雪 解 5     107句

雪嶺に對きて雪解の簷しづく    長谷川素逝

作品
作者
掲載誌
掲載年月
武蔵野の雪解はじめの草のいろ 高橋さえ子 200507
雪解の軒の雫を手水とす 伊嶋淡々 200508
雪解水大山の谷ゆたかなり 中道愛子 200508
永平寺どこ曲りても雪解水 宮崎やすお 栴檀 200508
雪解浅間夜空の雲を遠く曳き 戸田和子 200508
羊歯の先くるりくるりと雪解水 五十嵐暢子 対岸 200508
北アルプス源にして雪解川 村山方 築港 200508
雪解水翡翠の湖となりにけり 長崎桂子 あを 200508
うねりたる光のすぢの雪解川 卓田謙一 万象 200509
雪解滝弥勒菩薩の背流し 四戸和彦 八千草 200510
雪解けの水に魔除けの札流れ 高橋将夫 炎心 200510
マリンバの明るい音色雪解川 高橋あゆみ 200510
雪解の没日に峠七曲り 山田耕子 京鹿子 200511
倶梨迦羅は闇にとざされ雪解す 山田耕子 京鹿子 200511
何もかも引きずり込んで雪解川 大坂蛍火 200512
雪解水あふれ若葉の最上川 小松鈴子 酸漿 200512
滑走路筏となりて雪解急 澤田緑生 馬醉木 200601
雪解水ひと葉を運ぶうすみどり 福地初江 200601
岩を咬み岩を飛び越え雪解川 滝沢伊代次 万象 200602
金鱗の磨ぎすまされて雪解鯉 鷹羽狩行 200603
標高といふ雪解の遅速かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200603
雪解水瀞に奏でるアンダンテ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200603
こめかみに力を入れて雪解みち 丸山佳子 京鹿子 200603
あをあをと雪解のせかす里ずまひ 豊田都峰 京鹿子 200603
里山の雪解ひなたの大きかり 豊田都峰 京鹿子 200603
竹とんぼ雪解雫の屋根越ゆる 辻恵美子 栴檀 200603
雪解坂ただでは起きぬころびやう 丸山佳子 京鹿子 200603
雪解町橋の擬宝珠のこつとあり 今瀬剛一 対岸 200603
蝶ふいに高のぼりたる雪解川 山尾玉藻 火星 200604
最上川もがみいま雪解の水嵩茂吉の忌 秋葉雅治 200604
雪解道白々塩化カルシウム 横林誠二 200604
雪解けのはじまる雨や土龍道 中山純子 万象 200604
托鉢の草鞋にしみる雪解水 横井博行 万象 200604
雪解風日暮は父を恋ひにけり 長坂ヤス子 酸漿 200604
雪解水日本海へと走りけり 山田六甲 六花 200604
黒々と道が生まれて雪解村 今瀬剛一 対岸 200604
鱒孵り外は一途の雪解川 篠田たもつ 対岸 200604
雪解靄ここ橋立に集ひけり 柴野静 200605
雪解の山河を統べて鷹舞へり 山本康夫 200605
大雪解して燈台の立ち上がる 安達実生子 馬醉木 200605
歩板山へ向ひし雪解かな 遠野萌 200605
さば街道難所の宿の雪解水 千田百里 200605
すゑ大河なす小流れの雪解水 秋葉雅治 200605
雪解川活断層に浸み入るか 代田幸子 200605
鶏鳴や谿を急げる雪解水 大竹淑子 風土 200605
雪解けて街の賑はひ戻りけり 米屋道子 200605
ウィーンの雪解の道を二頭馬車 鈴木ひろ子 200605
春慶の硯箱ある雪解かな 延広禎一 200605
海へ出づる雪解の水となりにけり 雨村敏子 200605
樹の肌を雪解雫のつたふなり 足利徹 ぐろっけ 200605
雪解けて峡に水音戻りけり 足利徹 ぐろっけ 200605
雪解風ゆるびし時計台の鐘 松原智津子 万象 200605
天守閣へ伊吹山より雪解風 寺沢千都子 万象 200605
あけがたを狂はす雨の雪解靄 長沼三津夫 200605
雪解風土橋に筵敷かれあり 比田誠子 百鳥 200605
きぬずれに雪解雫の音したり 本多俊子 さくらの音 200605
雪解の水音ひそひそ喪に侍る 四宮一子 200605
葬り終ふ夜は轟々と雪解川 渡邉友七 あを 200605
屋根屋根に湯気立ちのぼる雪解村 荒木英雄 対岸 200605
群松の雪解に淵のあかるさよ 瀧春一 常念 200606
雪解や馬の金沓打つひびき 瀧春一 常念 200606
熊笹の山はまどかや雪解風 瀧春一 常念 200606
雪解風槻の大幹磨ぎ澄まし 瀧春一 常念 200606
萱葺の厚き庇や雪解風 瀧春一 常念 200606
高鳴きて雪解を急かす襤褸鴉 安達実生子 200606
万物を統べたる富士の雪解かな 稲畑汀子 ホトトギス 200606
日差きて富士の雪解を急かしたる 稲畑汀子 ホトトギス 200606
高鳴きて雪解を急かす櫨襖鴉 安達実生子 200606
雪解けの午後より手相悪となる 八田木枯 晩紅 200606
近づくにつれ屹立の雪解富士 鷹羽狩行 200606
流木のまた起きあがり雪解川 石橋栞 200606
月山や堰に雪解の水すだれ 渡邉民子 200606
石仏の顔和らげる雪解かな 秋山蔦 春燈 200606
裏山にころがる小石雪解風 秋山蔦 春燈 200606
雪解風山の匂ひをそこここに 秋山蔦 春燈 200606
五頭山の雪解はればれ白鳥碑 中山純子 万象 200606
雪解川抜ける里山ゆさぶつて 三谷道子 万象 200606
雪解川山の精乗せ里を駈け 宮崎重信 四葩 200606
水神や地下に雪解の鼓動かな 岩月優美子 200606
雪解田の一枚光る日暮かな 柴村郁子 遠嶺 200606
雪解川秘色のいろとなりにけり 高橋道子 200606
雪解風日は雪空にただよへる 瀧春一 瓦礫 200606
岸けづる発電終へし雪解水 足利徹 ぐろっけ 200606
山姥の尿に雪解の始まりし 足利徹 ぐろっけ 200606
雪解けや会津大仏ここに在り 岩松八重 六花 200606
雪解けの畑の大根ひき抜きぬ 岩松八重 六花 200606
待ちきれず網入れる子や雪解川 佐藤哲 万象 200606
雪解水小石コロコロ游ぎゆく 須賀敏子 あを 200606
大岩の葛饅頭に雪解谿 森理和 あを 200606
山肌を抉りて荒し雪解川 宮入河童 200607
轟きて一気に野へと雪解川 上原朝子 200607
禅苑の雪解雫をきく正坐 石田厚子 馬醉木 200607
雪解の水音ばかり夜の静寂 大西正栄 雨月 200607
雪解川海に入りても濁りをり 足利ロ子 ぐろっけ 200607
高きより配る田の水雪解八つ 守屋井蛙 酸漿 200607
雪解水きれいな匂ひしたるなり ことり 六花 200607
雪解水鮎色に堰越えにけり ことり 六花 200607
雪解けの水音胸に響きたる わかやぎすずめ 六花 200607
鵜ならしのはじまりてゐし雪解川 境惇子 200607
役場にも雪解の水音麓村 志水美紀子 四葩 200607
雲間よりわずかに覗く雪解富士 徳田正樹 河鹿 200608
雪解けの加賀の友禅流しかな 今井松子 遠嶺 200608
水神の下を雪解の鼓動かな 樋口みのぶ 200608
雪解水滝となる瀬へ溢れ落つ 金居欽一 万象 200608
巌を噛む青き流れや雪解川 吉本淳 ぐろっけ 200608
見晴しの腰掛石や雪解富士 守屋井蛙 酸漿 200608
楮晒す邑の真中を雪解川 橋添やよひ 風土 200701
雪解 6→      

 

2021年3月6日 作成

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