾崎みつ子 雨月 201106
雪解水吊り橋渡るハミングで 坊野貴代美 ぐろっけ 201106
渦生れて渦の呑まるる雪解川 竹田ひろ子 ろんど 201106
雪解けの水もりあがり狭き川 原田敦子 酸漿 201106
尼寺の破調の雪解しづくかな 生田恵美子 風土 201106
石仏に夜べの雪解け賽光る 大木さつき ホトトギス 201107
橋立の潮へ大江山おおえの雪解水 吉田裕志 201107
雪解水幽し能登の大伽藍 武田ともこ ぐろっけ 201107
雪解道うかと飛び出し水びたし 松本アイ ぐろっけ 201107
雪解けて路地に子のこゑ人の声 園部早智子 ろんど 201107
袖まくり上げて川端の雪解風 奥田順子 火星 201107
隠れ里雪解の水音はじまれる 井上浩一郎 ホトトギス 201108
声かけて人違ひなる雪解道 野沢しの武 風土 201108
雪解川響く穂高や風の宿 鈴木照子 201108
遠近の崖を滝なす雪解水 鈴木照子 201108
米沢は植田へそそぐ雪解水 だいじみどり 201109
墓碑に会ふのみのふるさと雪解風 小林千草 馬醉木 201110
はじまつてゐる雪解の音なりし 稻畑汀子 ホトトギス 201202
雪解風人影の無き観覧車 内田 梢 末黒野句集 201203
雪解川友遭難の峰白く 卯月十六 末黒野句集 201203
鶏飼はぬ平家の里や雪解川 川西栄江 末黒野句集 201203
雪解の雫眩しき農具小屋 重田 修 末黒野句集 201203
雪解けや秘境の宿のランプの灯 山本かつみ 末黒野句集 201203
玉砂利を雪解雫のうがちけり 藤澤陽子 201204
雪解の雫途切れぬ大樹かな 米田文彦 かさね 201204
雪解光竹跳ねあがる音しきり 米田文彦 かさね 201204
細結びほどくるやうに雪解川 川崎真樹子 春燈 201204
せせらぎの音幾筋も雪解山 中山純子 万象 201204
得仁堂雪解雫の細細と 赤座典子 あを 201204
有限の地球資源や雪解水 藤本秀機 201205
落葉松の影綾なせる雪解光 堤京子 馬醉木 201205
縹渺と雪解を誘ふ国栖の笛 南光翠峰 馬醉木 201205
きらりきら踊る小人や雪解水 上原重一 201205
日輪を零す雪解のしづくかな 犬塚李里子 201205
出石そば雪解雫の軒くぐり 史あかり ぐろっけ 201205
雪解風やにはに筑波山見たし 田中貞雄 ろんど 201205
桜桃の畑より雪解はじまりぬ 大西八洲雄 万象選集 201205
熊笹を洗ひ雪解の水速し 勝木享子 万象選集 201205
妻の留守雪解雫を見てゐたる 金森明久 万象選集 201205
川幅に水収まらず雪解谿 佐津のぼる 六花 201205
何の巣や雪解流れに張り出せる 浜口高子 火星 201205
きのふより少し太りて雪解滝 久染康子 201205
みちのくの葬に渡る雪解川 宮内とし子 201205
まつさきに豚舎の庇雪解して 定梶じょう あを 201205
真二つに湯の街を割る雪解川 藤沢秀永 201205
雪解けて畑に鋨鋤土香る 山本達人 かさね 201206
雪解風疎林の柄長啼きかはし 市川玲子 馬醉木 201206
雪解水優しさのみで生きられず 中田とも子 201206
雪解川日本海へと逸るなり 林いづみ 風土 201206
レモネード雪解しづくの七色に 小谷延子 万象 201206
一日中樋に溢るる雪解水 大村かし子 万象 201206
雪解や盆に休める利休箸 山本耀子 火星 201206
痛いから痛いと言わぬ雪解水 中原幸子 船団 201206
雪解川鴉水浴びして発ちぬ 大内幸子 六花 201206
ごうごうと音立て流る雪解川 小寺ふく子 六花 201206
棚田から棚田へ光る雪解水 大橋伊佐子 末黒野 201206
小流れの芥のほぐれ雪解水 上月智子 末黒野 201206
妙義嶺の巖迫りあげ雪解風 福永みち子 馬醉木 201207
日ざしより風に雪解の始まれり 今橋眞理子 ホトトギス 201207
橋上より見る多摩川の雪解水 佐藤喜仙 かさね 201207
雪解風赤城を越ゆる九十九折 鈴木静恵 春燈 201207
死ぬもよし生くるも楽し大雪解 森谷達三 春燈 201207
一本の棒にはじまる雪解川 佐々木紗知 京鹿子 201207
落日を城の旬とす雪解川 鳥居おさむ 鳥居おさむの、背骨。 201207
線量計大きく振れて雪解川 佐藤いづみ ろんど 201207
雪解路きちんと並んで黄の帽子 鎌田慶子 ろんど 201207
ぴょんぴょんと新しい靴雪解水 鎌田悟朗 ろんど 201207
あきらめて流してやろう雪解川 鎌田悟朗 ろんど 201207
雪解川わだつみ母の如きかな 土屋草子 ろんど 201207
幾度もしぶきを上ぐる雪解川 出口誠 六花 201207
人柱たてしは昔雪解川 古川千鶴 かさね 201208
重さうに廻る水車や雪解水 新堀満寿美 末黒野 201208
雪解川光のままに海へ入る 吉田葎 201209
にぎやかな雪解しづくの音となる 辻千緑 ホトトギス 201210
まだ白き稿の中なる雪解音 林昭太郎 あまねく 201210
倒木の息吹未だあり雪解渓 石井美智子 風土 201211
雪解まち釦は裏口から入る 安田優歌 京鹿子 201301
六甲の雪解夙川芦屋川 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302
申し訳程度の雪解都心にも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302
雪解の街より訪ね来られけり 稲畑汀子 ホトトギス 201302
泥色に雪解はじまる鮭の川 三澤治子 万象 201302
退屈を知らぬ仔豚や雪解どき 原友子 201302
靄生みて靄を走れり雪解川 広渡敬雄 201302
雪解靄ヘアピンカーブより抜けて 稲畑汀子 ホトトギス 201303
雪解水集めて早し梓川 菅原孟 かさね 201303
雪解→9      

 

2021年3月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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