雪 25     100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
三尺の雪掘り蒜の芽を掘りぬ 小松敏郎 万象 200606
谿の湯に女三人雪しまく 鍋島広子 万象 200606
男体山の縦縞太き雪の襞 鍋島広子 万象 200606
文字大き文学全集雪降れり 三谷道子 万象 200606
海しずか檜山に雪の降り積もる 冨松寛子 200606
吾が忌にはしんしんと雪降れよ降れ 宮澤さくら 遠嶺 200606
雪ぬいで目尻を下げし道祖神 吉田多美 京鹿子 200606
ついばみて体重ほどの雪こぼし 西村摩耶子 京鹿子 200606
雪の不二銭湯に朝湯はじまりぬ 瀧春一 瓦礫 200606
火の山の面て隠さず雪ふれり 瀧春一 瓦礫 200606
雪空に枯木は色を発しけり 瀧春一 瓦礫 200606
雪の淵雲のれにも淵の碧さ 瀧春一 瓦礫 200606
めぐり立つ雪山胸がどきどきする 瀧春一 瓦礫 200606
落葉松の無数の幹が雪を刺す 瀧春一 瓦礫 200606
風雪に身を屈するは快し 瀧春一 瓦礫 200606
風雪の中にしておもひきはめむこと 瀧春一 瓦礫 200606
風雪の底に親しき言交はし 瀧春一 瓦礫 200606
風雪の地を見てネオンの彩を見ず 瀧春一 瓦礫 200606
雪まみれの人ら昂り電車に満つ 瀧春一 瓦礫 200606
観世音寂たる雪の障子かげ 水野節子 雨月 200606
雪割つて太陽に手を貸してをり 工藤ミネ子 風土 200606
久々に雪の赤城に出合ひけり 広瀬敏子 酸漿 200606
かまくらに水神様の降らす雪 浅利恵子 ホトトギス 200607
かまくらに雪誇らしきものとなる 浅利恵子 ホトトギス 200607
雪しまき豁然と空あるはあり 後藤一秋 ホトトギス 200607
うつつへと雪の仙郷より還る 長山あや ホトトギス 200607
まつさらな雪に晒して越後上布 渡邊民子 200607
絶壁の上に絶壁雪の木曽 大西正栄 雨月 200607
遠山に雪の輝く干鰈 森脇貞子 雨月 200607
まだ花は蕾ぞ雪の岩手山 梶井和呼 酸漿 200607
赤い傘緋をふかめ来る細雪 山元志津香 八千草 200607
雪氷る東京の朝おづ怖づと 山元志津香 八千草 200607
姉見舞ひ肩へばさりと垂り雪 島田宣子 八千草 200607
新しき嶺あり胸に雪舟蔵ふ 小澤克己 塩竃 200608
雪空に裸足の嬰児母つよし 真木早苗 八千草 200608
おもちや箱飛び出し雪の街にをり 環順子 夢帽子 200608
雪山を越え来て燕光なり 三宅句生 馬醉木 200609
雪の下浮き立つ庭の夕間暮れ 道給一恵 遠嶺 200609
雪に遊ぶ声吾を見守る父が欲し 八田木枯 晩紅 200609
犬の毛にまで生のぬくみの雪おそろし 八田木枯 晩紅 200609
明治とほし琴弾く指と雪の路地と 八田木枯 晩紅 200609
声出して妻抱くや粉雪は地に隠る 八田木枯 晩紅 200609
雪は動き降る深淵の上といはず 八田木枯 晩紅 200609
吹き暮れて雪凍む峡は父祖の闇 永峰久比古 馬醉木 200611
旅の宿つつむ暮色に雪のこゑ 永峰久比古 馬醉木 200611
夫のなき歳月天は雪降らす 吉田陽代 200611
眼の幅に開け真夜中の雪明り 辻直美 200611
雪積みて来し車あり峠越え 稲畑汀子 ホトトギス 200612
星を見る旅は雪見となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200612
帰路のこと先づは案じてしまふ雪 稲畑汀子 ホトトギス 200612
雪しづり見て一泊の山の宿 稲畑汀子 ホトトギス 200612
知床の雪の大地の星として 稲畑汀子 ホトトギス 200612
夫婦鶴牧夫になじみはじめ雪 西村梛子 馬醉木 200612
牧広し月下の雪の蒼みつつ 西村梛子 馬醉木 200612
天の雪地の雪丹頂消しゆける 西村梛子 馬醉木 200612
雪を来るは鶴の化生の女かも 西村梛子 馬醉木 200612
尾の二つ恋の狐の雪まろげ 西村梛子 馬醉木 200612
雪はげし手旗振りては貨車通す 長谷英夫 馬醉木 200612
茅葺き家雪をふやして居直りぬ 宇都宮滴水 京鹿子 200612
千丈の滝なし落つる尾根の雪 中里カヨ 酸漿 200612
雪の夜は駅の通路に社会鍋 有働亨 馬醉木 200701
戦隊去り雪の天気図どこへ配る 澤田緑生 馬醉木 200701
旅心都心の雪を発ちてより 稲畑廣太郎 ホトトギス 200701
雪といふ吟行日和ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200701
雪深き地より来られしことを先づ 稲畑汀子 ホトトギス 200701
雪抜けて来しとは見えぬ装ひに 稲畑汀子 ホトトギス 200701
うばはれし自由といふは雪のこと 稲畑汀子 ホトトギス 200701
雪霏々と今別のこと考へず 稲畑汀子 ホトトギス 200701
星を見る会の雪見と記憶して 稲畑汀子 ホトトギス 200701
雪の沙汰聞けば聞くほど怖しく 稲畑汀子 ホトトギス 200701
旅心雪の東京発ちて来し 稲畑汀子 ホトトギス 200701
先づ雪を愛づる心となる旅路 稲畑汀子 ホトトギス 200701
景として見し雪踏んでをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200701
東京の雪の朝の旅立に 稲畑汀子 ホトトギス 200701
雪の朝雪のなき朝つなぐ旅 稲畑汀子 ホトトギス 200701
すぐ消ゆる雪を惜しめる地に住みて 稲畑汀子 ホトトギス 200701
旅立の雪はみそぎでありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200701
来られるや来られぬや旅雪押して 稲畑汀子 ホトトギス 200701
雪は見るものである間の過ぎ易く 稲畑汀子 ホトトギス 200701
覚悟とは根雪のやうなものならむ 前川明子 200701
雪降りてはしょられてゐる御祭 萩谷幸子 雨月 200701
目裏に金閣炎上今朝の雪 橋添やよひ 風土 200701
鶴川の雪を泣かせて釜の噴く 橋添やよひ 風土 200701
雪の灯やかまくらに似し家に覚む 渡邉友七 あを 200701
古暦なり晴朗と雪の庵 伊丹さち子 馬醉木 200702
朝の雪二月六日の月曜日 稲畑汀子 ホトトギス 200702
ホテルより二月の雪を見てをりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200702
流水の声は隠さず雪の谷 鷹羽狩行 200702
山頂に遭難の像雪つのる 大西八洲雄 万象 200702
白鳥の風雪に頸立てて浮く 大西八洲雄 万象 200702
命短し急がねば雪となる 田原陽子 200702
ひしひしと一人となられ雪便り 北川英子 200702
雪眩し鏡の奥の山並も 大畑善昭 200702
雪といふ魔物に整形外科医院 大畑善昭 200702
南国に三尺の雪剣山 臼杵游児 春燈 200702
散会のあとの座布団雪くるか 山尾玉藻 火星 200702
まぼろしの水車の音や雪籠る 村越化石 200702
雪冠り斜里岳近く見ゆる距離 加藤梅窓 200702
雪だより行かずじまひの会津より 目黒慧 遠嶺 200702
雪来るといふ予報なりかく晴れて 土井三乙 風土 200702
雪→26      

 

2021年1月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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