19     200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
積らずに吹く雪捨てるものあまた 及川茂登子 対岸 200403
赤べこをかるくたたきて雪の宿 野澤泰子 対岸 200403
天窓に雪の囁く深夜かな 吉原理夫 対岸 200403
ひねもすを雪積む湖の蕪村の忌 佐々木咲 草の花 200403
晴れのちにはか雪そして善光寺 名和未知 草の花 200403
日差しては降つては雪の久女の忌 伊東テル子 草の花 200403
せつせつと林檎畑に雪降れり 岩村立風 草の花 200403
母のこと雪の白さにたとへけり 高倉和子 200403
鶏冠の色の変はりて雪の舞ふ 小林朱夏 200403
雪飛ぶや張りどほしなる舫ひ綱 里中章子 200403
雪降つて三関の一不破の関 塩川雄三 築港 200403
暴風雪北海道が孤立して 河村岳葉 築港 200403
大雪が母を山家に閉ぢ込むる 岸直人 築港 200403
しばらくは楽しむ雪でありにけり 丸山敏幸 200403
どか雪に欠航つづく機長の葬 品川鈴子 ぐろっけ 200403
積雪が仕切りし棚田天に向き 上原口チヱ ぐろっけ 200403
山に雪ブティックに濃き彩ふえて 佐々木幸 200403
雪に置く魚や野菜や朝の市 佐々木幸 200403
競ふごと遠嶺雪置く昨日今日 坪井洋子 200403
但馬より雪の便りと土地のもの 藤井昌治 200403
坂に灯をつらね小樽は何時も雪 青野れい子 200403
雁のこゑほのめく雪夜明りかな 佐藤国夫 馬醉木 200404
雪はらむ風をそびらに牡蠣を打つ 前田青紀 馬醉木 200404
雪しんしん能登の手描の絵蝋燭 野中ちよこ 馬醉木 200404
ひらがなの名の町雪の舞ひはじむ 櫨木優子 200404
高圧線の夜泣きや雪の前触れぞ 泉田秋硯 200404
雪が降る無所属という狭間にも 坂井法 200404
粉雪やユトリロの手で街を刷き 浜田はるみ 遠嶺 200404
詠み人は雪の足らぬを嘆きをり 能村研三 200404
雪下し了へ梯子まで戻る腰 大畑善昭 200404
雪の壁ふはりと越しぬ鳥ごころ 菅谷たけし 200404
踏めば歔く雪畏れつも且つ楽し 菅谷たけし 200404
窓の雪にかざせる万華鏡の花 鎌田篤 雨月 200404
又雪となり来し吉野灯に戻る 大西正栄 雨月 200404
香煙を受けゐる背に雪しづれ 岸本久栄 雨月 200404
降り出しの雪洗心のおもひあり 金森信子 雨月 200404
雪となるらしき気配の空の色 小林佐江子 雨月 200404
網走の雪に鎮もる煉瓦塀 木村てる代 雲の峰 200404
湯畑は湯気も蒼しや雪日和 於久昭臣 雲の峰 200404
火の山や昨夜の雪のうす化粧 山元海郎 河鹿 200404
通されてしばらくひとり雪模様 土生逸磨 河鹿 200404
百畳の上座下座の雪明り 飯塚ゑ子 火星 200404
ここだけにいつも宿命よごれ雪 丸山佳子 京鹿子 200404
雪しづくきらりきらりと村富めり 豊田都峰 京鹿子 200404
日の映えて朝窓くつきり初冠雪 丸山冬鳳 京鹿子 200404
奥山へ雪の連山岳まはし 丸山冬鳳 京鹿子 200404
南朝にゆかりの城址雪降り出す 角直指 京鹿子 200404
雪降つて鼻たれ小僧とは地蔵 角直指 京鹿子 200404
お砂糖をまぶしたやうな雪の庭 笠間圭子 京鹿子 200404
女客去にし後追ひ雪降り降る 村越化石 200404
一室に人形もゐて雪二月 村越化石 200404
三尺の雪を均して楮晒す 宮川典夫 200404
硫黄山地熱で雪を解かしけり 大塚初江 200404
雪遊びを高き窓より母見守る 川越勢津子 200404
雪降つて音の遠のく一日かな 吉田順子 200404
袖濡るるは雪か泪か木偶の恋 延広禎一 200404
雪が来る仮死となりたるかたつむり 加藤富美子 200404
雪野原風の重たくなりにけり 谷口佳世子 200404
一舟に雪を被ぎて川漁師 楠翁 200404
行く人も見送る人も雪を踏む 早崎泰江 あを 200404
湯の中の竹酒ゆれて雪明り 吉成美代子 あを 200404
どこからか雪の華落つ音きこゆ 吉成美代子 あを 200404
竹の間の露地の行灯雪やまず 吉成美代子 あを 200404
湯の宿も茂吉の歌碑も雪の中 吉成美代子 あを 200404
修験道番外の山雪深し 平居澪子 六花 200404
杜深く縄文椿雪こぼす 田中佐知子 風土 200404
雪の田を鹿の足あと横切れり 田中佐知子 風土 200404
雪浄土和蝋を削る匠かな 南奉栄蓮 風土 200404
売地てふ杭一本に雪降れり 布施まさ子 風土 200404
純白の闇の止まる雪の村 柴田久子 風土 200404
雪中に藁のスカート穿く神よ 伊藤白潮 200404
もうすぐに黄色い雪の降るといふ 伊藤白潮 200404
雪の夜計算できぬ酔ひ加減 玉川梨恵 200404
老人のはしやぎて雪へ接岸す 風間史子 200404
雪降ればすぐ消え去りぬ安乗港 小山香月 酸漿 200404
モネ展を出づれば雪の乱舞なり 清水和子 酸漿 200404
妹の声なく過ぎて雪しげし 田宮勝代 酸漿 200404
母校かな渡り廊下に雪積んで 平岡千代子 百鳥 200404
灯りて本気の雪となりにけり 福井隆子 対岸 200404
雪降るやふくらんでゐる小銭入れ 道具永吉 対岸 200404
雪降れり雪を下ろせしその上に 井之口貢久 対岸 200404
梢まで雪に埋まつてしまひけり 根本成子 対岸 200404
いつせいに暗きを見上げ雪降り来 城間芙美子 対岸 200404
山門に雪の大路が入りゆけり 柴田佐知子 200404
雪しまき山を鳴らして山見せず 加藤白狼子 築港 200404
山国の雪踏み鳴らし童過ぐ 加藤白狼子 築港 200404
降る雪の暮れて斜めになつてきし 加藤白狼子 築港 200404
操車場雪を被りし貨車入る 鎌居千代 築港 200404
鳴呼大雪鶴裳の人徘徊す 稲本款冬子 築港 200404
里山は雪積み白髪翁と化す 稲本款冬子 築港 200404
朝戸開け庭の木立を雪覆ふ 上岡末喜 築港 200404
鈍色の空に舞ひ散る雪の片 大森玲子 築港 200404
雪一色足跡のこるけもの道 阪口久子 築港 200404
電柱をかり長靴の雪はらふ 辻川錫子 築港 200404
雪径と交叉してゐる獣みち 筒井圭子朗 ぐろっけ 200404
粉雪にすする粗汁真赤な手 福田かよ子 ぐろっけ 200404
口中に飴玉雪の奥比叡 橘沙希 月の雫 200404
堂塔を鎮め雪舞ふ奥比叡 橘沙希 月の雫 200404
雪止まず中華料理の卓回す 河合大拙 百鳥 200404
空港の動く歩道や外は雪 河合大拙 百鳥 200404
海べりの雪の硬さを思ひけり 堀木基之 百鳥 200404
足湯して雪の中なり薬師堂 竹内悦子 200405
雪積めり太郎も次郎ももう寝たか 山田をがたま 京鹿子 200405
顛末や雪より淡き月浮かぶ 荻野千枝 京鹿子 200405
トルソーの淡き陰翳深雪晴 大島寛治 雨月 200405
七岳のけふ歴々と雪晴るる 浅井青二 雨月 200405
攻防のさまの二岳や雪晴れて 浅井青二 雨月 200405
国栖奏や清らの雪のひとしきり 室伏みどり 雨月 200405
伊吹嶺の雪の厚きに日射すかな 加地芳女 雨月 200405
起きて雪眠りても雪生家かな 下平しづ子 雨月 200405
新発意の生国の雪語らるる 三由規童 雨月 200405
突然の雪にのせたる合格報 寺門武明 あを 200405
枝打ちてひよわき杉に雪が降る 泉田秋硯 200405
夜遊びの罰よと雪を急ぎけり 泉田秋硯 200405
真先に雪より現れし鉄亞鈴 泉田秋硯 200405
雪被き達磨となりし陶狸 友田直文 200405
雪地獄立志はみんな家を捨つ 岸田爾子 200405
戸を繰りて心も目覚む雪景色 瀬尾幸代 200405
静寂の支配下にあり雪の朝 伊藤稔代 200405
雪中の秘湯に猿の大家族 藤田かもめ 200405
起き抜けの心ならずも雪景色 片山茂子 遠嶺 200405
天国の友より雪の手紙つく 岡山満沙子 遠嶺 200405
うつすらと奥嶺の雪や大の文字 大槻球子 遠嶺 200405
雪滲みして連山の水墨画 内山恵美子 200405
すべて雪空白の間にゐるごとし 内山恵美子 200405
この辺りかつて海底雪野原 内山恵美子 200405
雪霏々とひと日を止まず野辺送り 淵脇護 河鹿 200405
手術せしまなこテレビの雪匂ふ 沼口蓬風 河鹿 200405
孫挑むセンター試験雪募る 沼口蓬風 河鹿 200405
北岳に雪を冠らせ火山噴く 徳田正樹 河鹿 200405
相聞の山ひめやかに雪化粧 山口奈代 河鹿 200405
雪しまく原子炉の海穂濤立つ 土生逸麿 河鹿 200405
電柱の等間隔の深雪かな 迫口君代 河鹿 200405
天渺々南の村の雪景色 山下繁子 河鹿 200405
奥山の照葉樹林雪来たる 九万田一海 河鹿 200405
みどりごに指握られてゐる雪夜 福井隆子 つぎつぎと 200405
しんしんと雪抽斗の開かぬなり 福井隆子 つぎつぎと 200405
梵天衆勢ふ束の間雪の止み 伊藤白潮 200405
真剣に答へて雪は降りやまず 玉川梨恵 200405
百年の檜伐らるる雪煙 酒井康正 百鳥 200405
クレヨンの一心に雪描きをり 徳永真弓 百鳥 200405
深雪晴牛へ解きやる草ロール 三浦のぼる 百鳥 200405
みちのくの雪の底よりメールかな 中村重雄 百鳥 200405
雪晴や会津藩領より戻る 石川英利 百鳥 200405
香煙の目にこそばゆし深雪晴 長沼三津夫 200405
谷汲山雪にこぼれし龍の玉 辻恵美子 栴檀 200405
郷愁の越の雪野に来たりけり 池田加代子 風土 200405
目の前に遭難の山雪しまく 久保英二 築港 200405
雪しまく仏名の山人を呑む 久保英二 築港 200405
峠道雪の襖に切り通す 久保英二 築港 200405
大雪の僧ゴム長で月参り 河村靖子 築港 200405
雪積んで撓む竹また跳ね上がる 印牧緑 築港 200405
雪に住み雪の楽しさ辛さ知る 印牧緑 築港 200405
一切の音絶ち雪の降りしきる 柄田喜美枝 築港 200405
日本海沿ひの町なり雪しまく 柄田喜美枝 築港 200405
白鶺鴒賽の河原の雪散らす 水原春郎 馬醉木 200405
鎮もりてしづもりて鴟尾深雪晴 長沼冨久子 馬醉木 200405
紐引けば鬼女となる木偶雪の夜 野坂民子 馬醉木 200405
落葉松の雪の蒼さよ紙を漉く 岸のふ 馬醉木 200405
雪積むや寝息もたてず嬰眠る 中島霞 ぐろっけ 200405
窓開けて見れば部厚き雪の壁 長谷川登美 ぐろっけ 200405
雪しづる音谺して獣道 福田かよ子 ぐろっけ 200405
雪のダムクレーン車並び首垂れり 福田かよ子 ぐろっけ 200405
分水嶺雪の荘川右左 福田かよ子 ぐろっけ 200405
雪五尺靴に縄巻き白川郷 福田かよ子 ぐろっけ 200405
越よりの雪湿りもつ一旅信 中川美代子 ぐろっけ 200405
廐出し雪の山脈彫深し 梶川智恵子 200406
時計台の四方の文字盤雪降れり 立石萌木 雨月 200406
高層ビル暗め名残の雪ふぶく 藤田誉子 雨月 200406
雪が雪押し出す軒の高さかな 小橋末吉 対岸 200406
満願寺仁王門より雪しづる 安藤重子 栴檀 200406
雪晴の人と出会はぬ散居村 五嶋吉人 栴檀 200406
雪しまき一乗谷の山隠し 五嶋吉人 栴檀 200406
雪積むや仏御前の庵あと 五嶋吉人 栴檀 200406
雪積んで供花の埋もれる墓三基 五嶋吉人 栴檀 200406
雪来るか切口匂ふ杉丸太 小橋末吉 対岸 200406
雪降るや醪の匂ふ酒造蔵 小橋末吉 対岸 200406
氷結の湖上に立てり雪けむり 五十嵐暢子 対岸 200406
雪垂松は姿勢を正しけり 渡辺美代 対岸 200406
東京の積らぬ雪に遭ひにけり 釜井瞳子 対岸 200406
まだ一人祈りの長き雪の寺 釜井瞳子 対岸 200406
麦とろや窓に音なき日暮雪 北川孝子 京鹿子 200406
しづり雪さらひて迅き峡の水 伊藤敬子 遠嶺 200406
深雪晴蝦夷にゐるさへ忘れをり 市橋香 ぐろっけ 200406
雪降りつづく教室の掛時計 辻兎夢 200407
一汁の接待優し雪の夜 舟橋千枝子 八千草 200407
樹霊どこに眠る雪降り積る夜は 栢森定男 風よ 200407
がばがばと新聞たゝむ雪止まぬ 栢森定男 風よ 200407
倖せが生まるる如く粉雪降る 栢森定男 風よ 200407
商の青きをならべ雪の上 栢森定男 風よ 200407
雪の句の選評のまた胸打てる 野沢しの武 風土 200408
昭和史の雪の思ひ出数多あり 橘澄男 山景 200408
阿夫利嶺の天狗の寝まる雪衾 橘澄男 山景 200408
雪の暮さばかるるもの何も無し 八田木枯 夜さり 200409
かたちなき物には雪のこぞり降る 八田木枯 夜さり 200409
纎きものは雪かと母に尋ねらる 八田木枯 夜さり 200409
年とつて雪の日ぐれや徒に過ぐ 八田木枯 夜さり 200409
數学はみじめなりけり雪被り 八田木枯 夜さり 200409
夜に降る雪こそ雪と思はるる 八田木枯 夜さり 200409
かたち見せ雪がふるふる夕がれひ 八田木枯 夜さり 200409
雪→20      

 

2021年1月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。