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ふる雪にむいて飯くふ小家かな    成美

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雪晴れや卓に置かれし紅和菓子 藤井圀彦 200005
雪被る木々それぞれの骨格に 田中英子 火星 200005
母逝きし雪の明るき朝かな 出原博明 円虹 200005
朝の雪母の亡骸時計かな 出原博明 円虹 200005
白妙の包みとなりし母に雪 出原博明 円虹 200005
踏めば鳴く蝦夷地の雪でありにけり 藤浦昭代 円虹 200005
これよりは雪に従ふくらしかな 藤岡亰子 円虹 200005
早起きを考へてゐる夜の雪 藤岡亰子 円虹 200005
雪が来て手紙に書くは僕のうっぷん 山田緑光 海程 200005
落葉松の枝になむなむ雪つもる 武田伸一 海程 200005
宙に隙まだあり雪の押しきたる 武田伸一 海程 200005
右脳を雪に暫く休ませる 阿木よう子 海程 200005
早寝ぐせ燈明のように雪あかり 阿木よう子 海程 200005
雪の日の鳥類図鑑という柩 吉川真実 海程 200005
錠剤や半歩遅れの雪降り出す 田中亜美 海程 200005
彫り深き筆勢なぞる雪明り 能村研三 200005
除幕いま待つ頬せばむほどの雪 中尾杏子 200005
雪に酌む地酒「仏の里」とかや 中尾杏子 200005
餌台に餌足しにゆく雪の朝 小林信江 200005
北信の湯だよりはまた雪だより 豊田都峰 京鹿子 200005
雪田漕ぐローカル線は高汽笛 豊田都峰 京鹿子 200005
粉雪落つ葉先のふるへ思案ぐせ 丹羽杏華 京鹿子 200005
払ひても払ひても雪向学心 渡辺俊子 京鹿子 200005
三月の飛雪を逝かれ給ひけり 大橋敦子 雨月 200005
逝き給ひし母や二月の雪霏々と 山田夏子 雨月 200005
雪しづり母葬る日の髪結うて 山田夏子 雨月 200005
忽然と合掌集落雪の底 菅谷弘子 雨月 200005
シャベル提げ雪の墓参へ母と子と 菅谷弘子 雨月 200005
二ン月の伊吹裾まで雪垂らす 松崎鉄之介 200005
皆が皆顔を上げよと雪雫 村越化石 200005
初代藩主の墓へと和尚雪踏めり 脇本千鶴子 200005
二千年の閏の日なり雪しまく 佐々木ミツヱ 200005
雪に嫁迎ふにともす千の燭 佐々木ミツヱ 200005
山陵や奔馬の如き雪煙 佐藤真次 200005
鬼瓦踏ん張るに雪しづりけり 福井久生 200005
しづり雪砦のごとき大藁屋 福井久生 200005
つんのめりて庇の雪におどさるる 野里ムツ 200005
九泉に積むほかはなき雪ならむ 水内慶太 銀化 200005
雪こんこ石の狐もこんと鳴く 利根川博 銀化 200005
木屑散らし熊啄木鳥留守や深雪晴 藤村美津子 春耕 200005
どの窓も雪降つてをりこけし彫る 稲田眸子 「絆」 200005
雪がちらつけばと思ふルミナリエ 後藤比奈夫 ホトトギス 200005
心にもなく詫びをいふ深雪晴れ 二瓶洋子 六花 200005
討ち入りをするほどのことなくて雪 塩見恵介 虹の種 200005
雪庇しづる光の線となり 中川濱子 ぐろっけ 200005
八ケ岳その八峯に雪のこる 中川濱子 ぐろっけ 200005
靴跡の上を歩みて雪の路地 片山明俊 ぐろっけ 200005
ふるさとや目覚めし真夜の雪明り 三村純 ホトトギス 200006
地震悲し雪の背山を迂回路に 五十嵐哲也 ホトトギス 200006
幹事まづ雪の深さを確かめに 五十嵐哲也 ホトトギス 200006
雪雲の影の中なる城の 吉村玲子 円虹 200006
雪雲の消えてアルプス真近うす 吉村玲子 円虹 200006
海峡の雨の束の間雪となる 進青亀 円虹 200006
僧が来て掃く大仏の膝の雪 伊藤トキノ 200006
雪の立山屏風絵の十二面 長田等 200006
千羽目の鶴美濃和紙で折れば雪 長田等 200006
母在りて眠つてをりぬ雪明り 杉浦典子 火星 200006
雪の夜の母へ一匙づつの粥 杉浦典子 火星 200006
登下校岩なす雪の残るみち 禰寝瓶史 京鹿子 200006
小説の出だしは駅の雪雫 村田冨美子 京鹿子 200006
陰雪をそつとして置く一代家 村越化石 200006
なまはげと握手し別る深雪晴 本城布沙女 雨月 200006
雪やこんこ笑うばかりの老女館 前川弘明 海程 200006
小雪舞う急いで額かくすよに 河野志保 海程 200006
異郷にて一夜の宿の雪降ろす 依田昌也 海程 200006
点滴は甘し湖南の雪ぬくし 朝日彩湖 船団 200006
湯の冷むる気配するなり雪しんしん 倉本マキ ヒッポ千番地 200006
子規庵の絶筆三句外は雪 倉本マキ ヒッポ千番地 200006
白熊に見ゆる落石雪かぶり 池田かよ ぐろっけ 200006
北大の雪に馴れしと孫の声 三上冨佐子 ぐろっけ 200006
最終の患者を雪に見送りぬ 大槻右城 ホトトギス 200007
雪富士に適う横に一本物干し竿 五十嵐研三 海程 200007
雪喰へばかねの匂ひや自己不信 岩崎法水 京鹿子 200007
点滴のゆっくり落ちて窓に雪 甲田夏湖 船団 200007
一歩だけ外に踏みでて雪の中 甲田夏湖 船団 200007
さらさらと耳の奥まで雪の昼 小枝恵美子 船団 200007
外は雪娘は明日花嫁に 高木伸宜 船団 200007
おっ母に雪ふる昭和暗流史 高桑聡 船団 200007
読書家の大きな躯雪の家 金子兜太 海程 200008
標高三千アルプスに立つ雪颪 樺山翠 雨月 200008
樅に雪息の止まつてゆくやうに ふけとしこ 船団 200008
その中の湖に降る雪湖になる 松永典子 船団 200008
単線をかくして雪の落人村 松永典子 船団 200008
川舟の研屋と名のり雪降り積む 東莎逍 船団 200008
雪の降るキリコの街の洗濯屋 武馬久仁裕 船団 200008
いつになく柔らかき声宵の雪 森川恵子 船団 200008
僧ヶ岳僧の雪絵をまだ見せず 長沼紫紅 200008
アラスカの山に雪ある白夜かな 中川二毫子 夏木立 200008
あすなろの雪払ひけり七尾線 塩路隆子 精鋭選集 200008
したたかに転びて雪へ八つ当り 塩路隆子 精鋭選集 200008
人恋へば雪降りやまず降りやまず 稲見光 船団 200009
雪の来るまでの短き秋を問ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200009
甲斐駒の雪筋太し藷植うる 山田春生 春耕 200009
雪鎧ふ木曾の御嶽柳絮舞ふ 山田春生 春耕 200009
また雪降りみんな何かを読んでいる 斎藤白砂 海程 200009
父さんと呼ぶ速さにて雪降れり 吉川真実 海程 200009
蝦夷連峰冠雪なぞる機上より 大川冨美子 ぐろっけ 200009
雪 →9      

 

2021年2月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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