8    100句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
登下校岩なす雪の残るみち 禰寝瓶史 京鹿子 200006  
小説の出だしは駅の雪雫 村田冨美子 京鹿子 200006  
陰雪をそつとして置く一代家 村越化石 200006  
なまはげと握手し別る深雪晴 本城布沙女 雨月 200006  
雪やこんこ笑うばかりの老女館 前川弘明 海程 200006  
異郷にて一夜の宿の雪降ろす 依田昌也 海程 200006  
三月やエックスジャンクション雪景色 河野友子 六花 200006  
点滴は甘し湖南の雪ぬくし 朝日彩湖 船団 200006  
湯の冷むる気配するなり雪しんしん 倉本マキ ヒッポ千番地 200006  
子規庵の絶筆三句外は雪 倉本マキ ヒッポ千番地 200006  
白熊に見ゆる落石雪かぶり 池田かよ ぐろっけ 200006  
北大の雪に馴れしと孫の声 三上冨佐子 ぐろっけ 200006  
最終の患者を雪に見送りぬ 大槻右城 ホトトギス 200007  
雪喰へばかねの匂ひや自己不信 岩崎法水 京鹿子 200007  
点滴のゆっくり落ちて窓に雪 甲田夏湖 船団 200007  
一歩だけ外に踏みでて雪の中 甲田夏湖 船団 200007  
さらさらと耳の奥まで雪の昼 小枝恵美子 船団 200007  
外は雪娘は明日花嫁に 高木伸宜 船団 200007  
京童奇声をあげて雪まろげ 高木伸宜 船団 200007  
おっ母に雪ふる昭和暗流史 高桑聡 船団 200007  
一刻の心無にせり雪景色 稲辺美津 夏椿 200007  
読書家の大きな躯雪の家 金子兜太 海程 200008 田渕岩夫死去
音なく白く重く冷たく雪降る闇 中村苑子 花隠れ 200008  
標高三千アルプスに立つ雪颪 樺山翠 雨月 200008  
樅に雪息の止まつてゆくやうに ふけとしこ 船団 200008  
その中の湖に降る雪湖になる 松永典子 船団 200008  
単線をかくして雪の落人村 松永典子 船団 200008  
川舟の研屋と名のり雪降り積む 東莎逍 船団 200008  
雪の降るキリコの街の洗濯屋 武馬久仁裕 船団 200008  
いつになく柔らかき声宵の雪 森川恵子 船団 200008  
僧ヶ岳僧の雪絵をまだ見せず 長沼紫紅 200008  
アラスカの山に雪ある白夜かな 中川二毫子 夏木立 200008  
あすなろの雪払ひけり七尾線 塩路隆子 精鋭選集 200008  
A型の血は母ゆづり雪を掻く 塩路隆子 精鋭選集 200008  
したたかに転びて雪へ八つ当り 塩路隆子 精鋭選集 200008  
雪の来るまでの短き秋を問ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200009  
また雪降りみんな何かを読んでいる 斎藤白砂 海程 200009  
父さんと呼ぶ速さにて雪降れり 吉川真実 海程 200009  
人恋へば雪降りやまず降りやまず 稲見光 船団 200009  
蝦夷連峰冠雪なぞる機上より 大川冨美子 ぐろっけ 200009  
猪鍋やにはかに積もる夜の雪 井上比呂夫 200010  
雪と雪ふれあうこともありました 中原幸子 遠くの山 200010  
思ひの丈つづるにも似て雪止まず 吉田陽代 200010  
人居ればあかりの灯る深雪かな 吉田陽代 200010  
深雪中ひたすらな眼とすれちがふ 吉田陽代 200010  
古巣ぐるみ落ちたる雪の雪けむり 吉田陽代 200010  
雪晴や視野の三百六十度 吉田陽代 200010  
雪泥のこの街角のこの活気 吉田陽代 200010  
雪白し杣を葬りの日は暮れて 阿部寒林 200010  
雪被ざるものは野中のレールのみ 阿部寒林 200010  
踏切の雪掃く何も通らねば 阿部寒林 200010  
島の子が海距て見る雪の汽車 阿部寒林 200010  
ラワン材日本に着き雪を被る 阿部寒林 200010  
海に雪吾に徒労の幾度か 阿部寒林 200010  
山毛欅林雪に濡れつゝ雪を被る 阿部寒林 200010  
雪岬灯台の影だけがある 阿部寒林 200010  
雪の夜を点す鉄路は地下に延び 阿部寒林 200010  
燈台を最高として雪が積む 阿部寒林 200010  
潮が来て積みしばかりの雪攫ふ 阿部寒林 200010  
雪中の死や一滴の血も見せず 阿部寒林 200010  
雪林を汚しつゞけて荼毘の煙 阿部寒林 200010  
枝雪の落ちて葬列やゝ乱れ 阿部寒林 200010  
湖に雪一村永久に沈みたり 阿部寒林 200010  
熱狂のなき久しさよ雪の馬場 阿部寒林 200010  
雪の汽車鉄橋に出て救はれし 阿部寒林 200010  
雪降れるらし家中の火と灯絶ち 阿部寒林 200010  
地図にも長き海岸線は雪を被る 阿部寒林 200010  
滔々たる流れ辿れば雪の渓 阿部寒林 200010  
飛彈荒れて信濃へ雪を煙らする 阿部寒林 200010  
雪の無き飛彈へ信濃の雪を投ぐ 阿部寒林 200010  
けてホームの高さとり戻す 阿部寒林 200010  
雪畑に立てて青菜のさぐり棒 内山和江 奧嶺 200010  
披かれし句碑に雪来る日も近し 稲畑汀子 ホトトギス 200011 句碑除幕
雪無限厩舎の干草ロール巻き 田村すゝむ 風土 200011  
屡叩く眼『魁夷』の雪世界 田村すゝむ 風土 200011  
雪後の天磔け干しに烏賊襖 田村すゝむ 風土 200011  
雪降るや歯舞色丹島返せ 田村すゝむ 風土 200011  
真つ更な雪やサイロの綿帽子 田村すゝむ 風土 200011  
雪茫々湖彦返す隙もなし 田村すゝむ 風土 200011  
冠雪をまづ日が讃へ穂高岳 鷹羽狩行 200012  
冠雪の嶺々はや眼下なる九月 奥田智久 ホトトギス 200012  
雪積めり記憶の底の祖母のこゑ 石本百合子 馬醉木 200012  
雪を待つ黒き雄阿寒岳巨き 有働亨 馬醉木 200101  
雪のなき暮しに慣れてしまひけり 稲畑汀子 ホトトギス 200101  
雪の来る寒さを逃れ来たる帰路 稲畑汀子 ホトトギス 200101  
雪道を来し明るさをふり返る 稲畑汀子 ホトトギス 200101  
旅先の雪に備へのなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200101  
東京は雪と聞きつゝ滞在す 稲畑汀子 ホトトギス 200101  
雪のこと先づは箱根の旅支度 稲畑汀子 ホトトギス 200101  
楽しみな雪と思うてゐるうちに 稲畑汀子 ホトトギス 200101  
雪に影置きて林は空へ抜け 稲畑汀子 ホトトギス 200101  
白樺の白雪の白縦と横 稲畑汀子 ホトトギス 200101  
トンネルが雪の結界とはなりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200101  
これよりは雪なき山路下るのみ 稲畑汀子 ホトトギス 200101  
カタカナの安曇野の待つ火か雪か 神蔵器 風土 200101  
雨ならば音雪なれば闇匂ふ 長谷川鉄夫 200101  
ゆつくりと根雪の朝の粥を吹く 長谷川鉄夫 200101  
雪どかと積みて沢庵禅寺かな 丸尾和子 雨月 200101  
深雪村昏れ方角を失へる 丸尾和子 雨月 200101  
雪に倦み見上ぐる星のまばたきぬ 丸尾和子 雨月 200101 雪 →9

 

2015年2月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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