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膝枕するべき雪をそこここに    松崎豊

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雪化粧して旅立たる富士女神 中川濱子 ぐろっけ 200002
雪富士の素肌に迫る双眼鏡 中川濱子 ぐろっけ 200002
花十字架九谷の深雪なりにけり 栗栖恵通子 200003
正月の雪の団子ぞ召し上れ 林翔 200003
街灯に雪黒々として短か 山田六甲 六花 200003
降る雪にみるみる村の民話めく 小澤克己 遠嶺 200003
ワイン買ふ雪積む町に叔母の居り 斉藤秀子 遠嶺 200003
ひと筋の瑠璃空へ引く雪迎 小林輝子 風土 200003
雪を待つ壁に蓑笠下がりをり 柴田久子 風土 200003
鬼太郎の町にはかなる雪曇 阿部ひろし 酸漿 200003
雪の中豆腐小僧の笑顔あり 阿部ひろし 酸漿 200003
雪風や出雲造りの築地松 阿部ひろし 酸漿 200003
八雲立つ出雲雪ふるさざれ石 阿部ひろし 酸漿 200003
雪の中砂丘の雪を鳴かせゆく 阿部ひろし 酸漿 200003
人の踏まぬ砂丘の雪を独り踏む 阿部ひろし 酸漿 200003
雪しまく砂丘の果ての怒濤かな 阿部ひろし 酸漿 200003
伊勢詣終へたる雪となりにけり 白鳥武子 酸漿 200003
畝浅き山畑雪のふり出せる 長坂ヤス子 酸漿 200003
夕茜信州信濃は雪の中 長坂ヤス子 酸漿 200003
はるかより寮歌近づく雪の中 矢部潮美 200003
シュトーレンミュヘンの雪思ひつつ 山田弘子 円虹 200003
雪晴のあの高き越え行くリフト 今井千鶴子 円虹 200003
遠き世の雪降る観世音寺かな 松永唯道 円虹 200003
降る雪や息つめて見る観世音 松永唯道 円虹 200003
しんしんと雪しんしんと観世音 松永唯道 円虹 200003
雪敷きて影屈折の山毛欅林 山岸治子 馬醉木 200003
顔見世の雪降るさまの太鼓かな 中川和子 馬醉木 200003
吸ひかけの煙草を消して逢ふ雪夜 丸井巴水 京鹿子 200003
人居らぬさまに雪降る日の障子 村越化石 200003
志賀の国雪もて寂の世に入れり 大橋晄 雨月 200003
底意地の惡るき雪雲動かざる 中原道夫 銀化 200003
草稿の手間どる雪の積りをり 中原道夫 銀化 200003
惡政は雪の血染めをもて畢る 中原道夫 銀化 200003
音はみな雪に吸はれし安居かな 川名将義 銀化 200003
側室の墓の容易に溶けぬ雪 和田瑞子 銀化 200003
大雪や白き捨て猫家族とす 西村咲子 六花 200003
菜を茹でて顔ひた濡らす小雪かな 岡本眸 200003
雪の暮戻りし妻のギプスの足 中澤文次郎 200003
無人駅雪しなだれる茅葺屋根 金升富美子 200003
かうかうと雪降る夜の星ひとつ 岡田万壽美 雲の峰 200003
割りてとぶ生榾の香や雪降れる 藤原たかを 馬醉木 200004
雪の日に摘まれし苺賜ひけり 朝倉和江 馬醉木 200004
庭先に矮鶏の群れゐる深雪晴 根岸善雄 馬醉木 200004
くろもじを手折ればにほふ深雪晴 根岸善雄 馬醉木 200004
我を視るわが影立てり雪月夜 根岸善雄 馬醉木 200004
村人の香つぐ雪の薬師堂 島田尚子 馬醉木 200004
馬子唄も民話も雪に埋れけり 府中谷幸枝 馬醉木 200004
雪尾根の噴煙月を押し上ぐる 岩崎きゑ子 馬醉木 200004
闇まるく刳りぬく外灯雪が降る 村山秀雄 200004
舟唄の「駅」の映画に雪積る 田村すゝむ 風土 200004
迫真の舞ひ雪中の鶴一羽 小澤克己 遠嶺 200004
降る雪のぐんぐん森を眠らせて 小澤克己 遠嶺 200004
雪来るかこもりて湯屋の桶の音 椎名書子 200004
雪五尺隣が遠くなりにけり 高橋将夫 200004
雪の年忘れ浮世絵切手かな 中島陽華 200004
かくも紅兆せる岩魚雪来るか 大橋敦子 雨月 200004
竜の髭雪を被きて耐へゐたる 大橋敦子 雨月 200004
雪讃ふ二タ日に雪を逃れ来し 久保晴子 雨月 200004
雪の頂上佇つ誇らかな顔並べ 武政礼子 雨月 200004
句碑除幕半ばや降りし二月雪 能村登四郎 200004
雪の冨貴寺石階のぼる力かな 能村登四郎 200004
旅疲れ殊に深雪の疲れかな 能村登四郎 200004
どか雪の壁の聳つ単線路 藤原照子 200004
かんばしき煮炊の匂ひ雪藁家 川島真砂夫 200004
深雪晴いづこに行くもをとこ坂 小林あや子 200004
夜明けても坂いとまなく雪降れり 小林あや子 200004
一篇の詩の中に雪降り積もる 上原若子 200004
雪深くおのづからなる結跏趺坐 村越化石 200004
融雪剤まかれ山家の灯のまばら 八牧美喜子 200004
雪の男体山熊の爪跡めきにけり 大塚美孝 200004
雪舞へば女子高ぢゆうがシンデレラ 本山卓日子 京鹿子 200004
杉皮はぐ親子の熊や雪よごす 山田耕子 京鹿子 200004
雪なだれ聞きまいらせる師弟句碑 山田耕子 京鹿子 200004
法螺の音や雪を哭かせてゐるやうな 中原道夫 銀化 200004
雪中のうぐひす餠の粉豐か 中原道夫 銀化 200004
鉈割漬は歯にしみる味雪しづる 中原道夫 銀化 200004
木の股の岐れて雪も岐れたる 中原道夫 銀化 200004
一穂を測りきれざる雪の嵩 亀丸公俊 銀化 200004
なだめても雪の兎は泣き寝入る 志麻茜 銀化 200004
雪覆ひ滅びの美学完結す 志麻茜 銀化 200004
挨拶の降つてきたりし雪卸し 篠原俊博 銀化 200004
夢寐にまで入りたがるよ雪明り 下村志津子 銀化 200004
雪晴の風渡り来る鏡橋 阿部悦子 酸漿 200004
初荷馬丹波の雪をつけて来し 中川冬紫子 春耕 200004
故郷へ一駅ごとの雪の嵩 小野誠一 春耕 200004
梅咲くや大庇より雪しづく 山崎赤秋 春耕 200004
母を恋ふ雪にうもれし六地蔵 保坂加津夫 いろり 200004
雪雲を背負ふがごとく鳶舞ひて 柴田美佐子 いろり 200004
ちらちらと関東平野に粉雪舞ふ 福田みさを いろり 200004
雪来ると落葉松は身を細め合ふ 高橋さえ子 200004
点眼のあと青々と遠嶺雪 高橋さえ子 200004
雪まとふ寝台列車が制動す 土肥屯蕪里 俳句通信 200004
灰色の雪雲ぐわり滑走路 三宅やよい 玩具帳 200004
薄雪がまつげにかかる向かい風 三宅やよい 玩具帳 200004
能舞台鞨鼓の韻や雪しづり 中川濱子 ぐろっけ 200004
雪伊吹聳ちて近江に雪降らす 中川濱子 ぐろっけ 200004
雪降りだす歌劇の街の色舗装 三浦如水 ぐろっけ 200004
雪道のしづかさ連の唄ひ出す 三宅句生 馬醉木 200005
藁塚の薫香しく雪晴れぬ 三宅句生 馬醉木 200005
鹿尾菜炊く平釜に雪つのりけり 石本秋翠 馬醉木 200005
雪 5 →      

 

2021年2月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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