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薄雪や兎の脱ぎし毛皮ほど   原裕   正午

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
風にふと兎のけはひ深雪晴 藤岡紫水 京鹿子 200001  
白く翔ち雪後の橋をただよへり 鈴鹿百合子 京鹿子 200001  
椿落つ鵜の瀬の雪を窪ませて 田中佐知子 風土 200001  
無造作に使ふまさかり雪よ来い 工藤ミネ子 風土 200001  
雪こんこコピー文句の五七五 鈴鹿百合子 京鹿子 200001  
齟齬なきや雪深き地を発たれ来て 稲畑汀子 ホトトギス 200001  
今の世に語り継がれし雪の朝 稲畑汀子 ホトトギス 200001  
はるばると雪の消息携へて 稲畑汀子 ホトトギス 200001  
湯豆腐の煮くずれ掬ふ雪明り 中川濱子 ぐろっけ 200001  
雪の齟齬持ち寄る会となりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200002  
雪を来て雪なきことに驚かれ 稲畑汀子 ホトトギス 200002  
迂回して雪の齟齬なく着きにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200002  
すぐ消ゆる雪とてしばし解けざりし 稲畑汀子 ホトトギス 200002  
雪道に車の難儀したる跡 松尾緑富 ホトトギス 200002  
雪晴れの畳の上の袱紗かな 高橋将夫 200002  
頂の雪踏み固められてをり 高橋将夫 200002  
不動寺の雪鐵片の如くなり 小山森生 200002  
雪後の誰も触れたき樫の幹 能村登四郎 200002  
雪降りつぎ逸翁愛でしこの赤湯 大橋敦子 雨月 200002  
北嶺に雪くるといふ灯のくらさ 豊田都峰 京鹿子 200002  
雪やんで都大路の勇躍す 高木智 京鹿子 200002  
手鏡を囘せば雪の吹きこぼる 中原道夫 銀化 200002  
深雪晴猫を狂はす木も謐か 中原道夫 銀化 200002  
そこはかといふは雪吸ふ水の貌 中原道夫 銀化 200002  
霏々と書くまでもなく雪の降る音を 中原道夫 銀化 200002  
雪化粧山齢をやや偽りぬ 武田莱美 銀化 200002  
大雪の谷中大江戸図絵となる 田中藤穂 水瓶座 200002  
思ひ出に封印し雪つもらせる 田中藤穂 水瓶座 200002  
雪道を来て剥製の鷹の前 田中藤穂 水瓶座 200002  
白樺は雪片を浴び光り合ふ 田中藤穂 水瓶座 200002  
鳩車信濃の雪の匂ひ滲む 田中藤穂 水瓶座 200002  
息荒き炭馬雪の市に着く 皆川盤水 春耕 200002  
粉雪の走る街道羅宇屋くる 高村信子 春耕 200002 中国にて
粉雪や河馬の放屁はピンク色 尾上有紀子 わがまま 200002  
雪嗅げる鼻は残れりりらの旅 星野早苗 空のさえずる 200002  
白鳥城雪の峻峰まなかひに 村上光子 馬醉木 200002  
耶蘇名秘し降り積む雪を嫁ぎけり 守屋吉郎 馬醉木 200002  
壊れつつ雪のかたまりながれ来る 山田六甲 六花 200002  
雪明り町のはづれの散髪屋 松下幸恵 六花 200002  
無防備な私をくるむ雪の朝 尾上有紀子 わがまま 200002  
粉雪や河馬の放屁はピンク色 尾上有紀子 わがまま 200002  
花十字架九谷の深雪なりにけり 栗栖恵通子 200003  
槇の上冬青の上の細雪 大東二三枝 200003  
正月の雪の団子ぞ召し上れ 林翔 200003  
街灯に雪黒々として短か 山田六甲 六花 200003  
降る雪にみるみる村の民話めく 小澤克己 遠嶺 200003  
ワイン買ふ雪積む町に叔母の居り 斉藤秀子 遠嶺 200003  
雪を待つ壁に蓑笠下がりをり 柴田久子 風土 200003 落柿舎
鬼太郎の町にはかなる雪曇 阿部ひろし 酸漿 200003  
雪の中豆腐小僧の笑顔あり 阿部ひろし 酸漿 200003  
雪風や出雲造りの築地松 阿部ひろし 酸漿 200003  
八雲立つ出雲雪ふるさざれ石 阿部ひろし 酸漿 200003  
雪の中砂丘の雪を鳴かせゆく 阿部ひろし 酸漿 200003  
人の踏まぬ砂丘の雪を独り踏む 阿部ひろし 酸漿 200003  
雪しまく砂丘の果ての怒濤かな 阿部ひろし 酸漿 200003  
伊勢詣終へたる雪となりにけり 白鳥武子 酸漿 200003  
畝浅き山畑雪のふり出せる 長坂ヤス子 酸漿 200003  
夕茜信州信濃は雪の中 長坂ヤス子 酸漿 200003  
雪を花とし相老の桜の木 鷹羽狩行 200003 荘川桜
はるかより寮歌近づく雪の中 矢部潮美 200003  
雪の中来てはやばやと雪合戦 吉川智子 200003  
シュトーレンミュヘンの雪思ひつつ 山田弘子 円虹 200003 シュトーレン=ドイツのクリスマス菓子
雪晴のあの高き越え行くリフト 今井千鶴子 円虹 200003  
梵鐘の内にも舞へる細雪 松永唯道 円虹 200003  
遠き世の雪降る観世音寺かな 松永唯道 円虹 200003  
降る雪や息つめて見る観世音 松永唯道 円虹 200003  
しんしんと雪しんしんと観世音 松永唯道 円虹 200003  
雪敷きて影屈折の山毛欅林 山岸治子 馬醉木 200003  
顔見世の雪降るさまの太鼓かな 中川和子 馬醉木 200003  
吸ひかけの煙草を消して逢ふ雪夜 丸井巴水 京鹿子 200003  
人居らぬさまに雪降る日の障子 村越化石 200003  
志賀の国雪もて寂の世に入れり 大橋晄 雨月 200003  
夜毎立つ柱の裏のささめ雪 中原道夫 銀化 200003  
草稿の手間どる雪の積りをり 中原道夫 銀化 200003  
惡政は雪の血染めをもて畢る 中原道夫 銀化 200003  
音はみな雪に吸はれし安居かな 川名将義 銀化 200003  
側室の墓の容易に溶けぬ雪 和田瑞子 銀化 200003  
大雪や白き捨て猫家族とす 西村咲子 六花 200003  
眠るべく雪より白き風邪薬 高橋さえ子 200003  
雪降つて枯蓮別の影を生む 長沼紫紅 200003  
雪の暮戻りし妻のギプスの足 中澤文次郎 200003  
無人駅雪しなだれる茅葺屋根 金升富美子 200003  
伊吹嶺にかかりし雪も初茜 辻のぶ子 雲の峰 200003  
かうかうと雪降る夜の星ひとつ 岡田万壽美 雲の峰 200003  
割りてとぶ生榾の香や雪降れる 藤原たかを 馬醉木 200004  
雪の日に摘まれし苺賜ひけり 朝倉和江 馬醉木 200004  
庭先に矮鶏の群れゐる深雪晴 根岸善雄 馬醉木 200004  
くろもじを手折ればにほふ深雪晴 根岸善雄 馬醉木 200004  
我を視るわが影立てり雪月夜 根岸善雄 馬醉木 200004  
村人の香つぐ雪の薬師堂 島田尚子 馬醉木 200004  
馬子唄も民話も雪に埋れけり 府中谷幸枝 馬醉木 200004  
雪尾根の噴煙月を押し上ぐる 岩崎きゑ子 馬醉木 200004  
闇まるく刳りぬく外灯雪が降る 村山秀雄 200004  
舟唄の「駅」の映画に雪積る 田村すゝむ 風土 200004  
迫真の舞ひ雪中の鶴一羽 小澤克己 遠嶺 200004  
降る雪のぐんぐん森を眠らせて 小澤克己 遠嶺 200004  
雪来るかこもりて湯屋の桶の音 椎名書子 200004  
雪五尺隣が遠くなりにけり 高橋将夫 200004  
雪の年忘れ浮世絵切手かな 中島陽華 200004  
かくも紅兆せる岩魚雪来るか 大橋敦子 雨月 200004 雪 7 →

 

2015年2月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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