9     98句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
深雪に溺れんばかり歩むなり 丸尾和子 雨月 200101
下山して見上ぐる比良の暮雪かな 菅谷弘子 雨月 200101
月皓々雪来し前穂照らし出す 名和節子 200101
樹霊どこに眠る雪降り積る夜は 栢森定男 あを 200101
姥堂の小さき山姥雪にぬれ 芝宮須磨子 あを 200101
雪のひま米原けふは徐行せず 稲畑廣太郎 ホトトギス 200102
車駆る卍巴と舞へる雪 松尾緑富 ホトトギス 200102

 小沢昭一氏の一人芝居『唐来参和』最終公演

天上の雪のなくなるまで積もれ

鷹羽狩行 200102
粧ふを拒み主峰は雪を待つ 長田等 200102
遠山の雪眼前の白樺 伊藤宇太子 200102
雪やんで街の灯が見え星が見え 伊藤宇太子 200102
降る雪や妻は寝息をたてはじめ 竹村良三 200102
故郷に父母なき家や雪しまき 遠藤和彦 遠嶺 200102
斜里岳の雪に朝日のさし初めつ 阿部文子 酸漿 200102
あす磨く杉の丸太に雪が降る 山尾玉藻 火星 200102
雪を掃き来るはずもなき父思ふ 武藤嘉子 木椅子 200102
雪の白山遠見に友禅流しかな 武藤嘉子 木椅子 200102
雪明りして大寺の地獄絵図 武井清子 200102
鴫立庵音なく雪の来てゐたり 辻前冨美枝 200102
ベッドを離れて歩き北国雪の知らせ 金子皆子 海程 200102
弓の木は雪に大きく撓むなり 中原道夫 銀化 200102
きはやかにポスト生えたる深雪晴 大場佳子 銀化 200102
黒潮の遠州灘や雪を見ず 大平保子 いろり 200102
雪の朝雀の声に励まされ 室田美代子 いろり 200102
離れ住む友も孤独や雪しきり 室田美代子 いろり 200102
赤い実に雪の帽子は似合ふなり 室田美代子 いろり 200102
武尊嶺は雪降るらしく雲かゝる 茂木とみ いろり 200102
ふんころがしの靴の音して雪の峰 柿原足魚 船団 200102
御岳の初冠雪に目覚めけり 金子里美 船団 200102
子の帰り待つ夜静かに雪積もる 須賀敏子 あを 200102
ふる里は雪降る気配骨納 鈴木多枝子 あを 200102
菜畑に鍬立ちしまま雪降れり 鈴木多枝子 あを 200102
機の窓に初冠雪のひと抓み 品川鈴子 ぐろっけ 200102
いく尾根の果とし雪の平家村 桑田青虎 ホトトギス 200103
畦なくば田とは思へず雪景色 鷹羽狩行 200103
雪の襞見せて親しや安達太良山 鷹羽狩行 200103
雪の木々雪の濠ああ青葉城 鷹羽狩行 200103
みちのくや疎林に透きて昨夜の雪 鷹羽狩行 200103
抱けば眼を閉づる人形雪の夜 門脇明子 200103
鳥寄せのみかんを吊つて二度の雪 神蔵器 風土 200103
雪の上雪を流せる神田川 神蔵器 風土 200103
回忌いつも雪の墓前に参りけり 野沢しの武 風土 200103
ふるさとの雪あたたかし山頭火 川井政子 風土 200103
身を固く雪の峠に差しかかる 谷榮子 雨月 200103
刻々の雪や電話の鳴りつづき 谷榮子 雨月 200103
雪の難所警笛鳴らしては通過 堀田清江 雨月 200103
雪霏々とまたはらからの癌告知 堀田清江 雨月 200103
傘の雪ばさばさ落し訪ひくれし 大橋宵火 雨月 200103
降る雪の見舞戻りにはげしけれ 大橋宵火 雨月 200103
しんしんと雪の白山詣かな 岡淑子 雨月 200103
雪霏々と霏々と円空入滅地 岡淑子 雨月 200103
夜の雪海底もかく音無けん 行方克巳 知音 200103
しづり雪滝のごとくに落しけり 行方克巳 知音 200103
風少し出でて来たりし深雪かな 行方克巳 知音 200103
一燈のありて遠くの雪明り 奥田智久 円虹 200103
迂回して道覚えなし雪明り 奥田智久 円虹 200103
家の灯の次まで遠し雪明り 奥田智久 円虹 200103
雪明り星増えて野は透明に 奥田智久 円虹 200103
雪明り零下十度はすでに超え 奥田智久 円虹 200103
川瀬より雪吹き上ぐる露天風呂 寺田きよし 酸漿 200103
雪こんこん我には我の時があり 江本路代 酸漿 200103
白鳥のただ一羽なり雪の湖 小滝奈津江 酸漿 200103
みづうみはコバルトブルー頬に雪 曷川克 遠嶺 200103
荘川へ長き下りの雪の坂 松崎鉄之介 200103
合掌屋根簪萱に雪ほつくり 松崎鉄之介 200103
民宿の仏間泊りや雪明り 松崎鉄之介 200103
合掌村雪積む屋根が遺産なる 松崎鉄之介 200103
雪の宿こきりこ鳴らし更かしけり 松崎鉄之介 200103
雪の夜の筑子(こきりこ)ささら祖の匂ひ 松崎鉄之介 200103
こいきんさをお内儀踊る夜の雪 松崎鉄之介 200103
飛騨に入る亡き友の町雪厚し 松崎鉄之介 200103
雪の飛騨茶房に飾るモディリアーニ 松崎鉄之介 200103
雪の飛騨去るに大鷲舞ひにけり 松崎鉄之介 200103
崇高な無駄の死もあり駅に雪 松崎鉄之介 200103
雪卸の梯子そのまま雪降れり 宮津昭彦 200103
仏壇の天蓋くすみ雪の暮 宮津昭彦 200103
雪乗せて簪萱の重たげに 宮津昭彦 200103
夜へかけて雪消す雨の小止みなし 宮津昭彦 200103
見えぬ眼の中も雪降り白湯を飲む 村越化石 200103
韓くにの雲鶴の壺雪の降る 中川芳子 200103
雪饅頭旨さう庭の小テーブル 林翔 200103
雪の夜の煖炉ぞ白雪姫む来よ 林翔 200103
わが影のかくも濃しとは雪後の陽 林翔 200103
戰後派のただ中に降る雪ばかり 中原道夫 銀化 200103
脊梁はさびしき簷の雪のこる 中原道夫 銀化 200103
瞬けど根雪となりぬ眼底に 中原道夫 銀化 200103
雪来るかおほぶりな薪よく燃えて 村上瑪論 銀化 200103
駅名の埋もるる飛騨の深雪かな 山口たけし 俳句通信 200103
六地蔵お山の雪をそれぞれに 春田淳子 俳句通信 200103
傍らの雪で手をふき魚売る 舘林志津子 俳句通信 200103
愚痴一つこぼしてみたり雪の道 舘林志津子 俳句通信 200103
山に雪離れ住む子と長電話 舘林志津子 俳句通信 200103
雪の夜や鉄瓶音をたてつづけ 舘林志津子 俳句通信 200103
雪やがて雨になりしを見て眠る 池尻足穂 俳句通信 200103
方位盤初冠雪の山を指す 高木良多 春耕 200103
深雪晴ひとり静かに茶を点てる 飯村久里子 春耕 200103
いつしんに降る雪のなか遊ぶ雪 加藤かな文 200103
雪の来てかりそめなこと思ひ立つ 豊田都峰 京鹿子 200103
雪 →10      

 

2021年1月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。