20     200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
好雪や母よりわれは古くなし 八田木枯 夜さり 200409
新しき歯刷子下ろす雪の朝 野沢しの武 風土 200410
タケカンバ踏ん張れ雪は重たいぞ 松山律子 六花 200410
また雪が来さうな空や野火匂ふ 長田秋男 酸漿 200411
雪の上に風の引き抜くねこじやらし 森屋慶基 風土 200411
義家のきびすを返す雪の濤 森屋慶基 風土 200411
雪の中六とせの痩せや御柱 中根美保 風土 200411
雪しんしん読み返しゐる罪と罰 内藤ゑつ ゑつ 200411
大雪になるかも知れず根深汁 内藤ゑつ ゑつ 200411
みちのくや山風夜ごと雪を呼ぶ 上杉静子 春燈 200412
九月はや黄竜は雪を纏ひ初む 梶井和呼 酸漿 200412
雪來るか十林寺村出て久し 佐藤喜孝 あを 200412
同行は笠にのりたる雪のこと 若井新一 200412
舟唄や水面のほかは雪づくし 藤原照子 200501
身のしまる静けさ雪になるらしき 古川洋三 遠嶺 200501
降る雪や三和土にのこる手毬唄 堀内一郎 あを 200501
母の名は雪激しさとはかなさと 堀内一郎 あを 200501
髪の根にのこるかなしみ雪降れり ほんだゆき 馬醉木 200501
日本てふ魚の背骨は雪連峰 品川鈴子 六香 200501
聖堂の雪うす汚れ宇宙塵 品川鈴子 六香 200501
雪峠木はそれぞれの癖あらは 品川鈴子 六香 200501
雪晴れのアルプス峨々と時差眠り 品川鈴子 六香 200501
機の窓にアルプス雪の総絞り 品川鈴子 六香 200501
九十九折れ雪路配達恋の文 品川鈴子 ぐろっけ 200501
山に雪野をおほふごと豆ぼつち 笹原紀世子 200501
雪のやうなジャケット映ゆるくに彦氏 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
雪深き地の消息として聞けば 稲畑汀子 ホトトギス 200501
すぐ止みて雪青空と入れ替る 稲畑汀子 ホトトギス 200501
雪止みて家居の時間止りけり 稲畑汀子 ホトトギス 200501
雪晴や受付嬢の片ゑくぼ 松橋利雄 春燈 200501
新発意の生国の雪語らるる 三由規童 雨月 200501
あをあをと星こぼれゐて雪後なる 岡本眸 200501
雪祭会津桐の実もう鳴らず 橋本榮治 馬醉木 200502
雪しづる次の垂りを誘ひつつ 橋本榮治 馬醉木 200502
雪積もる隣の屋根の近づきし 秋千晴 200502
積雪のどすんと話途切れけり 秋千晴 200502
白く雪はねむりぬ袋村 佐藤喜孝 あを 200502
まつすぐに白くなりゆく朝雪 佐藤喜孝 あを 200502
谷ごしにゐる雪リの鴉かな 佐藤喜孝 あを 200502
雪中を二三歩もどりたしかむる 佐藤喜孝 あを 200502
枝の雪日向ぼこりをしてをりぬ 佐藤喜孝 あを 200502
雪道逸る團體布團跨ぐやう 佐藤喜孝 あを 200502
雪國の旅あたたかしビル颪 佐藤喜孝 あを 200502
地震の跡雪降りはじむすぐ深深 早崎泰江 あを 200502
なりはひの足跡のあり雪の朝 寺門丈明 あを 200502
災いを被ふがごとく雪ふれり 芝宮須磨子 あを 200502
旅笠の一茶踏み出す雪の山 東福寺碧水 万象 200502
一夜にて浅間五合目深雪晴 新藤智子 帆船 200502
弥陀ケ原握りし雪の鳴りにけり 高橋将夫 200502
雪しまき炎心しづかなりしかな 高橋将夫 200502
駒ケ岳雪のアルプス遠望す 渋谷まさ江 築港 200502
夜半の雨静かに雪になりゐたり 竹山みや子 築港 200502
雪降れば定まる覚悟めきしもの 竹山みや子 築港 200502
起き伏しの舞台回りぬ雪降り来 竹山みや子 築港 200502
藻岩山山容隠し雪降り来 二口毅 築港 200502
雪の宿の太梁屋根を支へをり 西形佐太郎 200502
一の松二の松佐渡の雪白し 朝妻力 雲の峰 200502
日照雨過ぎやがて雪舞ふ暮れの街 池尻足穂 雲の峰 200502
雪垂松は姿勢を正しけり 渡辺美代 対岸 200502
雪を待つ畳みて仕舞ふものばかり 三浦香都子 対岸 200502
あかるくて眩しくて雪の故郷は 三浦香都子 対岸 200502
漬けてある樒に雪の二三片 山尾玉藻 火星 200502
トンネルを一ぬけ二ぬけて雪の界 丸山佳子 京鹿子 200502
がらんどうの宙は一色雪鴉 宇都宮滴水 京鹿子 200502
雪曇朝酒しるしばかりかな 林翔 200502
雪やこんこん声若からば唱はむを 林翔 200502
地震の地の訛まじりに雪便り 藤原照子 200502
重心を低く雪道踏みいだす 吉田陽代 200502
雪けぶる疎林のなかの家一つ 阿部ひろし 酸漿 200503
雪降るなか落葉松林つづくなり 阿部ひろし 酸漿 200503
雪咲けり神明宮の大欅 阿部ひろし 酸漿 200503
若狭路に雪の降るなか日の生るる 阿部ひろし 酸漿 200503
庭の雪掃くを蒿雀の待ちて鳴く 長田秋男 酸漿 200503
鶺鴒の啄む雪の積りゆく 岸野美知子 酸漿 200503
雪積むや音なき時を刻みつつ 小峯雅子 酸漿 200503
大雪や霧笛うするる熊野灘 小山香月 酸漿 200503
雪中に黒き帯なす梓川 岡光子 酸漿 200503
雪降れり改る年を隠すごと 北島上已 酸漿 200503
雪降りて年清浄の朝かな 増田久子 酸漿 200503
雪野原きらきらとある未踏の地 斎藤くめお 対岸 200503
人生まれ人死ぬ天地雪無限 石川琢之 対岸 200503
雪霏霏と反魂丹に艶の出る 関位安代 帆船 200503
大年を締めくくるごと雪降りぬ 國田ヤエ子 帆船 200503
降る雪や昭和史綴る光風荘 北圃愛子 帆船 200503
雪なくて欠伸そろへりスキー場 熊谷ゆり 帆船 200503
大雪に見舞はれ宿に夜更け着く 宍倉清子 帆船 200503
雪の庭こぼれし餌に小鳥来る 宍倉清子 帆船 200503
消ゆるため降る雪あはれ下総野 林翔 200503
鳥追といふ名四角き雪の室 能村研三 200503
雪晴や耳濯がれてゐるやうな 工藤進 200503
行きずりに雪の話のローカル線 内山恵美子 200503
雨粒のいくつも割れて雪しきり 内山恵美子 200503
到着の雪ふりこぼす湖西線 那須淳男 馬醉木 200503
夕翳る孤影しづかに雪の鷺 平子公一 馬醉木 200503
雪烟あげて竹馬倒れけり 工藤義夫 馬醉木 200503
東京の雪柔かし草城忌 中田みなみ 200503
菜に塩を振りて音出す夜の雪 中田みなみ 200503
比良に雪磨きあげたる鏡かな 近藤きくえ 200503
雪積んで地は空よりも華やげる 塩川雄三 築港 200503
二条より京三条の雪しまき 佐々木国広 築港 200503
雪に仰ぐ野口英世の父母の墓 松崎鉄之介 200503
空也生地と伝ふ本堂雪凍る 松崎鉄之介 200503
飯盛山雪の天守の二層見す 松崎鉄之介 200503
降る雪に柿の会津の柿のこり 宮津昭彦 200503

 中越地震の被災地見舞

雪舞ふに地割れの道路どろどろなる

阿部由紀子 200503

 中越地震の被災地見舞

けんちん汁作る流しに雪降り込む

阿部由紀子 200503
屋根の雪しづるひびきで家揺るる 甲田雅子 200503
雪まろげ知床五湖の一つみて 川野喜代子 雲の峰 200503
雪晴や峰峰を背に梓川 北島孝 雲の峰 200503
地の果ての雪に鉄路の響きかな 白石とも子 雲の峰 200503
遠嶺の雪こそよけれ娘は母に 丸山照子 火星 200503
雪の日やグリム童話の厚表紙 岡本眸 200503
絵らふそく深雪の町にえらびけり 松原ふみ子 200503
雪あそび吾子とおなじ名が呼ばれ 竹内弘子 あを 200503
雪あたたか夫のことまた母のこと 田中藤穂 あを 200503
雪の原犬は一途に少年追ふ 森理和 あを 200503
人の屋根綿雪積みて富むごとし 定梶じょう あを 200503
在郷の伯母大雪は切ねエてエ 篠田純子 あを 200503
雪の夜ピピピピピピと体温計 鈴木多枝子 あを 200503
汚れても雪は雪なり空青し ことり 六花 200503
醪泡彈けて増ゆる雪明り 岡村葉子 栴檀 200503
忘れたる夢あり雪の降りしきる 市堀玉宗 栴檀 200503
冠雪の間近き男三瓶雲の間に 浜田南風 200503
雪が鳴く飛騨路の雪を踏みゆけば 蒔田しをん 200503
大雪のうせて天守の黒光り 吉澤利治 遠嶺 200503
竹林の雪しなやかにくづし文字 吉澤利治 遠嶺 200503
透きとほるまで雪持つて泣いてをり 目黒慧 遠嶺 200503
雪降るや夜汽車のやうな信濃の灯 野口香葉 遠嶺 200503
雪に足とらるる野麦峠の碑 橋添やよひ 風土 200503
アルプスを背負ひて下ろす屋根の雪 橋添やよひ 風土 200503
嬬恋の字は十一雪まみれ 岩上とし子 200503
放下して杖固くもち雪浅間 岩上とし子 200503
雪止んで時の氏神電話鳴る 丸山佳子 京鹿子 200503
雪となる刹那の雲へサーチライト 丸井巴水 京鹿子 200503
降る雪の裏は暗闇鐘を撞く 丸井巴水 京鹿子 200503
初の雪心の創を増やしけり 阿部晴山 200503
新しき切株に雪積もりだす 有吉桜雲 200503
雪しづり音にいきなりどやさるる 伊藤白潮 200503
小包に雪雫あと届きけり 田原陽子 200503
向き合つて異口同音に雪のこと 飛鳥由紀 200503
母逝かせ給ひし夜々の雪ならひ 小澤克己 遠嶺 200503
骨片に雪片混じる朝の黙 小澤克己 遠嶺 200503
夜を駆け来し機関車の乗せし雪 清水真由美 遠嶺 200503
雪降つて山の明るさありにけり 長沼紫紅 200503
登校の列大小の雪合羽 大坪景章 万象 200504
鵯一声深雪の庭にひびきけり 金居欽一 万象 200504
あらたまの雪の上飛ぶ白矢かな 中條睦子 万象 200504
武家屋敷の見越しの松にしづり雪 桜井菜緒 200504
零下二十度羽毛の如く雪積る 大塚初江 200504
地ひびき立て生き物めける排雪車 川越勢津子 200504
雪五尺太郎そろそろ寝落つころ 須佐薫子 帆船 200504
病名はパリ症候群雪降れり 伊藤律子 帆船 200504
乾坤の雪曼陀羅となりにけり 大橋敦子 雨月 200504
海荒れの雪片に頬打たれたし 大橋敦子 雨月 200504
八十のいのち今あり雪霏々たり 大橋敦子 雨月 200504
浜焼のぬくみを買うて雪の中 石垣幸子 雨月 200504
一夜明け連山なべて冠雪す 松林順子 雨月 200504
冠雪の七峰染むる日の出かな 松林順子 雨月 200504
雪の降る何の構へもしてをらず 塩川雄三 築港 200504
越の旅雪除けスコツプ傘立に 佐々木国広 築港 200504
雪の熄む遠き嶺より照り初めて 佐々木国広 築港 200504
峡の家つなぐ電線雪を被て 佐々木ひさこ 築港 200504
雪晴に全容を見す伊吹山 柴田毅 築港 200504
雪晴の山野飽かずに見てゐたり 柴田毅 築港 200504
目を瞠る一夜に積みし雪の嵩 清水澄江 築港 200504
どか雪に空路鉄路はずたずたに 千田久美子 築港 200504
雪ひと日力尽きたるやうに止む 竹山みや子 築港 200504
雪を帰る銀行に用足し終へて 竹山みや子 築港 200504
通夜の触れ急いで回る雪晴間 辻川錫子 築港 200504
降る雪や三連隊に近き酒肆 伊東湘三 春燈 200504
木々の芽の育ち促す雪降れり 伊藤いな栄 酸漿 200504
雪積むや一年ぶりの母の墓 小黒加支 酸漿 200504
大雪の便りとどくも寒の明 山本康郎 酸漿 200504
銀貨落して白山の深雪かな 高橋将夫 200504
雨か雪かその前触れの風暗し 市場基巳 200504
福助はとはに坐しをり夜の雪 水野恒彦 200504
闇にして雪の速さを感じをり 水野恒彦 200504
黒豆を煮てをりふかふか雪の夜 雨村敏子 200504
目薬や雪の景色を引き寄せて 宇田喜美栄 200504
外は雪如来の像のふくよかに 谷村幸子 200504
閼伽井汲む鞍馬に雪のしづりつぐ 中川晴美 雲の峰 200504
ありなしの風に枝雪しづりつぐ 橋本恭二 雲の峰 200504
雪晴の海を鴎や青みつつ 伊藤たいら 雲の峰 200504
日本の木木に雪の香帰国せり 小松道子 対岸 200504
空堀の闇深深と雪降れり 伊藤以玖子 対岸 200504
朝日差しにこにこ笑ふ雪の面 関根義行 対岸 200504
いま墜ちさう雪庇に朝日届きけり 関根義行 対岸 200504
雪ぐれや伊吹明りの舫ひ舟 大山文子 火星 200504
カーナビは雪の峠を越せと言う 島本知子 ぐろっけ 200504
農機具の形そのまゝ雪つもる 井上加世子 ぐろっけ 200504
マスコツト雪のわんわんぬいぐるみ 丸山冬鳳 京鹿子 200504
人体のまだやはらかく雪が降る 直江裕子 京鹿子 200504
抽斗に和紙のつかへて雪となる 佐久間多佳子 京鹿子 200504
療窓に粉雪のもゆらちりちりと 禰寝瓶史 京鹿子 200504
大雪に楠の古木の幹太し 小田元 六花 200504
神杉の雪のこぼれて鴉二羽 二瓶洋子 六花 200504
雲水の薪焚く煙雪の山 辻恵美子 六花 200504
飛騨の里雪に転びし若さかな 長村雄作 六花 200504
雪の降る町や昭和のはやり唄 田村すゝむ 風土 200504
ロシア館に雪の匂ひのバラライカ 田村すゝむ 風土 200504
雪→21      

 

2021年1月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。