雪 解 7      115句

源流は虎とぶやうに雪解川    宇多喜代子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
木曽の子に岳八方の雪解風 遠藤真砂明 200807
戸隠は神の男峰ぞ雪解晴 遠藤真砂明 200807
谿ごめに夜も叫喚の雪解川 有働亨 馬醉木 200808
雪解川落合ふところ修羅なして 斎藤道子 馬醉木 200808
雨上り姿際立つ雪解富士 菊地惠子 酸漿 200808
上高地貫き雪解川迅し 手島伸子 雨月 200809
二度鳴らす汽笛かき消ゆ雪解川 浅井敦子 万象 200810
雪解の岩洗はれてすぐ陽炎へり 瀧春一 深林 200901
岩群の雪まづ消えて雪解川 瀧春一 深林 200901
雪解の岩冷やかにまた暖かに 瀧春一 深林 200901
雪解川忙しく波をたたみくる 瀧春一 深林 200901
雪解光「妊娠土偶」に欲情す 瀧春一 深林 200901
東京の雪解の早さありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200902
安曇川や雪解の水の豊かなり 駒井のぶ 200904
ふるさとへぐんと近づく雪解富士 石寒太 炎環 200904
木曽谷や濁り激しき雪解川 坂上香菜 200905
比良の雪解けて潤ほふ近江かな 竹内悦子 200905
蒼天や雪解けはげし奥の院 羽賀恭子 200905
音高し雪解しづくの奥の院 羽賀恭子 200905
雪解けや川の底にも径のあり 青木典子 炎環 200905
雪解の北上川や賢治往く 小原徳男 遠嶺 200905
雪解けの水の流るる雪の下 高橋将夫 200905
遠くより手を上げて来る雪解道 関口青稲 万象 200905
雪解川がばりと岸をけづりたる 関口青稲 万象 200905
雪解村ポスト全身現れ完了 北川英子 200905
曲るたび勢ひたちけり雪解川 峰幸子 200905
鎌を研ぐ指に尖れり雪解風 近藤敏子 200905
雪解雫廟が昏い民話村 柴田朱美 春燈 200905
下駄の歯を欠かし雪解の石畳 柴田朱美 春燈 200905
雪解川阿修羅の水をもて余す 柴田朱美 春燈 200905
雪解雫人語に飢ゑし山の家 柴田朱美 春燈 200905
死に急ぐこともなかりし雪解川 柴田朱美 春燈 200905
雪解水香水すぐに瀬に乗りぬ 上坂渥子 雨月 200905
川沿ひの山家四十戸雪解風 高垣和恵 雨月 200905
爪跡の樺の高み雪解風 山本耀子 火星 200905
雪解川対岸は顔照らされて 山本耀子 火星 200905
雪解けの誰の墓なる風車 山田美恵子 火星 200905
雪解けの一休像は青年期 河村泰子 ぐろっけ 200905
雪解川粥のごとくに噴きこぼれ 栗田武三 ぐろっけ 200905
雪解やカンパネルラの失せし川 中村嵐楓子 春燈 200905
千尋の谷へ白山雪解かな 山田六甲 六花 200905
梅花藻をもてなほ白き雪解川 五ヶ瀬川流一 六花 200905
畏みて飲む月山の雪解水 山田春生 万象 200906
雪解けの音に昏れゆく羽黒宿 山田春生 万象 200906
村中が雪解の昼となりにけり 遠藤和彦 遠嶺 200906
山彦を丸呑みにして雪解川 久染康子 200906
雪解川厄をゆたかに流しけり 酒井秀穂 炎環 200906
何をもて忿怒といはむ雪解川 田畑耕之介 京鹿子 200906
海原を濁す天竜雪解川 中村翠湖 馬醉木 200907
味噌蔵の闇のしめりや雪解風 榎本慶子 炎環 200907
雪解風オール電化の住まひかな 吉田悦花 炎環 200907
溢れくる言の葉のやう雪解川 川口襄 遠嶺 200907
噴煙の上る浅間の雪解かな 青木政江 酸漿 200907
刻刻と車窓に迫る雪解富士 赤座典子 あを 200907
耀へる雪解水満つ月山湖 斉藤裕子 あを 200907
神杉の幹かぐはしき雪解かな 徳井節子 馬醉木 200908
築地塀曲るや忽と雪解富士 守屋井蛙 酸漿 200908
雪解川六甲颪従へて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909
雪解水音立て初めし旅宿の樋 奥村鷹尾 京鹿子 200909
雪解風とはさらさらとさはさはと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001
雪解水湛へて川の嵩となる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
瑠璃色を潜め流るる雪解水 ことり 六花 201002
鉄橋に波がとびつく雪解川 杉良介 201003
雪解川ここに迫りてゐし奈落 稲畑汀子 ホトトギス 201003
鎖樋雪解あかりの珠つらね 中尾杏子 201003
頂へ襞をしぼりて雪解富士 藤原照子 200605
ハングライダー翔つ山頂の雪解風 藤原照子 200605
清冽な雪解どどつと流れ来る 中島玉五郎 201003
雪解や与位洞門よいとうもんの人柱 山田六甲 六花 201003
霊峰の雪解水もて耳すすぐ 山田六甲 六花 201003
神木のはるかな樹齢大雪解 宮崎紗伎 春燈 201004
神門の雪解雫を潜りけり 矢口笑子 春燈 201004
雪解風雑木を抜けて田を抜けて 中島玉五郎 201004
緩やかな富士の裾野を雪解水 長濱順子 201005
雪解田の光へ消ゆる郵便夫 小澤菜美 201005
山からも海からもくる雪解風 川越寛子 201005
雪解川あまさず色をかかへ込む 遠山みち子 201005
雪解けの大雪吊りのなまなまし 中下澄江 201005
雪解靄行灯ともす絵島の間 山田春生 万象 201005
雪解野に工事予告を深く挿す 蘭定かず子 火星 201005
雪解川ゆくこゑ近く夜の湯船 大崎紀夫 やぶれ傘 201005
長靴の先越えてゆく雪解水 きくちきみえ やぶれ傘 201005
橋くぐるときは騒げり雪解川 廣瀬雅男 やぶれ傘 201005
賢徳の面と対すや雪解風 片山博介 春燈 201005
草の葉の緑を深め雪解くる 中山良子 末黒野 201005
雪解風あぶり餅喰ふイタリア人 櫻木道代 ぐろっけ 201005
商ひの伏籠に雪解しづくかな 水谷靖 雨月 201005
雪解けや榾に菌打つ音のして 田中佐知子 風土 201005
一村をつつみあませる雪解靄 工藤ミネ子 風土 201005
比叡の灯や雪解しづくの音のなか 浅田光代 風土 201005
雪解や明日のみゆる服探す 岡田真澄 風土 201005
鍬打てる遠き影生む雪解風 横山義恭 201005
靴直す窓にあたらし雪解山 長崎桂子 あを 201005
雪解光川に力の加はりぬ 藤井寿江子 馬醉木 201006
信心の一団つづく雪解山 大谷昌子 馬醉木 201006
ぶな林の熊の爪あと雪解光 甕秀麿 201006
即身仏の堂を包めり雪解靄 佐野和子 万象 201006
雪解の支流本流せめぎあひ 藤原照子 201006
去るものの加速や貨車と雪解川 古屋元 201006
御柱に斧ふり下ろす雪解晴 勝田公子 201006
レールより太陽まぶし雪解道 末吉治子 春燈 201006
安曇野や月光はじく雪解川 土屋光男 春燈 201006
水音に水音重ね雪解村 木野裕美 ぐろっけ 201006
水音は歓喜の調べ雪解村 木野裕美 ぐろっけ 201006
音たてて運河に注ぐ雪解水 広瀬峰雄 201006
雨樋に北国の音雪解水 古川千鶴 201006
堰音に雪解の加勢してをりぬ 山下美典 ホトトギス 201007
岩山の雪解け水は目減りせず 伊吹之博 京鹿子 201007
山畑を奔る雪解の水の音 荒井和昭 201007
雪解風神楽囃子を乗せきたる 小林愛子 万象 201007
しがみつく村へ雪解の川曲る 梶浦玲良子 六花 201007
水に水押され流るる雪解川 羽賀恭子 201008
雪解川音高くして里しづか 羽賀恭子 201008
雪解水とどむる能登の棚田かな 瀬島洒望 やぶれ傘 201008
友禅の朱の一筋や雪解川 坂本哲弘 山ざくら 201009
根方より雪解始まる千古の杉 大沼遊魚 倭彩 201009
雪解の水音のあり水芭蕉 大山妙子 酸奬 201009
雲湧くや稜線青き雪解富士 都丸美陽子 春燈 201012
庭の雪解けしも主還らざる 稲畑汀子 ホトトギス 201102
一滴が万滴やがて雪解川 布川直幸 201102
雪解風男にも見る乱れ髪 丸山佳子 京鹿子 201102
雪解→ 8      

 

2021年3月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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