雪 解 3     100句

頂上に水の流るる雪解かな    和田魚里

作品
作者
掲載誌
掲載年月
百の幹百のかたちの雪解かな 安原ときこ 遠嶺 200207
杣裏の雪解の音色星雫る 安原ときこ 遠嶺 200207
雪解光馬のたてがみ青みたる 安原ときこ 遠嶺 200207
それぞれに生まれくる色雪解急 砂川せい輝 遠嶺 200207
雪解川蝶々に目を凝らしけり 太田土男 百鳥 200207
雪解野にまづ捜しみる蕗の薹 恩塚典子 ぐろっけ 200207
雪解富士裾を左右へ足許へ 宮津昭彦 200208
川止めの三途は晴れて雪解風 梶浦玲良子 六花 200208
紅倉の窓の小ぶりや雪解風 近藤暁代 馬醉木 200209
山湖いま鏡光りに雪解風 小澤克己 遠嶺 200210
故郷くにに入る雪解の溪を高く越え 小山徳夫 遠嶺 200210
雪解水にて顔洗い登り一刻 鈴木てるみ ぐろっけ 200210
かもしかのをるやも知れぬ雪解急 長沼紫紅 200211
一滴が黒部の元となる雪解 鈴木てるみ ぐろっけ 200212
滔々と雪解の最上時忘れ 原田圭子 ぐろっけ 200301
茅ぶきの雪解け水のワルツかな 岩松八重 六花句集 200302
どの家も富士より受くる雪解水 金子篤子 200302
アルプスの雪解便りや句集出づ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
自らの気負ひに濁り雪解川 鈴木まゆ 馬醉木 200303
一溪は平家の遺構雪解靄 朝妻力 雲の峰 200303
大納言墓碑へ雪解に湿る坂 朝妻力 雲の峰 200303
依代よりしろの若松に吹く雪解風 朝妻力 雲の峰 200303
雪解や往時を偲ぶ木馬道 森脇恵香 雲の峰 200303
終着の驛の名雪解しづくせり 中原道夫 銀化 200303
八海をしのぶ忍野の雪解道 川野喜代子 雲の峰 200304
夜の更けて雪解雫のつづきをり 水上秀一 雲の峰 200304
雪解川おのが境地を切り拓く 土井田晩聖 銀化 200304
四方山の話持ち寄る雪解川 佐藤多恵子 銀化 200304
雪解川学舎に歌繰り返す 大串章 百鳥 200304
菩提寺は雪解雫にかがよへる 清水節子 馬醉木 200305
種池の雪解濁りや茂吉遺居 田中由喜子 馬醉木 200305
送水の呪文かきけす雪解川 岩上とし子 200305
雪解けのトレモロを聞く夕べかな 浜中雅子 遠嶺 200305
雪解けてくつきり現るる千枚田 酒井ひろ子 200305
灌木の根より雪解はじまれる 飯田政子 築港 200305
湯煙の立つて雪解の山かくす 山本静江 築港 200305
細流を越ゆ雪解にはづむ鹿の脚 玉置かよ子 雨月 200305
雪解川の水に蕎麦打つ出石かな 高橋照子 雨月 200305
金閣の金のしづくや雪解晴 遠藤若狭男 200305
絵蝋燭点されてゐし雪解かな 水野恒彦 200305
雪解野やまなぶた閉じて眩しかり 加藤みき 200305
訪へば雪解雫す母の国 鈴木節子 200305
こみ上ぐるものや信濃は雪解どき 鈴木節子 200305
雪解風ああと峠に立てりけり 鈴木節子 200305
雪解風あしたへ予定もちこさず 加藤哲也 銀化 200305
むらびとにひつぱりだこの雪解風 柳川大亀 銀化 200305
倒木の音のときどき雪解川 藤井昌治 200305
山又山、山切ッ立つて雪解川 有働亨 馬醉木 200306
値ぶみせる磨丸太や雪解風 木村仁美 馬醉木 200306
雪解けの川恋ふ庵の魚拓かな 関口幹雄 遠嶺 200306
紅深む水木の瑞枝雪解靄 小林輝子 風土 200306
長瀞の雪解渦巻く船下り 関まさを 酸漿 200306
安曇野や黒き天守に雪解風 長島惠吉 酸漿 200306
履き馴れぬ靴行き馴れぬ雪解みち 小西石蕗 円虹 200306
木曽澄みて雪解濁りの長良・揖斐 松崎鉄之介 200306
索道の一跨ぎして雪解村 金森教子 雨月 200306
源はかの残雪の嶺々雪解川 神原操 雨月 200306
雪解川倒木流れ出しにけり 宮澤美和子 百鳥 200306
金鶏菊明るし天に雪解富士 阿部ひろし 酸漿 200307
雪解ダム水位が徐々に回復す 筒井圭子朗 ぐろっけ 200307
すべり落つ大川おおこの滝の雪解水 福島ゆき子 ぐろっけ 200308
吊橋に踏むアルプスの雪解風 藤浦昭代 ホトトギス 200311
白山の表情尖り来し雪解 藤浦昭代 ホトトギス 200311
雪解水堪え切れずの大放水 西村梼子 ぐろっけ 200311
落つるより翼ひろげて雪解滝 平井あい子 馬醉木 200312
ゆくりなく雪解の村にまぎれゐし 岡井省二 岡二句集 200312
雪解水箸を流すも怖れし日 長谷川登美 ぐろっけ 200402
擡げたる畷の文目雪解風 小林呼溪 200403
村ひとつ滅びる話雪解川 宇都宮滴水 京鹿子 200403
堰かれて白し恐らくは雪解川 岡本眸 200403
雪解風思はず倚れる樺の幹 岡田和子 馬醉木 200404
風熄みし裏戸を雪解富士へ押す 羽田岳水 馬醉木 200404
雪解風柱に泥の文字乾く 朝妻力 雲の峰 200404
雪解水手の切れさうな瀬音なり 丸山佳子 京鹿子 200404
掌に受けし初雪解かす生命線 吉田多美 京鹿子 200404
太陽もほどよき位置に野の雪解 村越化石 200404
柴漬や湖一枚の雪解光 浜福恵 風土 200404
雪解の鯖道ははた仏みち 田中佐知子 風土 200404
雪解田を深く鋤きたり御食国 田中佐知子 風土 200404
利根源流雪解雫となりにけり 石添火人 帆船 200404
藁屋根の雪解雫に日のひかり 石原光徳 酸漿 200404
水音の中を走れり雪解川 今瀬剛一 対岸 200404
雪解水岸辺の雪を巻き込みし 高橋将夫 200405
ししむらや銅洗ふ雪解川 水野恒彦 200405
ひたすらに清き音なり雪解水 岩月優美子 200405
心地よき雪解雫の響きかな 我妻一男 帆船 200405
雪解や紙漉く軒に刷毛干され 北村和子 草の花 200405
万葉に詠まれし川や雪解どき 大堀鶴侶 雨月 200405
真向ひに比良の照る雪雪解風 大堀鶴侶 雨月 200405
間伐の杉に目じるし雪解風 竹内喜代子 雨月 200405
大寺の雪解雫が土穿つ 植竹美代子 雨月 200405
雪解けや熊胆に似る核燃料 森理和 あを 200405

 宮坂恒子句集『雪底』

八ッ嶺の雪解うながす鐘の音

能村研三 200405

 望月晴美句集『要滝』

ほとばしる雪解水こそ要滝

能村研三 200405
眩しめば雪解雫のさんざめく 林玲子 200405
切株の痕累々と雪解風 梶川智恵子 200405
雪解雫一つづつ日の粒となり 梶川智恵子 200405
雪解光塑像の鳥の動くかに 名取光恵 百鳥 200405
雪解道靴紐は濡れきつてをり 高木武人 百鳥 200405
片頬に夕日のぬくみ雪解風 佐々木いく子 200405
雪解 4→      

 

2021年3月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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