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里へ出る鹿の背高し雪明り   太祇

作品
作者
掲載誌
掲載年月
嘴の長き鳥来る深雪かな 長沼紫紅 199907
ザラメ雪踏みしめひとを想いけり 内野聖子 船団 199908
ぽつぺんに集まってくる雪明かり 須山つとむ 船団 199908
雪一筋残し赤岳孤高なる 中里信司 酸漿 199909
辻音楽師夜は雨とも雪とも 田口満代子 海程 199909
雪晴や燦燦とわれ空腹なり 田中空音 海程 199909
雪香る妻香る家に帰り来し 田中空音 海程 199909
石狩は大雪となる母の街 秋山深雪 船団 199909
黒々と雪の降り来し銀世界 大東由美子 火星 199910
雪を被しポスト母さん呼ぶやうな 三神あすか ヒッポ千番地 199910
白鳥へ雪軋ませて会ひにゆく 白井剛夫 199911
まんさくや奥領の雪の全きに 能村登四郎 芒種 199911
まっ先に病者が知れり雪の音 能村登四郎 芒種 199911
母・妻を詠みしは昔わすれ雪 能村登四郎 芒種 199911
真ん中ににんげんを置き雪降れり 武田伸一 海程 199912
雪暗や味噌蔵が拙宅より大きい 武田伸一 海程 199912
山小屋のスタッフ下山雪しまく 森景ともね 船団 199912
少し雪少し谷川岳の彩 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
岩肌の色とし雪の少しあり 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
青空が見え雪の山が見え初むる 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
輪郭を雪に確かむ家のあり 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
雪少し残りて木陰なりしかな 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
雪の道ばかり選びて転ぶ吾子 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
埴輪たち立って並んで深雪晴れ 坪内稔典 船団 199912
雪の日のカナリヤになり恋人よ 坪内稔典 船団 199912
少しだけ雪の匂いの男かな 津田このみ 月ひとしずく 199912
どこまでが雪どこまでが空ですか 津田このみ 月ひとしずく 199912
雪しづる森みはるかす貨車の列 千代田葛彦 馬醉木 200001
巌頭に山羊ロッキーの雪舞へる 千代田葛彦 馬醉木 200001
氷河湖の松の雪散る旅衣 千代田葛彦 馬醉木 200001
ロッキーを眠らす闇や粉雪舞ふ 千代田葛彦 馬醉木 200001
三角点の岩の秀なべて雪凝る 岡田貞峰 馬醉木 200001
雪すぐに雨となり来し家居かな 稲畑汀子 ホトトギス 200001
この辺り積る心のなき雪も 稲畑汀子 ホトトギス 200001
雪雲の去りたる頃に終る会 稲畑汀子 ホトトギス 200001
峠越えすなはち雪と別れけり 稲畑汀子 ホトトギス 200001
箱根路の雪の変幻抜けて帰路 稲畑汀子 ホトトギス 200001
雨雪となりゆく仔細峠路 稲畑汀子 ホトトギス 200001
朝の雨箱根に雪の峠置く 稲畑汀子 ホトトギス 200001
しばらくは積る心のなき雪も 稲畑汀子 ホトトギス 200001
まだ雪の隠しおほせぬ野辺の草 稲畑汀子 ホトトギス 200001
雪となることを承知の峠越え 稲畑汀子 ホトトギス 200001
雪雲の奥に月のあり大きかり 岡本高明 200001
赤インキ指に滲みぬ雪の暮 林翔 200001
こな雪もこな雪万座ひたけぶる 阿部ひろし 酸漿 200001
雪風や造酒屋の酒の酔 阿部ひろし 酸漿 200001
谷川岳初冠雪を目のあたり 梅田秀子 酸漿 200001
烏賊刺を褒め雪富士は島越しに 土肥屯蕪里 俳句通信 200001
子に唄ふ雪の降る夜の雪の歌 伊藤重美 俳句通信 200001
銃痕は雪ほど忘れやすきかと 青山茂根 銀化 200001
思はざる雪に会いたる北の旅 山本潤子 いろり 200001
それぞれに雪の降りこむ五色沼 山本潤子 いろり 200001
風にふと兎のけはひ深雪晴 藤岡紫水 京鹿子 200001
白く翔ち雪後の橋をただよへり 鈴鹿百合子 京鹿子 200001
椿落つ鵜の瀬の雪を窪ませて 田中佐知子 風土 200001
無造作に使ふまさかり雪よ来い 工藤ミネ子 風土 200001
雪こんこコピー文句の五七五 鈴鹿百合子 京鹿子 200001
齟齬なきや雪深き地を発たれ来て 稲畑汀子 ホトトギス 200001
今の世に語り継がれし雪の朝 稲畑汀子 ホトトギス 200001
はるばると雪の消息携へて 稲畑汀子 ホトトギス 200001
湯豆腐の煮くずれ掬ふ雪明り 中川濱子 ぐろっけ 200001
雪雲のとどかぬ空の青さかな 稲畑汀子 ホトトギス 200002
雪の齟齬持ち寄る会となりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200002
雪を来て雪なきことに驚かれ 稲畑汀子 ホトトギス 200002
迂回して雪の齟齬なく着きにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200002
すぐ消ゆる雪とてしばし解けざりし 稲畑汀子 ホトトギス 200002
句に集ふことにも雪の紀元節 稲畑汀子 ホトトギス 200002
印象の雪の建国記念日に 稲畑汀子 ホトトギス 200002
雪道に車の難儀したる跡 松尾緑富 ホトトギス 200002
雪晴れの畳の上の袱紗かな 高橋将夫 200002
頂の雪踏み固められてをり 高橋将夫 200002
不動寺の雪鐵片の如くなり 小山森生 200002
雪後の誰も触れたき樫の幹 能村登四郎 200002
雪降りつぎ逸翁愛でしこの赤湯 大橋敦子 雨月 200002
北嶺に雪くるといふ灯のくらさ 豊田都峰 京鹿子 200002
雪やんで都大路の勇躍す 高木智 京鹿子 200002
手鏡を囘せば雪の吹きこぼる 中原道夫 銀化 200002
深雪晴猫を狂はす木も謐か 中原道夫 銀化 200002
そこはかといふは雪吸ふ水の貌 中原道夫 銀化 200002
霏々と書くまでもなく雪の降る音を 中原道夫 銀化 200002
雪化粧山齢をやや偽りぬ 武田莱美 銀化 200002
冠雪の富士玲瓏と杞憂なし 細井隆子 200002
大雪の谷中大江戸図絵となる 田中藤穂 水瓶座 200002
思ひ出に封印し雪つもらせる 田中藤穂 水瓶座 200002
涅槃図にみちのくの寺雪明り 田中藤穂 水瓶座 200002
雪道を来て剥製の鷹の前 田中藤穂 水瓶座 200002
白樺は雪片を浴び光り合ふ 田中藤穂 水瓶座 200002
鳩車信濃の雪の匂ひ滲む 田中藤穂 水瓶座 200002
息荒き炭馬雪の市に着く 皆川盤水 春耕 200002
粉雪の走る街道羅宇屋くる 高村信子 春耕 200002
うづくまる檻の孔雀に小雪舞ふ 村瀬初実 春耕 200002
粉雪や河馬の放屁はピンク色 尾上有紀子 わがまま 200002
雪嗅げる鼻は残れりりらの旅 星野早苗 空のさえずる 200002
白鳥城雪の峻峰まなかひに 村上光子 馬醉木 200002
耶蘇名秘し降り積む雪を嫁ぎけり 守屋吉郎 馬醉木 200002
壊れつつ雪のかたまりながれ来る 山田六甲 六花 200002
雪明り町のはづれの散髪屋 松下幸恵 六花 200002
無防備な私をくるむ雪の朝 尾上有紀子 わがまま 200002
冠雪の富士に車内のどよめけり 谷泰子 ぐろっけ 200002
雪 4 →      

 

2021年1月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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