18     200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
句集成る頁ひらけば雪明り 禰寝瓶史 京鹿子 200305
雪野くる跫音は風の又三郎 荻野千枝 京鹿子 200305
緋はいつも思ひの端に雪景色 伊藤希眸 京鹿子 200305
綾とりや雪野を巡りまた明日 木山杏理 京鹿子 200305
雪潤む線路は美しき挽歌 矢野千佳子 京鹿子 200305
雪しきり鴉ふんばる佗といふ 矢野千佳子 京鹿子 200305
松が枝の影の伸びゐる深雪晴 二瓶洋子 六花 200305
崖下の観音堂へ雪消水 二瓶洋子 六花 200305
雪積るいちにち眼鏡捜しけり 三井孝子 六花 200305
前うしろなんにもなくて雪の舞ふ 菊谷潔 六花 200305
民話館覗く野犬の背ナに雪 物江晴子 八千草 200305
雪の野に涯あり燈二つあり 佐藤喜孝 あを 200305
覗き込む火口が粉雪押し戻す 柴田佐知子 200305
木より木へ何かが駈けて雪降り積む 萩原記代 200305
月明の雪あかりして最上川 杉山真寿 200305
雪の夜の眠らむとして耳さとき 糸井芳子 200305
門灯す雪の来さうな山の香に 山田弘子 草の蝉 200305
雪の闇C3出口より帰る 浦川聡子 水の宅急便 200305
手袋を拾ひたる間も雪降れり 浦川聡子 水の宅急便 200305
鉾杉の雪被て先が刃物めく 田中嘉代子 ぐろっけ 200305
雪霏霏といつもの道を医に通ふ 田中嘉代子 ぐろっけ 200305
雪の宿古び主たる自在鉤 中村和江 ぐろっけ 200305
するめ焼く香の立ち込めて雪の宿 池上幸子 200306
参道の雪の飛白となりにけり 大谷茂 遠嶺 200306
雪けむり奥の細道の畑中 今井久良子 酸漿 200306
大岳の四月の雪をまとひけり 鈴木幾子 酸漿 200306
山窪やものの芽を抱き雪を抱き 金山千鳥 酸漿 200306
雪割りをしてをり少年院の午後 高橋笛美 円虹 200306
尻敷毛皮の杣の下りゆく雪の沢 高橋峰村 200306
一夜風無手にて雪を持ち去れる 久保英二 築港 200306
初大雪皆忘れおり些事大事 横溝千代 八千草 200306
十字路に立てど何処も雪木立 岐部陽子 八千草 200306
雪しまき訪うサンタ村遠くなり 岐部陽子 八千草 200306
経験が剥落してゆく深雪晴れ 坂本敏子 京鹿子 200306
雪三寸無垢は束の間今朝の街 大井昌 京鹿子 200306
雪深き貧しき村を捨て得ざり 下平しづ子 雨月 200306
雪道の帰途に見出す吾の跡 恩塚典子 ぐろっけ 200306
百日の雪に耐へたる五寸釘 田中武彦 六花 200307
危なげが直ぐ嬉しげに雪への歩 山元志津香 八千草 200307
処女雪に顔埋めもしやデスマスク 山元志津香 八千草 200307
ぐい呑みの重さを愛でるささめ雪 山元志津香 八千草 200307
雪落つる音に目覚めり旅の宿 中島英子 八千草 200307
死期悟る亡父の便りや外は雪 香釈好以 八千草 200307
けがれなき雪を歩めり高野坊 谷合青洋 酸漿 200307
何処よりのじよんがら夜の雪の底 藤原照子 200307
つららごとせり出す宿の雪廂 藤原照子 200307
雪暮らし住めば都と妹の 伊藤真代 200307
深雪晴鵯の波打つかげ走る 梶川智恵子 200307
雪やんでみんなまあるくなりし景 梶川智恵子 200307
雪しづる深山はひとを虜にす 吉武千束 200307
雪となる宇陀のふかきに遠砧 塩路隆子 花衣 200307
雪晴の大山そそり三瓶坐す 竹下陶子 ホトトギス 200308
雲は夏手を洗ふべく雪掴み 岡本眸 200308
カルスト岩にそれぞれの雪帽子 陶山泰子 ぐろっけ 200308
掬ひたるバンフの雪の燦めけり 河井富美子 ぐろっけ 200308
天地の谺もなくて雪降れり 鈴鹿野風呂 京鹿子 200310
恐らくは降れば雪なる七竈 石昌子 ぐろっけ 200310
足跡の真直ぐに雪の納骨堂 池田光子 風土 200311
句碑守の白山霊峰雪が来て 能村研三 200312
単線の各駅停車雪しまく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200312
虚子句碑ののの字を消して雪しまく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200312
雪晴の都心渋滞麻痺転倒 稲畑廣太郎 ホトトギス 200312
雪晴の越の日差に射抜かれて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200312
雪晴の星と対話をしてをりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200312
雪晴の地層露に遺跡かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200312
窓越しの未明の樹々や雪時雨 内山千代子 帆船 200312
虚仮の世は虚仮の形にて雪化粧 西村純 200312
雪になるといふ蒟蒻の刺身かな 平井志都子 200312
雪霏々と一茶閨房日記かな 高千夏子 200312
雪降るや笑はぬ母は恐ろしき 柴田佐知子 200312
仰ぎみしのみにみるみる雪はげし 岡井省二 省二全句集 200312
猪食うて雪がふりこむ紙屋川 岡井省二 省二全句集 200312
雪晴の砂丘嗅ぎゆく狐なり 岡井省二 省二全句集 200312
追ひ付けさうで縮まらぬ雪の道 池田崇 200401
燠となる母の手紙や雪来るか 近藤幸三郎 風土 200401
竹人形雪待ち顔となりにけり 近藤幸三郎 風土 200401
啄木の川や初冠雪の山 根岸善行 風土 200401
神杉の空を奪ひぬ雪絣 岡本まち子 馬醉木 200401
御廟所の灯りてよりの雪はげし 岡本まち子 馬醉木 200401
遠岳に雪緬羊のあまえ声 岡本まち子 馬醉木 200401
峠まで雪来てゐたり子守唄 西川織子 馬醉木 200401
新聞少年の雪の足跡光るなり 藤井彰二 馬醉木 200401
三界に雪最終便出てしまふ 奥田筆子 京鹿子 200401
雪霏霏と山の裾野の珊瑚礁 須佐薫子 帆船 200401
夜の雪に色あり我の宵張り 須佐薫子 帆船 200401
雪積り丸太の橋のなほ丸く 菊地嘉江 帆船 200401
メモリーを増やせば雪のちらつきぬ 山田六甲 六花 200401
立山の雪軋ませて始発バス 坂田洋介 雲の峰 200401
上州路初冠雪の峰一つ 小浦遊月 酸漿 200401
風見えて雪のひとひら大いなる 佐々木幸 200401
雪積んで朝の胸乳の青さかな 小山徳夫 小春の山河 200401
彫り終へて鑿をことりと雪の夜 小山徳夫 小春の山河 200401
鳥海山海に裾曳く雪を被て 黒坂紫陽子 馬醉木 200402
初冠雪思はず両手合はせけり 長沼冨久子 馬醉木 200402
深雪より白さまさりて鶴の舞 鷹羽狩行 200402
露天湯の出入りに踏んでささめ雪 鷹羽狩行 200402
刃を入れしごとき一川雪野原 鷹羽狩行 200402
梢みな箒びらきに深雪晴 鷹羽狩行 200402
凍雪を踏みて入日の濃き方へ 鷹羽狩行 200402
鬼瓦まなこ大きく雪降れり 石平周蛙 対岸 200402
がやがやと雪の道きて納骨す 藤井美智子 対岸 200402
雪を待つ枯原手持ち無沙汰なり 根本成子 対岸 200402
粉雪に変はりしこれは積もる雪 根本成子 対岸 200402
終点は雪に沈みてすべり台 根本成子 対岸 200402
深雪晴紙干板は出尽くしぬ 岩木茂 風土 200402
漉小屋の玻璃戸の桟に積もる雪 岩木茂 風土 200402
漉きあがる紙の嵩なす雪明り 岩木茂 風土 200402
冬眠は母の胎内雪降れり 木村みかん 200402
にはとりのまなぶた重くとぢて雪 坂ようこ 200402
縮れ毛や雪の目安は一度以下 小田切陽子 帆船 200402
雪の峡音のすべてを密閉し 塩川雄三 築港 200402
西吉野東吉野と雪降れる 塩川雄三 築港 200402
霊枢車出づや散華と雪の舞ふ 島本よし絵 雨月 200402
雪しまく母逝きし子に涙して 島本よし絵 雨月 200402
三千院カーブミラーも雪菩薩 丸山佳子 京鹿子 200402
ひざまでの雪に五六歩ああ神様 丸山佳子 京鹿子 200402
大雪をめくれば玄き山河なり 豊田都峰 京鹿子 200402
白ばかり集めて疲る雪の里 宇都宮滴水 京鹿子 200402
残りたる夜来の雨は雪で止む 東亜未 あを 200402
女湯の湯気がぼうぼう雪の山 山田六甲 六花 200402
水雪の加賀や蕎麦湯に間のありて 中村房枝 六花 200402
一夜にて武尊岳ほたかの雪の村に積む 中澤文次郎 200402
湯けむりの中深々と雪降りぬ 森木久美 雲の峰 200402
白煙をほのかに上げて雪浅間 阿部ひろし 酸漿 200402
谷の湯や夜明の雪にかなしき灯 阿部ひろし 酸漿 200402
雪の景目の前にあり雪ななめ 阿部ひろし 酸漿 200402
谷に川あり橋のあり雪降れる 阿部ひろし 酸漿 200402
まなかひに樅枝を延べ雪降れり 阿部ひろし 酸漿 200402
雪風の中の六道輪廻かな 阿部ひろし 酸漿 200402
石庭に粉雪が舞ふ坊泊り 城戸愛子 酸漿 200402
鬼押出し岩累々と雪のせて 大里快子 酸漿 200402
彫り深き筆勢なぞる雪明り 能村研三 滑翔 200402
銀山は雪の底ひに過客たり 能村研三 滑翔 200402
鶏の足跡雪の穂高宮 長谷川鮎 ぐろっけ 200402
知恵の輪をくぐる足跡雪くぼみ 長谷川鮎 ぐろっけ 200402
雪まとふ多摩の横山に初日さす 阿部ひろし 酸漿 200402
時雨いつ雪へと化すや奥信濃 宮入河童 200403
鶏鳴も悲鳴に似たり雪くるか 岸田爾子 200403
国生みの峰に雪来る展墓かな 淵脇護 河鹿 200403
妻に和す聖地の祈り雪となる 徳田正樹 河鹿 200403
灯火のもとに灯火色の雪 高橋将夫 200403
峰に雪降らしめて神遊びをり 水野恒彦 200403
身を寄せて父の爪切る外は雪 谷村幸子 200403
浪ひとつ跳ねて遠嶺に雪はじめ 小澤克己 遠嶺 200403
鼎談のひとりひとりに雪明り 山尾玉藻 火星 200403
水音の巡れる雪の日暮かな 山尾玉藻 火星 200403
湖畔の宿奏でる碑あり雪の中 若本彰子 酸漿 200403
弥二郎の歌碑に維新や雪しづり 谷寿枝 酸漿 200403
湯泊りの明けて一面雪景色 岡久枝 酸漿 200403
夜叉五倍子の実の黒々と雪降れり 三村武子 酸漿 200403
アイゼンに凍り付く雪蹴り下る 伊藤いな栄 酸漿 200403
山頂に立てばまぢかに雪浅間 伊藤いな栄 酸漿 200403
酔残る朝の目覚や雪景色 山村修 酸漿 200403
雪中を黒々と立つ秋田杉 松崎鉄之介 200403
どか雪と四つに組みたるまま暮るる 村越化石 200403
山なめて喪に服すごと雪夕焼 村越化石 200403
暮夜われに光背なせり雪満月 村越化石 200403
雪ん子よ津軽じよんがら女節 小山梧雨 200403
十二単衣の如く雪積む小町の温泉 金升富美子 200403
オーロラの撮影夫と雪に住む 大塚初江 200403
手のまつか鼻のまつかに雪はらひ 菊谷潔 六花 200403
風流の極みは寒き今朝の雪 菊谷潔 六花 200403
雪に足とらるる野麦峠の碑 橋添やよひ 風土 200403
アルプスを背負ひて下ろす屋根の雪 橋添やよひ 風土 200403
雪霏々と分骨の我が湯呑壺 須佐薫子 帆船 200403
雪ねぶり背中の釦多すぎる 須佐薫子 帆船 200403
松明の列滑り来る雪の山 田中藤穂 あを 200403
猿年のふるまひ酒を雪の駅 田中藤穂 あを 200403
雪溶けて小さな百合と言はれ見る 須賀敏子 あを 200403
大雪の日々に馴れしと子の電話 綿谷美那 雨月 200403
雪を積む極楽橋を誰も行けず 高垣和恵 雨月 200403
山襞の影のごとくに雪ありぬ 高垣和恵 雨月 200403
千枚田視野全開の深雪晴 山田天 雨月 200403
雪踏みて柿の一樹に道通す 朝妻力 雲の峰 200403
雪の夜の誰か打ちゐる藁砧 北吉裕子 雲の峰 200403
深雪晴鳶弧を低く飛びきたり 北吉裕子 雲の峰 200403
住み旧りて八尾の雪を諾へり 北吉裕子 雲の峰 200403
昼も灯をともせし八尾雪しまく 北吉裕子 雲の峰 200403
夕汽笛雪をまとひし峯ひとつ 木下節子 雲の峰 200403
雪晴や巴の紋の鳥衾 祐森省造 雲の峰 200403
輩の背の雪払ふ別れかな 祐森省造 雲の峰 200403
赤坂の私小説めく雪の朝 久保一岩 雲の峰 200403
追分の雪に光らぬ枝もなし 堀田知永 雲の峰 200403
雪の来る気配や甥の忌を修す 堀田知永 雲の峰 200403
雪踏んで北極圏へ降り立ちぬ 十河恭子 雲の峰 200403
要塞に並ぶ大砲雪しまく 十河恭子 雲の峰 200403
先客の湯桶の響く雪の宿 中村克久 雲の峰 200403
雪の夜のビル透明な昇降機 能村研三 200403
男には肩の稜線雪来るか 能村研三 200403
深雪村つらぬき玉と響く水 吉田明 200403
手鏡ほど余呉置き見はるかす深雪 北川英子 200403
裏八ヶ岳の峰の薄雪酒香る 矢崎すみ子 200403
見し夢と打つて変りし今朝の雪 増渕ふさ子 200403
目つむりてお手植松の雪しづれ 丸山佳子 京鹿子 200403
かにかくにもの言ひつくす雪柩 宇都宮滴水 京鹿子 200403
歌留多札はじき飛ばして雪を呼ぶ 柴田朱実 京鹿子 200403
雪が降る走り根石を噛みしまま 小橋末吉 対岸 200403
深雪晴ぽかんと暗き樹の根元 小橋末吉 対岸 200403
廃船の傾く河口雪降れり 岡崎桂子 対岸 200403
積らずに吹く雪捨てるものあまた 及川茂登子 対岸 200403
雪 →19      

 

2021年1月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。