雪 26     102句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ペン措けば白さはさはと雪あかり 佐々木幸 200702
さつぽろの星の贅なる雪まつり 佐々木幸 200702
雪捨てに拾ひ日和の海に出し 鈴木政子 200702
蔵王連山初冠雪を玻璃越しに 増田八重 酸漿 200702
細雪はるか下方に港の灯 山田六甲 六花 200702
雪踏みしブーツ揃ふる三和土かな ことり 六花 200702
決闘の血のしたたりし雪の墓地 山下佳子 200703
雪待ちてタイヤを替えし始動音 達山丁字 200703
満月や根雪山河の深眠り 三宅句生 馬醉木 200703
トンネルを出れば雪山眼のあたり 滝沢伊代次 万象 200703
干しぜんまい水にもどして雪の日よ 中山純子 万象 200703
列車着く宗谷の雪を貼りつけて 岡本敬子 万象 200703
山にある神や仏や雪降り出す 市場基巳 200703
少年老ゆ奥は雪野へづづきけり 水野恒彦 200703
雪濡れのたてがみを梳く調教師 久保東海司 200703
定刻の雪の発着ままならず 久保東海司 200703
雪の闇屋号とろとろ灯るかな 割田容子 春燈 200703
古時計とよもす音や真夜の雪 割田容子 春燈 200703
日の芯の芯に納まり雪安居 割田容子 春燈 200703
塔のへつり雪への祈り諾ふも 割田容子 春燈 200703
野うさぎの足跡大き雪月夜 割田容子 春燈 200703
雪のこゑこころ平らに保つべく 割田容子 春燈 200703
雪道へ踏み出す思ひ初日記 横田初美 春燈 200703
細雪艇庫の裾を埋め尽す 久染康子 200703
雪の夜や壁に二連のたうがらし 吉田陽代 200703
展望室雪の孤島となつてをり 小嶋洋子 200703
十二峠曲る九十九に雪の嵩 門伝史会 風土 200703
兎の足跡雪に丸画き人の顔 門伝史会 風土 200703
赤啄木鳥の飛んで輝く雪けむり 門伝史会 風土 200703
人踏まぬ雪踏む越後一の寺 門伝史会 風土 200703
雲洞庵の土踏んだか雪降れり 門伝史会 風土 200703
雪こんこん姉が歌へばおとうとも 土井三乙 風土 200703
物書いていちにち耳に雪しづく 生田作 風土 200703
雪峠に鬼の目をする赤信号 丸山佳子 京鹿子 200703
太棹の糸切りし撥雪来るか 伊藤希眸 京鹿子 200703
史書に無き庶民文書を解く雪夜 奥村鷹尾 京鹿子 200703
雪のなき浪速に住みてしょっつる鍋 玉置かよ子 雨月 200703
雪舞ふや明日の旅立ち如何ならむ 神田一瓢 雨月 200703
舟の上に不易の雪の降らば降れ 小澤克己 遠嶺 200703
男滝かたまりの雪落ちて来し 山田六甲 六甲 200703
薔薇の花雪を冠りて庭にあり 山田六甲 六甲 200703
湯どころに住みて飛雪を寿げり 村越化石 200703
煌々たる電飾の町雪霏々と 太田絵津子 200703
はらからの一人逝きたる雪の葬 小林幸子 酸漿 200703
雪庇爆音たてて落ちにけり 長崎桂子 あを 200703
お日様に雪どけ託し今日暮るる 長崎桂子 あを 200703
雪の山桃色に染む朝ぼらけ 小田知人 ぐろっけ 200703
墨を磨るときの放心雪が降る 柴田佐知子 200703
雪の森はや恋鳴きの四十雀 坂上香菜 時流 200703
川蒼き嬬恋村や雪ごもり 坂上香菜 時流 200703
しづる雪に頭上注意の馬籠宿 坂上香菜 時流 200703
万葉の恋の蒲生野雪化粧 坂上香菜 時流 200703
寒気団南下の気配こぼれ雪 泉田秋硯 200704
風哭きし一夜の明けて雪景色 泉田秋硯 200704
風垣を鳴らせし雪も止めば白 泉田秋硯 200704

 満州事変

雪焼の兵士凱旋振る小旗

辰巳比呂史 200704
血に染みし二・二六の明けの雪 辰巳比呂史 200704
追伸のやうな遠雷雪熄める 木船史舟 200704
大鯉の口へ消え行く雪幾片 達山丁字 200704
三更の降りしきる雪無音界 和田照子 200704
雪遊び楽しみの子等に雪降らず 瀬尾幸代 200704
小止みなく降りしきる雪去年今年 宮入河童 200704
サッチモのだみ声親し雪しづか 北川隆子 200704
唄で越す早瀬いくつや雪見舟 鈴木漱玉 馬醉木 200704
なほ北へ北へと鉄路雪しまく 白井友梨 馬醉木 200704
書に朱線ふやして雪に籠りゐる 櫨木優子 200704
みちのくに雪来ぬうちに旅立たれ 千原叡子 ホトトギス 200704

 悼 飯田龍太先生

山攻めて雪代山女釣りに出づ

神蔵器 風土 200704
日々望む赤城嶺に雪遅れをり 鈴木石花 風土 200704
湖の面に雪の山々たたなはる 小林輝子 風土 200704
影もたぬものの蹤きくる雪月夜 小林輝子 風土 200704
蹼のかたちに窪むざらめ雪 小林輝子 風土 200704
神饌の魚より雪の匂ひかな 小林輝子 風土 200704
妙義より雪の下りくる露天風呂 菅原末野 風土 200704
陰雪を匿ふごとく樅籬 村越化石 200704
雪霏々と降るを飽かずに眺めをり 大沼トシ子 200704
夕刊のドサリと駅の雪しまき 三沢蘭 遠嶺 200704
雪晴れの空に描かむわが軌跡 川口襄 遠嶺 200704
惜別は雪と雪とのあはひかな 吉澤利治 遠嶺 200704
消せぬ詩のごと-天与の窓の雪 吉澤利治 遠嶺 200704
石山の岩屋潜りて深雪晴 川畑はるか 遠嶺 200704
和太鼓や急に広がる雪景色 柴田靖子 200704
万物の墓標でありし雪景色 鈴木勢津子 200704
天上へいつかは還る根雪かな 近藤喜子 200704
カンツォーネ遠くに流る窓に雪 竹中一花 200704
身じろがぬ大白鳥の雪を抱く 林陽子 万象 200704
雪の降るしじま綾織る筬響く 阿部月山子 万象 200704
番傘の和紙を切り貼る深雪晴 阿部月山子 万象 200704
蒲の葉でつくる雪沓網代編み 阿部月山子 万象 200704
生えかはる子の歯を投げる深雪晴 岡田宜紀 春燈 200704
鷽遊ぶ影雪上にこぼれをり 植竹美代子 雨月 200704
一輌車音なく発車雪の駅 植竹美代子 雨月 200704
虚子の文字なぞる久女の雪の墓 大石喜美子 雨月 200704
献体をせし弟の忌雪華舞ふ 塩山弓子 雨月 200704
トンネルを八つぬけ雪を汚さずに 丸山佳子 京鹿子 200704
今といふ刻は今しか枝の雪 丸山佳子 京鹿子 200704
雪のきて丘の木立のこむらさき 豊田都峰 京鹿子 200704
雪もやのまたからまつを生みにけり 豊田都峰 京鹿子 200704
一本のしらかばゆゑの雪の暮 豊田都峰 京鹿子 200704
禽しきり洋傘ひらけば雪時雨 丸山冬鳳 京鹿子 200704
雪の来て杉の山々肩を張り 丸山冬鳳 京鹿子 200704
句にひとりコーヒーは濃く雪借景 丸山冬鳳 京鹿子 200704
雪 →27      

 

2021年1月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。