雪 解 6       100句

にぎはしき雪解雫の伽藍かな    阿波野青畝

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鎖場の雪解雫や行者道 林紀夫 春燈 200703
雪解風磴登りつめ奥の院 林紀夫 春燈 200703
雪解けの水の重さに手を洗ふ 宇都宮滴水 京鹿子 200703
雪解川いま無き橋の杭の跡 ことり 六甲 200703
天上にはやこゑのあり雪解川 神蔵器 風土 200704
讃美歌を歌ふ歌声雪解風 村越化石 200704
雪解川水のことばのあふれだす 富川明子 200704
音高く堰乗り越えて雪解水 石川元子 酸漿 200704
階登る足にからまる雪解風 本藤みつ 200704
一の堰二の堰雪解水逸る 泉田秋硯 200705
旅愁はも雪解の瀬音夜もすがら 刈米育子 200705
の浦雪解の比良を戴けり 益本三知子 馬醉木 200705
杣人と木の話など雪解山 谷田部栄 万象 200705
濁流のゑぐる力よ雪解光 内山花葉 200705
龍太逝き瑞牆山の雪解けそむ 松崎鉄之介 200705
雪解風両頬すぐに強張りて 仙石君子 雨月 200705
手を組みて鵜の瀬の雪解道をかな 仙石君子 雨月 200705
文学碑読む間も雪解雫急 仙石君子 雨月 200705
白樺の森一筋の雪解光 平田裕子 遠嶺 200705
木の根本囲みて雪解してゐたる 水谷ひさ江 六花 200705
弔ひの水を流せし雪解川 大山文子 火星 200705
巌撲つて己れ励ます雪解川 金田きみ子 200705
筬音の雪解を謳ふ母郷かな 土屋啓 馬醉木 200706
百態の倒木山は雪解急 浜田南風 200706
川幅をはみ出す雪解渦の音 東福寺碧水 万象 200706
桂月の逝きし湯宿や雪解沼 佐々木新 春燈 200706
しきりなる雪解雫やテイータイム 土井ゆう子 風土 200706
吊り橋に雪解のひかり届きけり 根岸善行 風土 200706
忽ちに眉吊りあげて雪解川 岩淵彰 遠嶺 200706
雪解谷橋脚の朱の鮮やかに 小林草人 200706
雪解雫と啄木鳥けら打つ音を重ねをり 新倉舒子 200706
雪解の灯ニンゲンが海捨てし刻 梶浦玲良子 六花 200706
雪解光古刹の筧あふれゐる 長崎桂子 あを 200706
倒木の音の重なる雪解川 藤井昌治 200706
断崖の肌あかあかと雪解光 佐々木幸 200706
雪解靄槌音村にくぐもれり 青野れい子 200706
雪なくて雪解ごころといふも無し 堀前小木菟 ホトトギス 200707
富士雪解する刻々のありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200707
夢ばかりみて夢忘る雪解かな 水野恒彦 200707
飴切の音弾けたり雪解晴 延広禎一 200707
終南山の原石流す雪解川 松崎鉄之介 200707
ロシア語の一団来たる雪解光 佐々木幸 200707
雲よせず蒼天に蹤く雪解富士 四條進 200708
吉兆の農鳥雪や雪解富士 四條進 200708
首や雪降る中の雪解川 佐藤喜孝 あを 200711
雪山のまだ見ゆるなり雪解川 佐藤喜孝 あを 200711
軒雫雪解の序曲奏でをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200801
鴎わたる天みづみづし雪解風 天田牽牛子 馬醉木 200801
がうがうと海馬を過ぐる雪解水 井上菜摘子 京鹿子 200801
雪解の岳麓に旅予定組む 稲畑汀子 ホトトギス 200802
倒木と流木の差や雪解谷 鷹羽狩行 200802
鉄橋に波の噛みつく雪解川 杉良介 200802
柄のゆるみし鍬を浸すや雪解川 久保東海司 200802
雪解富士よかりし旅と聞くにつけ 稲畑汀子 ホトトギス 200803
雪解富士語り尽せぬこともがな 稲畑汀子 ホトトギス 200803
見ざるとも見たる如くに雪解富士 稲畑汀子 ホトトギス 200803
パン工房雪解しづくに囲まるる 山尾玉藻 火星 200803
墓あれば鴉の声す雪解谷 山尾玉藻 火星 200803
杭越ゆや薄濁りせる雪解水 山田六甲 六花 200803
手稲山羽衣めきし雪解靄 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
雪解靄晴れゆく先の手稲山 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
幾千の仏顔出す雪解かな 岩木茂 風土 200804
図鑑にも探せぬ鳥や雪解川 山田六甲 六花 200804
里坊の門川はやし雪解どき 片岡久美子 200805
雪解風北陸よりの飛報かな 木下もと子 200805
白樺のひすがら雪解雫かな 相沢有里子 風土 200805
藍甕の藍の匂へる雪解かな 浅田光代 風土 200805
人の名の思ひ出せざり雪解道 有元文子 風土 200805
雪解靄祖母の在所を一呑みに 大上充子 馬醉木 200805
雪解水明るく坂にひびき合ふ 松原三枝子 万象 200805
雪解けのつめ込み過ぎの書棚かな 松波幹治 万象 200805
眼をつむり胸元雪解日和なる 村越化石 200805
こちこちの雪をほぐせり雪解風 米屋道子 200805
結界の苔をしたたる雪解水 武田幸子 200805
鮭の稚魚飼ふ水槽へ雪解水 甲田雅子 200805
表札に十の名雪解雫して 杉浦典子 火星 200805
雪解や吊玉葱の皮落つる 浜口高子 火星 200805
せきれいの再び触れし雪解川 大山文子 火星 200805
雪解川村に夕べの鐘が鳴る 戸栗末廣 火星 200805
語部と歩く半日雪解光 山本耀子 火星 200805
松の木に爪研ぐ猫や雪解風 松井倫子 火星 200805
雪解風野鳥の声を断つしばし 博多永楽 雨月 200805
雪解水合掌村を貫けり 金田美恵子 ぐろっけ 200805
合掌村いずこにいても雪解音 金田美恵子 ぐろっけ 200805
砲声も富士の雪解を促せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200806
十号車五番D席雪解富士 稲畑廣太郎 ホトトギス 200806
選集を選みし虚子や雪解富士 稲畑廣太郎 ホトトギス 200806
いささかの雪解濁りに飛鳥川 稲岡長 ホトトギス 200806
鉦の音も雪解雫もしきりなる 小山徳夫 遠嶺 200806
蒼天へ友禅流す雪解水 川口襄 遠嶺 200806
多作多捨目指し朝日の雪解川 川口襄 遠嶺 200806
高楼の雪解雫や嶺はるか 原島ふじ子 遠嶺 200806
北信五岳どの一岳の雪解川 北川英子 200806
大江山の鬼の気性の雪解川 おかたかお 200806
雪解けの浅間神社一の宮 林いづみ 風土 200806
汚れ雪残して流る雪解水 恩塚典子 ぐろっけ 200806
父死後の大きく曲る雪解川 柴崎英子 絹の波 200806
雪解川樅の林を貫けり 江見悦子 万象 200807
あかげらの幹突く音や雪解風 紅露恵子 万象 200807
水割りの酔ひかすかにも雪解霧 北川孝子 京鹿子 200807
雪解 7      

 

2021年3月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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